はじめに
こんにちは、はみるとんです。デッキビルドTipsも5回目となりました。Twitterやコメント等、各所で好評頂きとてもありがたいです!
「誰が読んでも分かりやすく、繰り返し役に立つ記事」を目指していきますので、是非引き続きチェックして頂けると幸いです!
さて、前回汎用的なリンクモンスターを利用した「初動」という概念に触れていきましたが、今回はメインデッキに入るカードの「アクセスしやすさ」という評価軸について触れていきます。
目次
「アクセスする」という言葉の定義
「アクセス」という言葉には「 接触・接続 」「接近」などの意味がありますが、この記事においては「デッキから手札やフィールドに移動させ、活用可能な状態にする事」を指します。
基本的にデッキ内に存在するカードは(一部の稀有な例外を除き)そのままでは効果を発動したり召喚する事は出来ません。故に「アクセスできていない」状態です。
大抵のカードは手札からのみ発動できますので、これをサーチする(手札に加える)事によって「アクセス出来た」状態になります。
「墓地で発動する効果」「除外された時発動する効果」を持っているカードをその場所に持ってくるのも「アクセス出来た」といえるでしょう。
また、少し遠回りですが、「墓地から特殊召喚するカード」「墓地から回収するカード」などを組み合わせるために墓地に居る状態にしておくのも「アクセスした」といって良いでしょう。
要するに、デッキ内にある状態から別の触りやすい場所に引っ張る事が出来れば良いわけです。
どんなに強力なカードでも、デッキ内に存在したままアクセスできていない場合は戦術に取り入れる事が出来ず、実質デッキに入っていないのと同義になってしまいます。
「強いカードを採用する」だけでなく、「そこに至るアクセス手段を考える」事がデッキ構築において重要となるわけです。
「アクセスしやすいカード」とは?
デッキ内に存在するカードにアクセスするにはどうすれば良いでしょうか?
最も分かりやすいのは「ドローする」ことです。初手に引いていたり、通常ドローや効果によるドローで手札に加える事が出来れば戦術に組み込む事が出来ます。
特定のカードにどうしてもアクセスしたいデッキの場合、ドローカードを沢山入れて引き込みに行く方法はどんなカードにも適用できる簡単な方法となります。
しかし、ドロー頼りというのはどうしても運頼りになってしまうのがカードゲームの常です。確実にアクセスするには、「直接そのカードを選んでアクセスする」という方法を用いる事になります。
《増援》(制限カード) 【 通常魔法 】
デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に入れ、デッキをシャッフルする。
例えば、レベル4以下の戦士族モンスターは《増援》を使えば手札に加える事が出来ます。
通常、同名のモンスターは3枚までしかデッキに入れる事が出来ませんが、《増援》を含めると4枚入れられる事になるわけです。
このカードの存在によって「戦士族はアクセスしやすい種族だ」という事が出来ます。
《E-エマージェンシーコール》【 通常魔法 】
自分のデッキから「E・HERO」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
同様のサーチカードに《E-エマージェンシーコール》が存在します。
コストや条件などなく、デッキから「E・HERO」モンスターにアクセスする事が出来る優秀なカードです。
これらの2種類のカードをあわせて投入すると、「レベル4以下のE・HERO戦士族モンスターはデッキに合計7枚入れられる」という事になります。
このように、「アクセスしやすい条件」を把握しておく事によって、主軸に据えやすいカードを理解する事が出来るわけです。
というわけで、以下に各種カードへのアクセス手段をリスト化していきます。
特に下準備や厳しい発動条件などが存在せず、デッキ構築に取り入れやすい物は赤字で書いておきます。
魔法・罠カード全般へのアクセス
「魔法・罠カードなら何でも良い」という緩い条件は安易に満たせてしまうと《ソウル・チャージ》などの強すぎるカードへのアクセスを容易にし、ゲームバランスを崩してしまうため、かなり慎重に設定されます。
・サーチ
《塊斬機ダランベルシアン》を素材4つで出す 《魔導雑貨商人》の効果で加える(デッキ内の魔法・罠の中で一番上にある必要アリ)
・墓地送り
《おろかな副葬》でデッキから落とす 《マジカルシルクハット》で場を経由し墓地へ送る 《ティンダングル・トリニティ》でデッキから落とす 《ワルキューレ・フュンフト》でデッキから落とす
・墓地からの回収
《トロイメア・グリフォン》でセットする 《幻妖フルドラ》で回収する
・その他
《マジック・クロニクル》で除外し、自身の効果で回収する
魔法カード全般へのアクセス
上述の魔法・罠カード全般へのアクセスと同様、《ソウル・チャージ》などの強力なカードが存在している事から厳しいですが、一度墓地へ送る事が出来れば回収手段が豊富に存在しています。
・サーチ
《左腕の代償》で加える
《黒衣の大賢者》で加える
《魔帝アングマール》で同名カードを墓地から除外しデッキから加える
《サイバース・クロック・ドラゴン》の墓地効果で手札に加える
《魔導変換》にカウンターを6つ溜め、手札に加える
・墓地からの回収
《魔法石の採掘》で拾う
《魔法再生》で拾う
《覚醒の魔導剣士》で拾う
・その他
《アルケミック・マジシャン》でエンドフェイズにデッキからセットする
各種魔法カードへのアクセス
通常魔法カード
アクセスのしやすさ ★☆☆☆☆
何度も名前を挙げている《ソウル・チャージ》を含むカード種別なので本当にろくなアクセス手段が存在していません。
上記の魔法カード全般に使えるアクセス手段に頼るのが望ましいでしょう。
・サーチ
《創聖魔導王 エンディミオン》で加える
・その他
《D-HERO ダークエンジェル》でデッキトップに置く
・実質的なアクセス手段
《フュージョン・デステニー》で他のD-HEROと共に《D-HERO ダークエンジェル》 を落とす
速攻魔法カード
アクセスのしやすさ ★☆☆☆☆
相手ターンに打てる唯一の魔法カードであり、直接的な除去や《超融合》などの強力なカードを含むせいか、能動的にアクセスする手段が殆どありません。
こちらも魔法カード全般へのアクセス手段に頼るのが現実的でしょう。
・デッキからのセット
《コーリング・マジック》が相手の魔法・罠カードによって破壊される
《幻獣機ヤクルスラーン》が相手によって破壊される
《速攻魔力増幅器》が相手によって破壊される
・その他
《マジックアブソーバー》によって墓地からセットする
永続魔法カード
アクセスのしやすさ ★★☆☆☆
上記の2つに比べるとアクセス手段は多いものの、《次元の裂け目》や《カイザーコロシアム》などのロック系のカードが多い事からか、エンドフェイズにセットしたりそのターンの行動を制約するカードばかりで、先攻1ターン目で機能させる事は難しいです。
コンボパーツの1つとして使う場合、2ターン目への準備として動かすのが良いでしょう。
・デッキからのセット
《The despair URANUS》でセットする
《番猫-ウォッチキャット》でエンドフェイズにセットする
《ローグ・オブ・エンディミオン》でセットする(そのターン中は使用不可)
《番犬-ウォッチドッグ》でメインフェイズ2にセットする(そのターン特殊召喚不可)
・実質的なアクセス手段
《ワンチャン!?》《ワン・フォー・ワン》で《番猫-ウォッチキャット》にアクセス
《炎星侯-ホウシン》で《ローグ・オブ・エンディミオン》をリクルート
《御影志士》《ブロックドラゴン》で《The despair URANUS》をサーチ
儀式魔法カード
アクセスのしやすさ ★★★★★
儀式召喚自体がかなり安定性の低い召喚方法である事から、儀式魔法へのアクセス手段は豊富で条件も緩いです。
その性質上、アクセスしたとしても儀式召喚に使う以外の用途があまりないですが、特定のカテゴリのカードをコストとして要求するカードを運用する際、アクセスしやすい儀式魔法を活用するという方法も考えられます。
(例:《儀式の下準備》で加えた《善悪の彼岸》を《彼岸の詩人 ウェルギリウス》のコストに活用する)
- ・サーチ
- 《虹光の宣告者》を墓地へ送る
- 《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》で手札を1枚捨てる
- 《魔神儀-キャンドール》をデッキから特殊召喚する
- 《儀式の下準備》で加える(モンスター名が記されている必要アリ)
- 《マンジュ・ゴッド》を召喚する
- 《ソニックバード》を召喚する
- 《占術姫アローシルフ》をリバースする
- 《スピリチューアル・ウィスパー》をP召喚する
- 《霊魂の拠所》がある状態で風属性モンスターをバウンスする
- 《混沌の場》の魔力カウンターを3つ取り除く
・実質的なアクセス手段
- 《おろかな重葬》で《虹光の宣告者》を墓地へ送る
- 《轟雷帝ザボルグ》をアドバンス召喚し、 《虹光の宣告者》を墓地へ送る
- 《サイバー・ダーク・クロー》 で《虹光の宣告者》を墓地へ送る
- 《ゲール・ドグラ》で《虹光の宣告者》を墓地へ送る
- 《影霊衣の万華鏡》で《虹光の宣告者》を墓地へ送る
- 「魔神儀」モンスターの効果で《魔神儀-キャンドール》をデッキからリクルートする
- 後述の「フィールド魔法へのアクセス手段」によって《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》にアクセスする
装備魔法カード
アクセスのしやすさ ★★★★☆
元来モンスターの打点補助や耐性付与など、能動的にアドバンテージを取るカードは少なかったカード分類でしたが、《リビング・フォッシル》などの展開補助に繋がるカードの登場によってアクセスする事への意義が増してきたカードです。
・サーチ
- 《ヴァイロン・キューブ》を光属性のS素材に使う
- 《パワー・ツール・ドラゴン》で同名3枚を見せる
- 《アームズ・ホール》で加える(そのターン通常召喚不可)
- 《名工 虎鉄》をリバースする
- 《ヴァイロン・デルタ》でエンドフェイズにサーチ
・特定のモンスターへ直接装備
- 《妖精伝姫-シンデレラ》にデッキから装備
- 《ヴァイロン・シグマ》にデッキから装備
- 《栄光の聖騎士団》で「聖騎士」モンスターにデッキから装備
・墓地送り
《聖騎士の追想 イゾルデ》のコストとして墓地へ送る
・実質的なアクセス手段
《水晶機巧-ハリファイバー》から《スクラップ・ワーム》を特殊召喚し、《スクラップ・ワイバーン》を経由し《パワー・ツール・ドラゴン》を出す
《レスキューフェレット》から《ヴァイロン・キューブ》と非チューナーを出し、光属性モンスターをシンクロ召喚
フィールド魔法
アクセスのしやすさ ★★★☆☆
9期以降特定のカテゴリの初動として扱われる事が多く、条件なしで直接アクセスできるカードへの規制がとても厳しくなりました。
カテゴリの初動となるフィールド魔法にアクセスしたい場合は召喚権を残しつつ先攻1ターン目に行う事が望ましいですが、 それを満たせるカードは特に規制が厳しく、ラグがあったり召喚権を潰してしまう方法であればアクセス方法自体はかなり多いです。
・サーチ
- 《テラ・フォーミング》で加える
- 《惑星探査車》で加える
- 《メタバース》で加える
- 《マドルチェ・バトラスク》 で場に他のマドルチェが居る時に加える
・セット
《盆回し》で直接セットする
・直接発動
- 《メタバース》で発動する
- 《終焉の地》で相手が特殊召喚した時に発動する
- 《ポップルアップ》で相手の場にのみフィールド魔法があるとき発動する
- 《ゴーストリック・リフォーム》で場の「ゴーストリック」フィールド魔法を戻して発動する
・その他
《幸運を告げるフクロウ》でデッキトップに置く(《ネクロバレーの神殿》がある場合サーチ)
・実質的なアクセス手段
- 《超重武者装留イワトオシ》で《惑星探査車》にアクセス
- 《超重武者ダイ-8》で《惑星探査車》にアクセス
《超重武者装留イワトオシ》を召喚(もしくは《超重武者ダイ-8》を召喚し《超重武者装留イワトオシ》を装備)し、《超重武者カカ-C》をリンク召喚
《超重武者装留チュウサイ》をサーチし装備、《超重武者カカ-C》の効果で《超重武者装留イワトオシ》を蘇生し、《超重武者装留チュウサイ》の効果で《超重武者テンB-N》をリクルート
《超重武者テンB-N》の効果で《超重武者装留チュウサイ》を蘇生し、《ギアギガント X》をエクシーズ召喚、効果で《惑星探査車》をサーチし、《ギアギガント X》と《超重武者装留チュウサイ》で《プラチナ・ガジェット》をリンク召喚、効果で《惑星探査車》を手札から特殊召喚し、フィールド魔法をサーチ
超重武者による展開パターン
罠カード全般へのアクセス
罠カードには《王宮の勅命》などの制圧能力を持ったカードが多く、条件無しでのサーチという物は存在しません。
・墓地送り
《バージェストマ・マーレラ》で落とす
・墓地からセット
《ブーギートラップ》でセットする(そのターン発動可)
・その他
《不幸を告げる黒猫》でデッキトップへ置く(《ネクロバレーの神殿》がある場合サーチ)
各種罠カードへのアクセス
通常罠カード
アクセスのしやすさ ★★★★☆
元来かなりアクセスしづらいカード種別だったのですが、10期に入ってから《悪魔嬢リリス》と《トラップトリック》の存在によって劇的にアクセスがしやすくなりました。
《悪魔嬢リリス》 【 効果モンスター 】 星 3 / 闇 / 悪魔族 / 攻2000 / 守0
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:召喚したこのカードの元々の攻撃力は1000になる。
②:自分フィールドの闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。デッキから通常罠カード3枚を相手に見せ、相手はその中からランダムに1枚選ぶ。そのカード1枚を自分フィールドにセットし、残りのカードはデッキに戻す。この効果は相手ターンでも発動できる。
《トラップトリック》【 通常罠 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:デッキから「トラップトリック」以外の通常罠カード1枚を除外し、その同名カード1枚をデッキから選んで自分フィールドにセットする。この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。このカードの発動後、ターン終了時まで自分は罠カードを1枚しか発動できない。
・サーチ
- 《トラップトリック》 でデッキからセットする
- 《悪魔嬢リリス》 でデッキからセットする
・墓地からコピー
- 《ジャンク・コレクター》でコピーする
- 《闇よりの罠》でコピーする
・実質的なアクセス手段
《ライトロード・ドミニオン キュリオス》などで墓地へ送り、《聖騎士の追想 イゾルデ》から《ジャンク・コレクター》を特殊召喚する
永続罠カード
アクセスのしやすさ ★☆☆☆☆
永続魔法同様、制圧能力が高いのでアクセス手段は少ないです。
直接のアクセスはほぼ《The despair URANUS》一択で、その他は 一旦墓地へ送って 《ブービートラップE》や《トロイメア・グリフォン》でセットするのが基本となります。
・デッキから直接セット
《The despair URANUS》でセットする
・墓地からセット
《ブービートラップE》でセットする
カウンター罠カード
アクセスのしやすさ ★★☆☆☆
種類は少ないですが、Pモンスターである事からアクセスしやすい《解放のアリアドネ》がとても優秀で、アドバンテージを失う事なく繰り返しアクセスしやすくなっています。
・サーチ
- 《解放のアリアドネ》を破壊する
- 《天空聖騎士アークパーシアス》で戦闘ダメージを与える
これらの知識をどう活かすか?
ここまでの情報を振り返る事で、「どの種類のカードがアクセスしやすいカードなのか」というのが可視化する事ができるようになりました。
これは「そのカードにアクセス出来ている事が前提」となる動きを取り入れる際、その前提が満たせている事をどの程度信頼していいのか?という指標になるわけです。
例えば、《霞の谷の神風》を引いている時に強く使えるカードを採用するか悩んだとします。この際、《霞の谷の神風》は制限カードなので通常1枚しか入れる事が出来ず、それだけを頼りに構築すると安定感はかなり低い状態であるといえます。
そこで、《霞の谷の神風》の持つ属性である「フィールド魔法」にはどんなアクセス手段があるのか?どれだけアクセスしやすいのか?というのを知る事で、「《霞の谷の神風》にアクセスするこをと前提としたギミックは現実的だろうか?」というのを構築段階で考える事が出来るのです。
逆に、「通常罠はアクセスがしやすいから、何か通常罠を初動として扱えるギミックはないだろうか?」という風に、構築を考えるスタート地点として考える事も出来ます。
魔法・罠カードは汎用性が高いカードが多く、ゲームメイクにおいて担える役割が無限にあります。
皆さんも是非、この記事の情報を活かして魔法・罠カードを初動やコンボの起点に据えたデッキを考えてみてください!