目次
はじめに
ハロー 決闘者紳士淑女諸君。まずは、この記事を閲覧してくれてありがとう。
この記事では、遊戯王OCGの「ルールや発生する処理」に関して解説したり、コンボとしての扱い方を紹介していくぞ。
ここで学んだことは、遊戯王というコミュニケーションツールをより使いこなすのに役立つはずだ。
デッキの構築から、実際にデュエルした際に円滑に処理を進めることなど、知識を求められることは往々にして訪れる。
そんな場面の対策に、こんなブログで楽しく学ぶのがよいだろう。
諸君の豊かな遊戯王活動の一助になれば幸いである。
「一定期間だけ除外する」
今回、記事で扱うテーマがこれだ。
遊戯王OCGにおいては「一定期間だけ除外する」という処理が存在する。
しばしば遭遇する「~エンドフェイズまで除外する」だとか「次のスタンバイフェイズ時にフィールド上に戻り~」とかのテキストのことである。
遊戯王OCG パーフェクトルールブック中においては「一定期間だけ除外する」の文言でまとめられているため、当記事では上記の表現を採用した。
とはいえ、そんな文言はカードテキスト上には登場しない。
「一定期間だけ除外する」 に共通する実際のカードテキスト部分といえば「除外」のみである。
そんなわけか「一時的な除外」やら「ちょっと除外にどかす」やら、俗称されるのを見聞きしたのではないだろうか。
「一定期間だけ除外」を行う代表格と言えば 《D-HERO デビルガイ》だろう
《D-HERO デビルガイ》
【 効果モンスター 】
星 3 / 闇 / 戦士族 / 攻600 / 守800
このカードが自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する場合、1ターンに1度だけ相手モンスター1体をゲームから除外する事ができる。この効果を使用したプレイヤーはこのターン戦闘を行えない。この効果によって除外したモンスターは、2回目の自分のスタンバイフェイズ時に同じ表示形式で相手フィールド上に戻る。
この効果は相手を未来に飛ばし運命を確定させるイメージだろう。
運命を操る「D-HERO」にまさしく相応しいフレーバーだ 。
コイツは「相手モンスター」を「効果」で除外するのだが、
「一定期間だけ除外」界の中には 「自身」を「コスト」で除外する奴らさえ存在する。
界隈に属するカード種類数に対して、彼らのテキストバリエーションは実に豊富だ。
それでは、「一定期間だけ除外」されたカードには何が起こっているのか。
その要素ごとに見て行こうと思う。
1. 「戻す」は特殊召喚ではない
まず「一定期間だけ除外」 するに関して重要な部分はここだろう。
例えば、あなたの大事な特殊召喚モンスター、しかもそのなかでも「他の方法で特殊召喚できない」ヤツが 「一定期間だけ除外」されちゃった!
大丈夫だ5体満足 除外の刑期を過ごせば無事帰ってくる。
特殊召喚じゃないので。
《好敵手の記憶》
【 通常罠 】
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。自分は攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを受け、そのモンスターをゲームから除外する。次の相手ターンのエンドフェイズ時、この効果で除外したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。
このカードも同一の効果の処理にて「除外」と「除外から場への特殊召喚」する効果を持っている。
一時的に除外されて帰って来るなんて、まるで一定期間だけ除外じゃないか。
だが、特殊召喚とは違うもの。
なんて紛らわしいのだ。気を付けよう!
《E・HERO アブソルートZero》
【 融合モンスター 】
星 8 / 水 / 戦士族 / 攻2500 / 守2000
「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO アブソルートZero」以外の水属性モンスターの数×500ポイントアップする。このカードがフィールド上から離れた時、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。』
「HERO」を素材に融合召喚されるモンスター。
フィールドを離れた時に強力な破壊効果を発動するぞ。
融合召喚でしか場に特殊召喚はできないけれど、「除外から戻る」ことはできる。
つまり、「一定期間だけ除外」することで除外時と帰ってきた後とで複数回発動を狙えるのだ。
このカード以外にも様々な「フィールドを離れた」や「除外された」を発動の条件とするカードはある。
もしも、貴方のデッキにいたら利用してみたらいかがだろうか。
2. 「一定期間だけ除外」されたモンスターには(一部の)情報が残る
戦闘で破壊され墓地へ送られる、相手の効果で除外されてしまう。
いうならば「恒久的にフィールドを離れてしまった」場合、モンスターが持っていた情報は失われてしまうものだ。
例えば「S召喚された」とか「効果で攻撃力が変化している」とか。
これら情報は、再び場に特殊召喚しても残っていないことはご存じだろう。
しかし、「一定期間だけ除外」ならば、いくつかの情報を保持したままフィールドの内外を行き来できるのだ。
2.1 失われる情報
失われる情報としては、次のようなものがあるよ。
- 変化している「攻撃力」や「守備力」に「レベル」や「属性」等といったステータス
- 他のカードの効果によって受けた「効果」や「制約」(「エンドフェイズに破壊される」や「この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効になる」とか「~このカードを○○召喚の素材に使用した」とか)
- 「1ターンに一度」発動できる効果を使ったか、「表示形式の変更」できる権利、「攻撃宣言」したかどうか
- 「アドバンス召喚のリリース」や「特定の特殊召喚の素材」として使用したカードの情報(上級「インヴェルズ」モンスターや、下級「ヴェンデット」モンスターとかね)
上記が比較的に遭遇しそうなポイントだろうか。
《儀式魔人リリーサー》
【 効果モンスター 】
星 3 / 闇 / 悪魔族 / 攻1200 / 守2000
儀式モンスターの儀式召喚を行う場合、その儀式召喚に必要なレベル分のモンスター1体として、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事ができる。このカードを儀式召喚に使用した儀式モンスターがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はモンスターを特殊召喚する事ができない。
特殊召喚を封じるニックいヤツ。《儀式魔人リリーサー》を儀式召喚に使用した儀式モンスターを出されてしまっても、一度でも「一定期間だけ除外」 させれば…
情報を失わせることは、様々なカードとのコンボが狙える要素だ。
相手のメリット効果を失わせることはもちろん。
自分のデメリットな効果を失わせたり、制約を失わせたり出来るぞ。
《ミス・ケープ・バーバ》
【 リンクモンスター 】
星 2 / 闇 / 悪魔族 / 攻200 /
モンスター2体
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分・相手のバトルフェイズ開始時に、このカードまたはこのカードのリンク先のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをエンドフェイズまで除外する。
簡単な素材で呼び出せるリンク2モンスターだ。
「一定期間だけ除外」界のスーパー・ルーキー。
下の 《トリガー・ヴルム》と相性抜群。そちらをリンク素材に使えば、効果で再び特殊召喚されるぞ。さらに《ミス・ケープ・バーバ》 女史の効果で 《トリガー・ヴルム》 を除外すれば1枚ドロー出来るのだ!相手ターンも使えれば複数枚のドローも狙えるぞ!!
除外された際 《トリガー・ヴルム》が得たリンク素材にできない情報は失われ、 再びなんらかの素材として展開していくことも可能な点も美しい。
《トリガー・ヴルム》
【 効果モンスター 】
星 2 / 闇 / ドラゴン族 / 攻600 / 守600
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが闇属性リンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合に発動できる。墓地のこのカードを、そのリンクモンスターのリンク先となる自分フィールドに攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードはリンク素材にできない。
②:このカードがリンクモンスターの発動した効果で、破壊された場合または除外された場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。
自力ではその引き金を引けない哀れなドラゴン族下級モンスター。
2.2 失われぬ情報
失われない情報には次のようなものがある。
- 「アドバンス召喚された」や「特殊召喚された」、「S召喚された」といった召喚の方法(反転召喚を除く)
- どこから召喚されたか(「EXデッキから特殊召喚された」とか)
- 何の効果によって特殊召喚されたか(「LV」モンスター達のLVUP条件を阻害しないとか)
こんなもんかしらん。
《影依融合》
【 通常魔法 】
「影依融合」は1ターンに1枚しか発動できない。①:自分の手札・フィールドから「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、自分のデッキのモンスターも融合素材とする事ができる。』
このカードは、EXデッキから出てきたモンスターが相手フィールドに居れば、なんとデッキのモンスターで融合出来ちまうんだ。つまり、EXデッキから特殊召喚されたモンスターは「一定期間だけ除外」しておいても《影依融合》対策にはならないぞ。なんてこったい 。逆に言えば、自ずから併用できるともいえる けど。
除外から戻ってくる際には除外された時と同じ表示形式で戻すことになること。
フィールド上で裏側表示のモンスターを除外した際には、裏側のままで除外されることから、 表示形式も失われぬ情報といえるのかな。
それと、戻ってくる際の場所はカードの除外される直前のカードのコントローラーの自由だぞ。(EXモンスターゾーン以外ならば)
EXモンスターゾーンを譲り合ったり、好きな場所に移動させるために利用することだって出来るわけ。
また、裏側表示になることで失われる情報とはまた少し異なるということも頭部の片隅に置いておこう。
もちろん、この項目で説明したこと以外にも様々な情報があって失われたり失われなかったりするぞ。
どう処理されるのかわからない、そんなときには
自分の手で遊戯王OCG事務局に問いかけて確かめてみよう!
《彼岸の悪鬼 ファーファレル》
【 効果モンスター 】
星 3 / 闇 / 悪魔族 / 攻1000 / 守1900
『「彼岸の悪鬼 ファーファレル」の(1)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):自分フィールドに「彼岸」モンスター以外のモンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをエンドフェイズまで除外する。 』
効果・ステータスともに優秀なモンスター 。
「一定期間除外する」には墓地に送られるだけ。《終末の騎士》や 《彼岸の黒天使 ケルビーニ》達の効果に対応しているため、実質的にそれらが 「一定期間除外する」効果を持っているように振舞える 。それらの効果で墓地に送ってよし、手札から捨ててもよし、自身の永続効果で破壊してやってもいい。自分・相手問わず除外できるため、様々なコンボ適正をみせる。「一定期間除外する」をデッキに組み込みたいなら、何度も効果の発動を狙える《刻剣の魔術師》とともにおすすめだ。
3. 戻れない場合
「一定期間除外」から、戻ってこれない場合というのがある。
- 場に戻す処理を行う際、場に空きがない場合
- 戻す処理が行われる前に、除外から離れている場合
以上の条件を満たした場合、除外の期間が過ぎようと二度と帰ってくることはないぞ。
諸行は無常でつわものどもが夢の跡。
場が空きがなく、戻るに戻れなかったカードは墓地へ送られる。
この場合でも「墓地に送られた」効果は発動可だ。
条件を満たせば戻れない、コレを利用すれば「一定期間除外する」を恒久的な除去コンボに昇華出来るぞ。
一つ目の条件なら、《カイザーコロシアム》や《ブラック・ガーデン》といったカードと組み合わせよう。これらは 相手が場に出せるモンスターの数を制限する効果、相手のフィールドにモンスターを特殊召喚する効果を持つ。このように 相手フィールドの使用可能な場所を削り取るのだ。その結果 相手のモンスターが戻れる空席を失い、墓地へと送られていく。そんな様は中々痛快ではなかろうもん。
二つ目の条件なら《 異次元からの埋葬 》《大欲な壺》といったカードが使いやすい。除外されているモンスターを墓地へデッキへ送り返してやろう。相手からすれば己の手が届かぬ 文字通り盤外で倒されいくのだ。回りくどい方法だが、それゆえ相手への心理的ダメージは計り知れない。
《PSYフレームロード・Ω》
【 シンクロモンスター 】
星 8 / 光 / サイキック族 / 攻2800 / 守2200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに発動できる。
相手の手札をランダムに1枚選び、そのカードと表側表示のこのカードを次の自分スタンバイフェイズまで表側表示で除外する。
②:相手スタンバイフェイズに、除外されている自分または相手のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを墓地に戻す。
③:このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分または相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードと墓地のこのカードをデッキに戻す。
「PSYフレーム」が誇るSモンスターにして制限カード。
自身と相手の手札を 「一定期間除外する」 効果、除外されているカードを墓地に戻す効果も持っているぞ。
相手の手札を除外した後に、その場所を動かせば 実質的に手札を減らすことになるのだ。
制限で残念…いや 制限カードになったのはこの所為だと思われる。
「一定期間除外する」を骨の髄までしゃぶり尽す様にデザインされた、といえるだろう 。
自身ごと除外することも、己を狙う除去効果から逃げるために使える強みである。
しかし、弱点でもある。
除外へ逃げたところを場所を動かしてやるのだ。
毒を以て毒を制してやろう。
因みに、他のサイキック族にも 「一定期間除外する」 効果を持ったモンスターが散見される。
テレポートとか時空の移動を自在に行うイメージをデザインしたフレーバーだろう。
おわりに
これにて解説は終わりになる。
「一定期間除外する」 この処理に、興味を持っていただけただろうか。
この記事が諸君の愉快な「一定期間除外」ライフの手助けになると嬉しいな。