はじめに
こんにちはあーくんです。みなさん、2ブロック環境、楽しんでますか?
権利戦も始まり、各地でCSも増えてきたようですね。盛り上がっているのであればなによりです。
まだ今年は実質新1年目ですので構築や大会に対して慣れない人もたくさんいることと思われます。
さて、前回の記事で説明した5月環境から8月環境に移り変わるに際し、大きく2つの変化が起こりました。
その2つが 「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」のリリースと、殿堂発表です。
「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」により、いくつかのデッキが強化されましたが、その中で最も重要なカードの1つが《超楽識 フミビロム》です。このカードの登場により、旧環境までの支配者であった《DARK MATERIAL COMPLEX》を除去する手段を全てのデッキが持つことが可能になりました。
【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / 超化獣 / 文明 水/闇 / パワー6000 / コスト5
■ジャストダイバー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを2体選び、そのうち1体をもう1体の下に置く。
■ハイパー化:自分の他のクリーチャーを1体タップする。(自分のメインステップ中に、ハイパーモードを解放できる。ハイパーモードは次の自分のターンのはじめまで続く)
────────────ハイパーモード────────────
パワー:10000
■このクリーチャーが攻撃する時、相手の手札を2枚見ないで選び、相手のクリーチャー1体を選ぶ。相手は選ばれた手札を好きな順序で、選ばれたクリーチャーの下に表向きで置く。
これに伴い、主なデッキとして【アナカラーCOMPLEX】や【ドロマーCOMPLEX】が台頭してきました。TOP4全員が【光闇メカ】だった世界に終止符が打たれたわけです。
その他にも《閃光の精霊カンビアーレ》や《理想と平和の決断》といった、殿堂環境でも見かけるようなカードが強く、いわゆる受けデッキが強化されていきました。
次に殿堂ですが、2ブロックで影響があるカードはご存知《瞬閃と疾駆と双撃の決断》です。こちらが1枚までの制限となりましたが、これによる影響が少なかったことは、デュエチューブリーグを見ている方々ならご存知のことでしょう。
こうして新たな環境が始まり、またそれに伴って権利戦も始まりました。そのためデータ数も爆発的に増加。ありがたいことです。
この記事では、現在のメタゲームを踏まえ、現在主流とされているデッキがどのような特徴を持つのかを解説していきたいと思います。
第2週目以降の権利戦や、それ以外のCSなどに参加する際、少しでも参考になれば幸いです。それでは、始めていきましょう!
【火水マジック】
まず最初に紹介するのは皆さんご存知【火水マジック】。
今回唯一の殿堂カードであった《瞬閃と疾駆と双撃の決断》は、それまでの【火水マジック】にとって大きな弱体化をもたらす発表です。
プレイヤー達はここから新たな戦略を模索する必要がありました。
その立役者になったのが《氷柱と炎弧の決断》です。
今までは《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》など3コストのマジックを多く採用していましたが、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の殿堂入りによって主軸を2コストに移すことになりました。
その中でも特徴的なのが《アシスター・Mogi林檎》でしょう。
【 クリーチャー 】
種族 マジック・マーフォーク / 文明 水 / パワー2000 / コスト2
■ジャストダイバー
■各ターンに一度、自分のマジックを使うコストを1少なくしてもよい。ただし、コストは0以下にはならない。
このカードの採用により、3ターン目に《Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》や《楽識神官 プレジール》といった強力なクリーチャーを召喚できるようになりました。
また《芸魔王将 カクメイジン》が着地した後、《氷柱と炎弧の決断》からばら撒くことでジャストダイバーのアタッカーとして攻め立てる役割も持っています。
これにより足回りとフィニッシュ力の両面において補強がなされました。
《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の展開以外の部分は《調律師ピーカプ / ♪音速で 本番中に チューニング》でリペアを行う形に。
【 ツインパクトカード 】
種族 マジック・マシン・イーター / マジック・ソング / 文明 火 / パワー4000 / コスト4
種族:マジック・マシン・イーター
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■メガ・ラスト・バースト(このクリーチャーが離れて、手札、マナゾーン、または墓地に置かれた時、このカードの呪文側をコストを支払わずに唱えてもよい)
────────────呪文────────────
カード名:♪音速で 本番中に チューニング
文明:火
コスト:3マナ
種族:マジック・ソング
■このターン、自分のクリーチャー1体に「スピードアタッカー」を与える。そのクリーチャーのこのターン最初の攻撃の終わりにアンタップする。
全体的に見ると、3キルの精度こそ下がったものの、手札を維持して殴り続けるアグロデッキとしてしっかりリペアが完了しました。今もなお、環境トップの一角といえるでしょう。
【ドロマーCOMPLEX】
【火水マジック】を受ける代表的なデッキが【ドロマーCOMPLEX】です。
《DARK MATERIAL COMPLEX》による制限時間の設定と、《アーテル・ゴルギーニ》×《忍蛇の聖沌 c0br4》の受けパッケージは、今もなお強力なデッキとして広く知られています。
カイザー・オブ・ハイパードラゴンのリリースにより《超光喜 エルボロム》を搭載。今まで以上に《偽りの名 ドルーシ》をうまく活用できるようになったことで、改めて防御力が高いデッキとして注目を集めています。
【 クリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / 超化獣 / 文明 光/水 / パワー6000 / コスト4
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時または攻撃する時、カードを1枚引く。その後、自分の手札を1枚、シールド化してもよい。
■ハイパー化:自分の他のクリーチャーを1体タップする。(自分のメインステップ中に、ハイパーモードを解放できる。ハイパーモードは次の自分のターンのはじめまで続く)
────────────ハイパーモード────────────
パワー:8500
■各ターンの終わりに、このターン自分のシールドゾーンにカードが置かれていたら、「S・トリガー」を持つ呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。
さらに、攻め筋も《DARK MATERIAL COMPLEX》だけではなく、《死神覇王 ブラックXENARCH》や《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》を追加搭載する構築も存在し、対面視点では非常にやりにくいデッキでしょう。
フィニッシュは、展開からの過剰打点パンチや《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》を絡めたExターン。それらに加え、《ブレイン・スラッシュ》や《星龍の暴発》×《「呪怨」の頂天 サスペンス》といった一撃コンボを搭載する方もいます、
長くゲームをする都合、1~2枚でもカードを採用することで最終的なプランに大きな影響を与えることから、構築もプレイヤーごとに大きく異なります。
現2ブロック環境のコントロール系デッキの代名詞ともいえる存在なので、愛好家も多く、常に上位入賞しているデッキです。
火自然ゼニス
2ブロックの代表的なランプデッキといえば、そう、ゼニスです。
以前は闇自然型が非常に強力とされており、多くの活躍を見せていましたが、現在の主流は火自然に移行しました。
《瞬閃と疾駆と双撃の決断》の殿堂入りによる【火水マジック】の弱体化と、《偽りの名 スカラベオ》、《偽りの名 ワスプメリサ》による詰み盤面の強さが対【ドロマーCOMPLEX】に強く突き刺さるものになっています。
さらに、《「使命」の頂天 グレイテスト・グレート》の召喚条件が、非常に簡単なのも闇自然との比較店でしょう。
【 クリーチャー 】
種族 ゼニス・セレス / 文明 火 / パワー12000 / コスト11
■水晶ソウル3(このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンにある裏向きのカードのマナの数字は3になる)
■T・ブレイカー
■自分のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■このクリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト7以下のクリーチャーを好きな数出し、残りを手札に加える。
■エターナル・Κ(このクリーチャーが離れる時、かわりに自分のマナゾーンにある裏向きのカードを3枚、表向きにしてもよい)
今まで使われていた闇自然は、《「呪怨」の頂天 サスペンス》と《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》のコストの関係上、2、3ターン目にうまく動かないと4ターン目にもゼニスが着地しないデッキです。
しかし火自然はその弱点を解消。《シャングリラ・クリスタル》がない場合でも、2tにちゃんと動けていれば3tはチャージャーで動いたとしても4t目にに水晶3+4マナで、《「使命」の頂天 グレイテスト・グレート》をプレイすることが可能です。
また、デッキを支える《呪華のサトリ カナザー》と《「使命」の頂天 グレイテスト・グレート》の相性が非常に良く、下当たりや《呪華のサトリ カナザー》連鎖を繰り返すことで前述したアンノウン2種へのアクセス力が上がっていることも魅力と言えるでしょう。
【 クリーチャー 】
種族 オラクル・セレス / スノーフェアリー / 文明 自然 / パワー3000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から4枚を見る。その中からオラクル、アンノウン、またはゼニスを最大1枚ずつ表向きにし、手札に加えてもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く。その後、自分のマナゾーンにあるカードを1枚、裏向きにしてもよい。
■水晶武装2:このクリーチャーが攻撃する時、自分のマナゾーンに裏向きのカードが2枚以上あれば、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャーを1体、自分の手札から出してもよい。
こう書くと完全無欠にも思えるのですが、このデッキは防御手段がほとんど積めないことがネックと言えるでしょう。
特に【火水マジック】に対して簡単に貫通されるリスクがあるため、【火水マジック】が流行している環境では、このデッキを使用するのを避けるのも手でしょう。
しかし、【ドロマーCOMPLEX】や【闇自然ゼニス】など、自分より遅く火力のないデッキに対しては一方的にマウントを取り続けることも可能です。
出る大会の環境を見極めてしっかり当てることでその魅力を最大限に引き出せるデッキであるとも言えます。
闇自然ゼニス
火自然ゼニスだけでなく、闇自然ゼニスも変わらず環境に存在しています。大きな特徴は、やはり《「呪怨」の頂天 サスペンス》の存在でしょう。
【 クリーチャー 】
種族 ゼニス・セレス / 文明 闇 / パワー13000 / コスト12
■水晶ソウル3(このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンにある裏向きのカードのマナの数字は3になる)
■スレイヤー
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが召喚によって出た時、相手は自身の手札をすべて捨てる。
■このクリーチャーが攻撃する時、相手の墓地にある呪文を3枚まで、自分がコストを支払わずに唱える。それらの呪文をすべて唱えた後、相手は好きな順序で山札の下に置く。
■エターナル・Κ(このクリーチャーが離れる時、かわりに自分のマナゾーンにある裏向きのカードを3枚、表向きにしてもよい)
これが早期に動き出す試合、いわゆる上振れが通ってしまうとどんなデッキ相手でも即座に破壊し尽くすことが可能です。このプールの4ターン目に着地するクリーチャーの中では、最強のクリーチャーと言えるでしょう。
他のデッキと比較すると再現性の面で劣る部分もありますが、その分カード一枚一枚は強力なものが選ばれる傾向にあります。
特に、《サスペンス・ザイン》は対策が難しく、一度踏むと敗北に直結する可能性が高いカードです。
【 呪文 】
文明 闇 / コスト6
■S・トリガー
■相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-15000する。
■水晶武装4:自分のマナゾーンに裏向きのカードが4枚以上あれば、このターン、この呪文の効果によって選ばれなかった相手のクリーチャーすべてのパワーを-6000する。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
そのため、【火水マジック】を始めとしたアグロデッキに対する一定以上の耐性を持つことが【火自然】と比較したときの優位点です。
水自然ジャイアント
最後に紹介したいのが、【水自然ジャイアント】です。このデッキは《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》が環境から姿を減らしたことにより、非常に通りがいい状態で新環境を駆けています。
二種類のゴルファンタジスタによる制圧力が魅力で、特に《銀河竜 ゴルファンタジスタ》の存在なしにこのデッキを語ることはできないでしょう。
【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント・ドラゴン / 文明 水/自然 / パワー13000 / コスト7
■革命チェンジ:コスト5以上のジャイアント(自分のコスト5以上のジャイアントが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
■T・ブレイカー
■相手のクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
■自分の他のジャイアントが相手のクリーチャーとバトルする時、かわりにこのクリーチャーにバトルさせてもよい。
対【ドロマーCOMPLEX】においては、バトルの肩代わりとブロックできない効果が刺さりますし、各種ゼニスに対しては、先に配置することで《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》や《「使命」の頂天 グレイテスト・グレート》を牽制しながら展開を行うことができます。
また、デッキ全体にマッハファイターが散りばめられており、たとえば、超化獣をベースとしたデッキや【光闇メカ】といったクリーチャーを主軸に展開するデッキに対しても、非常に強く出ることができます。
それと、地味ながら今プールでの特徴として挙げられるのは《竹刀の超人 / サイバー免許皆伝》でしょう。
【 ツインパクトカード 】
種族 ジャイアント / ジャイアント・スキル / 文明 水/自然 / パワー2000 / コスト2
種族:ジャイアント
■マッハファイター(このクリーチャーは、出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
────────────呪文────────────
カード名:サイバー免許皆伝
文明:水
コスト:2マナ
種族:ジャイアント・スキル
■S・トリガー
■相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
■カードを1枚引く。
2ブロック環境には、《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》が存在しないため、2ターン目にプレイしたクリーチャーが処理されると3ターン目に走ることができません。
それ以外にもデッキが苦手としている《DARK MATERIAL COMPLEX》に対しても下面の《サイバー免許皆伝》で解決ができるため、対面を問わず腐りにくいメタカードとして活躍が望めます。
サンプルリストでは《範丸の超人》をフィニッシャーに据えていますが、《超球の超人 / 父なるタッチダウン》や《十八番龍 エターナルグリーン ParLife》、山札を減らしてからの《♪必殺で つわものどもが 夢の跡》といったフィニッシュ手段も豊富であるため、今後も活躍し続けると考えられます。
おわりに
以上が今回紹介した5デッキとなります。
改めてDTLと権利戦によって環境の輪郭がはっきりしてきたと思います。
このゲーム、大会がないとメタゲームが停滞しやすいので、この調子でどんどん大会が開かれ、ユーザーが根付いてくれることを祈っています。
これ以外の最新の情報は、Twitterで「#DM2ブロ」または「権利戦優勝」と打ち込むとある程度集めることが可能かと思われます。
9月には新パックも発売されるためまだまだ熱い2ブロック!店舗予選は誰でも参加することが可能なので、これを機に触ってみるのはいかがでしょうか?
それではまた次回お会いしましょう!