目次
はじめに
こんにちは。初めまして。ターボと申します。
この度、トレカライターコロシアムに参加させて頂く事になりました。
遊戯王の事について、色々と軽い感じで書いていきます。僕の記事が少しでも皆さんの暇つぶしになればいいなと思っています。
雑に自己紹介が終わったところで、突然ですが。
皆さんは、『オルターガイスト』というカテゴリを知っているでしょうか?
『オルターガイスト』とは
知っとるわボケ! バカにしてんのか!
という声が聞こえてきます。すみませんごめんなさい。
『オルターガイスト』と言えば、アニメではゴーストガールが使用するカード群。
OCGでは世界大会にも顔を出す環境屈指の強テーマ。
遊戯王プレイヤーなら、よほど最近の遊戯王の事を知らない人でなければ、誰もが知っていますよね。
※使った事があるかどうか、対戦した事があるかどうかは別ですよ。
『オルターガイスト』について何も知らない人は、是非ともこの記事を読んで知ってみてください!
今でこそ環境で活躍する『オルターガイスト』ですが、登場当初から強かったわけではありません。
今回は、そんな『オルターガイスト』を環境レベルにまで押し上げた、たった一枚の救世主について、僕の個人的な裁量と偏見で『オルターガイスト』の歴史と共に紹介していきます。
初期オルターガイスト
オルターガイストの初出はブースターパックCIRCUIT BREAK(サーキット・ブレイク)《ヴァレルロード・ドラゴン》が表紙のやつですね。パック発売日は2017年7月8日。《オルターガイスト・マリオネッター》《オルターガイスト・シルキタス》《オルターガイスト・メリュシーク》《オルターガイスト・クンティエリ》《オルターガイスト・プライムバンシー》《オルターガイスト・カモフラージュ》《オルターガイスト・プロトコル》《パーソナル・スプーフィング》が収録されました。
《オルターガイスト・マリオネッター》
【
効果モンスター 】
星
4 /
光 /
魔法使い族 /
攻1600
/
守1700
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「オルターガイスト」罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする。
②:自分フィールドの「オルターガイスト」カード1枚と、自分の墓地の「オルターガイスト」モンスター1体を対象として発動できる。対象のフィールドのカードを墓地へ送り、対象の墓地のモンスターを特殊召喚する。
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・シルキタス》
【
効果モンスター 】
星
2 /
風 /
魔法使い族 /
攻800
/
守1500
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカード以外の自分フィールドの「オルターガイスト」カード1枚を持ち主の手札に戻し、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分の墓地の「オルターガイスト」罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・メリュシーク》
【
効果モンスター 】
星
1 /
水 /
魔法使い族 /
攻500
/
守300
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードは直接攻撃できる。
②:このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを墓地へ送る。
③:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「オルターガイスト・メリュシーク」以外の「オルターガイスト」モンスター1体を手札に加える。
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・クンティエリ》
【
効果モンスター 】
星
5 /
地 /
魔法使い族 /
攻0
/
守2400
①:自分フィールドに「オルターガイスト」カードが存在する場合、相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その攻撃を無効にする。
②:このカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。このモンスターが表側表示で存在する間、そのカードの効果は無効化される。
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・プライムバンシー》
【
リンクモンスター 】
星
3 /
闇 /
魔法使い族 /
攻2100
/
「オルターガイスト」モンスター2体以上
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分・相手のメインフェイズにこのカード以外の自分フィールドの「オルターガイスト」モンスター1体をリリースして発動できる。デッキから「オルターガイスト」モンスター1体をこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。
②:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分の墓地の「オルターガイスト」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
【LINK-3:下/右下/右】
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・カモフラージュ》
【
通常罠 】
①:自分フィールドの「オルターガイスト」モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。このカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。装備モンスターは相手モンスターの攻撃対象にされない。(この効果が適用されたモンスターしか自分フィールドに存在しない状態での相手の攻撃は自分への直接攻撃になる。)
②:装備モンスターを対象として発動した相手モンスターの効果は無効化される。
③:自分フィールドの「オルターガイスト」カードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・プロトコル》
【
永続罠 】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分フィールドの「オルターガイスト」カードの効果の発動及びその発動した効果は無効化されない。
②:相手がモンスターの効果を発動した時、このカード以外の自分フィールドの表側表示の「オルターガイスト」カード1枚を墓地へ送って発動できる。その発動を無効にし破壊する。
出典:遊戯王OCG
《パーソナル・スプーフィング》
(準制限カード)
【
永続罠 】
①:1ターンに1度、手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、「オルターガイスト」カード1枚を持ち主のデッキに戻して発動できる。
デッキから「オルターガイスト」モンスター1体を手札に加える。
出典:遊戯王OCG
へぇー。ふむふむ。
サーチ手段あり、サルベージ手段あり、妨害手段あり。
まあ、割と良い感じで強そうな効果のカードが揃ってるじゃん。
罠カードを駆使して妨害しながら戦う低速デッキかぁ。
僕のオルターガイストに対する第一印象はこんな感じでした。
いざデッキを組みます。
対戦します。
…………なんじゃこのデッキくっそ弱えぇ!
まず発生する問題が、モンスターを展開する手段の無さ。
召喚権の喧嘩。
マリオネッター「初動はもちろん私よね」
メリュシーク「いやいや、あたしでしょ!」
シルキタス「は? 俺だろ」
クンティエリ「み、みんな仲良くして……」
モンスターを展開する主な手段は、1ターンに1度の通常召喚。唯一、自身を特殊召喚出来る効果を持つ《オルターガイスト・クンティエリ》があるが、発動条件は相手からの攻撃宣言。相手モンスター二体以上から攻撃された場合、自分のオルターガイストモンスターを守りながら特殊召喚する事は難しく、バトルフェイズをしのいだとしても、メイン2で除去されてしまう事もしばしば。このように、オルターガイストモンスターを場に二体並べる事が非常に困難なのに、リンクモンスターである《オルターガイスト・プライムバンシー》は、素材オルターガイストモンスター指定のリンク3。つまりオルターガイストモンスターを場に三体並べなければならない。……出せるわけがねぇ。《死者蘇生》や《リビングデッドの呼び声》等の力を借りて無理やりオルターガイストモンスターを三体並べ、《オルターガイスト・プライムバンシー》を出したとしても、その打点はたった2100。そして効果を使うためには、《オルターガイスト・プライムバンシー》の他に別のオルターガイストモンスターが場にいなければならない。モンスターを三体も消費するくせに、火力も無ければ妨害効果を持っているわけでもない。……なんなんだこいつ。やる気なし太郎。
ま、まあ低速の罠デッキだし、展開力が無いのは仕方ない。
相手の妨害が出来ればいいんだ。
ぼ、妨害が、出来れば……。
次なる問題は妨害カードの噛み合わなさ。
オルターガイストカードによる主な妨害手段は、《オルターガイスト・プロトコル》によるモンスター効果無効破壊。《オルターガイスト・シルキタス》によるカードバウンス。
この二枚の妨害効果は本当に強い。シンプルに強い。例えるなら、場に残り続け何度でも使用可能な《天罰》と《強制脱出装置》だ。弱いわけがない。だが、この《オルターガイスト・プロトコル》と《オルターガイスト・シルキタス》の二枚に共通している欠点は、効果発動のためにはコストとして自身以外のオルターガイストカードが場に必要だという点。
この二枚が初手に揃っている時、《オルターガイスト・シルキタス》を通常召喚し、《オルターガイスト・プロトコル》をセット。そして相手にターンを渡す。
二度の妨害を構えるこのシルキタスプロトコルの布陣。
一見、強固な盤面に見えるが、どちらかの効果を使用した場合、もう片方をコストにしなければならなく、必然的にコストにされたほうは効果の発動が出来ないというジレンマが発生する。
《オルターガイスト・カモフラージュ》も同時にセット出来ていればいいが、単体での妨害効果を持たない《オルターガイスト・カモフラージュ》を素引きするためにデッキに複数枚採用するのかどうかは非常に怪しいところ。
そもそも召喚権を《オルターガイスト・マリオネッター》や《オルターガイスト・メリュシーク》に割いた場合は《オルターガイスト・シルキタス》を場に出す手段は無く、バウンス効果による妨害を諦めなければならない。
僕は! 二度! 妨害したいんだ!
大会環境の話になってしまうのですが、この頃はどんなデッキが環境にいたのかと言えば。
『恐竜竜星真竜皇』
『ABC』
『真竜召喚獣』
等々。パワーの高い面々が上からブン殴ってくるような環境で、一度の妨害で耐えられるわけがない。今は亡き《真竜剣皇マスターP》も当時は健在だ。
《真竜剣皇マスターP》
(禁止カード)
【
効果モンスター 】
星
8 /
光 /
幻竜族 /
攻2950
/
守2950
このカードを表側表示でアドバンス召喚する場合、モンスターの代わりに自分フィールドの永続魔法・永続罠カードをリリースできる。
①:このカードは、このカードのアドバンス召喚のためにリリースしたカードと元々の種類(モンスター・魔法・罠)が同じカードの効果を受けない。
②:アドバンス召喚したこのカードが存在する場合、1ターンに1度、自分の墓地から永続魔法・永続罠カード1枚を除外し、このカード以外のフィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
出典:遊戯王OCG
このままでは『オルターガイスト』はトップ連中と渡り合うどころではなく、足元を這う虫ケラ以下。
言い過ぎたわ。ゴメンな。
でもね、本当に、勝てなかった。大会じゃ1勝すら不可能だと思えるレベルで。
アニメではゴーストガールが絶賛活躍中だし、まだまだ新規は貰えるはず。
次のパックに期待しよう。
僕はそう思って『オルターガイスト』デッキを畳んだ。
中期オルターガイスト
さあ、やってきました新パック!
ブースターパックEXTREME FORCE(エクストリーム・フォース)
発売日は2017年10月14日。
《エクスコード・トーカ―》が表紙のやつです。
このパックで『オルターガイスト』が貰えた新規カードは《オルターガイスト・ヘクスティア》《オルターガイスト・マテリアリゼーション》
《オルターガイスト・へクスティア》
【
リンクモンスター 】
星
2 /
炎 /
魔法使い族 /
攻1500
/
「オルターガイスト」モンスター2体
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードの攻撃力は、このカードのリンク先の「オルターガイスト」モンスターの元々の攻撃力分アップする。
②:魔法・罠カードの効果が発動した時、このカードのリンク先の「オルターガイスト」モンスター1体をリリースして発動できる。その発動を無効にし破壊する。
③:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「オルターガイスト」カード1枚を手札に加える。
【LINK-2:下/右】
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・マテリアリゼーション》
【
通常罠 】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の墓地の「オルターガイスト」モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。このカードがフィールドを離れた時にそのモンスターは破壊される。
②:墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「オルターガイスト」罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
出典:遊戯王OCG
たった二枚かよ……。
という僕のクソ感想はひとまず置いておいて。
一目でわかる。この二枚は流石に強い。《オルターガイスト・ヘクスティア》は待望のリンク2。自身の打点を上げる効果、魔法・罠を無効にする効果、オルターガイストカードを何でもサーチする効果。全ての効果が『オルターガイスト』にとって欲しかった効果だ。そして、よく見てみると魔法・罠無効の効果にはターン1制限が付いてないじゃないか!なんだこいつ……強い、強すぎる!
《オルターガイスト・マテリアリゼーション》はオルターガイストモンスターを蘇生させる効果、墓地の罠をサルベージする効果。展開補助とリソース回復を兼ね備えた一枚。このカードのおかげで《オルターガイスト・シルキタス》を何度でも使い回せるようになり、デッキの持久力も大幅に上昇。なんだこれ……つ、強い! 強いぞ!
バカ強い効果がこれでもかと凝縮されたこの二枚に文句などあるわけがない。
だが、まだ足りない!
初期オルターガイストで問題となっていた展開力の無さ、そして安定した妨害の用意がまだ解決出来ていないのだ。
《オルターガイスト・ヘクスティア》はリンク数が1少ない分《オルターガイスト・プライムバンシー》よりは出しやすいが、真の力を発揮出来るのはリンク先に別のオルターガイストモンスターが存在する時である。ただ出しただけでは、効果の無い打点1500。場にモンスターを並べる事が難しい『オルターガイスト』にとっては宝の持ち腐れ。
《オルターガイスト・マテリアリゼーション》は蘇生で展開を助けてくれるカードだが、オルターガイストモンスターやオルターガイスト罠を墓地に溜めるにはターン数が必要であり、単体で妨害効果を持たないこのカードは、高速化が進み一瞬でゲームが終わる環境では強さを発揮しづらい。
ん? 一瞬でゲームが終わる高速環境?
この頃、環境トップ層にはどんなデッキがあったのかだって?
2017年10月の制限改訂では《真竜剣皇マスターP》《ドラゴニックD》が禁止となり、前環境でブイブイ調子に乗って暴れていた《ABC-ドラゴン・バスター》や《召喚師アレイスター》、《魂喰いオヴィラプター》などが軒並み制限カードになり、《増殖するG》が準制限になった。
世界が平和になりそうなこの改訂は9月の中旬頃に発表された。
だが、この同時期。とあるパックの発売によってヤバイ連中が来日してしまっていた……。
発売日は2017年9月9日。
EXTRA PACK 2017(エクストラパック2017)
《SPYRAL-ザ・ダブルヘリックス》
【
リンクモンスター 】
星
2 /
地 /
戦士族 /
攻1900
/
「SPYRAL」モンスター2体
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「SPYRAL-ダンディ」として扱う。②:カードの種類(モンスター・魔法・罠)を宣言して発動できる。相手のデッキの一番上のカードをお互いに確認し、宣言した種類のカードだった場合、自分のデッキ・墓地から「SPYRAL」モンスター1体を選び、手札に加えるかこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。
【LINK-2:左/下】
出典:遊戯王OCG
そう。SPYRALだ。
1ターン目から爆発的展開で制圧盤面を作ってくるこいつらにとって、数ターン先という概念は無いに等しい。
毎ターン一体ずつモンスターを召喚し、毎ターン一回ずつ妨害し、ちまちまとアドバンテージを稼ぐタイプの『オルターガイスト』がこの速さに追いつけるわけがない。
まさに、カメとウサギ。
いや、虫ケラと弾丸ぐらいの差はある。
言い過ぎたわ。ゴメンな。
でもね、本当に、勝てねぇんだ。目の前の1勝が火星よりも遠いんだよ。
右を見てもSPYRAL。左を見てもSPYRAL。
正面にも当然、SPYRAL。
SPYRALを倒せるのはSPYRALしかいないと言わんばかりの一強環境。
誰か。誰か助けてくれ……!
ダブルヘリックスが高くて買えねぇんだっ!
『オルターガイスト』?
そんなもん、とっくの昔に畳んだよ。
後期オルターガイスト
2018年1月の制限改訂にてSPYRALが規制され、新たな環境の幕開け。そして発売される新パック。ブースターパックFLAMES OF DESTRUCTION(フレイムズ・オブ・デストラクション)発売日は2018年1月13日。表紙は《トポロジック・トゥリスバエナ》
さてさて、『オルターガイスト』の新規カードは……。
《オルターガイスト・マルチフェイカー》《オルターガイスト・ピクシール》《オルターガイスト・キードゥルガー》《オルターガイスト・エミュレルフ》
《オルターガイスト・マルチフェイカー》
(制限カード)
【
効果モンスター 】
星
3 /
闇 /
魔法使い族 /
攻1200
/
守800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分が罠カードを発動した場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「オルターガイスト・マルチフェイカー」以外の「オルターガイスト」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分は「オルターガイスト」モンスターしか特殊召喚できない。
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・ピクシール》
【
効果モンスター 】
星
1 /
風 /
魔法使い族 /
攻100
/
守100
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードをリリースして発動できる。自分のデッキの上からカードを3枚めくり、その中から「オルターガイスト」カード1枚を選んで手札に加え、残りのカードは墓地へ送る。
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・キードゥルガー》
【
リンクモンスター 】
星
2 /
闇 /
魔法使い族 /
攻1000
/
「オルターガイスト」モンスター2体
①:このカード以外の自分の「オルターガイスト」モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時、相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このカードが攻撃宣言したターンしか攻撃できない。
②:このカードが戦闘で破壊された場合、自分の墓地の「オルターガイスト」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
【LINK-2:左/下】
出典:遊戯王OCG
《オルターガイスト・エミュレルフ》
【
永続罠 】
①:このカードは発動後、効果モンスター(魔法使い族・光・星4・攻1400/守1800)となり、モンスターゾーンに特殊召喚する。このカードは罠カードとしても扱う。
②:このカードの効果で特殊召喚したこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外の自分フィールドの「オルターガイスト」罠カードは効果の対象にならず、効果では破壊されない。
出典:遊戯王OCG
救世主の登場
《オルターガイスト・マルチフェイカー》
(制限カード)
【
効果モンスター 】
星
3 /
闇 /
魔法使い族 /
攻1200
/
守800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分が罠カードを発動した場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「オルターガイスト・マルチフェイカー」以外の「オルターガイスト」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分は「オルターガイスト」モンスターしか特殊召喚できない。
出典:遊戯王OCG
…………いいいいっ!?!?!?
効果を読んだ瞬間、リアルに声出た。
なんなんだ、このバケモンスター。
今までの『オルターガイスト』というデッキを一瞬で置き去りにする程の、
異次元効果。
まさに革命。世界の始まり。
……まあ、今更こんなに大袈裟なリアクションしなくても、こいつの恐ろしさは多くの人が既に知っていると思います。
パック発売当初の僕の反応ですので、軽く流して頂ければ幸いです。
この《オルターガイスト・マルチフェイカー》の登場によって『オルターガイスト』というデッキは環境に姿を見せるようになりました。
この一枚が『オルターガイスト』にどんな変化を与えたのか、紹介していきます。
おっとその前に、《オルターガイスト・マルチフェイカー》と同じパックに収録された他のオルターガイストカードの感想を言っておきますか。
《オルターガイスト・ピクシール》なんで自身をリリースしちゃうのん?《オルターガイスト・キードゥルガー》リンク2はへクスティアで間に合ってます。《オルターガイスト・エミュレルフ》君は普通に強いね。環境とデッキ枠次第で採用するわ。
雑ですまない。《オルターガイスト・マルチフェイカー》の事しか頭に無かったんだ。
さて、こいつの登場によって何が変わったのか。
簡単に言えば、
『オルターガイスト』の課題だった展開力と妨害用意。
この二点が同時に解決されました。
さらに追加で、安定感とアドバンテージ獲得の力を手に入れました。
まず効果を見てもらえればわかる通り、罠を発動するだけで《オルターガイスト・マルチフェイカー》を含む二体のオルターガイストモンスターを展開する事が出来る。デッキから呼び出すのを《オルターガイスト・メリュシーク》にすれば、《オルターガイスト・マリオネッター》をサーチする事ができ、召喚する事でオルターガイスト罠を持ってくる事が出来る。という事は、間接的ではあるが、全てのオルターガイストカードにアクセス可能という事だ。安定感の化身。デッキから呼び出すのを《オルターガイスト・シルキタス》にすれば、カードバウンスの妨害を用意する事が出来る。
そして、《パーソナル・スプーフィング》の発動時、効果で《オルターガイスト・マルチフェイカー》をサーチした場合、その効果処理後にそのまま自身の効果で特殊召喚が可能という点が何より大きい。ただのサーチカードだった《パーソナル・スプーフィング》を、妨害札の一枚としてカウント出来るようになった。
《オルターガイスト・マルチフェイカー》の展開効果の発動条件は、『自身の効果で特殊召喚に成功した場合』ではなく、『特殊召喚に成功した場合』だ。つまり、《オルターガイスト・マリオネッター》の蘇生効果、《オルターガイスト・マテリアリゼーション》による蘇生にも対応している。
《オルターガイスト・マルチフェイカー》が一度でも特殊召喚に成功してしまえば、その瞬間から各オルターガイストカード達が真価を発揮し、凄まじいスピードでデッキが回り始めるのだ。《オルターガイスト・シルキタス》を呼ぶ事も容易。オルターガイスト罠を持ってくる事も容易。《オルターガイスト・ヘクスティア》を立てる事も容易。
バウンス効果で妨害し、モンスター効果を無効、魔法・罠も無効。
こちらのリソースは毎ターン増え続けるという、
悪魔のデッキが誕生!
※オルターガイストは全員魔法使い族です。
どうでしょうか。登場当初のオルターガイスト達の悲しみ、そしてそれらをたった一人で救ったカリスマ《オルターガイスト・マルチフェイカー》の偉業を少しでも知って頂けたでしょうか。
それじゃあ最後に、この《オルターガイスト・マルチフェイカー》を使った動き。相手プレイヤーへ絶望を届けるオルターガイストの『必殺呪文』を紹介して終わろうと思います。
……もう飽きたって?
こんなところまで読んでくれたのなら最後まで読んで欲しいよ頼む。
大丈夫。呪文は全部シンプルなもんだから。
今日から使える『必殺呪文』
『オルターガイスト』には、3つの必殺呪文があります。
皆さんご存知でしょうか?
※僕が勝手に言ってるだけです。知らなくて当然です。動き自体は有名ですが。
まず一つ目。
『泡影フェイカー』
《無限泡影》
【
通常罠 】
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。
①:相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。セットされていたこのカードを発動した場合、さらにこのターン、このカードと同じ縦列の他の魔法・罠カードの効果は無効化される。
出典:遊戯王OCG
相手の先行1ターン目の動きを《無限泡影》で妨害し、処理後に《オルターガイスト・マルチフェイカー》を特殊召喚。さらに効果で《オルターガイスト・シルキタス》をデッキから特殊召喚する。
想像しただけで相手プレイヤーの悲鳴が聞こえてくるわい。
ヒッヒッヒ、愉快愉快。
先行1ターン目からこの妨害を余裕で乗り越えてまともな展開が出来るデッキがあるのなら見てみたいですね。
『オルターガイスト』や『閃刀姫』ならダメージは比較的少ないのかな。
展開系のデッキに対してはゲームが終わるレベルのダメージを与えられると思います。
二つ目。
『プロトコルフェイカー』
《オルターガイスト・プロトコル》を発動し、《オルターガイスト・マルチフェイカー》を特殊召喚。さらに効果で《オルターガイスト・シルキタス》をデッキから特殊召喚する。
……普通じゃね? と、思ったそこのあなた!その通り!これは『オルターガイスト』にとっては基本的な動きだ。だが今一度、考えてみて欲しい。《オルターガイスト・シルキタス》と《オルターガイスト・プロトコル》による強力な妨害効果を両方とも発動したとしても、『オルターガイスト』側のリソース消費はゼロ。
こんな動きをされたら、大抵のデッキは死んでしまう。
この動きをされても生きていられるデッキ、そんなデッキは紛れもなく環境トップ勢だ。
三つ目
『エンドフェイズフェイカー』
相手のエンドフェイズに適当な罠カードを発動し、《オルターガイスト・マルチフェイカー》を特殊召喚。さらに効果で《オルターガイスト・メリュシーク》をデッキから特殊召喚する。
これは『オルターガイスト』デッキで最もアドバンテージを獲得する動きであり、この動きがまともに通ってしまえば勝利は確定されるとまで言われる。
まさに必殺の名に相応しい動きである。※諸説あります。
アドバンテージを稼ぐ手順を説明します。場にいる《オルターガイスト・マルチフェイカー》と《オルターガイスト・メリュシーク》を素材に《オルターガイスト・ヘクスティア》をリンク召喚。墓地へ送られた《オルターガイスト・メリュシーク》の効果で《オルターガイスト・マリオネッター》をサーチ。《オルターガイスト・マリオネッター》を通常召喚し、効果で《オルターガイスト・プロトコル》をセット。《オルターガイスト・マリオネッター》のもう一つの効果で場の《オルターガイスト・ヘクスティア》を墓地へ送り、墓地の《オルターガイスト・マルチフェイカー》を蘇生させる。墓地へ送られた《オルターガイスト・ヘクスティア》の効果で《オルターガイスト・マテリアリゼーション》をサーチし、特殊召喚された《オルターガイスト・マルチフェイカー》の効果で《オルターガイスト・メリュシーク》を特殊召喚。場にいる《オルターガイスト・マリオネッター》と《オルターガイスト・マルチフェイカー》を素材に《オルターガイスト・ヘクスティア》をリンク召喚。
これで盤面には《オルターガイスト・ヘクスティア》《オルターガイスト・メリュシーク》《オルターガイスト・プロトコル》が存在し、手札には《オルターガイスト・マテリアリゼーション》がある状態になります。墓地にはオルターガイストモンスターが沢山いるので蘇生先は選り取り見取り。
《オルターガイスト・マルチフェイカー》が特殊召喚されるだけで、どんだけ妨害もリソースも増えるんだって話ですよ。上記の動きにはサーチするカードや召喚するカードによって様々な分岐があり、デュエルの展開によって正解は変わりますので、その場で有効な盤面を考えて動いていきましょう。
おわりに
『オルターガイスト』デッキは末期へと突入し、徐々に衰退していくのか、それとも新たなカードによって今より強力になっていくのか。
それはわかりませんが、アニメはまだ続いています。ゴーストガールの活躍次第ではリンク4や融合、エクシーズモンスターが登場するかもしれませんね。僕は密かに期待しています。
※今回紹介出来ませんでしたが、『オルターガイスト』のチューナーとシンクロモンスターはいます。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
あなたの暇つぶしになったのなら、上々といったところですね。
それでは。
茶番SS
マリオネッター「よいしょ、よいしょ。……ふぅ、プロトコル設置完了っと」
メリュシーク「みんなっ! 来るわよ!!」
シルキタス「……ああ」
究極伝導恐獣「ガアァァァッ!」
リトスアジムD「グオォォォ……!」
召喚獣メルカバー「キイィィィィンッ!」
ズガガガ!
クンティエリ「くあぁっ……!」
シルキタス「チッ……耐えられない!」
メリュシーク「や、やばい、もうダメ……!」
???「おいおい、その程度で諦めてんじゃねぇぞ」
マリオネッター「あ、あなたは……っ!」
シルキタス「……フッ、来るのが遅いんだよ」
メリュシーク「フェイカーくんっ!」
マルチフェイカー「よっしゃ、いくぜシルキ!」
シルキタス「任せろ……」
シュッ!
究極伝導恐獣「グガッ!?」
クンティエリ「おおっ、流石だね」
メリュシーク「あたしも! えいっ!」
リトスアジムD「ギャオン!」
マリオネッター「プロトコル……起動!」
召喚獣メルカバ―「キキ……ガガガ……」
マルチフェイカー「ひゃはははッ! いいぞみんなぁ! ブチ上がっていこうぜぇッ!!」
全員「YEAHHHH!!」