はじめに
読者の皆さま、こんにちは。かもめ先生です。
4月の制限改定から1か月、デッキビルダーの皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
先の制限改定では、ガチ環境だけでなくカジュアル環境でも広く使用されていた《スプライト・エルフ》の禁止もあったことから、多くの方がオリジナルデッキのリペアに勤しんでいたことかと思います。
かく言う私も、いくらかエルフを用いたデッキを使っていたため、そのリペアに時間を費やしていました。
それらの中でも今回は、《眠れる巨人ズシン》を用いたオリジナルデッキの紹介をしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
ちなみに、前回のオリジナルデッキはこちら↓
目次
今回の1枚
《眠れる巨人ズシン》
【 効果モンスター 】
星 10 / 地 / 戦士族 / 攻0 / 守0
このカードは通常召喚できない。
ズシンカウンターが10個置かれた自分のモンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
①:1ターンに1度、手札のこのカードをターン終了時まで相手に見せ、自分フィールドのレベル1通常モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターにズシンカウンターを1つ置く。
②:このカードは他のカードの効果を受けない。
③:このカードがモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。
このカードの攻撃力・守備力はダメージ計算時のみ、そのモンスターの攻撃力+1000の数値になる。
そういうわけで、今回の主役となるのはこのカード。
アニメ『遊☆戯☆王5D's』に登場したライバル「チーム太陽」の使用するエースモンスターこと、伝説のノーマルカード《眠れる巨人ズシン》です。
このカードは通常召喚できない。
《眠れる巨人ズシン》の効果外テキスト
ズシンカウンターが10個置かれた自分のモンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
①:1ターンに1度、手札のこのカードをターン終了時まで相手に見せ、自分フィールドのレベル1通常モンスター1体を対象として発動できる。
《眠れる巨人ズシン》の①の効果
そのモンスターにズシンカウンターを1つ置く。
最大の特徴は、何と言ってもその召喚条件の難易度。
レベル1の通常モンスターに、自身の①の効果で乗せることができるズシンカウンターを10個乗せた状態でリリースすることで、手札から特殊召喚することができます。
原作ではレベル1通常モンスターを10ターン維持することを条件としていましたが、流石に無理があるということでOCGでは専用のカウンターに変更することで再現することとなりました。神改変。
そうは言ってもインフレの進む現代遊戯王で、ステータスも貧弱で効果を持たないレベル1の通常モンスターを盤面に維持し続けるのは、とても容易なこととは言えません。
レベル1・通常モンスターの中でも守備力が高い《大木炭18》や《バニーラ》はまだ扱いやすいですが、それでも流石に1、2ターン守るのがせいぜいといったところでしょう。
そもそもレベル1の通常モンスターをサーチしたりリクルートしたりするためのカードが、お世辞にも強力と言えるものがないのも問題に拍車をかけています。
また、どのようにカウンターを乗せていくかも重要となります。
幸いなことに①のズシンカウンターを乗せる効果は名称ターン1の制約もないため、手札にある複数の《眠れる巨人ズシン》を見せれば、その数だけカウンタ―を乗せることができます。
また①の効果で公開した《眠れる巨人ズシン》をデッキや墓地を経由してから手札に戻せば、領域情報が更新されて再び効果を発動することができます。
つまり同一ターンで手札の《眠れる巨人ズシン》を手札からデッキ・墓地を何度も行き来させることができれば、理論上1ターン降臨が可能という訳ですね。
デッキコンセプト解説・通常モンスターの用意
前述した性質を踏まえたうえで、今回のデッキでは「ズシンの1ターン降臨ができる」ことをコンセプトに置きました。
とは言えあまりコンボに振り切るとループコンボなどを多用することになるため対戦相手やギャラリーもつまらないという理由から、レベル1通常モンスターを守りつつ普通にも戦うことができるようなデッキにしたいとも考えました。
《No.64 古狸三太夫》
【 エクシーズモンスター 】
星 2 / 地 / 獣族 / 攻1000 / 守1000
獣族レベル2モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
自分フィールド上に「影武者狸トークン」(獣族・地・星1・攻?・守0)1体を特殊召喚する。
このトークンの攻撃力は、このトークンの特殊召喚時にフィールド上に存在する
攻撃力が一番高いモンスターと同じ攻撃力になる。
自分フィールド上にこのカード以外の獣族モンスターが存在する限り、
このカードは戦闘及びカードの効果では破壊されない。
そういうわけで目を付けたのが、このカード。
レベル2の獣族モンスター2体で呼び出すことができる、獣族のランク2Xモンスターです。
自分フィールド上に「影武者狸トークン」(獣族・地・星1・攻?・守0)1体を特殊召喚する。
《No.64 古狸三太夫》の②の効果
このトークンの攻撃力は、このトークンの特殊召喚時にフィールド上に存在する
攻撃力が一番高いモンスターと同じ攻撃力になる。
《No.64 古狸三太夫》は自身のX素材を1つ取り除くことで、《影武者狸トークン》を生成することができます。
このトークンはレベル1モンスターであり、しかもルール上モンスタートークンは通常モンスターとして扱われるため、《眠れる巨人ズシン》のカウンターを乗せることができます。
しかもこのトークン、特殊召喚した際のフィールドに存在するモンスターの攻撃力をコピーできるため、うまく利用すれば攻撃力3000オーバーにすることもできます。
実際このデッキを使っているとフィールドに《鎖龍蛇-スカルデット》がいることが多く、そちらを参照して2800となりつつスカルデットのリンク先に出して+300となるため、3100のレベル1・通常モンスターとして活用することとなります。
また《No.64 古狸三太夫》のX召喚の条件がレベル2・獣族モンスターということで、【メルフィー】ギミックを活用することができます。
とくに《メルフィーのかくれんぼ》は墓地の獣族モンスターをデッキに戻して再利用できるだけでなく、自分の獣族モンスターにターン1度の効果破壊耐性を付与することができます。
《メルフィーのかくれんぼ》
【 永続魔法 】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドの獣族モンスターはそれぞれ1ターンに1度だけ効果では破壊されない。②:自分の墓地の獣族モンスター3体を対象として発動できる(同名カードは1枚まで)。そのモンスターをデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから1枚ドローする。
①:自分フィールドの獣族モンスターはそれぞれ1ターンに1度だけ効果では破壊されない。
《メルフィーのかくれんぼ》の①の効果
先ほど紹介した《No.64 古狸三太夫》で生成できる《影武者狸トークン》も、もちろん獣族モンスターであるため、この効果を適用することができます。
これらの性質を活用することで、攻撃力3100・効果破壊耐性を持ったレベル1・通常モンスターをフィールドに用意できるという訳ですね。
デッキコンセプト解説・カウンター連打ギミック
これでムキムキ獣族レベル1通常モンスターは呼び出せるようになりました。
あとはどのようにして「ズシンカウンターを乗せていくか」という部分ですね。
まずは《眠れる巨人ズシン》を手札に構える方法ですが、これはかなり容易に用意することができます。激ウマギャグ
《聖騎士の追想 イゾルデ》、《焔聖騎士導-ローラン》の戦士族モンスターサーチ効果、《崔嵬の地霊使いアウス》の地属性モンスターサーチ効果を用いることで、デッキから手札に加えることが可能です。
このデッキでは、上記カードを用いてデュエル序盤に《眠れる巨人ズシン》を集めつつ、先ほど紹介した《No.64 古狸三太夫》を呼び出す準備を整えながら戦っていきます。
盤面がある程度まで整ってきたら、次はズシンカウンターを連打するコンボの下準備にかかっていきます。
《鎖龍蛇-スカルデット》
(準制限カード) 【 リンクモンスター 】
星 4 / 地 / ドラゴン族 / 攻2800 /
カード名が異なるモンスター2体以上
①:このカードは、このカードのリンク素材としたモンスターの数によって以下の効果を得る。
●2体以上:このカードのリンク先にモンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動する。そのモンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
●3体以上:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。手札からモンスター1体を特殊召喚する。
●4体:このカードがリンク召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから4枚ドローし、その後手札を3枚選んで好きな順番でデッキの下に戻す。
【LINK-4:上/左下/下/右下】
《ゾンビキャリア》
【 チューナーモンスター 】
星 2 / 闇 / アンデット族 / 攻400 / 守200
手札を1枚デッキの一番上に戻して発動する。墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。
カウンター連打コンボで重要となるのが、この2枚のカードです。
先ほどお話ししたように、同一ターンであっても《眠れる巨人ズシン》を手札からデッキ・墓地を行き来さえれば、新たに手札に加わったカードということでズシンカウンターを乗せる効果を発動することができます。
手札を1枚デッキの一番上に戻して発動する。墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。
《ゾンビキャリア》の①の効果
《ゾンビキャリア》は自身が墓地に存在する場合、手札1枚をデッキトップに戻すことで自己再生効果を発動することができます。
この効果で特殊召喚されているとフィールドから離れる際に除外されてしまいますが、X素材として用いてしまえばまた墓地へと送ることが可能になります。
しかも《ゾンビキャリア》はターン1使用の制約がないため、墓地に存在すれば何度でも自己再生効果を発動させることができます。
この効果を活用すれば、手札の《眠れる巨人ズシン》をデッキトップに戻して領域情報をリセットしながら、フィールドにモンスターを展開することが可能になります。
●4体:このカードがリンク召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから4枚ドローし、その後手札を3枚選んで好きな順番でデッキの下に戻す。
《鎖龍蛇-スカルデット》の①の効果の3つ目
リンク4の《鎖龍蛇-スカルデット》をモンスター4体を使用してリンク召喚すれば、この4枚ドロー効果を発動させることができます。
先ほどの《ゾンビキャリア》の効果でデッキトップに戻した《眠れる巨人ズシン》をこの4ドロー効果で手札に引き戻せば、領域情報をリセットされているため、ズシンカウンターを乗せる効果を再び発動することができるという訳ですね。
しかも、なんとこの《鎖龍蛇-スカルデット》の①の効果もターン1使用の制約が存在していません。(かつてこれが悪用されたループワンキルも存在しました)
4月改定で準制限となったことで、このカードが2枚使えようになったことから、リペア以前よりも実はコンボの安定性が高くなりました。
また《ゾンビキャリア》で戻した《眠れる巨人ズシン》をドローする手段は、《鎖龍蛇-スカルデット》以外にも用意しています。
自分の墓地からモンスターカードを5枚選択し、デッキに加えてシャッフルする。その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。
《貪欲な壺》は墓地のモンスターカード5枚をデッキに戻して2ドローする効果ですが、この5枚のカードをすべてEXデッキに戻してしまえばシャッフルが行われないため、デッキトップのカードをそのままドローすることができます。
ここで《鎖龍蛇-スカルデット》やランク2Xモンスターを戻しておけば、さらにコンボを繋げることも可能です。
①:このカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。
《D-HERO ディスクガイ》の①の効果
《D-HERO ディスクガイ》の①の効果も、デュエル中1度だけではありますが2ドロー効果です。
こちらは《ゾンビキャリア》2体で呼び出した《No.29 マネキンキャット》の効果で蘇生することができ、実質ズシンカウンター2回分として機能させることができます。
こうした《ゾンビキャリア》のデッキトップ戻しとドロー効果の連打を組み合わせながら、《影武者狸トークン》にズシンカウンターを一気に乗せて《眠れる巨人ズシン》の降臨を狙っていくというのが、今回のデッキのメインコンセプトとなっています。
デッキレシピ紹介
レシピなのか。
前項で解説したように、《No.64 古狸三太夫》をはじめとした【ランク2】【獣族】のギミックを基本としつつ、戦士族関連である【幻影騎士】ギミックや、魔法カード再利用のための【天使族】ギミックを採用しています。
獣族である【メルフィー】ギミックが軸となっているので、相手の攻撃を受けながら耐久する戦術を得意としています。
ある程度はそちらで受けながら、コンボのパーツが揃ってきたら一気に《眠れる巨人ズシン》降臨を狙っていく、というのが基本的な戦術ですね。
各カードの解説
【幻影騎士団】ギミック
《幻影騎士団ティアースケイル》
【 効果モンスター 】
星 3 / 闇 / 戦士族 / 攻600 / 守1600
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:手札を1枚捨てて発動できる。デッキから「幻影騎士団ティアースケイル」以外の「幻影騎士団」モンスター1体または「ファントム」魔法・罠カード1枚を墓地へ送る。②:このカードが墓地に存在し、自分の墓地からこのカード以外の「幻影騎士団」モンスターまたは「ファントム」魔法・罠カードが除外された場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
《幻影剣》
【 永続罠 】
フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
「幻影剣」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:対象のモンスターの攻撃力は800アップし、戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊できる。
そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
②:墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「幻影騎士団」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。
《眠れる巨人ズシン》をサーチするための【戦士族】として採用している、【幻影騎士団】のカードたちです。
手札コストこそ必要ですが、《幻影騎士団ティアースケイル》1枚からデッキのコンボパーツを一気に集めることができます。
- 手札から《幻影騎士団ティアースケイル》を召喚
- 手札1枚を捨てて《幻影騎士団ティアースケイル》の効果を発動、デッキから《幻影騎士団ダスティローブ》を墓地へ送る
- 墓地の《幻影騎士団ダスティローブ》を除外して効果を発動、デッキから《幻影騎士団サイレントブーツ》を手札に加える
- 手札から《幻影騎士団サイレントブーツ》を特殊召喚
- 《幻影騎士団ティアースケイル》《幻影騎士団サイレントブーツ》を素材としてEXデッキから《聖騎士の追想 イゾルデ》をL召喚して効果を発動、デッキから《眠れる巨人ズシン》を手札に加える
- 《聖騎士の追想 イゾルデ》の効果を発動、デッキから《執念の剣》《剣の煌き》を墓地へ送ってデッキから《X-セイバー パシウル》を特殊召喚
- 墓地の《執念の剣》の効果を発動し、デッキトップに戻す
- 墓地の《幻影騎士団サイレントブーツ》を除外して効果を発動、デッキから《幻影剣》を手札に加える
- 墓地の《幻影騎士団ティアースケイル》の効果を発動、自身を特殊召喚
- 《X-セイバー パシウル》《幻影騎士団ティアースケイル》を素材として、EXデッキから《焔聖騎士導-ローラン》をS召喚して効果を発動(エンドフェイズに処理を行う)
- 《聖騎士の追想 イゾルデ》《焔聖騎士導-ローラン》を素材としてEXデッキから《スプライト・スプリンド》をL召喚して効果を発動、デッキから《ゾンビキャリア》を墓地へ送る
- 手札1枚をデッキトップに戻し、墓地の《ゾンビキャリア》を特殊召喚
- 《スプライト・スプリンド》《ゾンビキャリア》を素材として、EXデッキから《ギガンティック・スプライト》をX召喚
- 《ギガンティック・スプライト》の効果を発動、X素材を1つ取り除いてデッキから《メルフィー・ワラビィ》を特殊召喚
- エンドフェイズにS召喚していた《焔聖騎士導-ローラン》の効果でデッキから《執念の剣》を墓地へ送り、デッキから《眠れる巨人ズシン》を手札に加える
- 墓地の《執念の剣》の効果を発動し、デッキトップに戻す
《幻影騎士団ティアースケイル》と手札コスト2枚(1枚墓地・1枚デッキ)から展開する、このデッキの基本となる初動です。
手札コスト2枚は少しばかり重いですが、コンボパーツの軸である《眠れる巨人ズシン》2枚を手札《ゾンビキャリア》1枚を墓地へ送りつつ、【メルフィー】ギミックにつながる《メルフィー・ワラビィ》を呼び出しています。
エンドフェイズに《執念の剣》がデッキトップに戻ってしまいますが、相手ターンに《メルフィー・ワラビィ》の効果でデッキから【メルフィー】をリクルートすれば、トップ固定の問題も解消することができます。
①:対象のモンスターの攻撃力は800アップし、戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊できる。
《幻影剣》の①の効果
そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
途中でサーチできる《幻影剣》は、装備魔法カードのように使用できる永続罠カードです。
対象となったモンスターの攻撃力を上昇させつつ破壊耐性を付与できるため、《影武者狸トークン》を守ったりコンバットトリックを仕掛けたりと、さまざまな活用が期待できます。
【メルフィー】ギミック
《メルフィー・ワラビィ》
【 効果モンスター 】
星 2 / 地 / 獣族 / 攻0 / 守400
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合、またはこのカードが相手モンスターの攻撃対象に選択された場合に発動できる。
このカードを持ち主の手札に戻す。
その後、デッキから「メルフィー・ワラビィ」以外の「メルフィー」モンスター2体を特殊召喚できる(同名カードは1枚まで)。
②:自分エンドフェイズに発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
《森のメルフィーズ》
【 エクシーズモンスター 】
星 2 / 地 / 獣族 / 攻500 / 守2000
レベル2モンスター×2
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。デッキから「メルフィー」カード1枚を手札に加える。②:このカード以外の自分フィールドの表側表示の「メルフィー」モンスターが自分の手札に戻った場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターはフィールドに表側表示で存在する限り、攻撃できず、効果は無効化される。
レベル2・ランク2の獣族モンスターで構成されたテーマデッキ、【メルフィー】のカードたちです。
【メルフィー】モンスターはステータスこそ低いものの、相手モンスターの召喚や攻撃に反応して手札に戻りつつサーチやリクルートができるため、非常に高い受け性能・サイクル性能を有しています。
①:相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合、またはこのカードが相手モンスターの攻撃対象に選択された場合に発動できる。
《メルフィー・ワラビィ》の①の効果
このカードを持ち主の手札に戻す。
その後、デッキから「メルフィー・ワラビィ」以外の「メルフィー」モンスター2体を特殊召喚できる(同名カードは1枚まで)。
とくに《メルフィー・ワラビィ》は、デッキから2体の【メルフィー】モンスターを特殊召喚しながら手札に戻ることができるため、単純にアドバンテージを稼ぐ手段として非常に有用です。
またこの【メルフィー】の手札に戻る効果はこのデッキの核である《ゾンビキャリア》と相性が良く、手札に戻った【メルフィー】をデッキトップに戻しながら蘇生効果を使って相手ターンに《メルフィー・ワラビィ》や《メルフィー・パピィ》でリクルートすれば、実質的な手札消費をなくしながら展開することができます。
相手ターンでは、カード破壊効果を持った《森の聖獣 カラントーサ》をリクルートできる《メルフィー・パピィ》や、獣族蘇生効果を持つ《森の聖獣 ヴァレリフォーン》をサーチできる《メルフィー・キャシィ》を展開して、ターンを凌いでいきます。
うまく凌ぐことができればなぜか手札が6枚以上になっているので、次のターン以降の展開もランク2モンスターを展開しながらコンボパーツを集めていきましょう。
【天使族】ギミック
《サイバー・エッグ・エンジェル》
【 効果モンスター 】
星 2 / 光 / 天使族 / 攻200 / 守300
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「機械天使」魔法カードまたは「祝福の教会-リチューアル・チャーチ」1枚を手札に加える。
《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》
【 フィールド魔法 】
「祝福の教会-リチューアル・チャーチ」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の手札から魔法カード1枚を捨ててこの効果を発動できる。
デッキから光属性の儀式モンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。
②:自分の墓地の魔法カードを任意の数だけデッキに戻し、デッキに戻した数と同じレベルを持つ、自分の墓地の天使族・光属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
魔法カードを再利用するためのギミックとして、このデッキでは《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》を採用しました。
②:自分の墓地の魔法カードを任意の数だけデッキに戻し、デッキに戻した数と同じレベルを持つ、自分の墓地の天使族・光属性モンスター1体を対象として発動できる。
《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》の②の効果
そのモンスターを特殊召喚する。
《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》は墓地の魔法カードをデッキに戻すことで、戻した数と同じレベルの天使族モンスターを蘇生する効果を持っています。
《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》をサーチできる《サイバー・エッグ・エンジェル》や、EXデッキから天使族である《旧神ヌトス》を落としてカード除去が行える《宣告者の神巫》は、いずれもレベル2モンスターであるため【ランク2】Xモンスター主体で戦うこのデッキとも非常に相性が良いと言えます。
《旧神ヌトス》を墓地へ送った《宣告者の神巫》はレベル6となってしまいますが、他のレベル2モンスターと併せて《PSYフレームロード・Ω》をS召喚すれば、キーパーツが除外されてしまった際の保険としても活用することができます。
基本的には《貪欲な壺》を戻すために、活用するギミックです。
冒頭でも解説したように《鎖龍蛇-スカルデット》や《貪欲な壺》は名称ターン1の制約がないドローカードであるため、《ゾンビキャリア》でデッキトップに戻した《眠れる巨人ズシン》をデッキシャッフルせずに引き込むことができます。
言い換えれば、《鎖龍蛇-スカルデット》と《貪欲な壺》で引けるカード枚数が、そのままズシンカウンターを乗せることができる回数となる訳です。
その回数を少しでも増やすための、魔法カード再利用ギミックと言う訳ですね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
その召喚難易度の高さから多くのプレイヤーにその名を知られる《眠れる巨人ズシン》を、自分なりのスタイルでデッキ構築してみました。
コンセプトの項でもお話ししたように、このデッキはワンターンでのズシン降臨もできますが、そもそも【ランク2】軸のデッキとして戦えるようにも組んでいるので手広くいろんなデッキとも対戦できる、良い塩梅のデッキに仕上がったと自負しています。
1ターンでのズシン降臨もロマンがあってなかなか見栄えも良いですが、原作アニメらしくレベル1・通常モンスター(《影武者狸トークン》)を守りながら戦うというのもけっこう面白く魅せることができて、使っていても楽しいデッキになりました。
今回の記事で紹介した《眠れる巨人ズシン》は、すこし前に書いた「クソカード特集」でも非常に難易度の高いカードとして紹介させていただきました。
しかしながら現代遊戯王のカードパワーを以てすれば、どんなカードであっても一定のデッキに仕上げることができるという説が、今回のデッキ紹介記事でもある程度証明できたかと思います。(自画自賛)
また今後のオリジナルデッキ紹介でも、今回のデッキに負けないくらいクセの強いカードを用いたデッキを紹介したいですね。
またその際は、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは今回はこの辺りで。また、次回の記事でお会いしましょう。
ここまでのご清読、ありがとうございました。