はじめに
マスターデュエルがリリースして、早2ヶ月。
様々なデッキをランクマッチで見かけるようになりました。
こちらの記事では、ゲーム『遊戯王マスターデュエル』流行りの最強デッキを紹介していきます。
どのようなデッキがあるのか、早速見ていきましょう!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「遊戯王マスターデュエル環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、ランクマッチで持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、ランクマッチでも一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
Tier1
【鉄獣戦線(トライブリゲード)】Tier1
【鉄獣戦線(トライブリゲード)】デッキは、獣・鳥獣・獣戦士族モンスターを中心とする、リンク召喚によって盤面を制圧していくデッキです。
メインデッキの「鉄獣戦線」モンスターの効果によって墓地から獣・鳥獣・獣戦士族モンスターを除外し、除外した枚数と同じ数のリンクマーカーを持つ獣・鳥獣・獣戦士族リンクモンスターを特殊召喚して展開します。
獣・鳥獣・獣戦士族の高リンクモンスターを出すことが容易なので、「鉄獣戦線」モンスターの効果で出したリンクモンスターを素材に《アクセスコード・トーカー》や《召命の神弓-アポロウーサ》などの強力なリンクモンスターを出すことも簡単にできます。
またこのテーマは「トライブリゲード」罠カードである《鉄獣の抗戦》が墓地・除外の獣・鳥獣・獣戦士族モンスターを任意の数特殊召喚しそれら全てをリンク素材として「鉄獣戦線」リンクモンスターをリンク召喚する、という強力な効果を持っています。
この効果で《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》をリンク召喚して、《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》のリンク召喚成功時の効果と《鉄獣戦線 ナーベル》などの墓地に送られたモンスターの効果を使い、除去とリソース確保を同時に行えるのが【鉄獣戦線】の強みの一つです。
また《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》が墓地に送られた場合に発動できる効果で《鉄獣の抗戦》をサーチできるので、《鉄獣の抗戦》へのアクセスも簡単です。
【エルドリッチ】Tier1
【エルドリッチ】は《黄金卿エルドリッチ》を主軸のモンスターとしています。
罠モンスターとして特殊召喚されて《黄金卿エルドリッチ》がいることで妨害効果が追加で使える「黄金郷」カード、《黄金卿エルドリッチ》をフィールドに出すための「エルドリクシル」カードを活用して戦う罠カード主体のデッキです。
「黄金郷」「エルドリクシル」カードは墓地で発動できる効果もあり、「黄金郷」カードは「エルドリクシル」カードを、「エルドリクシル」カードは「黄金郷」カードをデッキからセットできます。
この墓地効果によってリソースを半永久的に確保できます。
【エルドリッチ】の強みとして《スキルドレイン》をはじめとした強力な罠が採用しやすいという点があります。
《虚無空間》《サモンリミッター》《王宮の勅命》などの各種永続罠は【エルドリッチ】デッキ自体にはあまり影響がないので採用しやすいです。
また【エルドリッチ】はEXデッキを積極的に使うデッキではないため、初動の確保・強い罠を引き込むために《強欲で金満な壺》《金満で謙虚な壺》を採用できるのも強みの一つです。
【竜輝巧(ドライトロン)】Tier1
【竜輝巧(ドライトロン)】は、儀式モンスターをサポートする下級「ドライトロン」モンスターを駆使して儀式召喚を行い、盤面を制圧するデッキです。
妨害としておくモンスターが《崇光なる宣告者》か《神光の宣告者》で採用が分かれているのですが、今回は《崇光なる宣告者》を使用した型を紹介します。
【竜輝巧】の特徴として、まず一つ目にテーマ内儀式魔法の《流星輝巧群》の効果が挙げられます。
普通、儀式魔法はリリースするモンスターのレベルを参照して儀式召喚を行うのですが、《流星輝巧群》はリリースするモンスターの攻撃力を参照して儀式召喚を行います。
この効果で、レベルが高い儀式モンスターでもリリースするモンスターの攻撃力が高ければ簡単に儀式召喚ができます。
そして《流星輝巧群》によって《崇光なる宣告者》を儀式召喚することで、相手の行動を封殺することを目指すデッキになっています。
もう一つの特徴として、レベル1「ドライトロン」モンスターは以下の共通効果を持っています。
- 『このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。』
- 『自分の手札・フィールドから、このカード以外の「ドライトロン」モンスターまたは儀式モンスター1体をリリースして発動できる。このカードを手札・墓地から守備表示で特殊召喚する。その後、○○できる(モンスターの種類によって異なります)。この効果を発動するターン、自分は通常召喚できないモンスターしか特殊召喚できない。』
この効果のリリース先として《サイバー・エンジェル-弁天-》を使うことで、デッキから別の《サイバー・エンジェル-弁天-》をサーチし、レベル1「ドライトロン」モンスターの共通効果のコストを実質なしで使用できます。
《サイバー・エンジェル-弁天-》のサーチは天使族・光属性モンスターならなんでも対応しているので《宣告者の神巫》などもサーチでき、さらに展開を伸ばすことにもつながります。
そして展開したレベル1「ドライトロン」モンスターを活用して儀式召喚やリンク召喚などを行います。
展開が決まれば《崇光なる宣告者》の圧倒的な無効効果でそのまま勝てることが多いです。
Tier2
【LL鉄獣戦線】Tier2
【LL鉄獣戦線】は「LL」「鉄獣戦線」の複合デッキで、お互いの持ち前の展開力で盤面を制圧するデッキです。
メインデッキの「鉄獣戦線」モンスターは、共通効果によって墓地から獣・鳥獣・獣戦士族モンスターを除外し、除外した枚数と同じ数のリンクマーカーを持つ獣・鳥獣・獣戦士族リンクモンスターを特殊召喚して展開します。
「LL」モンスターは展開力に長けたエクシーズ召喚主体のテーマです。
《LL-リサイト・スターリング》を使用した連続展開を行い《FNo.0 未来龍皇ホープ》や《天霆號アーゼウス》などの強力なモンスターも使用できます。
この2つのテーマは鳥獣族を使用するという共通点があり、墓地に貯まった「LL」モンスターをコストに「鉄獣戦線」モンスターの効果を発動する、《鉄獣戦線 ナーベル》がレベル1・鳥獣族モンスターなので「LL」モンスターのサポートの一部対象内である、などといった点で噛み合いも良いです。
そして最終盤面で《FNo.0 未来龍皇ホープ》や《LL-アンサンブルー・ロビン》、《戦華盟将-双龍》、《王神鳥シムルグ》から出される《烈風の結界像》などの強力な妨害が形成されるのが大きな強みです。
【ドラゴンメイド】Tier2
【ドラゴンメイド】は、下級の「ドラゴンメイド」モンスターと上級の「ドラゴンメイド」モンスターを駆使し、強力な融合体の「ドラゴンメイド」モンスターを出して戦うデッキです。
下級の「ドラゴンメイド」モンスターは以下の共通効果があります。
- このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。○○する(カードによって効果が異なります)。
- 自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。このカードを持ち主の手札に戻し、自分の手札・墓地からレベル○(カードによって指定レベルが異なります)の「ドラゴンメイド」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
上級の「ドラゴンメイド」モンスターは以下の共通効果があります。
- このカードを手札から捨て、○○する(カードによって効果が異なります)。
- 自分フィールドに融合モンスターが存在する限り、このカードは効果では破壊されない。
- 自分・相手のバトルフェイズ終了時に発動できる。このカードを持ち主の手札に戻し、手札からレベル○(カードによって指定レベルが異なります)の「ドラゴンメイド」モンスター1体を特殊召喚する。
この共通効果によって、下級のメイド体と上級のドラゴン体がバトルフェイズに状況に応じて変身しながら、下級メイド体の召喚・特殊召喚成功時の効果、上級ドラゴン体の手札での効果でアドバンテージを取って戦います。
また「ドラゴンメイド」モンスターの融合体は、お互いのスタンバイフェイズに手札・墓地の「ドラゴンメイド」モンスターを特殊召喚する事ができる効果と、強力な妨害効果を備えています。
これによってリソースを豊富に確保しながら相手を妨害して試合を有利に進めていくのが【ドラゴンメイド】の特徴です。
「ドラゴンメイド」魔法・罠カードがアドバンテージを取りやすいものが多いのも特徴の一つです。
Tier3
【閃刀姫】Tier3
【閃刀姫】は、リンク1の「閃刀姫」モンスターと「閃刀」魔法カードを駆使して戦うデッキです。
特徴として、墓地に3枚以上魔法カードがあると「閃刀」魔法カードは追加効果が得られるものが多いです。
特に準制限カードの《閃刀起動-エンゲージ》は通常の効果でサーチと、追加効果でドローまで付いてきます。
他にも《閃刀機-ウィドウアンカー》や《閃刀機-シャークキャノン》は相手の妨害と自分の展開を兼ねることのできるカードとなっています。
そして、「閃刀姫」リンクモンスターは《閃刀姫-ジーク》を除き、「閃刀姫」モンスター1体でリンク召喚できるのも特徴の一つです。
メインデッキに入る「閃刀姫」モンスターの《閃刀姫-レイ》《閃刀姫-ロゼ》からリンク1の「閃刀姫」モンスターのリンク召喚へと繋げ、「閃刀姫」リンクモンスターの効果でアドバンテージを稼ぐのが基本的な動きとなっています。
番外編
Tierランキングではランクマッチ目線だったため、このようなランキングになりました。
しかし大会目線だと『デッキを回すのが難しいが使いこなせると強力なデッキ』としてランキングに載せたいデッキもあります。
番外編ではその強力なデッキたちを紹介していきます!
【電脳堺】
【電脳堺】はレベルが3の倍数のモンスターでテーマが構成された、持ち前の展開力を駆使して盤面を制圧する展開系デッキです。
メインデッキの「電脳堺」モンスターはレベル3と6のみで、《電脳堺姫-娘々》と《電脳堺嫦-兎々》以外のモンスターは以下の共通効果を持っています。
- このカードが手札に存在する場合、自分フィールドの「電脳堺」カード1枚を対象として発動できる。そのカードとは種類(モンスター・魔法・罠)が異なる「電脳堺」カード1枚をデッキから墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
- 上記の効果に加えてそのカードによって違う処理を行う。(例えば《電脳堺媛-瑞々》なら「電脳堺」カードのサーチ)
- 「このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない」という制約がつく。
この効果で次々と「電脳堺」モンスターを特殊召喚し、《電脳堺狐-仙々》などのシンクロモンスターや、《真竜皇V.F.D.》などのエクシーズモンスターを出して盤面を制圧します。
「電脳堺」の魔法・罠カードも強力なカードが多いです。
特に《電脳堺門-朱雀》は表側表示のカードを破壊する妨害効果を持っているので、モンスターと罠で妨害が分かれることで相手が対処しづらい盤面を作ることができます。
OCGでは現在禁止カードである《真竜皇V.F.D.》がマスターデュエルでは制限カードであり、そのあまりにも強力な妨害効果と《真竜皇V.F.D.》の召喚のしやすさがこのデッキを強力たらしめています。
次のターンのリソースも残りやすく強力なデッキなのですが、選択肢が多くデッキを回す難易度が高いためか、ランクマッチではあまり見かけないデッキとなっています。
【幻影騎士団】
【幻影騎士団】は展開に長けた墓地活用デッキです。
レベル3モンスターが多いため、レベル3モンスターを墓地に送れる《彼岸の黒天使 ケルビーニ》との相性が良く、レベル3モンスター2体を起点に展開を伸ばすことができます。
そして「幻影騎士団」のギミック内で《幻影霧剣》が《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》《幻影騎士団サイレントブーツ》からアクセスできる妨害となる罠カードでもあります。
そして一番の妨害となるのは《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》の効果を使い素材を5つ以上に増やした《No.86 H-C ロンゴミアント》です。
《No.86 H-C ロンゴミアント》の素材が4つ以上の時に適用される効果で、相手はモンスターを召喚・特殊召喚できず、素材が3つ以上の時に適用される効果で《No.86 H-C ロンゴミアント》は他のカードの効果を受けなくなります。
これによって相手のモンスターの展開を一切許さず、《No.86 H-C ロンゴミアント》の除去・無効化も許さないので、一方的に妨害しながら試合を進めることができます。
《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》と《No.86 H-C ロンゴミアント》のコンボが決まってしまえばほぼ勝利は確実ですが、決まらなかったときでも《幻影霧剣》などの他の妨害手段もあるので柔軟に対応することができます。
こちらのデッキもデッキを回す難易度が高いためかランクマッチではあまり見かけないですが、大会目線ではかなり強力なデッキの部類に入ってきます。
環境のまとめと今後の展望
マスターデュエルの3月現在のランクマッチ環境では【鉄獣戦線】【エルドリッチ】【ドライトロン】をはじめとした様々なデッキタイプが見かけられます。
ランクマッチはシングル戦なので、《ライトニング・ストーム》などの後攻も意識したカードの採用も見受けられ、OCGの大会環境とはまた違った構築も見かけられます。
リミットレギュレーションもOCGのものとは少し異なるので、今後OCGとは違った環境を歩んでいくのではないかと注目が集まっています!
また、リリースから1ヶ月以上が経つので、カードプールの更新がどうなるかにも期待が寄せられています。
今後のマスターデュエルの動向に注目です!
おわりに
遊戯王マスターデュエルの3月の環境について解説いたしました。
この記事が皆さんのデッキ構築・環境への理解の手助けとなっていれば幸いです。
それでは4月の環境解説記事でまたお会いしましょう!