はじめに
マスターデュエルもリリースからあっという間に5ヶ月が経ちました。
カードプールも新たに更新され、環境の変化が生まれています。
こちらの記事では、ゲーム『遊戯王マスターデュエル』流行りの最強デッキを紹介していきます。
どのようなデッキがあるのか、早速見ていきましょう!
目次
先月からのカードプールの変化
6月10日には新セレクションパック『ブレイブリー・ウィングス』が追加され、「エクソシスター」の登場や「代行者」「ヴァレル」などのテーマが強化されました。
このセレクションパック『ブレイブリー・ウィングス』の新カード登場による環境への影響はほぼありませんでしたが、「エクソシスター」はマスターデュエルでは実装されていない《エクソシスター・マルファ》などの強力なカードもOCGに存在するため、マスターデュエルでの今後の強化に期待できそうです。
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「遊戯王マスターデュエル環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、ランクマッチで持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、ランクマッチでも一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
Tier1
【鉄獣戦線(トライブリゲード)】Tier1
【鉄獣戦線(トライブリゲード)】デッキは、獣・鳥獣・獣戦士族モンスターを中心とする、リンク召喚によって盤面を制圧していくデッキです。
メインデッキの「鉄獣戦線」モンスターの効果によって墓地から獣・鳥獣・獣戦士族モンスターを除外し、除外した枚数と同じ数のリンクマーカーを持つ獣・鳥獣・獣戦士族リンクモンスターを特殊召喚して展開します。
獣・鳥獣・獣戦士族の高リンクモンスターを出すことが容易なので、「鉄獣戦線」モンスターの効果で出したリンクモンスターを素材に《アクセスコード・トーカー》や《召命の神弓-アポロウーサ》などの強力なリンクモンスターを出すことも簡単にできます。
またこのテーマは「トライブリゲード」罠カードである《鉄獣の抗戦》が墓地・除外の獣・鳥獣・獣戦士族モンスターを任意の数特殊召喚しそれら全てをリンク素材として「鉄獣戦線」リンクモンスターをリンク召喚する、という強力な効果を持っています。
この効果で《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》をリンク召喚して、《鉄獣戦線 凶鳥のシュライグ》のリンク召喚成功時の効果と《鉄獣戦線 ナーベル》などの墓地に送られたモンスターの効果を使い、除去とリソース確保を同時に行えるのが【鉄獣戦線】の強みの一つです。
また《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》が墓地に送られた場合に発動できる効果で《鉄獣の抗戦》をサーチできるので、《鉄獣の抗戦》へのアクセスも簡単です。
【相剣】Tier1
【相剣】デッキは、レベル4チューナーの「相剣トークン」を「相剣」カードの効果で特殊召喚し、高レベルシンクロモンスターをシンクロ召喚して戦うデッキです。
《相剣師-莫邪》《相剣師-泰阿》《相剣軍師-龍淵》が主に採用されるメインデッキの「相剣」モンスターです。
このうち《相剣師-莫邪》は召喚成功時に手札の幻竜族モンスターか「相剣」カードを相手に見せることで、《相剣師-泰阿》は起動効果で幻竜族モンスターか「相剣」カードを墓地から除外することで「相剣トークン」を生成し、どちらもレベル4モンスターなのでそのままレベル8シンクロモンスターへと繋げることができます。
《相剣大師-赤霄》をシンクロ召喚すれば、シンクロ召喚成功時のサーチ効果を使うことで後続確保またはさらなる展開へと繋げることも可能です。
《相剣軍師-龍淵》は他の2体とは違いレベル6モンスターなので、レベル4の「相剣トークン」とシンクロ召喚することでレベル10のシンクロモンスター《相剣大公-承影》や《フルール・ド・バロネス》などになれます。
そしてデッキの自由枠が多いのも魅力の一つです。
「手札誘発を大量に積む」「『天威』ギミックを採用する」「罠カードを多めに積む」「『D-HERO』ギミックを出張させる」などの構築の選択肢の幅が広くプレイヤーの構築の好みが出るデッキでもあります。
弱点としては、《相剣師-莫邪》《相剣師-泰阿》《相剣軍師-龍淵》が単体では完全な1枚初動でないため手札事故が発生しやすいことが挙げられます。
マスターデュエルはシングル戦のため、ピンポイントメタである《トークンコレクター》が採用しにくい環境であり、《トークンコレクター》という弱点をほぼ克服しています。
ランクマッチで流行していることもあり、【相剣】をTier1の位置付けにしています。
Tier2
【エルドリッチ】Tier2
【エルドリッチ】は《黄金卿エルドリッチ》を主軸のモンスターとしているデッキです。
罠モンスターとして特殊召喚されて《黄金卿エルドリッチ》がいることで妨害効果が追加で使える「黄金郷」カード、《黄金卿エルドリッチ》をフィールドに出すための「エルドリクシル」カードを活用して戦う罠カード主体のデッキです。
「黄金郷」「エルドリクシル」カードは墓地で発動できる効果もあり、「黄金郷」カードは「エルドリクシル」カードを、「エルドリクシル」カードは「黄金郷」カードをデッキからセットできます。
この墓地効果によってリソースを半永久的に確保できます。
【エルドリッチ】の強みとして《スキルドレイン》をはじめとした強力な罠が採用しやすいという点があります。
《虚無空間》《サモンリミッター》《王宮の勅命》などの各種永続罠は【エルドリッチ】デッキ自体にはあまり影響がないので採用しやすいです。
また【エルドリッチ】はEXデッキを積極的に使うデッキではないため、初動の確保・強い罠を引き込むために《強欲で金満な壺》《金満で謙虚な壺》を採用できるのも強みの一つです。
5月9日から施行のマスターデュエルのリミットレギュレーションでは《黄金郷のコンキスタドール》が制限カードに指定され弱体化しましたが、《スキルドレイン》などの強力な永続罠は健在であるためまだまだ環境には残っています。
【幻影騎士団】Tier2
【幻影騎士団】は展開に長けた墓地活用デッキです。
レベル3モンスターが多いため、レベル3モンスターを墓地に送れる《彼岸の黒天使 ケルビーニ》との相性が良く、レベル3モンスター2体を起点に展開を伸ばすことができます。
そして「幻影騎士団」のギミック内で《幻影霧剣》が《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》《幻影騎士団サイレントブーツ》からアクセスできる妨害となる罠カードでもあります。
《幻影騎士団ブレイクソード》や《天霆號アーゼウス》といった後攻から捲りにいけるカードも多いので、先攻でも後攻でも戦いやすいデッキとなっています。
また展開した後も墓地で効果が使えるリソースが残るので、展開した盤面を捲られても次のターン再展開する、といったことも可能です。
【電脳堺】Tier2
【電脳堺】はレベルが3の倍数のモンスターでテーマが構成された、持ち前の展開力を駆使して盤面を制圧する展開系デッキです。
メインデッキの「電脳堺」モンスターはレベル3と6のみで、《電脳堺姫-娘々》と《電脳堺嫦-兎々》以外のモンスターは以下の共通効果を持っています。
- このカードが手札に存在する場合、自分フィールドの「電脳堺」カード1枚を対象として発動できる。そのカードとは種類(モンスター・魔法・罠)が異なる「電脳堺」カード1枚をデッキから墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。
- 上記の効果に加えてそのカードによって違う処理を行う。(例えば《電脳堺媛-瑞々》なら「電脳堺」カードのサーチ)
- 「このターン、自分はレベルまたはランクが3以上のモンスターしか特殊召喚できない」という制約がつく。
この効果で次々と「電脳堺」モンスターを特殊召喚し、《電脳堺狐-仙々》などのシンクロモンスターや、《真竜皇V.F.D.》などのエクシーズモンスターを出して盤面を制圧します。
「電脳堺」の魔法・罠カードも強力なカードが多いです。
特に《電脳堺門-朱雀》は表側表示のカードを破壊する妨害効果を持っているので、モンスターと罠で妨害が分かれることで相手が対処しづらい盤面を作ることができます。
OCGでは現在禁止カードである《真竜皇V.F.D.》がマスターデュエルでは制限カードであり、そのあまりにも強力な妨害効果と《真竜皇V.F.D.》の召喚のしやすさがこのデッキを強力たらしめています。
Tier3
【魔救(アダマシア)】Tier3
【アダマシア】は岩石族を中心とした展開系デッキです。
メインデッキの「アダマシア」チューナーモンスターは共通して、特定の条件下で自身を手札から特殊召喚する効果、デッキトップを5枚めくってレベル4以下の岩石族非チューナーを特殊召喚する効果の2つを持っています。
デッキトップからめくられた岩石族モンスターから更に展開をつなげ、《魔救の奇跡-ドラガイト》や《フルール・ド・バロネス》などのシンクロモンスター、《召命の神弓-アポロウーサ》《I:Pマスカレーナ》などのリンクモンスターで盤面を制圧します。
【アダマシア】デッキの中でも特に強力なのが《ブロックドラゴン》で、このカード1枚で展開とサーチをすることができます。
《ブロックドラゴン》へのアクセス手段も《ユニオン・キャリアー》《御影志士》とこのデッキではかなり簡単です。
展開途中で《コアキメイル・ガーディアン》をフィールドに置いておくことで《原始生命態ニビル》などの展開系デッキに致命的な手札誘発をケアできるのも強みの一つです。
【@イグニスター】Tier3
【@イグニスター】は、持ち前の展開力で《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》をリンク召喚することを目標としたデッキです。
《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》の高打点と完全耐性によって、相手に突破手段を与えずに打点で押し切ることができます。展開途中で《ダンマリ@イグニスター》を墓地に送ることができるので、相手の《アクセスコード・トーカー》や《ヴァレルソード・ドラゴン》などの効果を無効化し突破手段を封じることもできます。
展開手段として《イグニスターAiランド》と、それをサーチする《ダークインファント@イグニスター》があります。
《イグニスターAiランド》の効果で連続して展開、リンク召喚を行い、《ダークナイト@イグニスター》の効果で「@イグニスター」モンスターを大量蘇生、《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》へとつなげます。
テーマ内にサーチカードが多く、1枚初動も多いため、安定性が高いのも強みの一つです。
【LL鉄獣戦線】Tier3
【LL鉄獣戦線】は「LL」「鉄獣戦線」の複合デッキで、お互いの持ち前の展開力で盤面を制圧するデッキです。
メインデッキの「鉄獣戦線」モンスターは、共通効果によって墓地から獣・鳥獣・獣戦士族モンスターを除外し、除外した枚数と同じ数のリンクマーカーを持つ獣・鳥獣・獣戦士族リンクモンスターを特殊召喚して展開します。
「LL」モンスターは展開力に長けたエクシーズ召喚主体のテーマです。
《LL-リサイト・スターリング》を使用した連続展開を行い《FNo.0 未来龍皇ホープ》や《天霆號アーゼウス》などの強力なモンスターも使用できます。
この2つのテーマは鳥獣族を使用するという共通点があり、墓地に貯まった「LL」モンスターをコストに「鉄獣戦線」モンスターの効果を発動する、《鉄獣戦線 ナーベル》がレベル1・鳥獣族モンスターなので「LL」モンスターのサポートの一部対象内である、などといった点で噛み合いも良いです。
そして最終盤面で《FNo.0 未来龍皇ホープ》や《LL-アンサンブルー・ロビン》、《戦華盟将-双龍》、《王神鳥シムルグ》から出される《烈風の結界像》などの強力な妨害が形成されるのが大きな強みです。
【閃刀姫】Tier3
【閃刀姫】は、リンク1の「閃刀姫」モンスターと「閃刀」魔法カードを駆使して戦うデッキです。
特徴として、墓地に3枚以上魔法カードがあると「閃刀」魔法カードは追加効果が得られるものが多いです。
特に準制限カードの《閃刀起動-エンゲージ》は通常の効果でサーチと、追加効果でドローまで付いてきます。
他にも《閃刀機-ウィドウアンカー》や《閃刀機-シャークキャノン》は相手の妨害と自分の展開を兼ねることのできるカードとなっています。
そして、「閃刀姫」リンクモンスターは《閃刀姫-ジーク》を除き、「閃刀姫」モンスター1体でリンク召喚できるのも特徴の一つです。
メインデッキに入る「閃刀姫」モンスターの《閃刀姫-レイ》《閃刀姫-ロゼ》からリンク1の「閃刀姫」モンスターのリンク召喚へと繋げ、「閃刀姫」リンクモンスターの効果でアドバンテージを稼ぐのが基本的な動きとなっています。
【シャドール】Tier3
【シャドール】は、リバースした場合と効果で墓地に送られた場合に強力な効果を発揮する「シャドール」モンスターを軸に「シャドール」融合モンスターを融合召喚し、盤面を制圧するデッキです。
【シャドール】には様々な構築がありますが、ここでは【シャドール】と相性のいい「召喚獣」ギミックと《隣の芝刈り》を使用したデッキ枚数60枚の【60召喚シャドール】について紹介します。
「シャドール」モンスターは共通して、効果で墓地に送られた場合にそれぞれ様々な効果を発動することができます。この共通効果は、効果で素材を墓地に送る融合召喚と相性が良く、融合素材で失われる盤面・手札を共通効果によってアドバンテージに変換することができます。
「シャドール」融合モンスターも強力なカードが多いです。《エルシャドール・ネフィリム》は融合召喚成功時にデッキから「シャドール」カードを墓地に送る、《エルシャドール・アプカローネ》は墓地に送られた場合にサーチする、デッキを回す上で欠かせないモンスターです。
《エルシャドール・ミドラーシュ》は1ターンでのお互いの特殊召喚できる回数を1回に縛る効果を持っており、妨害として活用できます。
「シャドール」融合モンスターを融合するカードにも強力なものが多く、《影依融合》は条件を満たせばデッキ融合、《神の写し身との接触》は速攻魔法の融合、《影依の偽典》は墓地融合ができます。
「召喚獣」も同じく融合テーマであるため、融合サポートを共有することができ相性が良いです。
また、デッキ枚数を60枚にしている理由である《隣の芝刈り》が通ってしまえば「シャドール」カードの様々な墓地効果が起動し大量のアドバンテージとリソースを確保することができます。
環境のまとめと今後の展望
マスターデュエルの6月現在のランクマッチ環境では、様々なデッキタイプが見かけられますが、5月環境に引き続き「D-HERO」セットを出張した構築が多く見受けられます。
《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の継戦能力の高さ、妨害の質、《D-HERO ディバインガイ》のドロー、「D-HERO」セットの出張のしやすさは6月現在のマスターデュエル環境に大きな影響を与えていると言ってもいいでしょう。
また今後の展望として、マスターデュエルでは未実装の【ふわんだりぃず】や「勇者」も今後追加される可能性が高まっているので、追加された場合にはマスターデュエル環境にさらなる波乱をもたらすこと間違いなしです!
今後のマスターデュエル環境の動向に注目です!
おわりに
遊戯王マスターデュエルの6月の環境について解説いたしました。
この記事が皆さんのデッキ構築・環境への理解の手助けとなっていれば幸いです。
それでは7月の環境解説記事でまたお会いしましょう!