はじめに
どうも、カードショップから少し遠いところに引っ越したら見事に通販で散財しました、ミルク金時です。
今回はモロ私情込みのお話。
実は私には一回り離れた弟がおりまして、彼もまた1人のDMP。
そんな彼が普段から使っているのは、シンプルで使い勝手の良い“速攻デッキ”。
その中でも取り分け即死級の攻撃を軽々打ち込める【零龍ギャスカ】なのでございます。
・・・が、しかし【零龍ギャスカ】には様々な悲劇が訪れた!!
されども、彼のお財布事情では到底新デッキをポンポン組むわけにはいかない。
さあどうしたもんか。
普段からデュエマを楽しむ1DMPとして、1人のDMPを逃・・・楽しんでもらいたい。
・・・よし、ここは兄として、1DMPとして、1ライターとしてひと肌脱ごうじゃあないか!
さあ! 【零龍ギャスカ】をリペアするぞ!!
目次
【零龍ギャスカ】とは
【零龍ギャスカ】をリペアするには、やはりそもそもこのデッキテーマがどんなモノなのかを知らなければいけない。
そうでなければ、何が欠けていて、何が必要なのかを判断できまい。つまり、到底リペアなぞできないのだ!
ということで、少し歴史(?)のお勉強と参りましょう。
《零龍》卍誕
【零龍ギャスカ】の根源は、その名にある《零龍》の登場から始まります。
時代は、かの公式タカラトミー様が「活躍しすぎた」と反省のお気持ちを公開ならぬ後悔した「超GR召喚」が登場した『超天篇』にまで遡り、そこから少し時計の針を進めた2019年12月20日。
DMRP-12 超天篇 拡張パック第4弾「超超超天!覚醒ジョギラゴン vs. 零龍卍誕」に衝撃の新カードが登場します。
それが《零龍》。
《伝説の禁断 ドキンダムX》《終焉の禁断 ドルマゲドンX》と、20周年の歴史の中でも過去たった2枚しか存在しなかった、デュエル開始時点から盤面に展開され、最初から最後まで強烈な効果を発揮するカード。
その点でも、まさしく新たな歴史を紡いだカードと言えるでしょう。
《零龍》は『5枚』のカードから構成されており、
両者いずれかの手札が『0枚』になると発動し、GR召喚を行う「手札の儀」
自分の墓地のカードが『8枚』になると発動し、相手クリーチャー1体を『-3000』する「墓地の儀」
クリーチャーが『3体』以上破壊されると発動し、墓地の闇のカードを手札に戻す「破壊の儀」
自分の墓地のカードをバトルゾーンに出すと発動し、山札の上から『2枚』を墓地に落とす「復活の儀」
そして、その『4枚』が満たされた時、中央《滅亡の起源 零無》が真の姿《零龍》に変身!
相手のクリーチャー全てのパワーを『0』、即ちデュエマのルールを以てして全て破壊。
パワーは『0』ではあるものの、破壊耐性を持ち、バトルには必ず勝利し、「ワールド・ブレイカー」を持つ。
それでいて、ゲーム開始時点から場に存在しているため、実質「スピードアタッカー」として速攻で殴りかかる、もはや“最強”のクリーチャーへと生まれ変わるのです。
ただし、これほどの強力な効果を持つ反面、《零龍》はデメリット効果を持っています。
それが、ゲーム開始時に相手はもう『1枚』カードを引く、というもの。
たった『1枚』ではあるものの、その差が選択肢が増やし、相手の戦略に幅を持たせることになります。
その上、4つの条件を満たさなければ真価を発揮しない《零龍》。
相手に手札的アドバンテージを握られるのは、結構な痛手となります。
この“差”を埋めることができなければ、勝負にはならないだろう・・・。
【零龍ギャスカ】の誕生
と思ったが最期。
過去光を浴びなかった“たった1枚”のカードが、とてつもない相性の良さを見出され名乗りを上げます。
それが《怨念怪人ギャスカ》。
(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 デビルマスク / 文明 闇 / パワー4000 / コスト1
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて捨てる。
『1コスト』という神速で手札を『0枚』に。
そして、その速度で手札を捨てたということは、墓地の枚数も一気に増加。
そこに墓地から場に出せる《ステニャンコ》や《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》が交わることで、たった『2ターン目』にして《零龍》が卍誕。
尋常ならざる速度でデュエルが終わるという悲劇が発生。
その異常なまでのキル速度。そして、その安定感と除去耐性の高さから、一躍環境トップ入りを果たします。
・・・しかし、そんな暴挙を当然公式様が許すわけはなく。
【零龍ギャスカ】に訪れる悲劇
――2020年7月1日
要である《怨念怪人ギャスカ》が殿堂入り。
これを境に一気にキルターンが遠のき環境から姿を消します。
しかし、安定感を損なっただけで、その脅威のキル速度は環境としてはやや足りませんが、全体を見れば十分。
そこに《ビックリーノ》などの枚数調整に加え、《一なる部隊 イワシン》や《撃髄医 スパイナー》などの様々な新戦力を投下することで、友人間で使うと嫌われる程度の“ガチ寄りのファンデッキ”と化します。
しかし、そんな村の片隅でにこやかに住まう【零龍ギャスカ】君にさらなる悲劇が起きることとなります。
――2021年7月1日
今度は【オカルトアンダゲイン】の影響で《暗黒鎧 ダースシスK》が殿堂入り。
「手札の儀」「墓地の儀」「破壊の儀」「復活の儀」全ての条件を大幅に支えてくれた、言わば安定感も失われます。
これらが非常に大きな痛手となり、【零龍ギャスカ】は完全に息を引き取ることとなりました。
これが【零龍ギャスカ】の歴史。
デッキ誕生から即環境入り、わずか『半年』で環境から姿を消し、『1年半』で完全に再起不可能な領域へ。
かなり壮絶な人生をお歩みになっていらっしゃいますね。
・・・と、大分長々と歴史を見ていくこととなりましたが、ここからが本番。
早速(?)【零龍ギャスカ】リペアについて考察していきましょう!
蘇らすには何が必要なのか
現状で足りない要素とは
さて、【零龍ギャスカ】をリペアするにあたって、そもそも何が足りないのか。
それは「手札の儀」「墓地の儀」の2つの条件を満たすカードである、と考えています。
と言うのも、先の歴史を鑑みるに、《怨念怪人ギャスカ》《暗黒鎧 ダースシスK》は2枚とも“最小限で手札を消費”できて、“大きく墓地の枚数を加速”できる、という要素を持ち合わせています。 当然残りの2つの条件も満たせるのが両者の強みではありますが、最も大きな要素はここでしょう。
リペアパーツ候補
では、上記2つの要素を満たせるカードは何があるのか・・・。
これをザクザクっと見ていきましょう!
《不死帝の黒玉 ジェット》《不蠍虫ガタドコサ・ワーム》
【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジ / 文明 闇 / パワー1000 / コスト1
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーは攻撃できない。
■このクリーチャーが出た時、山札の上から1枚目を墓地に置く。
【 クリーチャー 】
種族 パラサイトワーム / 不死樹王国 / 文明 闇 / パワー1000 / コスト1
■ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
■このクリーチャーは攻撃できない。
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。
「《堕魔 ザンバリー》のデッキトップVer.」という名がふさわしい方々。
『1コスト』なので手札を枯らすのに便利。かつ、堅実に墓地も肥やせる。おまけに、ブロッカー持ちでキルターンが遅れても安心。
と、かなりコスパ高めな1枚です。
手札を効率良く消費できるわけではありませんが、それ以外の付加価値から見ると、かなりリペアのパーツとしてはありなのではなかろうか。
《冥界の不死帝 ブルース/「迷いはない。俺の成すことは決まった」》
【 ツインパクトカード 】
種族 アウトレイジMAX / 文明 闇 / パワー13000 / コスト2
■T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
■自分の墓地にあるカードが13枚より少なければ、このクリーチャーは攻撃できない。
■自分のターンの終わりに、自分の山札の上から1枚目を墓地に置いてもよい。
【呪文】
カード名:「迷いはない。俺の成すことは決まった」
文明:闇
コスト:3マナ
■S・トリガー
■コスト3以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。
『2マナ』からの動き出しと少々遅れてしまうのがネックですが、毎ターン墓地を確実に1枚叩き落とせる上、シールドトリガーによる蘇生が内包されているのが特徴。
これで様々なサポートカードをリアニメイトすれば「復活の儀」、サポーターの力を借りて「手札の儀」「墓地の儀」、延いては残る最後の「破壊の儀」の卍誕条件を満たせることでしょう。
あとは何より声に出して読みたい。言いたいですよね「迷いはない。俺の成すことは決まった」って。
はい、リピートアフターミー。「迷いはない。俺の成すことは決まった」
《無限皇帝の顕現》
【 呪文 】
種族 チーム零 / 文明 闇 / コスト2
■自分の山札の上から2枚を墓地に置く。その後、コストの合計が2以下になるよう、クリーチャーを2体まで自分の墓地から選び、バトルゾーンに出す。
このデッキの許容マナである『2マナ』で使え、『2枚』墓地肥やし『2体』まで蘇生。今現状で足りていない「墓地の儀」に大きく貢献しつつ、「復活の儀」を容易に達成してくれるこの子は非常に相性が良さそうな予感。
これに《堕魔 ドゥポイズ》《学校男》なんかを織り交ぜれば「破壊の儀」までポンと達成できたり、《堕魔 ザンバリー》を織り交ぜれば効率良く手札を消化できたり、かなりギミックとしては面白そうです。
《戦略のD・H アツト》《【問2】 ノロン⤴》
【 クリーチャー 】
種族 ヒューマノイド / ヒーロー / 文明 水/闇 / パワー2000 / コスト2
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを2枚引いてもよい。そうした場合、自分の手札を2枚捨てる。
【 クリーチャー 】
種族 革命軍 / テック団 / 文明 水/闇 / パワー2000 / コスト2
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを2枚引く。その後、自分の手札を2枚捨てる。
墓地加速、手札交換を補うために《一なる部隊 イワシン》を採用するのが、ほぼ確実に決まっています。
では、何故最初期の時点では《一なる部隊 イワシン》が入っていなかったのか。
これは「水マナ」が邪魔になってしまうから。
速攻でフィニッシュさせる必要があったが故に、少しでもノイズを省く。つまりは「黒単色」で組み上げるのがテンプレとなっていたわけです。
しかし、時代は変わり、《一なる部隊 イワシン》が採用されるのであれば、そのノイズを活用して、墓地加速と手札交換を同時に行える彼らはかなり有力候補となりそうです。
この辺りがリペアパーツの候補になりそうですね。パーツごとのギミックが幅広いので、意外とリペアの軸は多そうな予感。
これらの何を採用して、どうリペアしていくのか。
さて、まとめてみようか!
これがリペア構築だァーーー!!!
【零龍ギャスカ】リペア構築
今回のリペア構築案は非常にシンプル。デッキの大枠は変えずに直球勝負。
先ほど名前の上がった《無限皇帝の顕現》をピックしつつ、相性が良くかつ「破壊の儀」の達成に貢献してくれる《堕魔 ドゥポイズ》を採用。
そして、「復活の儀」はより確実に、より容易に達成できるようになったため、《ビックリーノ》を除外。かつ、《偽りの名 ドレッド・ブラッド》の枚数ダウン。
ただ、これだと《怨念怪人ギャスカ》《暗黒鎧 ダースシスK》の打点を補うにはやや乏しかったので、その枚数調整に合わせて《死神術士デスマーチ》の枚数をアップ。
うん、我ながら少年漫画さながらの王道な復活をさせた気がする。
こう、折れかかったところに仲間の力を借りて再び戦場に舞い戻る、的な。
採用を見送ったリペアパーツ候補
今回はリペアパーツ候補から《無限皇帝の顕現》のみを採用しました。
では何故、他のリペアパーツの採用を見送ったのか。その点を軽くご紹介。
《不死帝の黒玉 ジェット》《不蠍虫ガタドコサ・ワーム》
消費できる手札が1枚のみの2枚。より効率良く手札消費、墓地肥やしをしたかったため、惜しくも採用見送り。
ただし、手札『1枚』消費、墓地『1枚』肥やしをしつつ「ブロッカー」になってくれるため、《撃髄医 スパイナー》を合わせて採用したり、【赤単我我我】【赤単バルガ】などの小型ビートが流行っている環境下では採用を検討してみても良いでしょう。
《冥界の不死帝 ブルース/「迷いはない。俺の成すことは決まった」》
今回はトリガーによるカウンターを狙うのではなく、早期《零龍》卍誕、早期フィニッシュを狙いたかったため、採用を見送り。
こちらも《不死帝の黒玉 ジェット》《不蠍虫ガタドコサ・ワーム》同様、《零龍》卍誕によるカウンターを軸とするのであれば、採用の価値ありです。
《戦略のD・H アツト》《【問2】 ノロン⤴》
この2枚の採用見送りの理由はとてもシンプルで、今までの【零龍ギャスカ】から立ち回りを大きく変えたくないから、というのが理由となります。青マナが混じると、攻め方自体が大きく変わると思いますので。
今の形以上に手札消費ができるようなカードプールが整えば、手札の入れ替えができる彼らは唯一無二の動きを取ってくれるかと思います。
言ってしまえば、今後に期待、というところでしょうか。
以上がリペアパーツ候補から採用されなかったカードの理由紹介でした。
いずれを採用するにしても、今までの【零龍ギャスカ】からは形が変わっていくことは確か。
これに関しては自分の合う形を模索して、楽しんでいただければな、と思います!
【零龍ギャスカ】リペアVer.の回し方
一応この【零龍ギャスカ】リペアVer.の回し方についても話しておきましょうか。
・・・と言っても王道にリペアしたこともあって、今まで【零龍ギャスカ】を使っていた方にとっては恐らく見慣れた流れ。
おまけにそもそも動きが簡単でわかりやすいデッキテーマだっただけに、めちゃくちゃシンプル。
なんかこう・・・ライターとしてはちょっと困る感じ(知らんがな)
①墓地を肥やす
ぶっちゃけ墓地を肥やすことさえ考えていれば、流れで他の条件を達成できます。
ので! 兎にも角にもLet's 墓地肥やし!
《堕魔 ザンバリー》《ブラッディ・クロス》を中心に墓地を加速。
あわよくば《怨念怪人ギャスカ》《虚像の大富豪 ラピス・ラズリ》を織り交ぜて、手札を一気に消化できるとさらに良し。
基本的には手札を毎ターンコツコツ消化できていれば、「手札の儀」もなんなく達成できるので、然程気にしなくても良いでしょう。
うん、それ以上でもそれ以下でもない。いやはや、やはりライター泣かせだ。
②ターン初めに蘇生
ターンの初めになったら《ステニャンコ》《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》《偽りの名 ドレッド・ブラッド》で「破壊の儀」を起爆するように墓地から場へ降誕。
ただ、「破壊の儀」が達成できなくとも蘇生させる、と言うケースもあります。
何せ、《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》《偽りの名 ドレッド・ブラッド》しかり、《虚像の大富豪 ラピス・ラズリ》しかり、意外とそもそもの打点が高いんですよね。
ので、盤面にクリーチャーを展開して強引に殴り勝つというルートもある、ということは覚えておいて損はないでしょう。
③零龍卍誕、ぶん殴れ!
堅実に②まで達成すれば、概ね「手札の儀」「墓地の儀」「破壊の儀」「復活の儀」の全てが達成されています。
さあ、【零龍ギャスカ】の大本命《零龍》卍誕! 打点は整った、殴るべし!!
《零龍》のアタックに関してですが、個人的には盤面に他の打点が並んでいなくとも、容赦なく殴ることを個人的には推奨します。
実質ほぼ除去されない超巨大アタッカーがいますからね。次のターン確実に仕留められるということを考えると、基本的には殴って良いのかなと思います。
ただし、本当に手札1枚の差でフィニッシュまで持っていってしまうような【赤単我我我】【赤白ドギラゴン閃】辺りだけは危険なので要注意。
《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》《偽りの名 ドレッド・ブラッド》等の召喚酔いが解けてから殴り始めるのが良いでしょう。
総括
というわけで、私情に始まり、なんとか【零龍ギャスカ】のリペアを試んでみました。
やはり《怨念怪人ギャスカ》《暗黒鎧 ダースシスK》が殿堂入りした爪痕は隠せませんが、安定感を取り戻し、今の環境下でも友人間で使っても笑って誤魔化せるような程々なデッキパワーに落ち着いたのではないでしょうか。
ちなみに、早速我が弟に使ってもらったところ、見事にキルをぶちかましてくれました。
これで1人のデュエマ人生を紡ぐことができたので良しとしましょう。
今後も低コストの闇属性カードが増える度に強化の機会があるはず。
特に手札消費をしつつ、デッキに干渉できるようなワンポイント効かせたカードが来てくれれば、それこそ少し前の環境でも太刀打ちできるような豪勢なデッキとなってくれるでしょう。
今現状であればどのパーツも非常に値段が安いので、新しいデッキを作りたい方や【零龍ギャスカ】をすでに持っている方、あるいは「作りたかった!」と憧れを持っていた方。ぜひお試しあれ。
ではではー!