病気に天丼はなくていい
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。近付いてますね、冬。読者の皆様は体調など崩しておられませんでしょうか。
私はまたしっかり崩しました。お仕事に影響が出るくらい風邪を引いたのは、一週間ぶり二回目です。
咳・鼻・喉と三拍子揃ったパワフルで優等生な症状をモロに食らいながら、この原稿を書いています。
追記:公開時点でまだ治ってません。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《 フレア・フュージョン・ドラグーン 》
【 クリーチャー 】
種族 ティラノ・ドレイク / 文明 火 / パワー6000 / コスト7
バイオ・K-自分のティラノ・ドレイクが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、このカードを自分の手札から捨ててもよい。そうした場合、相手クリーチャーをパワーの合計が3000以下になるように好きな数選び、破壊する。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚破壊する)
DM-23で登場した、SRのティラノ・ドレイクです。
……ええ。SRの。
当時としてはかなりのサイズを持つ本体か、ティラノ・ドレイクを指定したバイオ・Kで3000割り振り火力の除去を飛ばすかという選択肢を持つカードではあるんですが。その、どっちに転んでもSRのやることではない気がしますね。
ティラノ・ドレイクという種族に闇文明が含まれている以上、序盤にバイオ・Kで使って墓地回収で使い回すという使い方もできなくはなさそうですが……そこまでやる価値があるかと言われると。
というわけで、前回に引き続き過去の能力語・キーワード能力総ざらい回です。
さっそくやっていきましょうか。例によって最後までお付き合いいただければ幸いです。
不死鳥編最終弾ことDM-23からやってきたのが、バイオ・K。バイオ・キックと読みます。
「特定の種族の攻撃が通った時に手札から捨てると効果が誘発する」というものですね。
手札という見えない場所から、突然呪文みたいに効果が発動する……要するに、ちょっとタイミングが遅くて発動条件があるアタック・チャンスみたいに使えるわけですよ。
……じゃあアタック・チャンスでいいだろこんなもん!
実際、この能力をもとに作られたのがアタック・チャンスという話が、デュエチューブに上がったりもしていましたね。
わざわざクリーチャーを捨てる形にしなくても、「使ったら効果が発揮される」ならば呪文の方が分かりやすくていいわけです。
というか、この能力そもそも5枚しか出てないんですよ!しかも、バイオ・Kでテキスト欄が圧迫されるからどれも生物としてのコスパが最悪で!《 霊騎ゼブルス・シャーマン 》とかバトルゾーンだと5マナパワー1000バニラだぞ!
……まあ、アタック・チャンスがある以上、よっぽど面白い使い方が出ない限りそのままの形での再登場はないでしょう。ツインパクトで生物と使い分ける選択肢ができたり、直接アタック・チャンスを生物につけれるようになっちゃったしね。
バイオ・Kと同時に搭乗してややこしいことになったのが、バイオ・T。こっちの読みはバイオ・タックルです。
「特定の種族の攻撃でバトルが始まった時に手札から捨てると効果が誘発する」というものなんですが……
……じゃあなおさらアタック・チャンスでいいだろ!
だーかーらー!攻撃関連の誘発効果はもう全部「攻撃した時」でいいんですよ!
せめてこっちの攻撃に限らず「バトルが始まった時」に使えたなら、ニンジャ・ストライクみたいにコンバットトリックとして使えたのに!
本体性能が劣悪+6枚しか出てないという点もバイオ・Kと同じで、あちらが救われない以上こちらの再登場もないでしょう。
「cipでも呪文効果でもない能力」っていうのは独自性があって悪くはないと思うんですが……はい。メタも効かないしね。
不死鳥編のラスボスとなる能力は、L・ゲートとG・L・ゲート。それぞれ「ライフ・ゲート」と「ゴール・ライフ・ゲート」と読みます。あ、どっかの呪文とは関係ありません。
効果としては「破壊置換効果で自身を山札の下に送ると、墓地の指定された種族の生物を手札に戻せる」。G・L・ゲートは、戻す数に制限がないバージョンです。
いやその……そりゃ便利だとは思うんですが……わざわざ能力にするほどのことか……?
「各種族に存在する能力」という形にしておくことで、カラーパイを無視して墓地回収ができるようになったのはいいんですが、なんかこう……後ろ向きですよね。
あと、G・L・ゲートがよりにもよってシナリオのラスボスである《 超神星ブラックホール・サナトス 》の専用能力だったのも問題だと思いますね。死ぬことが前提の進化GVって何?
効果そのものはささやかながらちゃんと仕事をするので、自壊やブロックを絡めてある程度能動的に使っていける《 厄介人形ヤップップ 》とか《 転生の守護者コア・パルサー 》のようにピンポイントで役に立ちそうなカードはあるんですが……。
さすがに再登場はないか、あったとしても処理が変わって名前が消えてそうです。一個思い付いたのが、《 究極男 》とかの系統でテキスト欄にびっしり種族が書いてあることなんですが……さすがにないか。
なお、DM-23ではマイナーチェンジも含めて4つの能力が登場し、そのすべてがコケたことになります。開発に時間をかけることって大事ですね。
時代は変わって極神編で登場したのが、ロスト・プリズム。このシリーズで登場したロスト・クルセイダーの種族専用能力ですね。まあ後に例外も出たんですが。
「出た時にトップを公開し、多色カードなら手札に加える」というものなんですが……これはちょっと他の能力と毛色が違う気がしていまして。
これは例によって憶測なんですが、「ロスト・クルセイダーはこういうやつらですよ~」という種族特徴をつけるために作られた能力だと思うんですね。
多色のみ存在して各文明に散らばっている種族である以上、カラーパイ的に既存文明と同じことをさせられない→ならば、「多色であること」が種族特徴になる能力を作ろう……って言う感じの。
なので、種族そのもののプッシュが終わった今となっては再登場がないのもうなずける話です。
……あと、ロスト・クルセイダーっていう種族自体がなんか取っ散らかってる+この能力のコスト査定がけっこう重いことで、カード単位・種族単位の両面であんまりデッキにならなかったのも向かい風な気がしますね。
同じく極神編から来たのが、O・ドライブ。「オーバー・ドライブ」と読みます。
効果としては、「使用時に追加で指定のマナを支払うと効果を発揮する」というもの。
MTGの人気能力「キッカー」(後にコラボカードで登場しましたね)を元にした効果で、序盤から終盤まで仕事ができるカードをデザインできるたいへん優秀な能力なんですが……。
カードとしての実装がどれもあんまりよろしくなく、極神編後期に登場した「5色キッカー」サイクルくらいしか活躍しなかったのは懸念点ですね。
また、能力そのものの問題点として「呪文とクリーチャーで微妙に挙動が異なる(クリーチャーのみ「召喚」にしか対応していないので)」「『マナシンボルによるコスト』発明前なので、説明が冗長」などがあり、そのまま現代デュエマに持ってくるのには骨が折れそうです。
能力そのものは悪いものではないので、いわゆるcipにしたうえで「(マナシンボル)を払ってもよい。そうした場合~」とかにすると、相手ターンにマナを残す戦略とかも生まれて楽しげですね。
……まあ、そうなったらそうなったで「原則相手ターンには能動的に動けない」というデュエマの基本ルールと対立するというのはそうなんですが。
一個一個の能力を説明しすぎて文字数がぶっちぎったので、今回はここまで。次回は戦国編からいきましょうか。
あと2-3回くらいはこのシリーズ続きます
というわけで、《 フレア・フュージョン・ドラグーン 》でした。
この手の失敗能力にありがちな共通点を考えてたんですが、「そのパックのあらゆるカードが雑多に持ってる」ような能力っていうのは調整が難しくて失敗しがちという傾向はあるように思いますね。最近の例だと、遥か未来のキズナ関連とか。
……まあ、次回かその次くらいでこの例外が出てくるので、お楽しみに。
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それでは、次の記事で。北白河でした。