目次
はじめに
あなたはシールド・トリガーの能力を持つカードが現代デュエル・マスターズにおいて何種類存在するか分かりますか?
私は分かりません。
このシールド・トリガーという能力はデュエマの最初期から存在するキーワード能力であり、この能力を持つ新しいカードもどんどん増え続けています。
デュエル・マスターズを一度でもプレイしたことのある人ならばこの能力を知らない人はいないでしょう。
今回はシールド・トリガーに関するルールについて詳しく見ていきましょう
シールド・トリガーとは
知らない人はいないとは思いますが、改めてシールド・トリガーというものはどういう効果なのか説明します。
シールド・トリガーはブレイクなどでシールドが手札に加えられるとき、そのカードを対戦相手に見せて宣言することで、即座にコストを支払わずに使うことができる能力のことです。
複数の シールド・トリガーを持つカードがシールドから手札に加えられる場合、使用するカードを対戦相手に見せて宣言を行います。それらのカードは一度手札で待機状態となり、その後、通常と同様に処理さ れます。
呪文であれば「この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい 」と書かれていますし、クリーチャーであれば「このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい 」と書かれていることから分かるように、シールド・トリガーの処理は呪文であれば呪文の効果解決まで、クリーチャーであれば召喚するところまでです。
クロスギアであればジェネレートするところまでが本来シールド・トリガーの処理なのですが、《インフェルノ・シザース》などの一部のクロスギアが持つ「S・トリガーX」という能力ではクロスするところまでコスト支払わず使用することができます。 またバトルゾーンに出たことによって誘発する効果は別個のイベントとして扱います。これはクロスギアのジェネレートやフィールドを展開する事についても同義です。
具体例1
シールド・トリガーの処理は呪文であれば呪文の効果解決まで、クリーチャーであれば召喚するところまでとのことですが、これが影響する場面として具体的には次のような状況が考えられます。
シールドを2枚同時にブレイクされ、その時手札に加わったカードが《アポカリプス・デイ》と《ミケニャンコ》だったとします。
このときどちらのシールド・トリガーを先に解決しても構いませんが、どの順番で処理をしたとしても、《ミケニャンコ》のバトルゾーンに出た時の効果を使用できるのはシールド・トリガーの処理がすべて終わった後です。
バトルゾーンにいるクリーチャーが4体しかいないから《ミケニャンコ》の効果で墓地のクリーチャーをバトルゾーンに出してクリーチャーの合計を6体に増やし、その後《アポカリプス・デイ》の効果を使用するというようなことはできません。
しかし、バトルゾーンに5体のクリーチャーがいて、《ミケニャンコ》を先に出すことでクリーチャーの数を6体にしてから《アポカリプス・デイ》を唱えるということは問題なくできます。
クリーチャーと呪文のシールド・トリガーを同時に発動させる場合、呪文の処理を優先すると勘違いしている人がたまにいますが、別にそんなルールはありません。クリーチャーのシールド・トリガーを先に使用しても、それがバトルゾーンに出たときに誘発する効果の解決は他のシールド・トリガーの効果解決後になるというだけです。
具体例2
クリーチャーの効果の解決は、他のシールド・トリガーの処理を解決した後になると説明しましたが、それはあくまで誘発型能力の場合です。召喚した時から即座に効果を発揮する常在型能力であれば、当然召喚した瞬間から効果が適用されます。
自分のバトルゾーンに《星龍パーフェクト・アース》が存在し、自分のシールドがすべてシールド・トリガーになっているとします。
その状態でシールドを2枚同時にブレイクされ、その時手札に加わったカードが《古の羅漢バグレン》と《ピコット・ミサイル》だったとします。
このとき《古の羅漢バグレン》から先にシールド・トリガーの処理を解決することによって、先に《古の羅漢バグレン》の能力を適用させることができます。
その後《ピコット・ミサイル》のシールド・トリガーの処理を解決することで、 タップされている相手のクリーチャーのパワーがすべて-1000された後で3000以下のクリーチャーを破壊するということができます。
具体例3
ここまで読めば分かった人もいるでしょうし、もともと知ってたという人もいるでしょうが、シールド・トリガーは「トリガー」という名前を持ち、また能力の注釈にも「シールドゾーンから手札に加える時」と記されていますが、実は誘発型能力ではありません。
実際は手札に加えるときにすぐにプレイできるという常在型能力です。
そのため一つの効果処理の中に割り込んで使用することができるのです。
例えば《音感の精霊龍 エメラルーダ》を召喚し、バトルゾーンに出たときの能力を使用したとします。このときに《音感の精霊龍 エメラルーダ》の効果で手札に加えたシールドのカードはシールド・トリガーの能力を持っていたとします。
《音感の精霊龍 エメラルーダ》のバトルゾーンに出たときの能力は、シールドを1枚手札に加えた後、手札をシールドに置くところまでが一つの効果処理です。そのため、このときに《ラ・ズーネヨマ・パンツァー》の「カードがシールドゾーンを離れたとき」の能力など、他のカードの効果が誘発していたとしてもその効果は一度待機状態になり、即座には解決されません。これらの誘発型能力は、「その後、自分の手札を1枚、裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置いてもよい。」 という処理が終わった後に効果を解決することになります。
しかし、シールド・トリガーはシールドを手札に加えたときに誘発する誘発型能力ではありません。
そのため、《音感の精霊龍 エメラルーダ》の「その後、自分の手札を1枚、裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置いてもよい。」という効果の解決よりも先に割り込んでシールド・トリガーの処理を解決することができます。
具体例4
シールド・トリガーはその効果の性質上、まるでシールドゾーンから直接カードをプレイしているように思われるかもしれませんが、実際には手札からプレイされています。
これが影響する場面として具体的には次のような状況が考えられます。
《邪眼皇アレクサンドルIII世》と 他のナイトが自分のバトルゾーンに存在する時にシールドをブレイクされ、そのカードが《デーモン・ハンド》だったとします。
このとき《デーモン・ハンド》は手札からプレイされているという扱いのため、《邪眼皇アレクサンドルIII世》の能力を使用し山札から《デーモン・ハンド》を唱えることができます。
具体例5
クリーチャーのシールド・トリガーであっても呪文の場合と同様で、手札からプレイされていることになります。
《星龍パーフェクト・アース》が存在し、自分のシールドがすべてシールド・トリガーになっているとします。その状態でシールドをブレイクされ、シールドにあった《スパイク・スピーゲル》がシールド・トリガーの能力を使ってバトルゾーンに出たとします。
しかしそれは一度手札に加わってからバトルゾーンに出ている扱いのため、「手札以外のどこからでもバトルゾーンに出たとき」という条件は満たせず、カードを2枚引く能力は使用できません。
おわりに
シールド・トリガーはデュエマの最初期から存在する能力なだけあって、これらの基本的なルールについては問題なく理解しているという人も多いと思います。
しかし反対に、最初期から存在する能力だからこそ、その細かいルールは昔と変化している部分もあります。
デュエル・マスターズは変化し続けるゲームです。根本的な部分は変わらずとも、細かい部分ではルールも時代によって少し変わっている場合があります。
だからこそ、自分では充分理解しているつもりであっても、現代デュエル・マスターズのルールについて改めて理解を深める必要があるのです。
まあ、かく言う私も今のルールが変化していたことに気付いておらず、過去のルールのままだと思っていた経験はあるので偉そうなことは言えないんですけどね。