「1枚初動」概念がデュエマにも
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。来ますね、《 ハニー=マーガニー /「こっちは甘いぞー」 》。
このスペックの濾過兼墓地肥やしがツインパクト&トリガーつきで2マナってだけでも時代を感じるんですが、アビス革命チェンジとの相性もアホみたいに良くて笑いました。
2ターン目に呪文面を使ってチェンジ先を確保し、3ターン目に生物面をアビスラッシュ→《 フォック=ザ=ダーティ 》に革命チェンジ……みたいな動き(なぜか手札が減ってない)は序の口。
4ターン目以降、都合4マナあればこの動きを毎ターン延々と繰り返せるのはさすがに何かがおかしいと思います。極論、ゲーム中にこいつ以外にマナを使わなくても勝てますからね。
チェンジ元には《 ハリート=ハイホ 》を採用したり前述のムーブに《 テブル=ザザーム 》のアビスラッシュを絡めたりすると3ターン目《 アビスベル=覇=ロード 》も可能ですので、ひょっとするとひょっとしちゃうんじゃないかなあと思いながら見てます。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《 闇侯爵ハウクス 》
【 クリーチャー 】
種族 ダークロード / 文明 闇 / パワー5000 / コスト6
このクリーチャーが破壊されたとき、各プレイヤーは自分自身の手札をすべて、それぞれの墓地に置く。
DM-06で登場した、レアのダークロードです。
効果は「破壊時に両者に全ハンデス」というわかりやすいもの。
そこまで強いカードではないんですが、当時のコロコロコミック付録になったこともあり知名度は結構高めな印象がありますね。
ちなみにイラストを担当した井塚大介氏曰く「《 闇侯爵ハウクス 》の真の姿が《 神核アトム 》であるという裏設定のつもりで(アトムを)描いた」とのこと。
ちょっと一次ソースが見つからなかったんで真意を掘り切れてないんですが、起源神ファンとしては見逃せない一枚です。今からでもアトムにこの能力つけない?(パーツ剥がれた時に全ハンデス飛ばせるから)
さて。そんなこのカードなんですが、一回だけ再録経験があります。
ちょっと初版と見比べてみましょうか。
枠が二世代違うと同じイラストでも雰囲気が変わるね……というのは置いといて、注目したいのがテキスト表記。
実は闘魂編まで「破壊」というキーワード処理が存在しなかったということもあり、いわゆる「破壊時効果」「pig効果」のテキストがちょっと変わってるんですよ。《 ボマーザウルス 》とかもそうですね。
今のルールだとどちらも意味することは同じなんですが、実はこの旧テキストが一時期問題になりまして。一度、よくこの文章を読んでみてください。
「このクリーチャーがバトルゾーンから自分の墓地に置かれたとき」。
ものすごく恣意的に読むと、封印剥がしやメテオバーンで「破壊以外でバトルゾーンから墓地に行く」パターンでも誘発するように読めませんか?
どう考えてもそんな状況を想定して作られたわけではないのですが、原則「書いてる通りに動く」デュエマのルール上そう動いてしまう……と暫定回答が出たのが運の尽き。
【レッドゾーン】にとりあえずこのカードや《 ボマーザウルス 》を仕込んでおき、封印解除時に墓地に落ちる上振れだけを期待する稀代の珍デッキ【ハウクスバイク】の誕生です。
当時の【レッドゾーン】自体がやや落ち目だったとはいえ、速攻デッキが突然ノーコストで全ハンデスや2ランデスをしてくるという荒らし性能は考えるだけで凶悪。愛好家の中で一定の立ち位置を確保するに至りました。
ただ、さすがに公式もこの挙動がおかしいことに気付いたのか、わりとすぐに「クリーチャーとして墓地に行かないと誘発しない」という至極真っ当な正式回答を公開。
さらに悪用されそうなカードについては「破壊された時」にテキストを修正して即座に再録するなど、徹底してこの謎挙動(と、それに伴うテキストの勘違い)は潰されることになりました。よかったよかった。
……ただ、ここで再録されなかった《 警護するソリッド・ホーン 》と《 ジャババ・ハット 》《 ジュースダス・タンク 》の組み合わせについては、まだたまに弊社で注文されて「実はそのコンボできないんだ、ごめんね……」というベルカードを同封されています。
……というか、二年くらい弊社の注文を遡った結果、《 警護するソリッド・ホーン 》というカードそのものが「旧枠カードコレクション」「《 ジャババ・ハット 》絡みのコンボ」のどちらかのパターンでしか売れていないことが判明しました。みんな考えること一緒すぎるだろ!
この手の小さな悲劇を無くすには……やっぱり、カードの最新テキストが見れるデータベースや「これまでに刷ったカードのテキストを物理的に書き換える装置」の導入が必要になりそうです。
スペルビアを白金の天使と思ってたパターンにはさすがに全力で突っ込みました
というわけで、《 闇侯爵ハウクス 》でした。
まあその。そもそも人間って、自分が有利になるようにならばどんな不自然にでも読み間違えられる生き物なんですよ。
史上初のTCGことマジック:ザ・ギャザリングの初期テストプレイにおいて、「Your opponent loses next turn(対戦相手は次のターンを失う)」が「対戦相手は次のターン敗北する」と誤読された結果「Take an extra turn after this one(このターンに続いて追加の1ターンを行う)」に変更された例を見ても、時代や洋の東西を問わずこの問題は絶対に付きまとうことがわかります。これはカード自体が元から壊れてたけど。
この手の読み間違いでデッキを組んで実戦で指摘されるととっても恥ずかしいので、「なんで今まで誰もこれを使わなかったんだ!?」みたいな組み合わせを見つけたら一度カードwikiなどを調べるか、テキストをもう一度きっちり読み返してみることをお勧めいたします。
使われないことには、必ず理由が存在しますからね。ナンバーワンになるのはもちろんのこと、オンリーワンになれるチャンスも見た目より遠いのです。まあ、だからこそどちらも目指す価値があって尊いんですが。
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それでは、次の記事で。北白河でした。