世界は思ったより狭く、そして深い
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。終わりましたね、エイプリルフール。
これは全然関係ないんですが、私には15年以上の付き合いになる絵の上手いインターネット旧友がいまして。
昔々のブラウザゲームの個人サイトで知り合って、そのサイトが閉鎖された数年後に何故か偶然TwitterのTRPG界隈で再会して今に至る感じです。縁ってあるんですね。
それでですね。二年ちょっとくらい前に彼に推しキャラのイラスト依頼をしたんですが、いろいろあってあちらの都合が合わなくて納品が遅れちゃったんですよ。
で、その際に「遅れた埋め合わせにできることある?なんかそっちの持ちキャラの立ち絵とか描く?」みたいな話をしたんですよね。これが確か2021年の3月初頭だかだったと思います。
ええ。話をしたんですよ。それで、この話はおしまいです。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《ペインシュート・ドラグーン》
【 クリーチャー 】
種族 ティラノ・ドレイク / 文明 闇 / パワー4000 / コスト7
スリリング・スリー:ティラノ・ドレイクとブレイブ・スピリット(このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を表向きにする。表向きにしたティラノ・ドレイクまたはブレイブ・スピリット1体につき、次の能力を1回行ってもよい。その後、表向きにしたカードをすべて、好きな順序で山札の一番下に戻す)
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターンの終わりまで、そのクリーチャーのパワーは-3000される。(パワーが0以下のクリーチャーは破壊される)
DM-21で登場した、アンコモンのティラノ・ドレイクですね。
スリリング・スリーでマイナス除去をばらまく……というわかりやすいデザインで、原作漫画では勝舞が(別の場所で戦っている)エスメラルダと同時にトップチェック3枚を成功させて戦況を変えたことでも知られていますね。
……まあ、ティラノ・ドレイクの種族デッキだった勝舞と《 ザ・ユニバース・ゲート 》狙いだったエスメラルダとではだいぶトップ3枚の難易度が変わってくるんですが。
……とまあ、このへんの時期の話はばにらさんに任せるとしまして。今回のテーマは、彼らが持つ地味に希少な能力こと「スリリング・スリー」について。どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
まず、スリリング・スリーとはどんな能力かというとですね。
スリリング・スリー:[種族](このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。見せた[種族]1体につき、次のT3能力を1回行ってもよい。その後、見せたカードをすべて、好きな順序で山札の一番下に戻す)
要するに、「トップ三枚見て指定された種族の枚数回まで効果が使えるよ」というわけです。種族が売りの不死鳥編らしい能力ですね。不死鳥編初出の全14枚のうち、10枚が何らかの形でハイブリッド種族を指定しているあたりに意図を感じます。
その効果のほどは、カードにもよるんですが「1回でやや物足りない」「2回でちょっとお得」「3回でオーバースペック」くらいのデザインになっています。
「安定して2回ヒットさせるために、最低でもデッキの7割くらいはその種族で染めてね」という公式からの圧力を感じますね。セオリーとして「トリガーは汎用トリガー呪文を使うのが板」というものがあった時代なので、受けの強さと爆発力を天秤にかけさせたわけですね。
……まあ、この時期のハイブリッド種族はそんな不安定なカードに頼らずとも十分運用できてたか、そもそもこんなカードを入れてる余裕がなかった気もするんですが。ちゃんと入ったの、踏み倒し性能が最も高い《 霊騎ラーゼ・ミケランジェ 》くらいでしょうか?
代わりにちゃんと強かったのが、コントロール系【ガーディアン】向けの《 神託の守護者ミント・シュバール 》と、【連ドラ】向けの貧者の核こと《 フレミングショット・ドラゴン 》。メインで推してないところだけ強くなる、いつものアレです。
なんにせよ、「デッキ構築で制御可能な、種族を推すためのランダム要素」としては十分派手かつ(ちゃんと組んでいれば)振れ幅のそこまで多くない良能力だと思いますよ。
で、なんで今この能力の話をしたかと言うと。
「デッキ構築で制御可能な、種族を推すためのランダム要素」であるところのメクレイドが登場したからですね。
「3枚見て、そこから指定した種族とコストのカードが使える」。同じ3枚見るにしても、まさかここまで即物的になるとは……。
15年越しのこの変化の影には、カードプールの増加によりほぼ全カードをその種族で染めても問題なくなったという事実が隠れています。
今スリリング・スリーをやっても「全部その種族で染めたので絶対3回発動です」っていうパターンだらけになりそうですし、この変化は英断だなあと思いますね。
スリリング・ツーと言うべき《 メンデルスゾーン 》とか見てれば、今の環境で種族染めと汎用カードの相克を考えるのかがいかに不毛かわかるというものです。ほぼ当たるの前提で構築できるなら、もう相克もクソもないわけで。
「染めても強く、ちょっとくらいの不純物も許す」という新時代の種族サポート、使える日が楽しみですね。
時代が変わればテキストも変わる
というわけで、《 ペインシュート・ドラグーン 》でした。
スリリング・スリーとタマシードに限らず、この手のキーワード能力や能力語を見ると「これ、以前のアレの系譜をうっすら感じるな……」というケースはよくあります。
例えば、「マナに特定の種族を要求する」繋がりのフォート・E→ジョーカーズレベルとか。名前のついてないギミックも含め、デザイン方針の変化を見比べてみると楽しいですよ。
逆に、一切音沙汰のない能力は……はい。なんらかの問題があったんだと思いますよ。ダイナモとかダイナモとか、あとダイナモとか。
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
おや、次回予告がありませんね。これは単にネタが決まってないだけなんですが、実は次回の次回予告もありません。
というわけで、次回のテーマはこちらです。各自予習していってください。
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それでは、次の記事で。北白河でした。