目次
はじめに
王来篇が始まると同時に【ラッカスター進化】が「オリジナル」環境に現れてからはや数週間。
最初こそ似たようなカラーリングのスター進化デッキが活躍していましたが、新たにいくつかのスター進化デッキが活躍するようになりました。
そのどれもがデッキビルダーの創意工夫によって誕生したものです。
今回はその中から「オリジナル」で活躍している【赤緑スター進化】を紹介していきたいと思います。
主役はなんと言っても、《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》。
このカードはデッキビルダーによって”救われた”カードと言えるかもしれませんね。
特徴・デッキレシピ・回し方解説を通して、どういう風に《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》を輝かせるのか。この点を皆さんにお伝え出来るように紹介していきます。
【赤緑スター進化】特徴
【赤緑スター進化】はスター進化の打点形成能力の高さを生かしたビートダウンデッキです。
核となるのは《王来英雄 モモキングRX》です。
コスト7までの進化クリーチャーを即場に出せる効果も強力ですが、シンカパワーも凶悪です。
バトル時にアンタップする効果は《ボルシャック・ドギラゴン》と相性が良く、相手のクリーチャーとバトルしつつ連続攻撃が可能です。
【 進化クリーチャー 】
種族 メガ・コマンド・ドラゴン / 革命軍 / 文明 火 / パワー12000 / コスト7
■革命0トリガーークリーチャーが自分を攻撃する時、自分のシールドが1枚もなければ、このクリーチャーを手札から見せてもよい。
そうしたら、自分の山札の上から1枚目を表向きにする。
そのカードが火の進化ではないクリーチャーなら、バトルゾーンに出し、このクリーチャーをその上に置く。
■進化ー自分の火のクリーチャー1体の上に置く。
■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時または攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。
その選んだクリーチャーとこのクリーチャーをバトルさせる。
そして《王来英雄 モモキングRX》が引けてないときは《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》の出番。
《王来英雄 モモキングRX》に頼らずとも容易に場に出るコストなので《王来英雄 モモキングRX》に対してのデッキの依存度を落とすことが出来ます。
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / アース・ドラゴン / レクスターズ / 文明 自然 / パワー23000 / コスト6
■スター進化:レクスターズまたは自然のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
■Q・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻す。
■自分のクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを1つブレイクしてもよい。
《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》は、《王来英雄 モモキングRX》から踏み倒すことも出来るのでこのデッキとの相性は抜群です。
また、邪魔なメタカードを除去するためのカードを豊富に用意できるのもこのデッキの特徴と言えるでしょう。火・自然の強力な盤面干渉カードを採用しているので盤面の取り合いにはめっぽう強いデッキでもあります。
【赤緑スター進化】サンプルリスト
※今回のサンプルリストは以下の動画から引用させていただきました。
出典:第1611回 カンテラ勢によるデュエルマスターズ 話題のCS優勝デッキ 赤緑ディルガ.Star 徹底解説動画
一度組んで回してみましたが、上記の動画で紹介されている構築から変えるべき点は見つかりませんでした。
火・自然を軸としたスター進化デッキを組むなら間違いのない構築だと思います。
【赤緑スター進化】採用カード解説
進化関連カード
・《王来英雄 モモキングRX》
【 クリーチャー 】
種族 ヒーロー・ドラゴン / ジョーカーズ / レクスターズ / 文明 火/自然 / パワー6000 / コスト5
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、手札を1枚捨て、カードを2枚引く。その後、このクリーチャーから進化できるコスト7以下のクリーチャーを1体、自分の手札からこのクリーチャーの上に置いてもよい。
■シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、このターン、このクリーチャーがバトルに勝つたびアンタップする。
このデッキの核となるカードです。後に紹介する3種類の進化クリーチャーを踏み倒すことが可能です。
手札を1枚捨てて2枚ドローする効果は強制効果なので注意しましょう。
たとえ自分の手札がどれも捨てたくないカードだったとしても必ず捨てなければなりません。
その代わり、手札が無い時には1枚も捨てずに2枚ドローできてお得です。計画的に使用しましょう。
・《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》、《ボルシャック・ドギラゴン》
主にこのデッキが使うことになる進化クリーチャーがこれら2種類です。
いつでも腐らずに使える《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》は文句なしの4枚採用です。
理想的な動きの1つが予め出していたクリーチャーで1枚ブレイク、《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》で4枚ブレイクするときに《龍装者 バルチュリス》を宣言という動きです。
最初の1枚のブレイクから有効なトリガーが来なければトドメまでが通りやすい強力な動きになっています。
《ボルシャック・ドギラゴン》は相手がバトルゾーンにクリーチャーを出してくれていて、かつ、踏み倒しメタのクリーチャーが居ないときに輝くカードです。
《王来英雄 モモキングRX》のシンカパワーを発動させると、攻撃時に相手クリーチャーとバトル→バトルに勝ってアンタップ→攻撃時に相手クリーチャーとバトル……と連続攻撃が可能になります。
やや相手依存なので今回のサンプルリストでは3枚採用に抑えましたが、環境次第で4枚採用するのも良いでしょう。
例えば【アナカラーデッドダムド】、【ラッカスター進化】といったデッキに対して強力なカードですのでそれらが多い環境では増やしたいですね。
因みに革命0トリガーはオマケです。あくまでも出した時の能力とアタックトリガーをメインで使用します。
・《超竜バジュラ》
(殿堂カード) 【 進化クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 火 / パワー13000 / コスト7
進化-自分のドラゴン1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃するとき、相手のマナゾーンからカードを2枚まで選ぶ。相手はそれを持ち主の墓地に置く。
T(トリプル)・ブレイカー(シールドを攻撃したとき、このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする
殿堂カードなので1枚の採用です。
将来の夢は先攻3ターン目から始めるバジュラビート。
相手のメタカードを除去するカード
・《グレープ・ダール》
【 クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / スペシャルズ / 文明 自然 / パワー5000 / コスト5
■マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
■Jチェンジ6(このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーと自分のマナゾーンにあるコスト6以下のジョーカーズ1体を入れ替えてもよい)
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から2枚をマナゾーンに置いてもよい。そうしたら、カードを1枚、自分のマナゾーンから墓地に置く。
《王来英雄 モモキングRX》。《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》等を踏み倒すことが出来ます。
マナブーストで公開領域を増やしてキーカードを探せるので、《王来英雄 モモキングRX》を使いやすくなります。ついでのようにマッハファイターで相手のクリーチャーを除去出来るのも強力ですね。
・《バングリッドX7》、《“乱振”舞神 G・W・D》
どちらも強力な盤面除去カードであり、それと同時に自分のリソースを広げるカードでもあります。
《バングリッドX7》は攻撃時にマナを増やすことが出来、かつ、増えたマナを手札のように扱うことも出来る点が強みです。
また、ジョーカーズが18枚採用されていて、《グレープ・ダール》等でマナも伸びるので終盤ではマナからの召喚も出来るようになります。それを見越した上で《グレープ・ダール》のマナを墓地に置く効果などは考えたいですね。
《“乱振”舞神 G・W・D》は複数のクリーチャーを除去できる点、SAなので最後の一押しの打点になる点が強力です。
後述しますが、《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》のバトルに勝った時に相手のシールドをブレイクする効果とも噛み合いの良いカードです。
初動
・《フェアリー・ギフト》
(殿堂カード) 【 呪文 】
文明 自然 / パワー- / コスト1
このターン、次に召喚するクリーチャー1体は支払うコストが3少なくなる。ただしコストは1より少なくならない。
《王来英雄 モモキングRX》、《グレープ・ダール》、《ボルシャック・ドギラゴン》等々軽減して強いカードが沢山入っています。正直2ターン目に《バングリッドX7》を出すだけでもかなり強いです。
火・自然で、自然文明は29枚も採用されているので《フェアリー・ギフト》特有の使いにくさも感じません。
・《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》、《幻緑の双月/母なる星域》
《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》は多色なのが玉に瑕ですが、出すことに裏目が少なく《桜風妖精ステップル》よりも優先されるカードです。STである呪文面もたまに活躍します。
また、多色であるという欠点ですが、このデッキは3ターン目にブーストカードをプレイするのでも十分戦えるデッキなのでそこまで気になりません。
《幻緑の双月/母なる星域》は先攻だと手札がカツカツになってしまうので使用は計画的に。
《母なる星域》は先に相手にシールドを中途半端にブレイクされた場合などにカウンターとして使うことがあります。
その他
・《蒼き団長 ドギラゴン剣》
(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 メガ・コマンド・ドラゴン / 革命軍 / ハムカツ団 / 文明 火/自然 / パワー13000 / コスト8
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■革命チェンジ―火または自然のコスト5以上のドラゴン
■自分の多色クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■T・ブレイカー
■ファイナル革命ーこのクリーチャーが「革命チェンジ」によってバトルゾーンに出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、コストが合計6以下になるよう、進化ではない多色クリーチャーを自分のマナゾーンまたは手札から選び、バトルゾーンに出す。
踏み倒せるカードは《王来英雄 モモキングRX》のみですが、それでも採用する価値のあるカードです。
このデッキを使っていると《王来英雄 モモキングRX》の2枚のドローで有効なカードを引かなくてはいけない場面がよくあり、その時の回答としてベストになり得るカードです。
・《生命と大地と轟破の決断》
(殿堂カード) 【 呪文 】
文明 自然 / コスト5
■この呪文を自分のマナゾーンから唱えてもよい。そうしたら、唱えた後、墓地に置くかわりに自分の山札の一番下に置く。
■次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
→自分の山札の上から1枚目を、タップしてマナゾーンに置く。
→コスト5以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。
→このターン、自分のクリーチャー1体はパワーを+3000され、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる。
《グレープ・ダール》、《王来英雄 モモキングRX》等を踏み倒します。
一度盤面が崩れたところからでも立て直せたり、先攻で使って大量展開で逃げ切ったりとマナに”置いておくだけ”で強力なカードです。
・《龍装者 バルチュリス》
【 クリーチャー 】
種族 ドラゴンギルド / ビートジョッキー / 文明 火 / パワー4000 / コスト5
■自分のクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーが自分の手札にあり、その攻撃がこのターン2度目のクリーチャーによる攻撃で、このターン自分の《龍装者 バルチュリス》をバトルゾーンに出していなければ、攻撃の後、このクリーチャーをバトルゾーンに出してもよい。■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
手札から追加の打点を用意出来るカードです。
序盤に手札にきたらマナに置いておき、《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》で回収出来るのも便利です。
・《ガガガン・ジョーカーズ》
【 呪文 】
種族 ジョーカーズ / 文明 自然 / コスト1
■自分の山札の上から3枚を見る。その中からクリーチャーを1体選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
1ターン目に打つ、というよりもこのデッキの特性上《ガガガン・ジョーカーズ》を打つことの出来るターンが多いので採用しています。
2ターン目に使って、3ターン目に使うブーストカードをサーチしたり…
2コストブーストから落ちた緑単色マナを生かして使用し、次のターンに使いたいカードをサーチしたり…
マナが伸びた終盤でトップデックしたらトドメまでもっていく切り札を探しにいったり…
マナカーブがある程度融通の利くこのデッキだからこそ生かせるカードと言えるでしょう。
【赤緑スター進化】回し方
ボルドギとシンカパワーで連続攻撃
この記事で何回か紹介してきたコンボですが今一度おさらいです。
《王来英雄 モモキングRX》の出た時の能力で、《ボルシャック・ドギラゴン》を踏み倒します。
そして《ボルシャック・ドギラゴン》で攻撃するときに相手のクリーチャーとバトル。バトルに勝てばシンカパワーの効果でアンタップするのでもう1度攻撃が可能になります。
相手の場に《ボルシャック・ドギラゴン》よりもパワーが低いクリーチャーが居れば居るほど攻撃回数が増えるということです。
《ボルシャック・ドギラゴン》は場に出たときにもバトルする効果を使えますが、連続攻撃のために敢えて相手の場にクリーチャーを残すようにするというのも一つの手ですね。
バルチュリスでトリガーをケアしよう
《龍装者 バルチュリス》は攻撃の後に出るカードです。そのため、シールドブレイクによってSTが発動した後に場に出てきます。
これをうまく使えば相手のSTをケアすることが可能です。
コツは先に小さな打点を通してから、2回目の攻撃で大きな打点を通すということです。これによって最初の攻撃のリスクを最小限にし、2回目の攻撃でSTを踏む確率を高めます。
つまり、相手のシールドトリガーを腐らせやすくすることが出来るということですね。
また、大きな打点を後で通すということは、《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》で2回目の攻撃をするということになると思います。
《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》で2回目の攻撃をしたときマナから回収した《龍装者 バルチュリス》をそのまま宣言することは出来ません。2回目の攻撃時に既に手札にないと《龍装者 バルチュリス》は宣言出来ないからです。
なので、後から回収すれば良いと思って早々に《龍装者 バルチュリス》を埋めるのではなくて、先を見越して手札にキープする必要があります。
相手がSTを多く採用しているデッキなら、《龍装者 バルチュリス》はマナセットせずに手札に抱えてプレイしましょう。
ケントナークを100%使いこなせ
《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》の隠されし(?)テキストを使いこなしてこそ、このデッキをマスターしたと言えます。
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / アース・ドラゴン / レクスターズ / 文明 自然 / パワー23000 / コスト6
■スター進化:レクスターズまたは自然のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
■Q・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻す。
■自分のクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを1つブレイクしてもよい。
それが自分のクリーチャーがバトルに勝てば相手のシールドをブレイクするという効果です。
このデッキにはマッハファイターが多く採用されていますが、本来マッハファイターは出たターンに相手のシールドをブレイク出来ません。
しかし、《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》が場に居るときに限り、相手のクリーチャーをバトルで倒すことでシールドブレイクが出来るようになります。マッハファイタークリーチャーを疑似的にSAとして使えるといった感じです。
また、《“乱振”舞神 G・W・D》に関しては登場時にバトルに勝てば相手のシールドをブレイクして残りのシールドを4枚に出来ます。
そうすれば《ケントナーク 〈ディルガ.Star〉》で4枚ブレイク、《“乱振”舞神 G・W・D》でトドメ、と綺麗に打点を組むことが出来ます。
この能力を使いこなせば相手のバトルゾーンのクリーチャーを糧にリーサルを組めます。相手からすれば安易にクリーチャーを展開出来なくなるのが厄介でしょう。
バトルゾーンの制圧とシールドブレイクを通したせめぎ合いはこのデッキの一番楽しい部分なので、是非使いこなしてみてください。
あとがき
いかがだったでしょうか。スター進化はまだまだ開発が進んでいくであろうデッキタイプですが、火・自然の2色のカラーリングの特徴は十分理解できたかと思います。
盤面の取り合いにめっぽう強く、シンプルながらも奥深さもあるビートダウンデッキが楽しめました。
例えば、ここに水を混ぜてみたり、闇を混ぜてみたりすればまた全然違うデッキになるでしょう。
さらに、同じ火・自然にせよ、《ボルシャック・モモキングNEX》を軸に据えればまた別の構築が見えてくるはずです。
文明の組み合わせ、着眼点によって数々のアプローチが可能なのがスター進化デッキの良いところですね。
皆さんも是非自分だけのスター進化デッキにチャレンジしてみてください!
因みに筆者は《ゲンムエンペラー 〈デスザ.Star〉》を救おうと努力中です…