目次
轟破天前語
《キングダムオウ禍武斗/轟破天九十九語》を使って勝ちたい。こんにちは、村民まんじゅうです。ここまで3記事ほど拙作を掲載いただいた第1回DBCも、いよいよ大詰めの時期。
最後を飾る4記事目、もちろん今回も轟破天フィーチャー記事です。これまではネタやロマンを追い求めたデッキを紹介してきましたが、締め括りの今回は店舗大会やCSでちゃんと勝ち上がることを目標とした轟破天デッキを紹介していこうと思います。時代遅れだ何だと言われようが私は好きなカードで勝ちたい…!
という思考から生まれたデッキのフィニッシャーがこちら。
《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》。「ふざけているのか」「競技舐めんな」とか言われそうなこのカード。ご安心ください、100戦100勝とはいかないまでもちゃんと勝てます。
彼を主役にしたデッキを紹介しながら、デッキのフィニッシャーがこのカードでなければいけないこじつけ理由を書き連ねていこうと思います。
※この記事で紹介するデッキは超天編第4弾環境に存在するデッキと戦うことを想定したものです。話題の《U・S・A・BRELLA》や《リツイーギョ #桜 #満開》が発売されるとまたガラリと環境が変わってきそうですが、それらの発売前の環境ということでご了承ください。
デッキとコンセプト紹介
青緑のビッグマナデッキに異物混入見慣れぬカードが入ったような形になりました。超次元もGRも入れた、ちょっと(?)お高いデッキです。
まずは主役の《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》の効果紹介を。
【種族】フェニックス / 【文明】水 / 【パワー】15000 / 【コスト】6
■進化GV-自分のグレートメカオー、グランドデビル、ポセイディア・ドラゴンのいずれか3体を重ねた上に置く。
■自分の他のクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりにこのクリーチャーの下に置いてもよい。
■メガメテオバーン6:このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを6枚、墓地に置いてもよい。そうした場合、相手はバトルゾーンにある自分自身のクリーチャーすべてとマナゾーンにあるカードすべてを手札に戻す。
■T・ブレイカー
3体の進化元を要求しつつ、加えて3枚の下敷きを用意しなければ力を発揮できない、お世辞にも扱いやすいとは言えない性能。しかしひとたびその砲身が火を噴けば、相手の盤面悉くを吹き飛ばすその姿、まさにロマン砲。このデッキでは、投入したサブプランを意識しつつ、ファイナルキャノンを発射するまで耐久することを目指します。
以下に各種カードの採用理由についてさらりと、あまり採用されないようなカードについては個別にしっかり解説していきます。
デッキパーツ解説
- 《フェアリー・ライフ》《霞み妖精ジャスミン》
もはや説明不要の初動。本当は安定のため《ジョラゴン・オーバーロード》あたりを9~10枚目のブーストとして投入したいところですが、枠の無さから泣く泣く断念。
- 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》
盤面処理要員兼マナブースト兼マナ回収クリーチャーかつ初動兼墓地メタ兼墓地回復という仕事量の多さ。入れない理由がありません。
- 《怒流牙 佐助の超人》《斬隠蒼頭龍バイケン》《怒流牙 サイゾウミスト》
《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》や《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》を引き込むために多めに積んだドローソースとシノビの相性は抜群。マナブーストを行いながら守りを固められるのは、コンセプトにも噛み合います。何より《斬隠蒼頭龍バイケン》の種族が《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》の進化元であるポセイディア・ドラゴンであることがGood。
- 《Dの牢閣 メメント守神宮》《時の法皇 ミラダンテⅫ》
猿飛バイケンギミックが搭載されてるならとりあえず積んどけセット。前者はトリガーをケアされた場合でも機能しやすい防御札として、後者はGR環境に強烈に刺さるサブフィニッシャーとして作用してくれます。流石の殿堂入りカード。
- 《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》
青い防御札の鉄板。置いておくだけで攻撃を牽制できるドローソースが弱い訳がない。同じトリガー持ちD2フィールドの《Dの牢閣 メメント守神宮》も搭載している兼ね合いでD2スイッチを起動するタイミングが悩ましいですが、そこは臨機応変に。
- 《超次元ガロウズ・ホール》
《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》あるなら積んどけカード。(ほぼ)確定除去だけでなく使い終わったニンジャの回収までこなしつつ、超次元ゾーンに触れる器用な一枚。選択肢を広げてくれます。超次元ゾーンのクリーチャーをこのカードから出せるものに染めている点、メジャーな強カードである点から、相手もこのカードを警戒してきやすいです。過信は禁物。
- 《ドンドン水撒くナウ》
ビッグマナデッキの救世主。序中盤はブースト付きトリガーとして、終盤はマナに置いたニンジャやキーパーツを回収できる除去札として八面六臂の活躍をしてくれます。
- 《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》《ポットパイハット小僧/シチュー引き回し》
GRゾーンに干渉する手段。前者は序盤のマナ色から中盤のブースト兼リソース稼ぎ兼防御札として、どのタイミングでも腐らないインチキカード。後者は前者の陰に隠れがちですが、盤面処理しつつリソース稼ぎしつつ、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》と合わせて優秀な防御札にもなる優良カード。このデッキ唯一のカード指定除去手段でもあります。《回収 TE-10》で即座にこの呪文をサルベージする動きも強力。
- 超次元ゾーン
《超次元ガロウズ・ホール》から出せるお好みの強いサイキッククリーチャーを入れておきましょう。定番の勝利3点セットと《アクア・アタック
- GRゾーン
ニンジャや《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》と相性のいい《サザン・エー》、《天啓 CX-20》、《回収 TE-10》は外せません。二枚しか積んでいない《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》に触りやすくなる《クリスマⅢ》も欠かせませんね。ピン刺しの《白皇世の意志 御嶺》については下で解説。
個別解説
《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》
【種族】グランセクト / 【文明】自然 / 【パワー】14000 / 【コスト】9
■マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
■T・ブレイカー
■破天九語:このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを9つブレイクする。
---呪文---
【文明】自然 / 【コスト】10
■各プレイヤーは、すべてのクリーチャーを自身のマナゾーンからバトルゾーンに出す。これらのクリーチャーがバトルゾーンに出ることによって起こる効果はすべて無視する。(マッハファイターなどの、そのターンの間働く能力は無視されない)
上下面どちらもフィニッシャーたり得る最強のカード。このデッキでは《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》を呪文面から降臨させることが主な役割です。
序盤から手札に抱え続けるのは難しいので、早々にマナか墓地に置いてしまいましょう。一度山札から見えてさえしまえば、《ドンドン水撒くナウ》や《クリスマⅢ》、《回収 TE-10》などで終盤に手札に持ってくることはそう難しくありません。
盾の薄そうなデッキや前のめりなデッキと相対したり《奇天烈 シャッフ》や呪文ロックなどで轟破天を警戒され続けた場合は、早々にクリーチャー面で勝負を付けにいくのも一つの手です。トリガーのケアはほとんどできないので判断は慎重に。
《蒼神龍ヴェール・バビロニア》
【種族】ポセイディア・ドラゴン/オリジン / 【文明】 水 / 【パワー】4000 / 【コスト】5
■自分がカードを1枚引く時、1枚のかわりに2枚引いてもよい。そうした場合、自分の手札を1枚捨てる。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見て、その中から1枚選ぶ。相手はそれを自分自身の山札の一番下に戻した後、カードを1枚引く。
【ヨミジループ】のフィニッシャーとして最近日の目を浴びた《蒼神龍ヴェール・バビロニア》。cipで実質的なピーピングハンデスを行いつつ、自分のドロー全てを《エマージェンシー・タイフーン》のような形に変換してくれるシステムクリーチャー的側面も持っています。引き込みたいカードの多いこのデッキには相性抜群。
水のコスト5以上のポセイディア・ドラゴンであるため、《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》の進化元としても《時の法皇 ミラダンテⅫ》の革命チェンジ元としても活躍してくれます。
彼のドロー置換効果、ターン指定がないのがミソ。相手ターン中に何らかの手段でドローすることができれば、能動的に手札を捨てられる=《斬隠蒼頭龍バイケン》のマッドネス効果を発動することができるのです。《怒流牙 佐助の超人》と組み合わせれば、
- 相手の攻撃時《怒流牙 佐助の超人》のニンジャストライク宣言
- cipの1ドローを2ドロー1ディスカに置換、ここで《斬隠蒼頭龍バイケン》をマッドネス効果で場に
- 《怒流牙 佐助の超人》の1ディスカ効果でもう1体の《斬隠蒼頭龍バイケン》をマッドネス効果で場に
という流れで2面除去を放つことも可能。場にいるだけで大量にドローできるクリーチャーなので、案外決まるコンボです。覚えておくとお得。
《ガチャレンジ ガチャロボ》
【種族】グレートメカオー/ワンダフォース / 【文明】水 / 【パワー】13000 / 【コスト】8
■超無限GR進化:カード1枚以上を自分の超GRの上から選び、このクリーチャーをその上に重ねつつバトルゾーンに出す。(カードはすべて裏向きのまま、見ないで置く)
■T・ブレイカー
■メテオバーン:このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下に重ねたカードを1枚見ないで選び、自分の墓地に置いてもよい。そうしたら、GR召喚する。
このカードの登場によって、ペテルギウス轟破天が真の意味で戦えるデッキに昇華されたと言っても過言ではありません。このデッキには無くてはならない存在です。
特筆すべきはその特殊な進化条件。超無限GR進化という彼だけが持つ能力のお陰で、「盤面に何もない状態から」「場に出るだけで複数枚の進化元を身に着けられる」「グレートメカオー」という、《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》の進化元兼メテオバーン用下敷き補充要因としてこれ以上ないほどに最適なクリーチャーが生まれました。
しかし、ただロマン砲の下敷きとして扱うだけのカードに貴重なデッキの枠を割くのはあまりいただけません。何か別の使い方はないかと模索していたところ、このカードに行き当たりました。
《白皇世の意志 御嶺》
【種族】メタリカ/ワンダフォース / 【文明】光 / 【パワー】25000 / 【コスト】4
■自分の超GRにカードがあれば、このクリーチャーは攻撃できず、バトルゾーンを離れる時、かわりにとどまる。
■ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)
《白皇世の意志 御嶺》。《ダイヤモンド・ソード》【御嶺ワンショット】、【青白スコーラー】などで話題になり一時期はかなりの高額カードとなっていましたが、環境ではすっかり見かけなくなって久しいですね。
《Dの牢閣 メメント守神宮》とのコンボによる場を離れないブロッカーや《ポットパイハット小僧/シチュー引き回し》のバウンス対象増加トークンとしても一応の役割は持てますが、このデッキにおいては《ガチャレンジ ガチャロボ》と組み合わせてこそ輝きます。
- マナを伸ばす過程で《白皇世の意志 御嶺》が場に出る
- 次ターン以降《ガチャレンジ ガチャロボ》を、残っているGRゾーンのカード全てを進化元として召喚
- GRゾーンからカードが無くなったため、《白皇世の意志 御嶺》が攻撃可能になる
という流れで、8マナで一気にリーサル圏内まで持っていくことが可能なのです。両者を狙って揃えるのは難しいためあくまでもサブプラン止まりですが、覚えておくと便利です。
《英雄奥義 スパイラル・ハリケーン》
【文明】 水 / 【コスト】4
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。
■マナ武装7:自分のマナゾーンに水のカードが7枚以上あれば、バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべて持ち主の手札に戻す。
ここからは防御札のご紹介。まずはこちら《英雄奥義 スパイラル・ハリケーン》。《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》から打てる全体除去として使います。このカードを使うため、出来る限りデッキの水文明の比率を多め(27/40)にしています。フィニッシャーに《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》を採用する数少ない真っ当な理由の一つです。
マナ武装を達成しないと高コストな《スパイラル・ゲート》にしかならないこのカード。デッキの構築を縛ってまでこのカードにこだわる理由は、ひとえに「対策されにくさ」にあります。
GRクリーチャーを大量展開しつつ攻めてくる環境デッキ【シータバーンメア】のトリガー対策と言えば《奇天烈 シャッフ》と《機術士 ディール/「本日のラッキーナンバー!」》。マナブーストの過程で《ドンドン水撒くナウ》《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》《怒流牙 サイゾウミスト》などのメジャーな防御札をあらかた相手に見せることになる以上、詰めに入る段階でバーンメア側はコスト指定によってそれらを封じてくるでしょう。
《英雄奥義スパイラル・ハリケーン》はそれらと異なるコストを持ちながら、意表を突いて相手の盤面全体に除去を放つことが出来るのです。《怒流牙 佐助の超人》とコストが被る点は微妙ですが、猿飛バイケンギミックによる除去は1体しか対象にできない以上、詰めの段階で警戒されにくいので《機術士 ディール/「本日のラッキーナンバー!」》から4を宣言されることはあまりないでしょう。
逆にこのカードの存在が既に知られていたとしても、全体除去を嫌う相手に4コストを止めさせることで、他のメジャーな防御札が機能しやすくなるのでそれはそれであり。相手に選択肢を迫ることが出来ている時点で、十分に仕事をしてくれています。
今回は意表を突きたいがために1枚だけの採用ですが、お好みでもう1枚増やすのもありですね。多量投入しすぎるとマナ武装未達成時の防御力がガタ落ちするのでご注意。
《深海の伝道師 アトランティス》
【種族】オラクル/リヴァイアサン / 【文明】 水 / 【パワー】4000 / 【コスト】10
■S・トリガー
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体選び、残りを手札に戻す。その後、相手はバトルゾーンにある自身のクリーチャーを1体選び、残りを手札に戻す。
続いては《深海の伝道師 アトランティス》。除去できる対象を選べない以上確実な延命札になるかは運次第ですが、呪文もニンジャも止められた場合にも生きる水文明の対大量展開用防御札として、お守り程度に採用しています。コスト指定トリガーケアで10コストはまず間違いなく指定されないので、その点は強力。
疑問を解消しようのコーナー
ここまで読んでくださった皆様の中には、「(《時の法皇 ミラダンテⅫ》がいるとは言え)環境対策っていう割にはトップメタの【ヨミジループ】に弱すぎない?」とお思いの方がいることでしょう。
めっちゃ弱いです。
「(《英雄奥義スパイラル・ハリケーン》のマナ武装を考慮しても)《ガチャレンジ ガチャロボ》入れるんなら《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》使ったほうが確実に勝てるんじゃね?」とお思いの方もいることでしょう。
仰る通りです。
という訳で特に《超神星ペテルギウス・ファイナルキャノン》に対する執着がない方、《ジャッジCREWニー》を恐れない方は《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》を使いましょう。執着のある方、僕と握手。
…真面目な話、《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》をフィニッシャーに据えて【ヨミジループ】あたりにも対策を講じたデッキも組むには組んだのですが…
元々のカードパワーも高くGRクリーチャーをメインに扱うデッキに刺さりやすい《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》や《ドンジャングルS7》のおかげで幅広いデッキに対応出来るようにはなったのですが、悪く言えば器用貧乏な出来。《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》を出したいがために無理やり光文明を差し込んだ事が違和感のきっかけでしょうか。
基盤はそこまで弱くないと思うので、こういうカードはどうかというご意見があればこちらまで是非お寄せください(コメント欄を指差す仕草)。
青緑入りのビッグマナデッキに《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》《ガチャレンジ ガチャロボ》《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》《白皇世の意志 御嶺》のセットをぶち込めば雑に2~3個勝ち筋を作れるギミックは、他のデッキにも採用できるかも。色んなプランを取りたい欲張りな方は是非。
轟破天後語 宣伝風味
第1回デッキビルダーコンテスト、滑り込みですが投稿1記事目で書いた轟破天4記事投稿の目標を達成出来てほっとしてます。良ければ2記事目と3記事目も見てね。轟破天デッキのネタはまだまだ頭にあるので、いつかまた懲りずに文章化していく所存です。
この記事をここまで読んでくださった方、投稿してきた轟破天記事を見てくださった方、いいねやコメントをくださった方。本当に本当に、ありがとうございます。皆様のレスポンスが、「ここが面白かった」「こんなカードを使った轟破天は楽しそうじゃないか」というコメントが、私の力になります。
皆様に良きトレカライフの、願わくば良き轟破天ライフのあらん事を。村民まんじゅうでした。