私には夢がなかった
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
自分でも今一つ呑み込めてないんですが、どうやら今週末には新パックが出てしまうらしいです。今でも嘘だと思ってます。
だって前のパックから2ヶ月しか経ってないんですよ……と言おうとして、本当に2ヶ月しか経っていないことに気付きました。
なんでかわかんないんですが、王来篇に入ってから第一弾の発売が1か月後ろ倒しになった関係で第二弾までに2ヶ月しか開かなくなってるらしいですね。発売スケジュールって大変だ。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《爆アド上ブレヤッホー》
【 呪文 】
文明 光 / コスト5
■自分のシールドゾーンにあるカードをすべて山札に加えてシャッフルする。
■デュエマの 「超」超天篇未開封拡張パックを1つ開ける。その中のGRクリーチャーをすべて、表向きにしてバトルゾーンに置く。残りをすべて裏向きにし、それぞれ新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置く。
謎BBPにて登場した「パック開封」系カードの一枚にして、私の敬愛するまつがん(研究仙人(伊藤敦))氏の名言がフレーバーに記された一枚です。テキストでネストするの、心臓に悪いですね。
というわけで、前回の予告通り全国大会のカバレージライティングのレポート行為をやっていこうと思います。あ、伏せた方がよさそうな所はちゃんと伏せます。社会人センサーがあるので。
きっかけは本当に突然のこと。
カバレージや公式記事でいろいろとおなじみの開発主任Kさんより「全国大会でカバレージやってみませんか?」とコンタクトがあり、二つ返事で承諾したのが全ての始まりです。
ちなみにあとで「なんで自分なんです?」と聞いたら、「最初にカバレージ書きたいって言ったんはお前やろ!」(要約)と言われました。
今見たら本当にめちゃくちゃ書きたいって言ってました。
急いでお仕事の日程を整えて(この過程で俺の今週の休みが消えた)、お昼に仕事を終えた(これさえなければもっと早く向かって観光をしていた)後に新幹線で三重から東京に前日入り。
あいさつを兼ねた食事会で借りてきた猫のようになったり(だって面子が全員大先輩ライターなんだもん)しながらも宿に辿り着き、当日を迎えることになりました。
動画や各種コンテンツでずっと見てきた方々(まつがんさんや奇行士さん、カミ神王子さんに大型イベントの写真で名高い瀬尾さんまで!)に囲まれながら会場入りし、最初に行ったのはジャッジの方々に交じってのデッキチェックのお手伝い。
ここでまず【モモキングダム退化】が会場で一番人気という情報を獲得したんですが、プレイヤーによって細部の構成が全然違うことに驚かされました。
なんていうかですね。極まった環境ということで、あるデッキタイプの構成って言うのはほぼ固まったワンパターンなものになって、デッキごとの相性でゲームが決まるもんだと(勝手に)思ってたんですよ。
それが蓋を開けてみれば細かに違うこと違うこと。「慣れ親しんだ手に馴染む構築」とか「環境を読んでメタってチューンした構築」とかそれぞれの思惑があるのでしょうが、ここまで差が出るとは思いませんでした。
もちろんそんな環境の裏を突いた思わぬデッキを選択するプレイヤーも見えて、この全国大会という場のレベルの高さを感じました。
後の全リスト確認時にカミ神王子さんが興奮気味に「見てよこれ!」とユウキング/わいきんさんの60枚【キリコグラスパー】のリストを見せてくれた時には、カバレージチームみんなで一緒になって「すげー!」と大興奮したものです。
あと、日頃から(ガチまとめでも)メタゲーム観測を行っているレッドさんが「事前予想と全然違う……!」みたいなことを言ってたのも印象的でしたね。なお、後にオリジナルでも同じようなことになってるのを見ました。
先輩方に「そもそもカバレージってどうやって書くんですか」という質問などをしている間にあっという間に自分の出番が到来。
「北白河の地元・奈良県の強豪」VS「会場最年少プレイヤー」という好カードに、めちゃくちゃ緊張&両方を心の中で応援しながらテーブルに着いたのを思い出します。
そのまま必死に棋譜をメモしながら「なぜそのプレイをしたのか」を考えている間に、一瞬で時間は過ぎてしまいました。対戦終了後のインタビューであまりにテンパりすぎてかなり的外れな質問をしてしまったりしましたね……。
その結果できたのが、こちらのカバレージです。
カバレージを見ると【モモキングダム退化】同士でさっくり終わったように見える試合なんですが、実は「ミラーマッチにおいて、僅かなカード選択の差が勝負を分けた試合」でもありまして。
《 アルカディアス・モモキング 》も《 未来設計図 》も、この会場においては採用している方が少数派の一枚。後からこの事実を知った時には対戦というものの妙を感じたものです。
ひとつ小話として共有しておくと、カバレージライターが対戦中に書き留めるのはおおむね「プレイの詳細な棋譜」と「その局面でのプレイヤーの動き・表情」(+試合後インタビュー)くらい。
それを基にして、プレイ後に肉付けして文章の形にする……というのが基本です。少なくとも自分はそうやりました。
これを書き上げるのにだいたい2-3時間くらいかかったんですが、熟練のライターさん(というかまつがんさん)はめちゃくちゃスピーディに仕上げつつ一日でカバレージ三本+優勝者インタビューを仕上げてたので、「これが熟練の技か……!」と驚きました。
その後めちゃくちゃ美味いtier1のお弁当(崎陽軒のシウマイ弁当)を食べていたらあっという間に二本目のカバレージの出番に。
決勝トーナメントからは二本先取になり、「長丁場になるだろうな……書き切れるかな……」と心配しつつ望んだのですが。
「少なくとも今現在、世界でトップ8に入るプレイヤー」の戦いを見逃すまいとしているうちに、やはり一瞬で時間は過ぎてしまいました。また、対戦終了後のインタビューで的外れな質問をするところまで同じでしたね。
というわけで、そのカバレージがこちらです。
【JO退化】をメタりまくった独自の【5cザーディクリカ】を駆り、 配信でもその強さを存分に見せつけて準優勝に輝いたNJ選手。
ですが個人的には見えている情報から相手のデッキを読み、今できる最善手のプランニングを立てるぴゅう選手の姿も印象的でした。
特に二戦目の、(おそらく初手の時点で狙っていたであろう)《 雪溶の鎖 》破壊による加速からの《 未来王龍 モモキングJO 》素出しルートには思わずキーボードを叩く手が止まったのを覚えています。
お二方には失礼な話にはなりますが、「もし叶うなら、この二人の戦いが終わらずにずっと続いてほしい」とまで思えたのはデュエマをやってて初めての経験でした。
この戦いが、私のこれまでの人生の中で最も心に残る一戦になったのは言うまでもありません。
その後、もはや名試合しか存在しないとまで言える(カバレージも動画もマストで見てください)濃厚な準決勝・決勝を見届けつつ執筆を進め、納品が終わったのが決勝戦の後。
会場の片付けが進む中、なんだかずっと頭の中が激戦の余韻でぽわぽわしていたような気がします。今思い返せば、ものすごく幸福な時間でした。
そして、その後の打ち上げにて。私はもう一つ夢を叶えることになります。
まつがんさんに、「あなたのおかげで今こうして生きていることができています」と伝えることです。
以前からちらほら話しているように、私が文章を書き始めるきっかけになったのはまつがんさん(当時はMTGのライターでした)の記事。
かつてまともに働けない状態になった時に「それなら文章を書こう」と思い立ち、トレカライターという夢を抱いたのも。それがきっかけで今こうして弊社で働けているのも。そして、全国大会という夢の場でカバレージを書けたのも。元を辿れば、まつがんさんのおかげなのです。
……というようなことを、私はご本人の前で語って頭を下げました。
そして、これを聞いたまつがんさんはだいぶ困った顔をしていました。そりゃそうだよ!もし俺がまつがんさんの立場だったとしてもたぶんそうなるよ!
この打ち上げでは他にもめちゃくちゃ貴重な話を聞かせてもらったんですが、まあ守秘義務ということで勘弁してください。これが社会人フィルターです。
そんなわけで、私の夢はすべて叶いました。
……実を言うと、今でも「あれは幻覚だったんじゃないかな」と思うこともあります。ですが。
公式サイトにて公開された二本のカバレージが。机の上に飾ったカバレージライターとしての参加証が。そして、今もデスクトップに残る「カバレージ.odt」というファイルが。
私があの熱狂の全国大会の場にいたという事実を証明してくれているのです。
……えーと。持ち込んだPCにofficeが入ってなかったので「Wordのファイル(.docか.docx)で納品お願いします」って言われた時は肝を冷やしましたよね。
フリーの互換ソフトを使って事なきを得たんですが、よく考えたらスプレッドシートで書いてから形式変えてダウンロードすりゃよかったんですね。次からそうします。
やり残したこととしては……まあ、アレです。
まつがんさんにサインをもらうためにわざわざ家から持って行った《 爆アド上ブレヤッホー 》のカードを、当日に宿に忘れてきたこと……くらいでしょうか。詰めが甘い!
私には夢がある
というわけで《 爆アド上ブレヤッホー 》……もとい、全国大会で舞い上がったきたしーによるうわごとポエムでした。次はひきつけ、そして死です。
何が言いたいかというと、デカい体験は人を狂わせます。
これを見ているあなたも、なんらかの夢が叶ったうえで表現の場を与えられれば無様にポエムを書きたくなります。一人残らずです。
そんなわけで、私の次の夢のひとつは「あなたの無様なポエムを見ること」となりました。その時が来たら、私も困った顔をして応えようと思います。
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
というわけで、次回のカードはこれです。各自予習していってください。
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それでは、次の記事で。北白河でした。