【GoD:GP5th】魂のデッキ、同郷の好敵手【Great Match of DuelMasters】

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【GoD:GP5th】魂のデッキ、同郷の好敵手【Great Match of DuelMasters】

こんにちは、神結です。

歴代の名試合を振り返る……もとい、私が個人的に好きな試合を語る企画こと「Great Match of DuelMasters」、通称GoD。

今回も読者の皆様を名勝負の世界へとご案内致しましょう。

前回はelementCSという大会から切り取りさせていただきましたが、今回はまた公式大会に戻りまして、GP5thの方から取り上げたいと思います。

GP5thといえばナツメ、ロマサイ、ノンといった現在でも最前線で活躍するプレイヤーの躍進や、レッドゾーンの2位3位などが話題となることが多いですが、本日紹介するのは決勝第4回戦(ベスト16)の「無尽蔵のサブウェポン vs. しあとなります。

サブウェポン選手については、実は第1回のGoD「呉越同舟の旅の果て」でも取り上げさせていただきました。

詳しくは該当の記事を読んでいただきたいのですが、勝利のために自分の好きな【赤単】を置いて【ドロマーハンデス】を使う選択し、ベスト8で赤単と遭遇する……というゲームとなっています。

そんなサブウェポン選手が、今度こそ魂の【赤単】を持ち込んでGPの舞台に帰ってきました。

しかしそこで待っていたのは、かつて同郷で一緒だったというしあ選手だった――というのがこの試合になります。

是非GP1stの方の記事と併せて楽しんでください。

それでは、どうぞ。

(以下、プレイヤー名については敬称を略させていただきます)

目次

GP5thの環境について

GP5thの開催は、2017年10月。

ジョーカーズが登場した新DMシーズンで、この頃は《怒流牙 サイゾウミスト》《水上第九院 シャコガイル》などが新規で登場しています。

さて、この大会の環境については軽く触れておきましょう。

元々この年は春頃からGP4thの結果を受けて、「NEXT vs 猿ループ」の環境が続いていました。

NEXTに勝てるレベルの受け特化デッキはループにわからされてしまい、それ以外のデッキNEXTに対して有利を取るのは相当に厳しいため、長くこの二強環境は続きます。

結果、夏に入って猿ループのパーツが大量に殿堂されました。これによって猿ループはほぼ再起不能に陥ります。

対してNEXTはというと《スクランブル・チェンジ》の殿堂のみと、まだまだ戦う力を残していた……というよりも、相変わらず最強の座をキープしています。

結果、二強環境から「NEXTを中心とした環境」に変化していました。やはり、NEXTは強かった。

ただこの変化のそのお陰で【ロージアダンテ】や【青緑デュエランド】のような受けるデッキにも活躍の機会が巡ってきました(ロージアに関しては猿ループがいたときから頑張ってはいましたが)。

またNEXT側も一応《スクランブル・チェンジ》の殿堂でデッキ速度自体は落としたため、他のビートデッキ(レッドゾーンなど)を使うことも選択肢として有りになってきます。

そういうわけなので、「NEXTが強いので最大数だろう」というのは全プレイヤーの共通認識ではあったのですが、それ以外のデッキも可能性があったんですよ。

よく言えば「色んなデッキにチャンスがある」環境でもあり、逆に「デッキを選ぶのが難しい」環境でもありました。

だからこそ、なのでしょうか。その環境でサブウェポンが選択したデッキは、彼の魂のデッキでもあった赤単でした。

 

魂のデッキ

四国屈指の強豪プレイヤーでありながら、公式大会では中々結果が残せていなかった、というサブウェポン

そんな彼がモブウェポンと名乗り、己の勝利のために【ドロマーハンデス】の使用を選択したのが、GP1stでした。

その大会で見事ベスト8と結果を残したことで、ある意味で一つの目的は達成したのでしょう。この大会にはサブウェポンの名で、【赤単ブランド】を持ち込みます。

今なお現役の《“罰怒“ブランド》は、この年に登場した新カードでした。

【 クリーチャー 】
種族 ビートジョッキー / 文明 火 / パワー9000 / コスト7

マスターB・A・D(このクリーチャーを、コストを2少なくし、さらに、このターンに召喚した自分の他の火のクリーチャー1体につき追加で2少なくして召喚してもよい。そうしたら、このターンの終わりに自分のクリーチャーを1体破壊する。ただし、このクリーチャーのコストは0以下にならない)
W・ブレイカー
自分の火のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。

ただこの赤単は、或いは皆さんの想像するような赤単ブランドとは一味違うかもしれません。

例えば、この赤単は《凶戦士ブレイズ・クロー》が3枚しか投入されていません。そしてそれ以外の1コストのカードは、採用されていないのです。

ブランドは本来横に並べるデッキで、ブランドは味方の召喚をトリガーにコストが軽減されます。それなら、なおさら1コストが必要では……?

その疑問の答えが、こちらになります。


このデッキは「アウトレイジ+《“罰怒“ブランド》」といったような構築になっています。

《一撃奪取 トップギア》《単騎連射 マグナム》《無重力 ナイン》のGゼロ条件を満たし、そこで使った展開をコストに《“罰怒“ブランド》を召喚、打点を組んでいきます。

【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジMAX / 文明 火 / パワー1000 / コスト3

■ G・ゼロ-バトルゾーンに自分のアウトレイジがあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。

また《ランド覇車 ガンブルマン》のおかげで盤面を作るデッキに対しても強く、盾を削っておけば後続のブランドがかなり脅威になってきます。

【 NEOクリーチャー 】
種族 ビートジョッキー / 文明 火 / パワー8000 / コスト6

NEO進化:自分の火のクリーチャー1体の上に置いてもよい。(クリーチャーが下にあれば、これをNEO進化クリーチャーとして扱う)
これをNEO進化クリーチャーとして召喚することを選んだなら、コストを3少なくする。
W・ブレイカー
自分のNEOクリーチャーが攻撃する時、相手のパワー3000以下のクリーチャーを1体破壊する。

手札を溜めておいてここぞのタイミングでハンドを次々と切って展開している赤単の姿はかなり新鮮で、このデッキは彼らのチームの名前をとって「EVAブランド」などと呼ばれていました。

似たような発想は他にあったとして、構築・理解度、そしてデッキの奏者ともいえるサブウェポンの実力……すべてを揃えていたのは、恐らくこのEVAブランドだけだったのではないでしょうか。

そして今回は自身の愛する赤いデッキということもあり、GP1stとはまた違った――あるいは当時以上の意気込みをもって、この試合に臨んだことでしょう。

しかし魂の赤単の前に立ちはだかるのは、いつだって鉄壁の防御を誇る白のデッキです。

【青白ロージアダンテ】を使うしあが、この対戦の相手でした。


ロージアダンテはご存じの方も多いでしょう。

序盤をドローで手札を増やしつつ、5ターン目の《ドラゴンズ・サイン》から始動。

《真・龍覇 ヘブンズロージア》を繰り出し、最終的には《時の法皇 ミラダンテXII》と《ミラクルストップ》で詰めていきます。

【 クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド・ドラゴン / ジャスティス・ウィング / ドラグナー / 文明 光 / パワー5500 / コスト7

■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト3以下のドラグハート1枚、または、光のコスト5以下のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
■マナ武装5:自分のマナゾーンに光のカードが5枚以上あれば、バトルゾーンにある自分の光のクリーチャーはすべて「シールド・セイバー」を得る。
(自分のシールドがブレイクされる時、かわりに「シールド・セイバー」を持つクリーチャーを破壊してもよい)

赤単が一度《ドラゴンズ・サイン》《ヘブンズ・ゲート》などを踏んでしまうと、そこから勝つのはまず困難でしょう。

試合前サブウェポンが語ったという「引けるか引けないか」という言葉には、恐らく様々な意味合いが含まれていたことと思います。

ベスト8を、《ボルシャック・ドギラゴン》を賭けた戦いは、こうして始まりました。

  

同郷の好敵手

しあは当時はすでに関東のプレイヤーでしたが、元を辿るとサブウェポンと同じで四国、それも香川という本当に同郷のプレイヤーでした。

そして実際、一緒にプレイしてたこともあったのです。

実に5年ぶりという地元を離れたプレイヤーとの再会。

いかにもGPらしいイベントですね。しかもそれがベスト8を懸けた戦いとなると、感慨深いものがあったことでしょう

もっとも、目の前の勝負は別。同郷の好敵手との戦いが、始まります。

 

先攻をとっているサブウェポンは、この赤単ならではの戦いを見せます。

1,2ターン目とチャージエンドのみ。有効なカードを手札に蓄えながら、その時を待ちます。

しあのデッキはロージアダンテなので、本格的に動けるのは5ターン目の《ドラゴンズ・サイン》からになります。

先攻を持っているサブウェポンは、5ターン目まで猶予があります。下手にシールドを触って手痛い反撃を食らうより、5ターン目までに勝てる状況を作る方がいい。

そしてEVAブランドは、それを可能とするデッキなのです。

3ターン目、サブウェポンは《単騎連射 マグナム》を召喚します。そして4ターン目にも追加の《単騎連射 マグナム》を送り込みます。

(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジ / 文明 火 / パワー3000 / コスト3

■自分のターン中に、相手のクリーチャーがバトルゾーンに出る時、そのクリーチャーはバトルゾーンのかわりに持ち主の墓地に置かれる。

ロージアは強力な受けデッキですが、その所以は《ドラゴンズ・サイン》《ヘブンズ・ゲート》という白の踏み倒しトリガーたちです。

このカードがあるからこそ、展開された盤面を覆す力があります。

【 呪文 】
文明 光 / コスト5

■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■コスト7以下の、進化ではない光のドラゴンを1体、自分の手札からバトルゾーンに出す。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは「ブロッカー」を得る。

ですが、《単騎連射 マグナム》だけはそれを否定します。このカードがある限り、シールドからの展開手段はかなり失われています。

そういうわけで、サブウェポンとしても《単騎連射 マグナム》を複数引けていたのは僥倖でしょう。

もちろんもっと望む手札はあったかと思いますが、充分に戦える手札をもらっています。ここはマグナムでシールドを一点詰め、ターンを返します。

4ターン目のしあの動きは、《コアクアンのおつかい》

4ターン目までロージア側の展開はないよ、というのは双方同意の事項です。

5ターン目、ここが勝負のターンになります。

そしてサブウェポンは、しっかり勝負手を用意していました。

《単騎連射 マグナム》のアウトレイジを生かし、まずは《無重力 ナイン》をコストなしで召喚。そしてそれに呼応した《“罰怒“ブランド》を1枚、続けて2枚繰り出します。

盤面は《単騎連射 マグナム》と《“罰怒“ブランド》が2体ずつと、《無重力 ナイン》。サブウェポンは計7打点を用意していたのです。

これがEVAブランドの本懐、アウトレイジを生かした打点生成。

対して、しあのシールドは4枚。しかも《ドラゴンズ・サイン》《ヘブンズ・ゲート》は有効になりません。

有効となるトリガーは《アルカディア・スパーク》。後ろの2点であれば、《レインボー・スパーク》もケアしています。

サブウェポンはおよそ理想的と言えるような盤面を用意してきました。しあの盤面には何もありませんから、純粋なシールドとの勝負になります。

筆者はこの時、友人宅で生放送を観ながら同じ関東のプレイヤーで交遊もあったしあの応援をしていました。しかし、この状況はちょっと厳しいな、と感じた記憶があります。

かくして、サブウェポンの手によって、《“罰怒“ブランド》のWブレイクが宣言されました。

 

この男、強い。

Wブレイクを受けたしあの手は止まります。

提示されたのは《アルカディア・スパーク》でした。

【 呪文 】
文明 光/水 / コスト8

■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■次のうちいずれかひとつを選ぶ。
バトルゾーンに自分のエンジェル・コマンドがあれば、両方を選んでもよい。
・相手のクリーチャーを1体選ぶ。
相手はそれを自身の山札に加えてシャッフルし、その後カードを1枚引く。
・相手のクリーチャーをすべてタップする。 

しあのシールドに回答は用意されていました。

この状況でしあの選択は、クリーチャーの全タップでしょう。そうなるとターン終了時にマグナムとナインを破壊し、盤面にはマグナムとブランドが2体残ることになります。

これであれば、仮にしあが返しのターンに《ドラゴンズ・サイン》から《真・龍覇 ヘブンズロージア》を投げ、《龍魂城閣 レッドゥル》から《時の法皇 ミラダンテXII》にチェンジしたとしても、潰せるのはあくまで盤面の一体までです。

そうなるとブランド+マグナムかブランド2体の盤面が残り、シールドが残り2枚のしあに、最後の勝負を仕掛けることができます。

もちろん《ドラゴンズ・サイン》を2枚持たれているとまた事情も変わってきますが、おつかいを唱えていると言えど「ロージア+ダンテ+ドラサイ2枚」をきっちり揃えておくのは、決して容易なことではありません。

仮に《アルカディア・スパーク》を踏んでも、或いはもう一回勝負が出来るかもしれない――そんな状況をサブウェポンは作り出していたわけですが、しかしながらしあはその希望を完全に打ち砕きます。

なんとWブレイクでトリガーしたのは、2枚の《アルカディア・スパーク》だったのです。

まるで天が、しあに勝てと言ってるかのようなトリガーでした。

こうなると、話は一気に変わってきます。《アルカディア・スパーク》の除去効果で《“罰怒“ブランド》がデッキへと帰ってしまいました。

もう上記したサブウェポンのプランはあり得ません。盤面に残るクリーチャーは2体となってしまい、片方はほぼ間違いなく《時の法皇 ミラダンテXII》に踏まれます。

もちろんミラダンテの効果で、追加の打点を用意することも不可能です。

そもそもマナには1枚《アルカディア・スパーク》がセットされていました。残り3枚の《アルカディア・スパーク》のうち、2枚がここに潜んでいました。

カバレージでは、この2枚の《アルカディア・スパーク》に対して「何という事だろう」「この男、強い」と表現されていますが、生放送を観ていた自分も、ほぼ同じ感想を抱きました。この男、強い。

かくして、サブウェポンの攻撃は止まります。そして次ターン以降に残しておきたかった打点も、消えていきました。

返しのターン、しあが唱えたのは《ドラゴンズ・サイン》

そして《真・龍覇 ヘブンズロージア》が場に出ると、《龍魂城閣 レッドゥル》の効果でそのまま《時の法皇 ミラダンテXII》へと革命チェンジしていきます。

誰よりも赤単を愛したサブウェポンですから、この状況からの勝ちが存在していないことを誰よりもはっきりと理解していたでしょう。

かくしてこのまましあが差し切って勝利を収め、見事ベスト8を達成したのでした。

サブウェポンにとってはかなり残酷な結末になってしまいました。しかしそれでも、「しあくんに負けたなら本望です」と語っています。

最後は同郷の好敵手にエールを送り、四国最強の男は会場を後にしたのでした。

 

終わりに

個人的にこの試合はかなり好きです。サブウェポン選手の戦いが、まるで物語のように過去からこの試合へと繋がっているように見えるからです。

GP1stの体験を経てからのこのGP5thは、個人的にもとても素敵な物語に見えまています。

そして試合内容の方も、わかりやすく大きな山場がありました。

人事を尽くして敗北することもあれば、勝てと言わんばかりの天運を手にすることもあります。

そんな実にデュエルマスターズらしいこの試合は、生放送を観ていた自分の記憶にも、よく残っています。

 

というわけで今回はGP5thより、「無尽蔵のサブウェポン vs しあ」の試合をお届けしました。

感想などは、是非Twitterで#デュエマGoDをつけてお願い致します。

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

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