目次
・はじめに(という名の諸注意
皆さん、はじめましての方は初めまして。そうでないという方は相当記憶能力がすごい方ですね。
改めまして、今回ライターを務めさせていただく柑橘みかんと申します。
さて、この記事の読み進めるにあたり、皆様に大切なお願いです。
この記事には、「緑色の豆の形状をしたカエルのミルクボーイ」が描写されます。
苦手な方、トラウマな方、心臓の弱い方や強い吐き気、あるいは恐怖のあまり暴れだす方にはお勧めできません。速やかにバックスペースでTwitterに帰ることを推奨します。
では次の段から書き始めますからね?注意しましたからね?
・第1弾:その忌み児は産声をあげる
さあ、ここからは思いっきり名前を出していきます。
生まれる世界を間違えた、世界を1晩で滅ぼした、豆の見た目をした悪魔だ、数々の伝承を生み、ありとあらゆるループデッキで悪用され続けた赤ん坊。
本日の記事の主役、《ベイB ジャック》君です!
今の小学生や新規参入した人には、こいつってこんな見た目でなんで嫌われてるの?って方も大勢いると思います。
ではそんな方々のために、《ベイB ジャック》が歩んでしまったプレミアム殿堂(遊戯王なんかで言う禁止制限)への奇跡を、かいつまみながら紹介します。
登場は革命ファイナル終期に発売した DMR-23 「革命ファイナル 最終章 ドギラゴールデンvsドルマゲドンX」。
同期には
・ラスボスとして、パックの名前にもなっている《FORBIDDEN STAR〜世界最後の日〜 /終焉の禁断 ドルマゲドンX》
・天門やロージアダンテで多く採用されたエンジェル・コマンド・ドラゴン《時の秘術師 ミラクルスター》
・終期に登場した《Dの牢閣 メメント守神宮》や《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》などのS・トリガー付きのD2フィールドサイクル
等の多くの著名カードを輩出した伝説のパックでもあります。
さて、パック発売前、すでに環境ではとあるデッキが一つ存在していました。
知っている方も多い、緑単ループと呼ばれるデッキタイプです。いやな予感しかしませんね。
当時の自然文明は、 《邪帝斧 ボアロアックス》 や 《蛇手の親分ゴエモンキー!》 、《アラゴト・ムスビ》や 《S級原始 サンマッド》 などと言ったループパーツで溢れており、「頭ハッピーセットで3までしか数えられない原始の侵略者がIQ300くらいになったら文明滅ぼした」ぐらいにまで成長していました。
特に 《龍覇 サソリス》 を用いた緑単サソリスはGP2nd準優勝まで上り詰めるにまで至りました。
革命ファイナルにおいても、 《蛇手の親分ゴエモンキー!》 や 《原始 サンナップ》 を用いて、長らく環境を荒らしまわりました。
さて、様々なカードを用いて環境に生き残っている緑単ループですが、新弾が発売されると同時に《ベイB ジャック》に目を付けました。本来生まれるはずであった腹に生まれられなかったのです。そう考えると 《ベイB ジャック》 君も可哀そうですよね。
《ベイB ジャック》 君を獲得した緑単ループはとどまることを知らず、各地にて環境を荒らしまわりました。
めでたしめでたし。
・第2弾:つまりこいつ何が駄目なの?
おっと、私としたことがこいつのことを書くのを忘れていました。
【クリーチャー】
【文明】自然
【種族】ミルクボーイ/イニシャルズ
【パワー】6000
【コスト】1
■バトルゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーは、自分のターンのはじめにアンタップしない。
■自分がカードを引いた時、自分のマナゾーンにあるカードを3枚タップしてもよい。そうしたら、このクリーチャーをアンタップする。
■バトルゾーンにある自分のクリーチャーを、自分のマナゾーンにあるかのようにタップしてもよい。
一番最後の文章がなければすごい健全なクリーチャーだった。なぜ付けたウィザーズ。
簡潔に言うと、すべてのクリーチャーが常に場にある《フェアリー・ライフ》になるみたいな感じです。
例えば、2ターン目に《桜風妖精ステップル》を召喚してターンエンドをするところが、1ターン目に《ベイB ジャック》が置かれているだけでさらに2マナ分は動けるようになります。
極端な話、手札が 《桜風妖精ステップル》 4枚で占められててもそれらすべてを召喚できたうえで合計10マナブーストできるって感じです。バグかな?
しかもおまけのようにパワーが6000もあります。大体の1~3コスト帯って出せても精々5000火力なので出されたら低コスト指定除去系のカードしか対処できません。
じゃあここまでを踏まえたうえで採用すべきデッキは何か?
緑単ループや黒緑速攻、当時でもあらゆるデッキに採用されていました。しかしこの《ベイB ジャック》が「忌み児」たらしめる所以であるデッキが襲来しました。あのパックとともに・・・
それがこのあらゆる角度で超問題パックDMEX-01 「ゴールデン・ベスト」です。
私にとっても良くも悪くも思い出深いパックでした。UGCなどの事前情報にすごい期待してたんですけど、中を開けてみるとどうでしょう。明確な当たり外れが大きすぎて困惑の一途。どちらかというと再録のカードが主役みたいなところもありましたが、それさえも時代の壁があります。
当時の当たりとしては
・当時再録が薄く入手が困難だった 《クリスタル・メモリー》
・スーパー・S・トリガーの登場で大幅な強化を受け、ブライゼシュートの切札になった 《黒神龍ブライゼナーガ》
・NEXミラダンテの登場で注目され、デッキ限定のカードで入手困難だった 《凰翔竜機バルキリー・ルピア》とそのデッキの切り札である 《ボルシャック・NEX》
・初の再録で大注目を浴びた 《超時空ストーム G・XX》/《超覚醒ラスト・ストーム XX》
その他、環境で流行っていた墓地ソースや《超戦龍覇 モルトNEXT》等の優秀なカードの再録が光りました。
そんな中、1体のクリーチャーだけが歪な笑みを浮かべていました・・・
・第3弾:メタリカが正義執行という名目の終焉を齎した
デュエルマスターズというゲームにおいて、「勝ち」というゴールへ行くルートは複数存在します。
そんな中で最も安牌なのは特殊勝利、ExtraWinではないでしょうか?
思えばこの時代から《ジョリー・ザ・ジョニーJoe》をはじめとした特殊勝利系のカードが増えていた気がします。
そんな中、赤ん坊が目を付けた新しいおもちゃは、新たな力を身に着けた光のフェニックス、《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》でした。
緩い進化条件に加えて緩いExtraWin。
大量展開するデッキに使ってくれと言っているようなものですね。案の定当時のデッキビルダーはこれを悪用するデッキを開発しました。
それが「横に大量展開する」をモチーフにしてしまったメタリカとの出会い、すなわち「白緑メタリカ」の誕生でした。
実は「白緑メタリカ」の起源は古く、DM新章が始まる前にコロコロチャンネルにて投稿された新種族解説のためにデッドマン氏が持ち込んだデッキとされています。
当時のカードプールでも十分に白緑メタリカはやばかったのですが、 《聖霊龍王 ジーク・キャヴァリエ》 までに繋げるまでに手順が長い事、メタリカのカードプールが発売当初であったため少なく《龍装者 バーナイン》 のドローを生かしきれないことなどが問題でした。
しかしデュエマ15周年、きっとデッドマン氏は自分がかつて使ったデッキのことを忘れていたのでしょう。
カードプールは満ち、特殊勝利までのルートが簡略化され、満を持して白緑メタリカは環境を荒らしまわったのでした。
・・・しかし、登場当時から環境を荒らしまわってしまった赤ん坊は、2018年3月1日にプレミアム殿堂に指定され、その生涯を終えました。
・IF世界線:もしも忌み児が殿堂入りしてなければどうなっていたか
長らくお待たせしました。皆さんに忌み児もとい《ベイB ジャック》の凶悪性を感じていただいたところで、本記事のメインテーマである、 《ベイB ジャック》 がプレミアム殿堂指定されていなければ現環境にてどのような使われ方をしたのか、十王編を主軸とした環境での使われ方を考えてみます。
・ 《ベイB ジャック》 +キリフダッシュ
一番最初に思い浮かぶ使われ方です。
例えば、《タイク・タイソンズ》でアタックして《ヤッタレマン》にJチェンジを行い 《モモダチ モンキッド》2枚と《熊四駆 ベアシガラ》を宣言し、仮に 《モモダチ モンキッド》でブーストしたマナがどちらも多色でベアシガラのマナがなくても、場の 《モモダチ モンキッド》 でマナを生成できます。
本来出ないクリーチャーが出て来るなんてやっぱりバグ。
・ 《ベイB ジャック》+バズレンダ
こちらはどちらかというとコントロール向きの使い方。
ごくありふれた使い方ですが、場のクリーチャーをバズレンダのコストに使用します。バズレンダのコストはクリーチャーのコスト軽減が適用されるので、軽減系のクリーチャーを横並びするのもよさそう(《フィーバー・ナッツ》を雑に横並びする等)。
でも最終的に《コスパンダメソッド》で無限EXターンなんてことが出来そうなのでやっぱりバグ。
・ 《ベイB ジャック》 +フシギバース
墓地のクリーチャーのコスト支払いの前にクリーチャーをマナに送るのでタップ効果があまり生かせないのが現状。
使うとしたら《不敵怪人アンダケイン》を利用した今流行りのアンダケインループでしょうか?
結論ループデッキに至るのでやっぱりバグ。
・IF世界線:今ジャックがいたらどんなデッキが生まれるのか?
というわけで 《ベイB ジャック》 と私のない頭を使ってサンプルデッキを組んでみました。
・一つ目:ベイB魚籠びっくん
《ベイB ジャック》 で早期に《Dの花道 ズンドコ晴れ舞台》や《生命と大地と轟破の決断》を打って「ズンドコ魚籠びっくんループ」を行うデッキ。
当時のズンドコ魚籠びっくんでは《シャギーⅡ》でマナ回収を行ってましたが、《クリスマⅢ》の登場でよりループの簡略化が出来たのが大きい。またループの過程で自壊系GR召喚クリーチャーを無限に回せるのでリソースも確保しやすいです。
また新カード《三・騎・繚・乱》の採用で手札の確保も安定しました。
GRクリーチャーをタップしてもマナが生成できないことには注意してください。
・二つ目:新型白緑メタリカ
本命のデッキのほう。
正直これを組んだからこの記事を書いたまであります。
《ベイB ジャック》 がプレ殿する前のデッキから、双極編と超天編を経てメタリカもまた進化してきました。
どちらのエキスパンションからも、強力なメタクリーチャーである《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》と《音奏 プーンギ》の参入があり、メタリカの防御態勢はより強固なものになりました。
さらには 《生命と大地と轟破の決断》 登場により 《桜風妖精ステップル》 で落ちたパーツなどを拾い上げるのが容易になったり等、潤滑油の充実がすさまじいです。
極めつけとして、 《ベイB ジャック》 でタップしたクリーチャーさえも守りの要にしてしまう《大審絆官 イマムーグ》の登場により、トリガーの採用数0となってます。
・おわりに
さて、皆さんいかがだったでしょうか。
皆さんに覚えててほしいのは、これらは全てフィクションであること、 《ベイB ジャック》 は永遠にプレミアム殿堂解除されないこと、帰ってきたらデュエルマスターズはサービス終了することです。
それらを踏まえたうえで、友人とフリーで是非、 《ベイB ジャック》 君を使ってみてはいかがでしょうか?
ただしフリーで使うときは友人にデッキを曝してから使いましょう。友好な友達関係を築くコツです。
それではまた、書くことがあれば!バイバイ!