目次
0.はじめに の前に
ガチまとめご担当者様には以前の記事等で色々とご質問をさせて頂きお手数をおかけしました。
本記事につきましても、一応遊戯王関連ではありますが記事にして問題がないかご質問させて頂いた所を快諾して頂きありがとうございました。
1.はじめに
皆様どうも、ぜくせろです。
普段はYoutubeとニコニコ動画で「とにかくフィーリングでデュエル!」というデュエル動画を投稿しております。
早速ですが、皆様は「デュエル動画」を視聴しますでしょうか。
今や色々な動画があり、動画毎に見映え、ユニーク性、デザイン等が異なり、どの動画を見ても見飽きないと思います。
私も色々なデュエル動画を視聴しており、いつも新作が上がる度に「今回はどんな動画だろう?」とワクワクしております。
さて、そんなデュエル動画ですが、皆様は「どうやってデュエル動画が作られているか」気になったことはありますでしょうか。
本記事は私が実際に動画編集をし、完成するまでをまとめたものとなり、「クリエイターの皆さんはこういうことをして頑張って動画を作り、皆様へ向けて配信している」という事が伝わる切っ掛けになればと思い執筆しております。
少しでも、クリエイター全員の頑張りがデュエル動画視聴者の皆様に届けば幸いです。
2.ざっくりとした全体の流れ
今回は以前執筆した記事、「ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン」を使いたいでご紹介したデッキを使った動画を編集していきます。
ちなみに完成した動画はyoutubeはこれ、niconicoはこれです。
さて、編集ソフト等の環境や、編集の仕方にもよるとは思いますが、デュエル動画を投稿するまで大体以下の手順を踏むと思います。
①動画撮影
②撮影動画の確認(事前ルールミスチェック)
③カット&倍速編集
④ライフ・対戦者名・アイコン等挿入
⑤カード画像挿入
⑥カードテキスト挿入
⑦エフェクト挿入(リンク召喚とか、融合召喚とかの演出等)
⑧効果音挿入
⑨BGM挿入
⑩テロップ・注記挿入
⑪ライフ変動
⑫編集動画最終確認
⑬サムネイル作成
⑭エンコード
⑮動画サイトにて投稿
⑯Youtubeの場合は前回動画・お勧め動画などの設定、ニコニコ動画の場合はマイリス・シリーズ登録
です。
改めて書き起こすと、やることが多いな!!
もっと言うと、動画撮影のためにデッキ構築とか、スケジューリング、カード画像の用意、BGMや効果音の用意等の下準備もあるのですが、とりあえずここでは触れないこととします。
デュエル動画は「カードゲームの対戦動画」ということで、特にテキストや画像の多い動画となります。
その為、みなさんが思っているよりも時間がかかって製作されております。
(いや、本当に想像以上に時間がかかってます。)
では、この各内容について、少しずつ噛み砕いて解説していきます。
なお、編集ソフトの使い方については触れずに、ザックリ何をしているかのみをご紹介していきます。
また、編集の仕方や順番も動画毎に違うと思いますので、あくまでも弊動画ではこうしているのだとお考えください。
3.撮影~確認
まず、動画を撮影しなければ話が始まりません。
弊動画はなんとなくで撮る事もありますが、「このカードを見せた動画を撮りたい」、「新弾のテーマを使った動画を撮りたい」等、テーマを決めて撮影します。
対戦を撮影し終わっても、やりたいことができていない、見せ場が少ない…等の場合、編集してもつまらない動画になると判断し、撮り直すことが多々あります。
(これはどこの動画でもそうだと思います。特に有名な動画は何回も、下手をすると何十回もリテイクしていると思います。)
リテイクを重ねて満足のいく動画が撮影できた後、動画を確認します。
致命的なルールミスがあると、それだけで没になってしまいますので細かく確認します。
まぁ、それでも漏れちまうルルミもあるんだけどな!
ルルミの精査してくれるAIの開発が待たれます。
チェックが終わり、大丈夫そうであれば次のステップに移ります。
4.カット&倍速編集
ここからは編集ソフトの出番です。
なお、弊動画では「Aviutl」というフリーソフトを使用して動画編集をしております。
記事内で記載する内容、画像についてはAviutlを使用したものでの記載となりますのでお含み置きください。
まず、撮影した動画は30分~1時間など、そこそこ長いことが多いです。
そこで、余分な部分を、具体的には動画全体のテンポが悪くなる部分を削っていきます。
更に具体的な例を挙げると、以下のようなものが該当します。
①どう動かそうか、チェーン発動すべきか等の様々な「思考時間」
②長い効果処理時間(例えば《貪欲な壺》の効果でカードをデッキに戻してシャッフル、相手にカットしてもらう…という処理)
③無駄な会話(面白かったら採用しますけど)
等。
これらはそのままにしておくと、動画としてのテンポが悪くなりますのでこの辺りをザクザクと早送りしたりして削っていきます。
カット/倍速編集前
全体で14分程。
カット/倍速編集後
削り終わった動画の時間を確認すると、動画が11分程になりました。
この動画はまだ優秀な方で、過去の動画で40分の動画を10分に短縮したことがありました。
(思考時間がメッチャ長かった。)
人によるとは思いますが、動画全体の長さは10分~長く20分程が良いと思っていますので、なんとか20分以下になるように縮めます。
縮め終わったら、次のステップに移ります。
5.ライフ・対戦者名・アイコン等挿入
上記画像のような、名前、ライフポイント、アイコンなどの表示です。
これがあるとかなり見栄えが変わります。
というか、これがないと動画の特色が出ませんよね…
弊動画では、某ハイカラなゲームライクなカラーリングで表示しています。
6.カード画像・テキスト挿入
鬼門です。
(…と感じるかは個人差アリ)
カードを何か使う度にカード画像を挿入し、更に効果を使う度にそのテキストを挿入します。
うわ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!111111
めんどくせ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!1111
※下記画像は《V・HERO ヴァイオン》を召喚している際の状況。
※下記画像は《V・HERO ヴァイオン》の効果を発動している際の状況。
当然なのですがコレがある・ないで動画全体の見映えが全く違います。
とても地味で面倒くさく、且つ根気がいりますが、欠かすことができない作業です。
この画像・テキストの表示の仕方は動画によって異なり、それぞれの動画の特色が出る部分でもあります。
※下記画像は、数分前に1度《地獄門の契約書》を発動している状況で、再度 《地獄門の契約書》 の契約書の効果を発動した際に、同じ効果テキストを表示するのがクソ面倒なので、カード名だけで簡易表示して誤魔化している図。
6.エフェクト挿入
何か特別な表現をしたい際に使用するやつです。
具体的には、例えば弊動画ではターン交代時には下記のようなエフェクトを、
召喚口上を言っている時等、エースモンスター的なやつを召喚する際にはゴゴゴゴゴ…
といったようなエフェクトを挿入しています。
7.効果音・BGMの挿入
カードをセットした時や、カードが破壊された時等の効果音を挿入します。
これも地味で面倒くさい作業ですが、動画のクオリティに大きく関わる部分ですので、これも欠かせない作業です。
また、動画に流すBGMも挿入します。
音楽があると雰囲気がガラっと変わりますので、あった方が良いと思います。
展開・盤面の進行と共に緊迫したBGMとか、さわやかなBGMとか選定すると、見栄えに直結するので結構大事な部分です。
弊動画ではあまり気にしてませんが。
8.テロップ・注記挿入
ルール上分りにくい箇所の解説や、万一ルールミスがあった際の注記などを挿入します。
下図は辛うじてルールミスを回避していた際のテロップ表示。
また、表示したら面白いなと思う字幕も挿入します。
9.ライフ変動
遊戯王は相手のライフを0にしたら勝ちってルールなので当然ですが、回復したり、ダメージを受けたりでライフポイントは戦況と共に変化していきますので、ここの表示も都度変えていきます。
10.サムネイル作成
動画で重要なサムネイルを作成していきます。
今回の動画はこんな感じです。
ちなみに、普通は画像編集ソフトでサムネを作るのだと思いますが、私は画像編集ソフトで作るよりも動画編集ソフトで作った方が楽と感じている為、実はサムネ作成も全て動画編集ソフトでやっています。
11.最終確認
編集ミスが無いか、見落としているルールミス、致命的なプレイミスが無いか最終確認します。
大丈夫そうであれば動画をエンコードします。
12.エンコード
《エンコード・トーカー》じゃないよ。
編集した動画を出力(&圧縮)します。
現状は元となる動画に字幕やら画像やらを上乗せして表示しているだけで、ちゃんとした1本の動画に再構築させます。
お絵描き的に言うと100レイヤーぐらい使って描いた絵をPNGとかJPEGにして1枚絵として保存って感じです。
なお、その際に動画サイトによって投稿できる動画の最大容量が決まっていますので、それに合わせて圧縮もさせます。
Aviutlは「x264出力」ってやつが再構築と圧縮を平行してやってくれるので便利です。
なお、私の環境だと、15分の動画をエンコードするのに1時間近くかかります。
終わるまで気長に待ちましょう。
13.そして投稿、その後のもう一仕事
完成した動画を、動画サイトに投稿して作業完了です。
…と思いきや、もう一仕事あります。
ニコニコの場合はマイリス登録、シリーズ登録をします。
youtubeの場合は終了画面の設定をします。
これでやっと、本当に終わりです。お疲れ様でした。
14.おわりに
長々とした纏まりの無い文章をここまでお読み頂きありがとうございます。
この10分の動画が完成するまでの所要時間を計測していたのですが、(エンコード時間を除いて)ザックリ4時間ぐらいでした。
え、10分の動画作るのに4時間ってマ!?
…と言いますか、もっと言うとコレはまだ早い方で、5時間とか10時間とか平気でかかることが多いです。
また、他の編集者様の話なのですが、何十時間もかけて20分の動画を作ったと聞いたことがあります。
当然ですが、凝れば凝るほど時間はかかっていきます。
クリエイターの皆さんはメチャメチャ頑張って、動画を投稿しているんだよっていうのが少しでも伝われば幸いです。
また、動画製作に興味が出た方が居ましたら、お気軽にお声かけください。