はじめに
読者の皆さま、こんにちは。かもめ先生です。
前回の【クソカード特集】がとても好評だったので、第二弾の記事を書かせていただくこととなりました。
前回の特集はモンスターカードを中心とした紹介だったので、今回の【クソカード特集】は「魔法・罠カード編」ということで進めていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
前回の記事はこちら↓
また前回の記事では「クソカード」の定義として、「構築難度の極めて高い、ヤバいカード」ということとしておりました。
今回の記事でも同様の定義で進めていきたいのですが、魔法・罠カードはモンスターカードのようにパラメータが細分化ができないため、残念ながら純粋な「下位互換」となってしまっているものもけっこうな数が存在しています。
モンスター全体除去の《カオス・エンド》(《ブラック・ホール》の下位互換)や、魔法・罠除去の《一陣の風》(《サイクロン》の下位互換)などが代表的なものですね。
ですので今回の記事ではそうした下位互換カードにはあまり触れず、クソカードの中でも非常にユニークな効果を持っているものに絞りました。
そういうことで、よろしくお願いします。
目次
レベル:★(活用が困難なもの)
この項では、カードの発動条件はそこまで難しくないものの、活用するとなると少し難しいカードについてまとめました。
他のカードは見られないようなユニークな効果こそ持っていますが、ユニーク過ぎて使いどころが分からないものが揃っています。
初期に登場した意味不明なテキストのカードから、新しいのに使い方が分からない用途不明のカードまで、さっそく読み進めてまいりましょう。
《翡翠の蟲笛》
「魔法のクソカード」として代表的なのは、やはりこの《翡翠の蟲笛》でしょう。
相手プレイヤーはデッキから昆虫族モンスター1体を選択し、デッキをシャッフルした後そのカードをデッキの一番上に置く。
《翡翠の蟲笛》の効果
発動された相手プレイヤーは、自分のデッキから昆虫族モンスターを一番上に置かなければなりません。
もちろん相手のデッキに昆虫族モンスターが存在しなければ不発となり、たとえ昆虫族モンスターを採用していたとしても相手からすれば間接的なサーチとして利用されてしまいます。
もともとは大人気の昆虫族モンスター《寄生虫パラサイド》のサポートとして登場した魔法カードです。
しかし《翡翠の蟲笛》《寄生虫パラサイド》の2枚コンボよりも、種族変更であれば《DNA改造手術》の方が活用しやすく、バーン目的であればより扱いやすいカードがいくつも存在しています。
とは言え、相手のデッキトップを任意の昆虫族モンスターにできる、という点にはまだ一考の余地があるでしょう。
《徴兵令》であればデッキトップの相手モンスターを自分フィールドに特殊召喚することができますし、《SPYRAL-ダンディ》や《SPYRAL-タフネス》であれば宣言効果を確定して発動することができます。
《セクステット・サモン》
【 通常魔法 】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分の手札・墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、元々の種族が同じモンスター6種類(儀式・融合・S・X・P・リンク)をそれぞれ1体ずつ選んで除外する。その後、除外したモンスターと元々の種族が同じモンスター1体をデッキ・EXデッキから特殊召喚する。
10期という比較的新しいカードでありながら、この記事で紹介されるに至った魔法カードです。
①:自分の手札・墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、元々の種族が同じモンスター6種類(儀式・融合・S・X・P・リンク)をそれぞれ1体ずつ選んで除外する。その後、除外したモンスターと元々の種族が同じモンスター1体をデッキ・EXデッキから特殊召喚する。
《セクステット・サモン》の①の効果
自分の手札・墓地から種族の同じ、6つの召喚法に対応したモンスター6体を除外することで、デッキ・EXデッキから同じ種族のモンスターを任意に特殊召喚するという効果を持っています。
一見すると汎用性の高いリクルート魔法かのように見えますが「6つの召喚法のモンスターを手札・墓地に揃えながら、このカードを使ってまで出したいモンスターが存在するのか」という大きな問題を抱えています。
そもそも現代遊戯王では種族サポートも豊富にあるため、このカードを使わずとも専用の構築をすればほとんどのモンスターは呼び出すことができます。
しかもこのカードは召喚条件を無視するわけでもないので、それならば普通に出す方法を考えた方が簡単でしょう。
また6つの召喚法を持たない種族もいくつか存在しています。
爬虫類族や海竜族、雷族などはそもそもこのカードの発動条件を満たすことができません。
とは言え、【オッドアイズ】ドラゴン族モンスターなどは儀式や融合、ペンデュラムなどの複数の召喚法を併せ持つモンスターも多いため、このカードを活用しやすいカテゴリとなっています。
なのでそうしたデッキであれば、汎用のリクルートカードとしても活用できる可能性があるかもしれません。
《魂縛門》
【 フィールド魔法 】
自分フィールドにセットされた魔法・罠カードが効果で破壊されたターン、自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードを発動できる。
①:自分・相手のメインフェイズに、自分の墓地に「Z-ONE」が存在し、自分のLPの数値より低い攻撃力を持つモンスター1体のみが召喚・反転召喚・特殊召喚された場合に発動する。
そのモンスターを破壊し、自分は800ダメージを受ける。
その後、相手に800ダメージを与える。
『ANIMATION CHRONICLE 2021』で登場した、『遊☆戯☆王5D's』の登場人物シェリーが使用するフィールド魔法です。
自分フィールドにセットされた魔法・罠カードが効果で破壊されたターン、自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードを発動できる。
《魂縛門》の効果外テキスト
①:自分・相手のメインフェイズに、自分の墓地に「Z-ONE」が存在し、自分のLPの数値より低い攻撃力を持つモンスター1体のみが召喚・反転召喚・特殊召喚された場合に発動する。
《魂縛門》の①の効果
そのモンスターを破壊し、自分は800ダメージを受ける。
その後、相手に800ダメージを与える。
発動条件がすこし特殊で、しかも効果を発動するには自分の墓地に永続魔法《Z-ONE》が必要となります。
発動できれば、お互いのモンスターの召喚や特殊召喚をバーンに変換するという強力なフィールド魔法として活用できますが、自分もダメージを受けてしまうためライフ管理のカードを別途用意する必要があります。
またメインフェイズ以外での特殊召喚や2体以上同時に特殊召喚される場合は発動できないため、そのスキを突かれないように対策もしたいところです。
また《ヘルホーンドザウルス》の登場により、発動条件を満たさずともフィールドに置くことができるようになったので、以前よりもこのカードが扱いやすくなりました。
墓地に《Z-ONE》を用意したりライフ管理や各フェイズでの特殊召喚の対策したりなどは必要となりますが、デッキとしてはかなり組みやすくなったと言えるでしょう。
《うごめく影》
【 永続魔法 】
300ライフポイントを払う事で、自分フィールド上の裏側守備表示モンスターをシャッフルして、再び裏側守備表示で並べ替える。この効果は1ターンに1度だけ使用する事ができる。
さて、こちらも一見すると「?」となるような永続魔法カードです。
300ライフポイントを払う事で、自分フィールド上の裏側守備表示モンスターをシャッフルして、再び裏側守備表示で並べ替える。この効果は1ターンに1度だけ使用する事ができる。
《うごめく影》の効果
ライフを支払うことで、自分の裏側守備表示モンスターをシャッフルすることができます。
もちろんこのカードに表示形式変更効果はないので別のカードで用意する必要がありますし、、1体しか裏側守備表示モンスターがいない場合で発動しても意味はありません。
このカードを活用するのであれば、自分で裏側守備表示にできる【リバース・サイクル】モンスターや、《バースト・リバース》などの裏側守備表示で特殊召喚できるカードと併用すると良いでしょう。
《バースト・リバース》などで特殊召喚されたモンスターは公開情報となっていますが、《うごめく影》であれば非公開情報として上書きできるため、相手モンスターの戦闘などをためらわせることができるかもしれません。
リバースモンスターを使った情報戦や心理戦を楽しみたい方は、一行の余地があるカードなのかもしれないですね。
《運命の火時計》
数ある遊戯王カードで、唯一「ターンカウント」というワードを使う通常罠カードです。
カード1枚のターンカウントを1ターン進める。
《運命の火時計》の効果
カード1枚のターンカウントを進めることができます。
「いやターンカウントってなんだよ!」って話ですよね。
■「魔のデッキ破壊ウイルス」のように、発動後3ターンの間効果が適用されるカードは、ターンをカウントするカードになります。
■「封印の黄金櫃」のように、発動後2回目のスタンバイフェイズを迎えた場合に処理を行うカードは、ターンをカウントするカードではありません。
《運命の火時計》の補足情報
《運命の火時計》のFAQ欄の補足情報では、以上のように説明されています。
また(特定の界隈で)有名なところで言えば、《終焉のカウントダウン》のカウントを進めることができます。
《光の護封剣》や《闇のデッキ破壊ウイルス》などのカウントも進めることができます。
このように非常に活用の場が少ないカードではありますが、ユニークさで言えばピカイチの通常罠カードであるともいえます。
現実的な話をすれば【終焉のカウントダウン】デッキで採用するのが、このカードを最も有効に活用できるかと思います。
発動に名称ターン1の制約などもありませんからね。
《自爆スイッチ》
遊戯王史上、最も理不尽極まりない通常罠カード。
自分のライフポイントが相手より7000以上少ない時に発動する事ができる。お互いのライフポイントは0になる。
《自爆スイッチ》の効果
自分のライフが相手より7000以上少なければ発動することができ、お互いのライフを0にすることができます。
この処理は同時に行われるため、遊戯王でも数少ない「引き分けにできるカード」となっています。
自分のライフを減らす戦術だと不意打ちのバーンカードなどでそのまま倒されてしまう可能性がありますが、相手のライフを回復させることでこの問題を解決することができます。
《ギフトカード》などの相手ライフ回復カードは、こうしたライフ差条件を満たすために用いることができます。
かつては【シモッチバーン】としてマッチ1戦目を戦い、サイドチェンジで2・3戦目を【自爆スイッチ】に切り替えることで引き分けにすることで、マッチ勝利にする戦術もあったのだとか。
怖いですねえ。
ちなみに私の友人は、今でもこのカードを用いた【自爆スイッチ】デッキを愛用しているのですが、毎回意味も分からず先攻2ターン目に引き分けにされてしまいます。
だれか彼を止めてやってくれ。
《衰弱の霧》
個人的に、もっとも使いどころが分からない永続罠カードとしての紹介です。
相手の手札枚数制限は5枚までになる。
《衰弱の霧》の効果
このカードが存在する限り、相手の手札枚数制限を5枚にすることができます。
ちなみに遊戯王のルールでは手札の枚数制限は6枚となっており、ターンプレイヤーのエンドフェイズに上限を超えている場合は、枚数制限になるように手札を捨てなければなりません。
つまり、このカードが存在することで相手はエンドフェイズに5枚に手札を調整しなければならないのですが、別に他のフェイズやこちらのターンでの手札枚数を制限できるわけではないということですね。
初期の遊戯王には、こうした手札枚数制限に関するカードがいくつかありました。
初期のころであれば、今よりもドローやサルベージ効果のカードが少なかったので、少しは意味があったのかもしれません。(意味がある訳ではない)
また『PREMIUM PACK 16』で登場した《サイレント・ウォビー》であれば、あちらはアクセスも容易なモンスターカードであり手札枚数制限を3枚にできるため、いくらか扱いやすくなっています。
相手の手札枚数制限を活用するというデッキを作ってみたいのであれば、一考してみる価値はあるのかもしれないですね。
《ゴブリンのその場しのぎ》
クソカード★1レベルの最後として、こちらのカウンター罠をご紹介。
500ライフポイントを払う。魔法カードの発動を無効にし、そのカードを持ち主の手札に戻す。
《ゴブリンのその場しのぎ》の効果
ライフを支払うことで魔法カードの発動を無効にできますが、そのカードを相手の手札に戻してしまいます。
相手のターン中に発動された魔法カードを無効にしても、結局はターン中にもう一度発動されてしまうため、しのぐことができません。
自分ターンに発動された相手の速攻魔法カードであれば、文字通り「その場しのぎ」をすることができますが、結局相手のターンに使われてしまうと考えると意味はほとんどないと言えるでしょう。
とは言え、近年登場した魔法カードであれば、強力なものこそ多いものの名称ターン1の制約が付いているものも多いので、少ないライフコストでそのターンをしのぐこともできるかもしれません。
また《エクスチェンジ》や《魔導契約の扉》で相手に《強欲で貪欲な壺》を送り付けてこのカードで無効にすれば、実質的なデッキ破壊コンボとして活用することもできます。
しかもこのカードで無効にした魔法カードは元々の持ち主の手札に戻るため、送り付けた《強欲で貪欲な壺》は自分の手札に帰ってくることとなります。
まあ机上の空論の枠を超えないコンボではありますが、相手と心理戦を楽しみたい方は、こういうコンボもあると知っておくと楽しいかもしれないですね。
レベル:★★(発動そのものが困難なもの)
こちらは前項とは違い、条件が重く発動そのものが難しいものを集めました。
しかもこれらのカードは、発動ができたとしてもリターンが少ないというところまでセットになっていることが往々にあります。
しかしながら、それ故に目にする機会が少ないカードでもありますので、デッキビルダーたちにとってはロマンあふれるカードであることもまた事実なのであります。
《ヒーローフラッシュ!!》
【 通常魔法 】
自分の墓地の「H−ヒートハート」「E−エマージェンシーコール」「R−ライトジャスティス」「O−オーバーソウル」をゲームから除外して発動する。自分のデッキから「E・HERO」と名のついた通常モンスター1体を特殊召喚する。このターン自分フィールド上の「E・HERO」と名のついた通常モンスターは、相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。
★2レベル最初のカードは、大人気テーマ【HERO】のサポート通常魔法カード。
自分の墓地の「H−ヒートハート」「E−エマージェンシーコール」「R−ライトジャスティス」「O−オーバーソウル」をゲームから除外して発動する。自分のデッキから「E・HERO」と名のついた通常モンスター1体を特殊召喚する。このターン自分フィールド上の「E・HERO」と名のついた通常モンスターは、相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。
《ヒーローフラッシュ!!》の効果
特定の魔法カード4枚を墓地から除外することで、デッキから【E・HERO】通常モンスターを特殊召喚することができます。
人気テーマであるがゆえに強化に強化を重ねている【HERO】デッキにおいて、通常モンスターをリクルートするカードがそれほど強力なのかと言われると疑問符が残ります。
【E・HERO】通常モンスターは5種類存在しますが、その中でも最も打点の高い《E・HERO ネオス》は非常に多くのサポートを持っているため、わざわざこのカードで出す意味合いは少ないでしょう。
とは言え直接攻撃可能の効果は【HERO】サポートカードでも貴重なものとなっているので、そちらを活かして戦うことは可能かもしれません。
また発動条件に必要なカードの中でも、《E-エマージェンシーコール》以外のものを使ったことがあるプレイヤーはあまり多くないでしょう。
それぞれ「貫通効果付与」「魔法・罠カード破壊」「通常モンスター蘇生」と、それほど使い勝手が悪いものでもないのですが、いかんせんいずれもサーチなどの手段が乏しいため、すべてを墓地に準備しているうちにデュエルが終わってしまうこともしばしばあります。
しかしながら《E・HERO フレイム・ウィングマン-フレイム・シュート》の登場によって通常モンスター型の【HERO】も良い感じにデッキ構築が可能となっていますので、構築やプレイングをうまく調整すればこのカードを活用することもそう難しくないのかもしれないですね。
《幻魔の殉教者》
【 通常魔法 】
自分の手札が2枚以上存在し、自分フィールド上に「神炎皇ウリア」または「神雷皇ハモン」が表側表示で存在する時に発動する事ができる。手札を全て墓地に送る事で、自分フィールド上に「幻魔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を3体攻撃表示で特殊召喚する。
【HERO】カードの方も紹介したので、せっかくですし【幻魔】のクソカードも紹介しておきましょう。(余計なお世話)
自分の手札が2枚以上存在し、自分フィールド上に「神炎皇ウリア」または「神雷皇ハモン」が表側表示で存在する時に発動する事ができる。手札を全て墓地に送る事で、自分フィールド上に「幻魔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を3体攻撃表示で特殊召喚する。
《幻魔の殉教者》の効果
自分フィールドに【幻魔】モンスターが存在している場合に、手札2枚以上をすべて墓地へ送ることで、《幻魔トークン》3体を攻撃表示で出すことができます。
アドバンテージ的な意味では3:3交換でプラマイゼロと言えなくもないのですが、手札0枚という状況が現代遊戯王において致命的なリスクを抱えるという大きな問題を残してしまいます。
とは言えこのトークンはとくに制限も設けられていないため、リンク召喚などに用いることで更なるアドバンテージに繋げることもできます。
また【幻魔】には専用サポートである《失楽園》もあるため、このカードで手札を0枚にしてしまっても毎ターン2ドローが可能なので、意外と何とかなってしまう部分もあります。
しかもこのカードは【幻魔】モンスターの名称が記されているので、《暗黒の招来神》でサーチができるというのもありがたいところ。
皆さんも現代遊戯王のパワーに酔いしれながら、クソカードを介護して楽しく遊びましょう。
《神々の黄昏》
【 通常魔法 】
自分フィールド上に表側表示で存在する「極神」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターのコントロールを相手に移す。次の相手のエンドフェイズ時、選択したモンスターを破壊し、相手フィールド上に存在するカードを全てゲームから除外する。
個人的にとてもアツいクソカード候補の通常魔法カード。
上記2枚と比べても、本当に扱いが難しいカードだと自負しています。
自分フィールド上に表側表示で存在する「極神」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターのコントロールを相手に移す。次の相手のエンドフェイズ時、選択したモンスターを破壊し、相手フィールド上に存在するカードを全てゲームから除外する。
《神々の黄昏》の効果
大型Sモンスターの中でもかなり出すのが面倒な【極神】Sモンスターを、相手にコントロール転移してタイムラグのある全体除去を行います。
ディスアドの権化です。
まず【極神】Sモンスターは対応する【極星】チューナーを素材として、かつチューナー以外に2体のモンスターを要求するという、Sモンスターの中でもかなり重い召喚条件を持ったSモンスターです。
《極星霊アルヴィース》や《極星天グルヴェイグ》が登場したとは言え、未だに他のSモンスターと比較すれば出しにくい寄りの【極神】Sモンスターですが、それを相手に渡す(自分は単純なアド損)というのがまずダメなところ。
しかもさらに大きな問題が、コントロールを移した【極神】モンスターが相手のエンドフェイズに存在しなければ除去効果が発動しないという点です。
なんならコントロール転移した【極神】が破壊されなかった場合でも除去効果は発動しません。
登場当時ですらこのカードを使う意義が薄かった上リンク召喚も使うことができる現代では、全体除去を回避する手段など無数に存在します。
しかもせっかくの【極神】Sモンスターの自己再生もできないというお粗末な始末。
しかしそんなどうしようもないクソカードであっても、現代遊戯王ならなんとかできるはず……!
《ファントム・オブ・カオス》などのコピー効果モンスターを送り付ければアドバンテージ損失をいくらか軽減できますし、相手ターンに《呪縛衆》を用いればそのターン中はEXを用いた召喚法を封じることができます。
準備こそ大変ではありますが発動そのものまでは何とか持っていけるかもしれないですし、全体除去さえ通ってしまえばこちらの勝利もほぼ確実と言えるでしょう。
《ピースの輪》
【 通常魔法 】
①:相手フィールドにモンスターが3体以上存在し、自分フィールドにカードが存在しない場合、自分ドローフェイズに通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、そのターンのメインフェイズ1に発動できる。
自分はデッキからカードを1枚選び、お互いに確認して手札に加える。
発動条件が困難といえば、やはり挙がってくるのがこのカード。
①:相手フィールドにモンスターが3体以上存在し、自分フィールドにカードが存在しない場合、自分ドローフェイズに通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、そのターンのメインフェイズ1に発動できる。
《ピースの輪》の①の効果
自分はデッキからカードを1枚選び、お互いに確認して手札に加える。
ドローフェイズにこのカードを通常ドローした際に、自分フィールドにカードがなくかつ相手モンスターが3体以上存在することで、自分のメインフェイズに発動することができます。
「自分フィールドにカードが存在しない」と「相手モンスターが3体以上存在する」という状況が、まあ難しいですよね。
現代遊戯王でその状況になっているということは、往々にしてデュエルそのものに負けていることがほとんどな訳ですし。
このカードを真っ当に使うとなると、《エッジインプ・シザー》などでこのカードをデッキトップに戻しつつ、《超電磁タートル》などのフィールドに干渉しない遅延カードで相手ターンを凌ぎながら、このカードを通常ドローで引き込むといったところでしょうか。
問題はそれほど詰みかけている状況において、このカードで何を持ってきたいかという話になってしまう訳ですが……。
とまあ真面目に使おうとするといろんな矛盾を乗り越える必要が生まれてしまうので、デッキビルダーの皆さんは「じゃあ効果処理だけ使えるようにするか」となるんですね。
ようするに《D-HERO ダイヤモンドガイ》という訳です。
《D-HERO ダイヤモンドガイ》は通常魔法であれば発動条件を無視できるため、強力な効果を持った通常魔法を無理やり発動させることができます。
《ピースの輪》は《D-HERO ダイヤモンドガイ》から任意のカードをサーチできるカードとして採用が検討できるという訳ですね。
《ギャンブル》
【 通常罠 】
相手の手札が6枚以上、自分の手札が2枚以下の時に発動してもよい。コインの裏表を当て、当たれば自分の手札が5枚になるまでドローする。負けたら次の自分のターンをスキップする。
名前からしてあまりに深い業を背負っている通常罠カードです。
相手の手札が6枚以上、自分の手札が2枚以下の時に発動してもよい。コインの裏表を当て、当たれば自分の手札が5枚になるまでドローする。負けたら次の自分のターンをスキップする。
《ギャンブル》の効果
コイントスを当てることができれば、最大5枚ドローが可能となるロマン溢れる効果となっています。
しかしながら条件がなかなかに困難で、相手の手札が6枚以上存在する必要があります。
インフレが進んでいる現代遊戯王ではこちらが何をしていなくても相手の手札が6枚以上となることもままありますが、それを前提としてこのカードを使おうとするのはあまりに無策と言わざるを得ないでしょう。
このカードを使うのであれば、《星の金貨》などを用いて相手の手札を無理やり増やすカードを併せて採用すると良いでしょう。
相手に手札アドバンテージを与えるのは非常にハイリスクな行動ではありますが、《The suppression PLUTO》などを使えばピーピングを行いつつこちらのアドバンテージにも変換できますので、なかなかクセの強い面白いデッキにすることも可能かもしれません。
あとはコイントスをどうやって当てるかというところですが……、まあ基本は気合です。
《セカンド・チャンス》を使えばやり直しも1回はできますが、基本的にはサーチ手段の乏しい永続魔法なので、あまり期待はしない方が良いでしょう。
とは言え文字通り《ギャンブル》カードですし、それくらいの心持ちで使うのが一番楽しいカードと言えるかもしれないですね。
チャンスなど2度も訪れないのです。
《魂のリレー》
【 通常罠 】
①:手札からモンスター1体を特殊召喚する。そのモンスターがモンスターゾーンに存在する限り、自分が受ける全てのダメージは0になる。そのモンスターがフィールドを離れた場合、相手はデュエルに勝利する。
このコーナーで唯一となる「特殊勝利条件」を持った通常罠カードです。
①:手札からモンスター1体を特殊召喚する。そのモンスターがモンスターゾーンに存在する限り、自分が受ける全てのダメージは0になる。そのモンスターがフィールドを離れた場合、相手はデュエルに勝利する。
《魂のリレー》の①の効果
遊戯王にいくつか存在する「特殊勝利条件」持ちカードの中でも、非常に達成が難しいとされるカードです。
というのも本来は「相手が特殊勝利するリスクを背負って、手札のモンスターを出す」という性質のカードであるため、あくまで相手が勝つのはデメリットとして背負っているものだからですね。
そのためハイリスクではありますが、手札のモンスターを特殊召喚する汎用カードとして活用することができます。
特殊召喚したモンスターをX召喚や装備カード扱いで装備する(フィールドから離れずにモンスターでなくなる)ことで、デメリットである相手勝利を満たさずに処理することが可能です。
とは言え除去手段が豊富な現代遊戯王ではかなりリスクの高いカードであることは事実であるため、こうした使い方をするのであれば非常に繊細なプレイングが求められることとなります。
またデッキビルダーの間では、なんとかこのカードで特殊勝利を目指そうという層が一定数存在します。
このカードで自分が勝つためには、「相手にこのカードを発動してもらう」上で、出したモンスター除去することを必要とします。
モンスターのコントロール転移とは事情が違い、相手に任意の魔法・罠カードを使わせるというのはいくら現代遊戯王と言えども非常に困難な行為となっています。
現状のカードプールで、相手に魔法カードを発動させるカードは存在せず、罠カードであれば唯一《おとり人形》が存在します。
またこのカードを相手がデッキに入れている可能性は低いため《スペースタイムポリス》で無理やり相手フィールドにセットさせたり、《エクスチェンジ》などで相手の手札にモンスターを用意したりと、非常に面倒な準備が必要となります。
途方もなく困難な特殊勝利ではありますが、困難に立ち向かってこそデッキビルダーというもの。
一度はこうしたデッキを考えてみるのも、とても楽しいという訳ですね。(どちらかと言うと苦行ではある)
《煉獄の釜》
【 永続罠 】
①:自分フィールドの、「インフェルニティ」モンスターまたはドラゴン族・闇属性・レベル8のSモンスターが相手の効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地の「インフェルニティ」カード1枚を除外できる。②:自分の手札が0枚ではない場合、このカードは墓地へ送られる。
テーマとしても人気の高い【インフェルニティ】サポートにして、とんでもない扱いにくさを誇る永続罠カード。
①:自分フィールドの、「インフェルニティ」モンスターまたはドラゴン族・闇属性・レベル8のSモンスターが相手の効果で破壊される場合、代わりに自分の墓地の「インフェルニティ」カード1枚を除外できる。
《煉獄の釜》の①の効果
②:自分の手札が0枚ではない場合、このカードは墓地へ送られる。
《煉獄の釜》の②の効果
①の効果で自分の【インフェルニティ】モンスターを守れるものの、②の永続効果によって手札が一瞬でも0枚でなくなれば自壊してしまうデメリットを持ちます。
この②の効果が非常に厄介なものとなっており、自分のドローフェイズに通常ドローして手札が1枚になった時点で発動してしまいます。
とは言え①の身代わり効果は比較的扱いやすく使い終わった【インフェルニティ】カードをコストにできるので、展開時に多くのカードを墓地にため込む【インフェルニティ】デッキでは使いどころには困らないでしょう。
ですので1ターン限りの防御手段として見れば、まあ悪くない性能かなとも思います。
②のデメリットを回避する手段は、プレイングとして手札を増やさないのは当然として、ドローフェイズのドローを放棄するギミックを取り入れると良いでしょう。
《インフェルニティ・ポーン》はテーマサポートでもあるため扱いやすいですし、《花札衛-雨四光-》などでドローフェイズそのものをスキップしてしまうなども面白いかもしれません。
ただこのカード自体は【インフェルニティ】名称ではないので、アクセス手段に乏しいのもまた難しいところ。
このカードには苦しめられているデッキビルダーさんも少なくないらしいので、なにとぞ皆さんの集合知を以て解決してほしいものですね。
《クリムゾン・ヘルフレア》
【 カウンター罠 】
自分フィールド上に「レッド・デーモンズ・ドラゴン」が表側表示で存在し、相手がダメージを与える魔法・罠カードを発動した時に発動する事ができる。自分の代わりに、相手はその効果ダメージの倍の数値のダメージを受ける。
我が魂《レッド・デーモンズ・ドラゴン》のサポートとなるカウンター罠カード。
自分フィールド上に「レッド・デーモンズ・ドラゴン」が表側表示で存在し、相手がダメージを与える魔法・罠カードを発動した時に発動する事ができる。自分の代わりに、相手はその効果ダメージの倍の数値のダメージを受ける。
《クリムゾン・ヘルフレア》の効果
自分フィールドに《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が存在している場合に、相手の魔法・罠カードによるバーン効果を倍にして反射するという珍しい効果を持っています。
珍しいことは珍しいのですが、相手がバーンカードを使用してくることを前提にしているというのがとても難しいところ。
《魂のリレー》の項でもお話ししたように、いくら現代遊戯王と言えど相手に任意の魔法・罠カードを使わせると言うのはとても難しい行為なんですよね。
とは言え昨今のバーンカードには強力なものが多く、それを反射できればライフアドバンテージの差を決定的なものにすることもできます。
非常に限定的な状況にはなってしまいますが、バーンデッキに対するメタとして採用するというのが、最も安定した採用理由と言えるでしょう。
もしこのカードを能動的に使いたいのであれば、やはり《エクスチェンジ》などで相手にバーンカードを送り付けるというところになってくるでしょう。
《魂のリレー》とは違い、バーンカードは相手からすればメリットもあるため、まだ比較的つかってくれる可能性は高いと言えます。(怪しすぎて使ってくれない可能性も往々にあります)
《破壊輪》などは除去とバーンが一体になってるので、このカードの存在を知らない相手であればもしかれすれば使ってくれるかもしれませんし、うまく決まればそのまま勝ってしまうこともあり得るでしょう。
こうなってくると構築よりも心理戦の方が重要かもしれませんが、それはそれで面白いデュエルになることは間違いないですね。
★★★:構築そのものが困難なもの
この項では、デッキ構築全体を考えなければ使えないものを集めてみました。
とは言え現代遊戯王で魔法・罠カードを主軸とする構築は珍しく、使うしてもそれだけのメリットがあるものがほとんどです。
なのでこの項では、どちらかと言うと魔法・罠カードだけでなく特定のモンスターも必要とするものが出てきます。
前回の記事では紹介できなかったヤバいモンスターも出てきますので、ご注目ください。
《アフター・グロー》
【 通常魔法 】
このカード名のカードはデュエル中に1枚しか発動できない。①:自分の手札・デッキ・墓地及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、このカードを含む「アフター・グロー」を全て除外する。その後、除外されている自分のカードの中から「アフター・グロー」1枚を選んでデッキに加える。次の自分ドローフェイズに、通常のドローをしたカードをお互いに確認する。それが「アフター・グロー」だった場合、相手に4000ダメージを与える。
マイフェイバリット・クソ魔法カードです。
このカード名のカードはデュエル中に1枚しか発動できない。
《アフター・グロー》の効果外テキスト
①:自分の手札・デッキ・墓地及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、このカードを含む「アフター・グロー」を全て除外する。その後、除外されている自分のカードの中から「アフター・グロー」1枚を選んでデッキに加える。次の自分ドローフェイズに、通常のドローをしたカードをお互いに確認する。それが「アフター・グロー」だった場合、相手に4000ダメージを与える。
《アフター・グロー》の①の効果
アニメでは初期ライフが4000であるため、実質的な「特殊勝利」ともとれる通常魔法カードでした。
とは言えOCGルールでは初期ライフ8000、しかもこのカードはデュエル中に1度しか発動できないため、使いきりの単なる高火力バーンカードとなってしまいました。
「次の自分ドローフェイズに同名カードをドローする」というのは、一見すると難しいように見えますが、現代遊戯王では実はそれほど難しいものでもありません。
《アフター・グロー》を1枚セットしておいた上で別の《アフター・グロー》を発動し、セットしていた方を《Vivid Tail》で戻して《エッジインプ・シザー》でトップに置くなどすれば、意外と容易に用意することができます。
それ以外にも《ヴァリアント・シャーク・ランサー》の効果を活用すれば、相手ターンであっても自分のデッキトップに通常魔法カードを置くことができるため、そちらで《アフター・グロー》を用意することもできます。
このように発動はそれほど難しくないとして、問題はここまで労力を割いて相手ライフを削りきれないというところです。
デュエル中1度しか発動できないため同コンボで連打もできず、何らかの別の手段で相手のライフを削る必要があります。
もちろん普通のビートダウンでライフを削っても良いですが、それでは普通に勝ってしまう方が早いという始末。
幸いなことに現代遊戯王にはさまざまなバーン手段もありますし、なんなら「相手のライフを半分にする」カードも存在しています。
そうしたカードを織り交ぜながら、《アフター・グロー》でフィニッシュするというのが一番現実的なラインになりそうですね。
《王女の試練》
【 装備魔法 】
「白魔導士ピケル」「黒魔導師クラン」にのみ装備可能。装備モンスター攻撃力は800ポイントアップする。装備モンスターがレベル5以上のモンスターを戦闘によって破壊したターン、装備モンスターとこのカードを生け贄に捧げる事で、「白魔導士ピケル」は「魔法の国の王女−ピケル」を、「黒魔導師クラン」は「魔法の国の王女−クラン」を手札またはデッキから1体特殊召喚する。
元祖アイドルカード《白魔導士ピケル》《黒魔導師クラン》の専用サポートカードです。
「白魔導士ピケル」「黒魔導師クラン」にのみ装備可能。装備モンスター攻撃力は800ポイントアップする。装備モンスターがレベル5以上のモンスターを戦闘によって破壊したターン、装備モンスターとこのカードを生け贄に捧げる事で、「白魔導士ピケル」は「魔法の国の王女−ピケル」を、「黒魔導師クラン」は「魔法の国の王女−クラン」を手札またはデッキから1体特殊召喚する。
《王女の試練》の効果
現代遊戯王でも救えないと言われる【LV】モンスターもビックリな、専用特殊召喚モンスターを呼び出す装備魔法です。
攻撃力1200の《白魔導士ピケル》《黒魔導師クラン》を2000打点に強化し、なおかつ相手のレベル5以上のモンスターを破壊させる必要があります。
ちなみにこの効果で特殊召喚できる《魔法の国の王女-ピケル》《魔法の国の王女-クラン》は素が2000打点となり、効果による回復・バーンも強化されています。
このカードと《白魔導士ピケル》《黒魔導師クラン》にアクセスする手段に加え、戦闘破壊可能なレベル5以上のモンスターを相手フィールドに用意するという高度な課題も存在します。
《召煌女クインクエリ》などを用いれば自分の墓地のレベル5モンスターを相手フィールドに特殊召喚できますが、労力に見合ったリターンを得るのは正直言って厳しいでしょう。
とは言え《白魔導士ピケル》《黒魔導師クラン》は【魔法使い族】サポートを、《王女の試練》は【装備魔法】サポートを受けることができるので、コンボの準備自体はかなり容易に達成できます。
数あるクソカードの中でも工夫次第では、なかなか良い線まで行けるポテンシャルを秘めているカードではありますので、何とか使ってみたいなあと思うところですね。
《幽獄の時計塔》
【 フィールド魔法 】
相手ターンのスタンバイフェイズ時に、このカードに時計カウンターを1個乗せる。時計カウンターの合計が4個以上になった場合、このカードのコントローラーは戦闘ダメージを受けない。時計カウンターが4個以上乗ったこのカードが破壊され墓地へ送られた時、手札またはデッキから「D−HERO ドレッドガイ」1体を特殊召喚する。
こちらは【D-HERO】のサポート?カードです。
厳密には【D-HERO】である必要はないのですが、まあ関連カードというくらいで。
相手ターンのスタンバイフェイズ時に、このカードに時計カウンターを1個乗せる。時計カウンターの合計が4個以上になった場合、このカードのコントローラーは戦闘ダメージを受けない。
《幽獄の時計塔》の①の効果
相手ターンのスタンバイフェイズに、専用のカウンター「時計塔」カウンターを置くことができ、カウンターが4つあれば戦闘ダメージをすべて無効化できます。
ただ普通に使うと4ターンかけてカウンターを置いていくので、まあ間に合うはずもありません。
何らかのカードを用いて意図的に遅延するか、専用サポートである《エターナル・ドレッド》を用いてカウンターを増やす必要があります。
時計カウンターが4個以上乗ったこのカードが破壊され墓地へ送られた時、手札またはデッキから「D−HERO ドレッドガイ」1体を特殊召喚する。
《幽獄の時計塔》の②の効果
またカウンター4つ以上の状態で破壊されると、手札・デッキから《D-HERO ドレッドガイ》を特殊召喚し、あちらの効果を誘発させることができます。
しかしながら《D-HERO ドレッドガイ》自体は他のカードでも特殊召喚が可能であり、4つカウンターが乗っている状態であれば維持して戦闘ダメージを無効化する方が強いのではという話にもなるので、なかなか使うのが難しいといったところ。
それに強化を重ねたおかげで【D-HERO】を展開する手段は非常に高く、わざわざ《D-HERO ドレッドガイ》《幽獄の時計塔》を用いる必要はないというのが正直なところでしょう。
しかしながらいまの【D-HERO】には《D-HERO デストロイフェニックスガイ》という最強の融合モンスターが存在しますし、しかもセルフブレイクギミックを持つのでカウンターの乗った《幽獄の時計塔》を能動的に破壊することができます。
また《幽獄の時計塔》による戦闘ダメージの無効化は意外と厄介な場合が多く、実はそこそこしっかりとしたデッキに仕上げることができます。(何なら実際に僕はやられました)
なので全国に存在する【D-HERO】ファンの皆さんには、是非とも一度組んでいただきたいところですね。
《フォトン・ジェネレーター・ユニット》
【 速攻魔法 】
自分フィールド上の「サイバー・ドラゴン」2体を生け贄に捧げて発動する。自分の手札・デッキ・墓地から「サイバー・レーザー・ドラゴン」1体を特殊召喚する。
【D-HERO】に触れたのだから、やはり【サイバー】にも触れておかないと失礼ですよね。
自分フィールド上の「サイバー・ドラゴン」2体を生け贄に捧げて発動する。自分の手札・デッキ・墓地から「サイバー・レーザー・ドラゴン」1体を特殊召喚する。
《フォトン・ジェネレーター・ユニット》の効果
という訳で出ました、【サイバー】の問題児こと《サイバー・レーザー・ドラゴン》です。
ちなみに《サイバー・バリア・ドラゴン》という兄と同じくらいヤバい弟もいます。
いずれも専用の魔法と罠カードを用いて特殊召喚することができ、コストに《サイバー・ドラゴン》を要求します。
とくにこの《フォトン・ジェネレーター・ユニット》は、《サイバー・ドラゴン》2体を必要とする(自分にとって)凶悪な速攻魔法カードです。
そもそもインフレが加速度的に進んでいる【サイバー】デッキは、《サイバー・ドラゴン》が2体も並べばそのまま強力な制圧やワンキルの盤面に持っていくことができます。
それを捨ててまでよくわからないクソカードを出す必要は、皆無と言っても過言ではありません。というか当然です。
しかも何故か【サイバー】や【サイバネティック】のサポートは受けられませんが、【フォトン】名称なのでそちらのサポートを受けることができます。
幸いなことに【フォトン】には【光属性】サポートも多いため、いくらかシナジーもあるのでその方向性でデッキを組むこともできなくはないでしょう。
ただ個人的な意見をあえて申し上げるとすれば、このカードを使うよりも《ボーン・フロム・ドラコニス》を使って《サイバー・レーザー・ドラゴン》《サイバー・バリア・ドラゴン》を出した方が良いと思います。
耐性も付きますし、コストの用意も容易ですからね。(本末転倒)
《必殺!黒蠍コンビネーション》
【 通常罠 】
自分フィールド上に「首領・ザルーグ」「黒蠍−罠はずしのクリフ」「黒蠍−逃げ足のチック」「黒蠍−強力のゴーグ」「黒蠍−棘のミーネ」が表側表示で存在する時に発動する事ができる。これらのカードは発動ターンのみ相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。その場合、相手プレイヤーに与える戦闘ダメージはそれぞれ400ポイントになる。
クソカード紹介「魔法・罠カード編」の大トリを務めるのは、やはりこのカードでしょう。
自分フィールド上に「首領・ザルーグ」「黒蠍−罠はずしのクリフ」「黒蠍−逃げ足のチック」「黒蠍−強力のゴーグ」「黒蠍−棘のミーネ」が表側表示で存在する時に発動する事ができる。これらのカードは発動ターンのみ相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。その場合、相手プレイヤーに与える戦闘ダメージはそれぞれ400ポイントになる。
《必殺!黒蠍コンビネーション》の効果
【黒蠍】五人衆の必殺技カード、《必殺!黒蠍コンビネーション》です。
【黒蠍】五人衆全員がフィールドに揃っている場合に発動することができ、全員が直接攻撃可能となります。
【黒蠍】五人衆は相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えると効果を発動できるため、全員の効果を誘発させることができるという訳ですね。
ですがデメリットとして、彼らで与える戦闘ダメージが400に固定されてしまいます。
つまりどう頑張っても2000しか戦闘ダメージを与えられないので、そのまま勝利へ繋げるということはできない訳ですね。
もちろん連続攻撃などを付与できればその限りではありませんが、実は直接攻撃の回数を増やせるカードというのは、現代遊戯王と言えどもそれほど多くはないのです。
しかしながら現実的かどうかなんていうのは、エンジョイを信条とするデッキビルダーたちを縛る枷とはなり得ないのです。
【黒蠍】五人衆を並べて《必殺!黒蠍コンビネーション》を決めたい、なんなら《黒蠍団召集》から勢ぞろいさせたい。
そんなロマンを追求するために、われわれはすべての労力を費やすのです。
実際のところ、【闇属性】【戦士族】のサポートは非常に豊富なので【黒蠍】五人衆を集めることはそれほど難しくなく、【通常罠】サポートも増えてきたので《必殺!黒蠍コンビネーション》のアクセスもそれほど困難ではありません。
あとはそれをどのように活かすか、それだけです。
皆さんも一緒に考えていきましょう。そしてデッキビルダーの極致を目指していきましょう。(哲学)
おわりに
いかがだったでしょうか。
いやあ、今回も前回に勝るとも劣らないクソカードっぷりでしたね。
インフレが進んでいる現代遊戯王ですが、モンスターカードのアクセス手段こそ豊富になったものの、未だに魔法・罠カードのアクセス手段はあまり多くありません。
まあ魔法・罠カードは小分類の項目が少なく、とくに永続魔法や永続罠のアクセス手段が増えるとそれはそれで困ったことになりそうですからね。(《次元の裂け目》《スキルドレイン》から目を背けながら)
とは言えゲームスピードの非常に早い現状、罠カード関連のサポートはもう少しあっても良いような気もしますが。
しかしながら、困難である方がデッキビルドのしがいもあるというもの。
このくらいの困難さである方が、実はちょうど良いのかもしれませんね。
それでは今回はこの辺りで。また、次回の記事でお会いしましょう。
ここまでのご清読、ありがとうございました。