【光さんの最新のジャンクドッペル解説記事はコチラ!】【2020年 ジャンド】回し方、対策方法が分かる解説記事
自己紹介
皆様、初めまして。光と申します。普段は愛知を中心として、【ジャンクドッペル】というデッキを使用してCSに出場しております。《水晶機巧-ハリファイバー》登場以降、環境に合わせて何度か【ジャンクドッペル】でCS入賞を果たしており、今年度にはこのデッキで西日本の選考会出場までこぎつけました。
その縁もあってか、ガチまとめ様より【ジャンクドッペル】の解説を書かないかとお話をいただきまして、この記事を書くに至りました。
最後までお付き合いいただけましたら幸いです。
はじめに
【ジャンクドッペル】とは
突然ですが、貴方が【ジャンクドッペル】と聞いてイメージするカードは何でしょう? 命名こそ、 《ジャンク・シンクロン》の効果が《ドッペル・ウォリアー》 の2つの効果のどちらとも相性が良い…というところから来ていますが、 《TG ハイパー・ライブラリアン》《フォーミュラ・シンクロン》のコンボであったり、全盛期の切り札である《シューティング・クェーサー・ドラゴン》、或いは最近だと《レベル・スティーラー》を繰り返し使用して《PSYフレームロード・Ω》でハンデスを行う…なんてのも印象が強いかもしれません。当時使用していた、或いは対戦した方は、他にも色々なカードが思い浮かぶと思います。このデッキが登場した当時から【クイックジャンクドッペル】【デブリジャンクドッペル】と派生が存在し、後発の【白黒ジャンクドッペル】や【シンクロダーク】に近い型なども存在します。このように、その時代にあったカードを活用し、連続シンクロ召喚によるソリティアを行う…シンクログッドスタッフとでも言うべき、シンクロ召喚特化型デッキ。それが【ジャンクドッペル】です。そしてこの記事では、その最新型。「ジャンクドッペル2019」と銘打って、現代に適応した【ジャンクドッペル】の構築を解説していきたいと思います。
デッキコンセプト
現代においても、上記のコンセプトが大きく変わるわけではありません。基本は、 《ジャンク・シンクロン》と《ドッペル・ウォリアー》 の相性を軸とした、連続シンクロ召喚デッキです。
【 チューナーモンスター 】
星 3 / 闇 / 戦士族 / 攻1300 / 守500
①:このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
【 効果モンスター 】
星 2 / 闇 / 戦士族 / 攻800 / 守800
①:自分の墓地からモンスターが特殊召喚された時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。②:このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分フィールドに「ドッペル・トークン」(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する。
ただし、昨今の環境の高速化に伴い、別途墓地にカードを用意できなければ効果が発動できない《ジャンク・シンクロン》が重視されない一方で、連続シンクロに繋がりやすい《ドッペル・ウォリアー》は最重要カードとなっています。そのため、現在は《ドッペル・ウォリアー》を中心とした連続シンクロ召喚デッキ、としてもよいかもしれません。
勝ち筋
現代の【ジャンクドッペル】は、3つの勝ち筋により構成されています。
《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》
【 シンクロモンスター 】
星 12 / 風 / ドラゴン族 / 攻4000 / 守4000
Sモンスターのチューナー+チューナー以外のSモンスター2体以上
このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。
①:フィールドのこのカードをエンドフェイズまで除外して以下の効果から1つを選択して発動できる。
●相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
●相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する。
今【ジャンクドッペル】を使用する一番の強みとなるカード。自身をエンドフェイズまで除外することで、様々な無効効果を発動できる、超大型シンクロモンスターです。
その一番の強みは、「フィールドのこのカードをエンドフェイズまで除外して」というコストの部分。効果が先に無効化されていても、チェーンされて無効化されても、効果の発動と同時にフィールドを離れ、エンドフェイズの帰還が確定します。そのため、チェーンに乗るカードでの対処はほぼ不可能で、このカードに対処する手段が一切ないデッキも少なくありません。
ライフを取るスピードが速いデッキには、除外されている間にライフを0にするという攻略法が存在するものの、召喚成功が勝ちに直結する超強力なカードです。
《TG ハイパー・ライブラリアン》
【 シンクロモンスター 】
星 5 / 闇 / 魔法使い族 / 攻2400 / 守1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:このカードがフィールドに存在し、自分または相手が、このカード以外のSモンスターのS召喚に成功した場合に発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、自分はデッキから1枚ドローする。
往年の【ジャンクドッペル】での印象が強いこのカードも、現代における主戦力の一つです。自分または相手がシンクロ召喚するたびに、デッキからカードを1枚ドローできます。新マスタールールでは、《水晶機巧-ハリファイバー》の片方のリンク先にこのカードを出し、もう片方のリンク先でシンクロモンスターのレベルを上げていくような使い方になります。ドローしたカードは、次のターンのリソースになるだけでなく、展開を強化することにも繋がります。ドローしたカードでシンクロ召喚の回数を増やすことができれば、更にそのシンクロ召喚をトリガーとしてカードをドローできるため、大きなアドバンテージを得ることができます。
《シューティング・ライザー・ドラゴン》
【 シンクロ・チューナーモンスター 】
星 7 / 光 / ドラゴン族 / 攻2100 / 守1700
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。
フィールドのこのカードより低いレベルを持つモンスター1体をデッキから墓地へ送り、そのモンスターのレベルの分だけこのカードのレベルを下げる。
このターン、自分は墓地へ送ったそのモンスター及び同名モンスターのモンスター効果を発動できない。
②:相手メインフェイズに発動できる。
このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。
デッキからモンスターを墓地に送って自身のレベルを調整する効果、相手ターンでのシンクロ効果を持つ、☆7のシンクロチューナーです。このデッキでは、このカードの2つの効果をフルに使用して戦います。まずは①の効果。シンクロに使用する際のレベル調整としても重要ですが、任意のモンスターを墓地に送る、という使い方もできます。墓地に送ったカードの効果はそのターン発動できないのがネックですが、《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送れば、相手ターンでの妨害とすることができます。
【 効果モンスター 】
星 4 / 光 / 魔法使い族 / 攻1850 / 守1000
①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。
②:このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールド・墓地からこのカード以外のカード7枚を除外して発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
連続したシンクロ召喚や豊富なサーチカードのおかげで、十分なコストを用意できるため、 特に展開系相手に強力な牽制となります。(シンクロンの専用サーチカード、《調律》であれば1枚のおまけつき)
【 通常魔法 】
①:デッキから「シンクロン」チューナー1体を手札に加えてデッキをシャッフルする。
その後、自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。
次に②の効果。相手ターンにシンクロ召喚を行う効果です。①の効果で《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送り、相手ターンに効果で召喚した 《妖精伝姫-シラユキ》 を素材とすることで、 《妖精伝姫-シラユキ》 の②の効果を複数回使用し、相手の展開を止めることができます。シンクロ召喚先としては、《氷結界の龍 トリシューラ》が筆頭です。
【 シンクロモンスター 】
星 9 / 水 / ドラゴン族 / 攻2700 / 守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
①:このカードがS召喚に成功した時に発動できる。
相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1枚まで選んで除外できる。
登場当時から最強のシンクロモンスターの一角だった《氷結界の龍 トリシューラ》ですが、現在でもやはり強力です。《妖精伝姫-シラユキ》の効果2回と合わせて5枚のカードに干渉できるため、大抵のデッキであれば動きを止めることができます。ただし、《氷結界の龍 トリシューラ》の効果はタイミングを逃すため、チェーン2以降でシンクロ召喚してしまうと、効果は発動できません。《水晶機巧-ハリファイバー》の②の効果で呼び出すシンクロチューナーとしても優秀です。
【 リンクモンスター 】
星 2 / 水 / 機械族 / 攻1500 /
チューナー1体以上を含むモンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。②:相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。EXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚する。
【LINK-2:左下/右下】
召喚成功時にカードを墓地に送ってレベルを調整できるため、そのままシンクロ召喚に繋げやすくなります。上記《氷結界の龍 トリシューラ》の他、自身がシンクロモンスターであるため、自分のターンにチューナー以外のシンクロモンスターを2体展開しておけば、《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》を召喚することもできます。また、《水晶機巧-ハリファイバー》の②の効果ともどもシンクロ召喚扱いの効果であるため、 《水晶機巧-ハリファイバー》 のリンク先に《TG ハイパー・ライブラリアン》を召喚してターンを渡し、相手ターンにシンクロ召喚することで、合計2枚ドローできます。更に、《TG ハイパー・ライブラリアン》が☆5であるため、《水晶機巧-ハリファイバー》の②の効果から《シューティング・ライザー・ドラゴン》の①の効果に繋ぎ、《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送ることで、カードを1枚ドローしながら《PSYフレームロード・Ω》に繋ぐことができます。
【 シンクロモンスター 】
星 8 / 光 / サイキック族 / 攻2800 / 守2200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに発動できる。
相手の手札をランダムに1枚選び、そのカードと表側表示のこのカードを次の自分スタンバイフェイズまで表側表示で除外する。
②:相手スタンバイフェイズに、除外されている自分または相手のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを墓地に戻す。
③:このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分または相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードと墓地のこのカードをデッキに戻す。
《PSYフレームロード・Ω》の効果で相手の手札を減らしながら、 次のターンに ドローしたカードと《妖精伝姫-シラユキ》で、空いたエクストラモンスターゾーンを使って反撃することができます。このとき、更に☆1のチューナー以外のモンスターがフィールドにいれば、《氷結界の龍 トリシューラ》にも繋ぐことができます。
上記の通り、3つの勝ち筋は独立しているわけではなく、組み合わせて使用できます。中には、《TG ハイパー・ライブラリアン》でドローしながら《シューティング・ライザー・ドラゴン》で《妖精伝姫-シラユキ》を墓地に送り、《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》を召喚した上で、エクストラデッキに《シューティング・ライザー・ドラゴン》を戻して相手ターンでのシンクロ召喚まで行える展開ルートもあります。
構築
これが現在使用している構築です。冒頭で紹介した選考会に進出した時の構築の、マイナーチェンジ版といった感じです。サイバース族の採用が目立つかと思いますが、これはエクストラデッキの《リンク・ディサイプル》《リンク・ディヴォーティー》を召喚するためのカードです。これらは《ドッペル・ウォリアー》が引けなかったときのサブギミックであり、基本的には《ドッペル・ウォリアー》を引けているときのことを考えたエクストラデッキの構成になっています。 《リンク・ディサイプル》《リンク・ディヴォーティー》 を使ったルートについては、後ほど詳しく解説します。
基本ルート(《ドッペル・ウォリアー 》 を使った展開)
ここからは、展開ルートを記載していきます。まずは、《ドッペル・ウォリアー》を使った基本ルートから。ルートの紹介前に、展開ルートでよく使用するシンクロモンスターを紹介します。
《天輪の双星道士》
【 シンクロ・チューナーモンスター 】
星 2 / 光 / 天使族 / 攻100 / 守800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
「天輪の双星道士」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがS召喚に成功した時に発動できる。
自分の手札・墓地からチューナー以外のレベル2モンスターを4体まで選んで守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はSモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
現代の【ジャンクドッペル】を支えるシンクロチューナーです。自身がチューナーでありながら、チューナー以外の☆2モンスターを蘇生できます。このカードで《ドッペル・ウォリアー》を蘇生することで、召喚できるシンクロモンスターのバリエーションをグッと増やすことができます。
《武力の軍奏》
【 シンクロ・チューナーモンスター 】
星 3 / 風 / 機械族 / 攻500 / 守2200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがS召喚に成功した場合、自分の墓地のチューナー1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
②:このカードをS素材としたSモンスターは、フィールドに表側表示で存在する限りチューナーとして扱う。
こちらも重要なシンクロチューナー。《天輪の双星道士》がチューナー以外のモンスターを蘇生させるのに対し、こちらはチューナーを蘇生させます。呼び出された「ドッペル・トークン」2体に、☆1のチューナー1体を合わせることで、《天輪の双星道士》からこのカードに繋いで連続シンクロを決めていくことも可能です。素材にしたシンクロモンスターがチューナーになる効果は、ルートを繋げる上で重要なので忘れないようにしましょう。
《アクセル・シンクロン》
【 シンクロ・チューナーモンスター 】
星 5 / 闇 / 機械族 / 攻500 / 守2100
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分は「アクセル・シンクロン」を1ターンに1度しかS召喚できない。
①:1ターンに1度、デッキから「シンクロン」モンスター1体を墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを上げる。
●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを下げる。
②:相手メインフェイズに発動できる。
このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。
コストで「シンクロン」モンスターを墓地に送り、その分だけレベルを増減できる効果を持っています。シンクロのレベル調整に扱えるだけでなく、この効果で《ジェット・シンクロン》を墓地に送り、そのままあちらの効果で蘇生させることもできます。また、この効果で☆5である《クイック・シンクロン》を墓地に送ることもでき、「レベルを下げる」を選択した場合、このカードのレベルは1になります。
Q: 「アクセル・シンクロン」の『①:1ターンに1度、デッキから「シンクロン」モンスター1体を墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動できる。●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを上げる。●墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを下げる』効果を発動する際に、「クイック・シンクロン」を墓地へ送り、そのレベルを下げる事はできますか?
出典:遊戯王OCGカードデータベース
A: 「アクセル・シンクロン」の効果を発動する際に、「クイック・シンクロン」を墓地へ送り、レベルを5つ下げる事はできます。
その場合、「アクセル・シンクロン」のレベルは1となります。
この裁定、及び「シンクロン」モンスターの墓地送りがコストであることは、ルート形成の上で重要な事項です。また、相手ターンでのシンクロ効果も持っているので、《シューティング・ライザー・ドラゴン》を使用してしまっているときに、《水晶機巧-ハリファイバー》の②の効果で特殊召喚するモンスターの候補にもなります。
《A BF-雨隠れのサヨ》及び《A BF-五月雨のソハヤ》
【 シンクロモンスター 】
星 2 / 闇 / 鳥獣族 / 攻800 / 守100
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
①:「BF」モンスターを素材としてS召喚したこのカードはチューナーとして扱う。
②:このカードは1ターンに2度まで戦闘では破壊されない。
【 シンクロモンスター 】
星 5 / 闇 / 鳥獣族 / 攻1500 / 守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
「A BF-五月雨のソハヤ」の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:「BF」モンスターを素材としてS召喚したこのカードはチューナーとして扱う。
②:このカードがS召喚に成功した時、自分の墓地の「A BF」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
③:このカードが墓地へ送られたターンの自分メインフェイズにこのカード以外の自分の墓地の「A BF-五月雨のソハヤ」1体を除外して発動できる。
このカードを特殊召喚する。
「A BF」ギミックです。《A BF-雨隠れのサヨ》は貴重な☆2のチューナーではないシンクロモンスターで、繋ぎとしてシンクロ召喚することが多いモンスターです。《天輪の双星道士》で蘇生することもできます。《A BF-五月雨のソハヤ》は、シンクロ素材に「BF」モンスターを含む場合チューナーになる効果、シンクロ召喚成功時に「A BF」モンスターを蘇生させる効果を持ちます。前述の《A BF-雨隠れのサヨ》を蘇生させることで、場に☆5と☆2のシンクロモンスターが並びます。☆5のシンクロモンスターが場にいる状態でこのカードの効果を使うことで、《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》が召喚できます。このとき、もう一体のシンクロモンスターがチューナーでなければ「BF」モンスター (実質《A BF-雨隠れのサヨ》) を素材とし、チューナーであるなら素材としないことで、チューナーか否かを調整できるのも、シンクロ素材として優秀です。
カード紹介はここまでにして、ルートを解説していきます。基本的には、展開は全て《水晶機巧-ハリファイバー》のリンク先2つを使用して行います。そのため、ルートはフィールドに《水晶機巧-ハリファイバー》と《ドッペル・ウォリアー》、チューナーモンスターを用意した形をスタートとします。また、前述の《アクセル・シンクロン》から《ジェット・シンクロン》を墓地に送ることができるため、同じスタートでもそこまでに《ジェット・シンクロン》の効果を使っているかどうかでルートが変化します。この解説では、そこも記載してルートを紹介します。「ジェット未使用」のルートは、《ジェット・シンクロン》の効果を使うタイミングで☆1チューナーを追加できるカード(《緊急テレポート》や墓地の《リ・バイブル》等)があれば代用できます。
☆3チューナー+☆1チューナー(ジェット使用済み)
スタート:《水晶機巧-ハリファイバー》 +《ドッペル・ウォリアー》+☆3チューナー+☆1チューナーゴール:5ドロー+《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》
動かし方:
基本ルートの一つです。最初に《水晶機巧-ハリファイバー》のリンク先に《TG ハイパー・ライブラリアン》をシンクロ召喚し、もうひとつのリンク先で連続シンクロを行います。 途中、《アクセル・シンクロン》の効果で《クイック・シンクロン》を墓地に送り、レベルを1にすることで、《A BF-雨隠れのサヨ》から《A BF-五月雨のソハヤ》のコンボに繋いでいます。
☆3チューナー+☆1チューナー(ジェット未使用)
スタート:《水晶機巧-ハリファイバー》 +《ドッペル・ウォリアー》+☆3チューナー+☆1チューナー ゴール:4ドロー+《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》+墓地に《妖精伝姫-シラユキ》+相手ターンに《PSYフレームロード・Ω》
動かし方:
数あるルートの中でも、《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》と《妖精伝姫-シラユキ》が共存する、特に強力なルートです。このルートで使用している、《天輪の双星道士》+《A BF-雨隠れのサヨ》+《PSYフレームロード・Ω》での《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》召喚は、《PSYフレームロード・Ω》が墓地に送られることでエクストラデッキのリソース回復が見込めるだけでなく、《PSYフレームロード・Ω》の場持ちの良さに加え、《天輪の双星道士》で《A BF-雨隠れのサヨ》が蘇生できるため、2ターン目以降でも狙いやすいルートです。
蘇生可能な☆1チューナー(ジェット可)
スタート:《水晶機巧-ハリファイバー》 +《ドッペル・ウォリアー》+蘇生可能な☆1チューナー ゴール:5ドロー+《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》
動かし方:
《武力の軍奏》から入り、《A BF-雨隠れのサヨ》を経由して《TG ハイパー・ライブラリアン》を特殊召喚するルートです。 《武力の軍奏》 を素材としたシンクロモンスターはチューナーになるため、《シューティング・ライザー・ドラゴン》を経由して、《A BF-五月雨のソハヤ》がチューナーにならないように調整しています。また、蘇生可能な☆1チューナーとして、《ジェット・シンクロン》の他に《リ・バイブル》が存在しています。
【 チューナーモンスター 】
星 1 / 地 / サイキック族 / 攻700 / 守300
「リ・バイブル」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが墓地に存在し、自分のエクストラデッキの枚数が相手よりも5枚以上少ない場合、2000LPを払って発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
《リ・バイブル》をこのルートに使用する場合、スタートの前にエクストラデッキのカードを1枚使用していれば、先に《TG ハイパー・ライブラリアン》をシンクロ召喚することで特殊召喚の条件を満たせます。《ジェット・シンクロン》を通常召喚し、《リンクリボー》をリンク召喚、《ジェット・シンクロン》の効果を使用したタイミングで手札の《ドッペル・ウォリアー》の効果を誘発させ、《ジェット・シンクロン》と《リンクリボー》で《水晶機巧-ハリファイバー》をリンク召喚して《リ・バイブル》を特殊召喚すれば、ちょうど条件を満たせます。 《ジェット・シンクロン》《ドッペル・ウォリアー》の2枚のカードで成り立つため、安定して使用できるルートです。
☆3チューナー(ジェット未使用)
スタート:《水晶機巧-ハリファイバー》 +《ドッペル・ウォリアー》+☆3チューナー ゴール:3ドロー+《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》
動かし方:
盤面が☆3チューナー+ドッペル・ウォリアーになった時には、《アクセル・シンクロン》を先にシンクロ召喚し、《クイック・シンクロン》を墓地に送ってレベルを1にし、《天輪の双星道士》から《武力の軍奏》に繋いで動きます。《武力の軍奏》は特殊召喚したチューナーの効果を無効にしますが、コストは効果が無効になっていても払います。それを利用し、無効になった《アクセル・シンクロン》の効果を発動して、レベルを5にしたまま《ジェット・シンクロン》を墓地に送っています。
《ジャンク・シンクロン》+《ドッペル・ウォリアー》
最後に、【ジャンクドッペル】のデッキ名に則り、《ジャンク・シンクロン》の効果で《ドッペル・ウォリアー》を特殊召喚した際のルートも紹介します。
スタート:《ジャンク・シンクロン》+《ドッペル・ウォリアー》ゴール:3ドロー+《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》
動かし方:
エクストラモンスターゾーンに《アクセル・シンクロン》を特殊召喚し、そこから展開していきます。《天輪の双星道士》以降は、《水晶機巧-ハリファイバー》 +《ドッペル・ウォリアー》+☆3チューナーのルートと同一です。
以上、いくつかのルートを紹介しました。これらのルートで大切なのは、《ドッペル・ウォリアー》と組み合わせるチューナーの数とレベルで初動が変わること。この感覚を把握できれば、デッキがグッと回しやすくなります。
サブギミック(《ドッペル・ウォリアー》を使わない展開)
ここまでは、《ドッペル・ウォリアー》をドローできているときの展開例を紹介してきましたが、ここでは《ドッペル・ウォリアー》を引けていないときの展開を紹介します。前述のルートを見てわかる通り、《ドッペル・ウォリアー》はチューナー以外のモンスターとして非常に優秀なカードです。その不在をカバーするべくエクストラデッキに採用されているのが、《リンク・ディサイプル》及び《リンク・ディヴォーティー》です。
【 リンクモンスター 】
星 1 / 光 / サイバース族 / 攻500 /
レベル4以下のサイバース族モンスター1体
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードのリンク先のモンスター1体をリリースして発動できる。
自分はデッキから1枚ドローし、その後手札を1枚選んでデッキの一番下に戻す。
【LINK-1:下】
【 リンクモンスター 】
星 1 / 地 / サイバース族 / 攻500 /
レベル4以下のサイバース族モンスター1体
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。このターン、自分はリンク3以上のリンクモンスターをリンク召喚できない。
②:相互リンク状態のこのカードがリリースされた場合に発動できる。自分フィールドに「リンクトークン」(サイバース族・光・星1・攻/守0)2体を特殊召喚する。
【LINK-1:上】
この2体を相互リンク状態にすることで、《リンク・ディヴォーティー》の効果で☆1のトークン2体を特殊召喚できます。トークンの特殊召喚後、チューナーと《リンク・ディサイプル》とで《水晶機巧-ハリファイバー》をリンク召喚することで、連続シンクロに繋げます。この2体には、「レベル4以下のサイバース族モンスター1体」という召喚条件があり、そのためにその条件を1体で賄える《サイバース・ガジェット》《ドット・スケーパー》が採用されています。
【 効果モンスター 】
星 4 / 光 / サイバース族 / 攻1400 / 守300
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
②:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
自分フィールドに「ガジェット・トークン」(サイバース族・光・星2・攻/守0)1体を特殊召喚する。
【 効果モンスター 】
星 1 / 地 / サイバース族 / 攻0 / 守2100
このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できず、それぞれデュエル中に1度しか使用できない。
①:このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。
②:このカードが除外された場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。
また、《サイバネット・マイニング》はデッキの安定性を高めると同時に、☆2以下のチューナーを手札コストにできれば即《サイバース・ガジェット》の効果で特殊召喚できます。
【 通常魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:手札を1枚墓地へ送って発動できる。デッキからレベル4以下のサイバース族モンスター1体を手札に加える。
展開例として、ルートを紹介します。
《ジェット・シンクロン》+《サイバネット・マイニング》
スタート:《ジェット・シンクロン》+《サイバネット・マイニング》ゴール:1ドロー+《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》
動かし方:
《ドッペル・ウォリアー》を使用したときに比べると、盤面は堅くありませんが、それでもこのように《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》まで繋ぐことができます。
実際の回し方
さて、ここまでルートを紹介してきましたが、これを覚えるだけでは、【ジャンクドッペル】の強さ、そして何より楽しさを引き出せているとは言えません。実際の展開では、パターンに+1枚があったり、逆に何かが不足していたり、相手の妨害を受けたりします。そして、その中で自分の目指す盤面を完成させたり、その時の最適解を求めたり…それこそがこのデッキの醍醐味であると、私は考えています。ここではそのためのポイントをいくつか紹介します。
「チューナーの数」を数えよう
当たり前ですが、シンクロ召喚は、チューナーモンスターがいなければ行えません。リンク先の問題は置いておくとしても、シンクロモンスターを盤面に並べたいのであれば、必ずそのシンクロモンスターと同じ数のチューナーが必要になります。これは、裏を返せば、用意できるチューナーの数を数えれば、目指す盤面を作れるかがわかる、ということです。例えば、このデッキの一番の強みと紹介した《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》。このカードの召喚条件は、「Sモンスターのチューナー+チューナー以外のSモンスター2体以上」。場に3体のシンクロモンスターを並べる必要があります。つまり、最低3体のチューナーモンスターを場に出す必要があります。「チューナーの数」は、通常召喚や手札のカードの効果による特殊召喚の他に、エクストラデッキから増やす手段として《水晶機巧-ハリファイバー》からのリクルート、《武力の軍奏》での蘇生、《アクセル・シンクロン》の効果で《ジェット・シンクロン》を墓地に送って蘇生があります。上に挙げた展開ルートでは、これらの方法を用いて、必ず場に3体以上のチューナーを出しています。チューナーの数が3以上であれば《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》を狙い、それ以下であれば《TG ハイパー・ライブラリアン》や《シューティング・ライザー・ドラゴン》での勝ち筋を狙うといいでしょう。
☆1のモンスターを大事にしよう
ルートを見て分かるとおり、《A BF-雨隠れのサヨ》は《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》を召喚する上で非常に重要なモンスターです。このモンスターは☆2のシンクロモンスターであるため、シンクロ召喚には☆1のチューナーとチューナー以外のモンスターが必要です。また、《天輪の双星道士》によるモンスターの展開、細かいシンクロのレベル調整にも、☆1のモンスターが必要です。もちろん場合にはよりますが、☆1のモンスターをできるだけ残すように展開すると、強い盤面が作りやすいです。
《ジェット・シンクロン》のサーチ効果を使ってみよう
「《ジェット・シンクロン》のサーチ効果?蘇生効果以外に効果があるの?」と思ったそこの貴方。
あります。
【 チューナーモンスター 】
星 1 / 炎 / 機械族 / 攻500 / 守0
このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①:このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ジャンク」モンスター1体を手札に加える。
②:このカードが墓地に存在する場合、手札を1枚墓地へ送って発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
蘇生効果と1ターンにいずれか1つで、シンクロ素材となったときに「ジャンク」モンスターをサーチできます。通常召喚権を残して《水晶機巧-ハリファイバー》からこのカードをリクルートし、シンクロ素材にできれば、サーチした《ジャンク・シンクロン》をそのまま召喚することで、シンクロ召喚の幅を大きく広げることができます。
以上、実際にデッキを回す際のポイントでした。実戦では、まずは基本ルートに入れるかを考え、入れないようだったらチューナーの数から《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》を目指すかどうかを決めて回すと、比較的回しやすいのではないかと思います。
デッキの魅力
自分は、《水晶機巧-ハリファイバー》の登場以降【ジャンクドッペル】を使い続けています。元々、新マスタールールの前に、自分が初めてCSに持ち込んで結果を出せたデッキということもあるのですが、ここまで長く使い続けられるのはやはりデッキに魅力があるからです。ここではその魅力を書いていきます。これを読んでいる貴方に少しでも伝わり、そして使ってみたいと思っていただけたら幸いです。
思いっきりシンクロ召喚を使える
私は、初代の頃から遊戯王に関わっていた世代なのですが、それだけにシンクロ召喚のインパクトは大きかったです。5D'sという作品の影響も手伝って、今でもシンクロ召喚が大好きです。そのシンクロ召喚を使いこなすことができるのが、このデッキの魅力の一つです。
《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》が強力
勝ち筋の項でも解説しましたが、一度召喚すれば大きく勝ちに近づけるモンスター、という存在は大きいです。戦術的意味合いはもちろん、超大型のモンスターが実戦でもエースというのは使っていて楽しいです。
ドローが楽しい
ドロー効果にカード名単位でのターン1回制限がつきやすい昨今、《TG ハイパー・ライブラリアン》でドローしながら展開していけるのは、強力であり、爽快でもあります。最近は【未開域】がデッキを全部引き切る勢いでドローしていたりしますが、こちらもまだまだ魅力的なのではないかなと思います。
展開の選択肢が多い
実際の回し方でも触れましたが、このデッキは展開パターンが多く、その時その時で最適解を求めていく必要があります。それは難しくもありますが同時に楽しく、それまでに見たことのない手札から強い盤面が作れた時の喜びはひとしおです。今回紹介した基本展開の中にも、大会の試合中に編み出し、そのまま使い続けているものもあったりします。展開を考えることに楽しさを見出せる方には、是非オススメしたいデッキです。
おわりに
まずは、ここまで読んでくださいましてありがとうございました。自分なりに今の【ジャンクドッペル】を解説してみましたが、いかがでしたでしょうか。少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。最後に、デッキの魅力の項では挙げなかったこのデッキの好きなところをひとつ。【ジャンクドッペル】が環境に登場したのは今から9年前、2010年の終わり。《TG ハイパー・ライブラリアン》が発売されたタイミングです。その後、環境の第一線を退いてからも、多くのプレイヤーに愛され、時代ごとに形を変えながらその時々で入賞を果たしています。このように、決して消えることなく、時代の流れとともに進化していく。そんなところも、自分がこのデッキに惹かれてやまない理由の一つです。そしてそんな進化の中に、僭越ながら自分がこのような形で参加できたことを、とても嬉しく思っています。素敵な機会をくださったガチまとめ様に、改めて感謝いたします。願わくば、これを読んだ貴方が、その進化に加わってみたいと思わんことを。最後まで、本当にありがとうございました。
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