皆さん、《天災 デドダム》召喚してますか?
こんにちは、神結です。
現代デュエマの2大初動と言えば、まずドラゴンを軸としたデッキの《ボルシャック・栄光・ルピア》。
【 クリーチャー 】
種族 ファイアー・バード / アーマード・ドラゴン / 文明 火/自然 / パワー4000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から1枚目をタップしてマナゾーンに置く。それがドラゴンなら、自分の山札の上からさらにもう1枚、タップしてマナゾーンに置く。
そして3色以上のデッキでは多少色バランスを崩してでも採用されている、お馴染み《天災 デドダム》ですね。
【 クリーチャー 】
種族 トリニティ・コマンド / 侵略者 / 文明 水/闇/自然 / パワー3000 / コスト3
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から3枚を見る。そのうちの1枚を自分の手札に加え、1枚をマナゾーンに置き、残りの1枚を墓地に置く。
近年様々な形で再録されている《天災 デドダム》ですが、その初出はクロニクルデッキ「SSS!! 侵略デッドディザスター」になります。
気付けばもう3年前のカードですが、登場以降デュエマそのものに大きな影響を与えているカードになります。
さて、今回の「歴代名作デッキ紹介」はそのクロニクルデッキから。
もっとも、紹介するので2019年の夏を制覇した【アナカラーデッドダムド】ではなく、その元となったデッキになります。
そう、【アナカラーデッドゾーン】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
その任務は、レッドゾーンの討伐
というわけで今回の名作デッキと紹介するのは、【アナカラーデッドゾーン】になります。リストはこんな感じ。
その成立は、革命編第3弾の発売後。《伝説の禁断 ドキンダムX》の登場により、【赤単レッドゾーン】が最強のデッキとして君臨しました。
そのレッドゾーンを討つべく開発されたのが、この【アナカラーデッドゾーン】です。
当時は3~4ターン目に出てくるパワー12000の《轟く侵略 レッドゾーン》をトリガー無しで処理するのは難しかったのですが、それが可能だったのが【アナカラーデッドゾーン】だったんですね。
殴られて増えた手札からホール呪文+《S級不死 デッドゾーン》+《復讐 ブラックサイコ》で後続を刈り取りながら盤面の処理が出来るというわけです。
そして受け札にはシノビを採用。
《光牙忍ハヤブサマル》は《超次元リバイヴ・ホール》で拾い直せるので、《ガンリキ・インディゴ・カイザー》などと合わせて思った以上に負けない状況を作り続けられます。
レッドゾーンは禁断という時間制限があり、いずれは《伝説の禁断 ドキンダムX》を解放せざるを得なくなってしまいます。最終的にこのドキンダムに《斬隠オロチ》を当てることで、特殊勝利をするわけです。
一時は「皆がレッドゾーンで走り回る世紀末が来るのでは?」と思われていた環境ですが、このデッキの登場で環境は多数のデッキが並び立つ複雑な環境へと変化していくことになりました。
そして盤面を処理しながらハンデスまでしてくるこのデッキに対して、各デッキはその戦い方への対策を求められていくようになっていくのです。
制圧とロック、《ヴォルグ・サンダー》
さて、このデッキは当然ながら《伝説の禁断 ドキンダムX》飛ばすこと以外の勝ちパターンも持ちます。
……しかも、割とえげつない方法の。
この時に活躍するのが、《ヴォルグ・サンダー》と《超次元ガロウズ・ホール》ですね。1枚のヴォルグを使い回して、LOを狙います。
まずヴォルグを出した後に、これを《復讐 ブラックサイコ》に進化、ハンデスもしておきます。そしてサイコごと《超次元ガロウズ・ホール》で手札に返して、再びヴォルグ。
ガロウズ自体は《龍素記号Sr スペルサイクリカ》で使い回せるので、全く問題ありません。
ちなみに山札を削りきるのが難しい相手には超次元からキルアンタを撒いて覚醒させて殴りにいくルートもありました。
そんなわけで「複数のクリチャーを並べて殴る」系のデッキには強いこのデッキでしたが、もちろん弱点もあります。
まずこのデッキは、そもそもリソースが乏しいんですよ。
現代デュエマを謳歌している人たちには信じられないかもしれませんが、実は本来アナカラーって基盤がガタガタで、このカラーの強いデッキは、歴代でも存在しなかったんですよ。
特にこのデッキは「ホール+侵略」札をキープしてなくてはいけないので、手札の抱え方はシビアです。
《超次元ガロウズ・ホール》を強く使えた、というよりも《超次元ガロウズ・ホール》を引いていないとそもそもゲームが出来ませんでした。だからこのデッキって、【青黒ハンデス】とかには弱かったんですよね。
上からサイクリカを引くと全てが壊れますけども。
また盤面を処理するのに特化した一方で、【モルトNEXT】のような1枚から勝てるデッキに対しても不利を余儀なくされてました。
盾からのトリガー自体は期待出来ませんし、ドラグハートも退けられませんからね。
このデッキを使ってNEXTハートバーンに貫かれたり、《真・天命王 ネバーエンド》にわからされたりしている人を何度も見てきました。
こうした相手に対しては「コントロールプランなんか一切考えず、ホール+デッドゾーン3点殴っていく」ことで勝利をしぶとく拾うことが求められいました。
ちなみに展開するデッキに強いといっても、《邪帝遺跡 ボアロパゴス》が生み出してくる無限に対抗出来たかというとそれも実は結構別な話で、【緑単サソリス】に《革命目 ギョギョウ》で時間を作られた後にパゴスを建設されて普通に滅んでいました。
……と、ここで疑問に思った方もいたかもしれません。
「あれ? もしかしてこのデッキ、結構勝てないデッキ多い……?」
これは半分合ってて、半分間違ってると言えるかもしれません。
このデッキ、実のところレッドゾーン以外にそこまでいけなくてですね。当時から「アナカラーデッドゾーンは『メタデッキ』か否か」みたいな議論もありました。
しかしメタデッキと言い切るには《超次元ガロウズ・ホール》からのコントロールは強く、《解体人形ジェニー》等の助けもあって「絶対に勝てないデッキ」が存在した訳でもないんですよ。
《ヴォルグ・サンダー》で勝てるというのは、対【天門ループ】を考えたときに大きなアドバンテージでもありました。
まぁ赤単以外は4.5割くらいのデッキかなぁ、と思っています。
個人的にはプレイヤーが1から組み上げて洗練していったデッキということもあり、かなり好きな部類のデッキですね。
レッドゾーン使っていたので、CS当たるのは結構勘弁してくれという感じではあったんですが。
黒船来航
ちなみにこのデッキからは《復讐 ブラックサイコ》や《超次元ガロウズ・ホール》が殿堂(ガロウズは現在帰ってきてますが)していますが、別に殿堂と環境から消えたことに関連性はありません。
なんなら、コイツらが殿堂したのは、アナデッゾが消えた随分あとのことです。
コイツが環境が消えた理由は明快も明快で、《蒼き団長 ドギラゴン剣》が登場したからです。
盤面ゼロから飛んでるワンショット、マナロックドラゴン、勝てるはずもなく……。
そんなわけで、このデッキは他の大半のデッキとともにドギラゴン剣によって踏み潰され、競技環境から姿を消すことになりました。
現代のアナカラーは……
冒頭にも書いたように、2019年にクロニクルデッキ「デッドディザスター」が登場。
そしてみんな大好き《天災 デドダム》が新規収録されます。ちなみにデッキは一瞬で完売しました。
それまで貧弱だったアナカラー基盤ですが、この日を境に「デドダムを中心とした強固な初動を持つカラー」へと変化することになります。時代は変わったものです。
そんなデドダムは、今日でも環境の最前線で使用されています。現在、ブーストを必要とする大抵のデッキは「栄光かデドダムか」の基盤を使うことを強いられていますね。
というわけで、【アナカラーデッドゾーン】の正統な後継者である【アナカラーデッドダムド】。最近結果を残したリストはこんな感じ。
最新弾の登場直後ということもあり、《飛ベル津バサ「曲通風」》が使用されています。
ここは《異端流し オニカマス》だと《CRYMAX ジャオウガ》との相性がいいんですが、広くメタを見るなら 《飛ベル津バサ「曲通風」》 ですかね。
このデッキもまだ登場したばかりなので、改造の余地があるでしょう。
正直環境で厳しいデッキは多いと思いますが、8月以降の殿堂に掛かることはないでしょうし、持っていれば長く楽しめると思います。
おわりに
というわけで「DM歴代名作デッキ」、第4回は私の宿敵でもあった【アナカラーデッドゾーン】でした。
このデッキは好きな人も多かった印象で、現在は完全に新しいデッキとして遊べるようにもなっています。
ぜひぜひ《天災 デドダム》を召喚するとき、このデッキのことを思い出してもらえると嬉しいな。
今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。