こんにちは、神結です。
ちょっと前の話題になりますが、Twitterで「#好きなカード10枚挙げると人柄がバレる」というのがありました。これを読んでいる皆様も、それぞれに思い入れのあるカードがあることでしょう。
ただ残念なことに、好きなカードを10枚挙げるとバレるのは年齢で、むしろ好きなカードより嫌いなカードを挙げる方が人柄がバレる、という説もあります。
もちろん嫌いなカードの話をすると、怪訝な顔になる方もいるかもしれません。
ただ1つ言わせて欲しいのは、嫌いなカードの嫌いな部分って、それが好きな人にとっては逆にそこが好きな部分だったりするんですよ。
「《調和と繁栄の罠》を《龍素記号Sr スペルサイクリカ》で使い回されるのマジで苦痛だった」「うん、それが楽しかった」みたいな。
ですので、嫌いなカードの話ってあんまり言うほど不穏な感じにならないんですよね。
かくいう私も好きなデッキ・嫌いなデッキは山ほどありますが、実はカードの話でいくと限られてくるかもしれません。ざっと思い付くのは2枚くらい。
1つは、以前ご紹介させていただいたように、《グレート・グラスパー》。
で、もう一つが……というところで、今回のデッキの紹介といきましょう。
「歴代名作デッキ紹介」と題しまして、過去の名デッキの振り返りをしていくこの企画。
今回は【ゲイルヴェスパー】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
あー一面の〇〇ミドリ
というわけで今回の名作デッキは、私個人としてもっとも好きから遠い感情にあるだろうデッキ、【ゲイルヴェスパー】になります。
逆に一周回って楽しみにしてた回なんだよな。
というわけで、リストはこんな感じ。
主役となるのは主に2枚。1つが、デッキの名前にもなっている《天風のゲイル・ヴェスパー》。
【 クリーチャー 】
種族 グランセクト / 文明 自然 / パワー12000 / コスト10
■W・シンパシー:パワー12000以上のクリーチャー(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のパワー12000以上のクリーチャー1体につき2少なくなる。ただしコストは0以下にならない)
■T・ブレイカー
■自分の手札にあるクリーチャーすべてに、「W・シンパシー:パワー12000以上のクリーチャー」を与える。
見て下さい、この凶悪そうな見た目。たぶん、ミツバチの巣を100回は破壊してます。
で、もう1つがゲイルと合わせて運用し、ゲームをめちゃめちゃにする《ジーク・ナハトファルター》。
【 クリーチャー 】
種族 グランセクト / 文明 自然 / パワー18000 / コスト11
■自分のターンのはじめに、このクリーチャーを自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
■Q・ブレイカー
■このクリーチャーまたは自分の他のパワー12000以上のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から2枚をマナゾーンに置く。そうしたら、クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから手札に戻す。
こちらは遠い古来より、収穫前の作物を襲って飢饉を起こす生き物として有名ですね。
一応両方「DM」マークがついており新DMのカードではありますが、ジークが出たのが新DMの終盤だったので、デッキとしての活躍は2018年以降のことになります。
このデッキはW・シンパシーという特殊なギミックを使って動かします。《天風のゲイル・ヴェスパー》は場にあるパワー12000以上のクリーチャーの数だけコストが下がり、更に場に出てしまえば同じ効果を手札のクリーチャーにも付与します。
要するにパワー12000以上のクリーチャーを4体並べることで《天風のゲイル・ヴェスパー》を2コストで召喚。
そしてゲイルの効果でW・シンパシーを付与された《ジーク・ナハトファルター》が1コストで出せるようになるので、それを召喚。
するとジークの効果によって2ブーストしながらマナから1枚クリーチャー回収出来るようになるので、パワー12000以上を回収し、召喚。ジークの効果で……を繰り返していきます。
あとは山札をギリギリまで減らしたら、《水上第九院 シャコガイル》を拾って、何処かで落ちた青マナを使って召喚。シャコの効果でそのまま勝ち、というのがこのデッキの勝ちプランです。
つまりゲイル・ジークを揃えられたが最後、盤面に一面の〇〇ミドリが完成しゲームが終わることでしょう。
パワー12000以上のクリーチャーなんてそうそういないでしょ、と思うかもしれませんが、新DMの緑は「パワー12000以上」というギミックを推していたので、《デデカブラ》や《デスマッチ・ビートル》のような、軽量高パワーカードが幾つかあるんですよ。
これと《界王類七動目 ジュランネル》を合わせて盤面の数を稼いで、ゲイルの着地を目指します。
メタカードであるデスマッチの他に、トリガーで《ゼノゼミツ》や青の都合で採用出来る《終末の時計 ザ・クロック》とかを採用出来るお陰で、最低限の防御スペックを有してもいますね。
え・・・どうやって回すの?
しかしここまで読んだ優秀な読者諸氏であれば、違和感に気付くことでしょう。
「盤面に4体用意してゲイル+ジークするのはわかったんだけど、この時点で最低手札が6枚必要ってことだよね?」
いや、ジークは自身の効果でターン初めにマナから回収出来るんですよ。
「いや、でも小型の12000以上って12枚しか入ってないんでしょ? となると【グルメ墓地】みたいに《巨大設計図》みたいなのを連打できないと、デッキとして上手く回らないよね?」
……そう、そこなんですよ。
一応、グルメの《巨大設計図》枠であるカードとして、《ジャンボ・ラパダイス》というカードがあります。
【 呪文 】
文明 自然 / コスト2
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
自分の山札の上から4枚を表向きにする。その中からパワー12000以上のクリーチャーをすべて、手札に加える。残りを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
でもグルメと違って、ラパダイスはデッキに4枚しか入っていません。もちろん、ラパダイスからラパダイスは回収出来ません。
これが、どういう意味かお分かりでしょうか?
そう、要はこのゲイルってデッキ、ラパダイスに滅茶苦茶依存する癖にラパダイス引けるかどうかは運、ラパダイス引けてもそこから繋がるかも運、というのがこのデッキの宿命です。
そしてなんなら、ラパダイス以外のリソースカードは存在していません。《コレンココ・タンク》はありますが、これはマナが伸ばせているときの限定札であり、リソースとしてあてには出来ません。
他の緑単系デッキが安定する理由として《トレジャー・マップ》や《雪精 ジャーベル》という初動・あるいは展開を兼ねたサーチの存在がありますが、このデッキにはそんなもん一切ありません。入れるとラパダイスと噛み合わないし、ジークとも相性が悪いです。
つまり……ここから導き出される答えは……。
ゲイルヴェスパー、よっぽど引きが強くないと勝たん。
順当に小型を引き、ラパダイスを引き、ラパダイスから小型とゲイルと引き、そしてジークをちゃっかり引いてようやく、デッキになる。
それがゲイルヴェスパーなのです。
そんなゲイルヴェスパーですが、自分で使う事はなかったんですけど、CSに行くと話は別です。普通に対戦相手として座って来ます。そりゃそうです。
もちろんパワーラインが高いことでパワー参照の除去が当たりにくかったり、相手の質の高いカードとトレード出来たり、性質上もつれればそれだけ有利になるデッキではあります。
実際、ゲイルとジーク2枚見せ付けるのは楽しいんだよな。いまでいうと、サガ2枚見せびらかすの同じやつね。
でもねぇ、4ターンゲイルはおかしいんだって。うん、そうはならないはずなんだよな。
と、何かと思うところが多いカードなんですよね。《天風のゲイル・ヴェスパー》。
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第57回は【ゲイルヴェスパー】でした。
最後に私と友人とゲイルヴェスパーのお話をさせてください。
2018年3月、彼が長年愛用していた魂のデッキである【モルトNEXT】は《爆熱天守 バトライ閣》とのコンビ殿堂により終焉を迎えました。
彼とはチーム戦を組む約束をしていたのですが、彼は《爆熱天守 バトライ閣》を失ってなおモルトNEXTを使いたいと言うんですよ。
まぁでも、流石にバトライのないNEXTは流石にちょっと弱すぎまして。当然必死に止めるじゃないですか。
そうしたらようやくわかって貰えたらしく、「では他にジョーカーズとゲイルがあるんですが、どっち使うべきですかね?」と訊かれたんですよ。
当然、「ジョーカーズ」と即答するじゃないですか。
……なんか気付いたらゲイルヴェスパー使ってたんだよな。
ですが彼はゲイルを相当気に入ったようで、その年ほぼゲイル1本でCSを勝ちまくり、最終的に14000ポイント盛ってランキング50位以内に入っていました。
あとなんか、「あのときNEXTを辞めろって言われてなかったらずっとNEXTに固執してたと思います、本当にありがとうございました」って何故か感謝もされたんだよな。
いや、私、ジョーカーズって……言ったような……。
と、暑い季節なので、涼しくなるような怪談をしたところで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた来週会いましょう。