いつもの近況報告フェイズは企画意図のテンプレができるまで待ってね
はじめまして。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。夢を見ています。
どんな夢かというと、「まだ誰も見たことのないデッキを作りたい」という夢です。
そんな夢を叶えるべく始まったこの企画は、「前人未到のデッキを組むことを目指し、毎週一本ずつ新たなデッキを作成する」ものとなっています。
もっとわかりやすく言うと、「お前らがまだ見たことのない手触りの紙束を提供する」です。強さや安定性とかよりも見たことのない手触りであることが優先されるので、その本質が虚無であることもまあしばしばあると思いますよ。
重要なのは、虚無に「これは価値のある虚無だよ！」という夢や幻覚を乗せて共有できるか。あなたを夢の世界に招待して楽しませるところまでが、私の仕事です。その先のことは管轄外なので、エクスデス・ピエロとかにお願いしましょう。
というわけで、夢のように不確かにやっていきましょう。今回のテーマは、こちら。
《Kl'avia Mondo》
【 クリーチャー 】
種族 マジック・コマンド / 文明 水 / パワー5000 / コスト5
■ジャストダイバー(このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーは相手に選ばれず、攻撃されない)
■自分のターンのはじめに、カードを1枚引いてもよい。
■各ターンの終わりに、このターン中に自分が呪文を唱え、クリーチャーを召喚していれば、マジック・メクレイド8する。(マジック・メクレイド8:自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト8以下のマジックを1枚、コストを支払わずに使ってもよい。 残りを好きな順序で山札の下に置く)
というわけで、今回のテーマは《 Kl'avia Mondo 》。
「またマジックかよ！」と思われるかもしれませんが、マジックっていう種族（オレら）自体がなんかみんな夢みたいにふわふわしてるので仕方ありません。前回は結局メカだったしな……。
ツインパクトを活かして戦う（これがふわふわしてる最大の原因）マジック陣営らしく、呪文と召喚を両方行うことでメクレイド8を行える……というシステム生物です。
普通に使えば額面通りに【マジック・メクレイド】で使うことになるんですが……このルート、片側一車線の県道くらいなのでちょっと逸れるだけで未踏の地が眠ってそうですね。
とりあえずデッキの軸は【マジック・メクレイド】にするとして、ただただターンが来るたびに生物と呪文を出しているようでは未踏とは言えません。
こういう時は、テキストをよく読み返して道を外れられそうなポイントがないかを探っていきましょう。どれどれ。
■各ターンの終わりに、このターン中に自分が呪文を唱え、クリーチャーを召喚していれば、マジック・メクレイド8する。
■各ターンの終わりに
相手ターンにも動けば効率二倍では？
そう、イメージは相手ターンに使えるMTGの「インスタント」概念。相手エンドフェイズにシュッと《 喉首狙い 》とかを投げて、このターンに出た生物が動き出す前に処理するアレです。あるいは、いわゆる「エンドサイク」。
相手ターンに呪文詠唱と召喚を行える《 ジョルネード・グランドライン 》があれば、本来発生しないタイミングでのメクレイドによって相手の計算を狂わせることができそうです。
しかもこの手の「ターンの終わりに○○していれば」系効果は「無条件でいったんトリガーして、実際に解決されるタイミングで達成されているかのチェックを行う」ため、ターンの終わりのタイミングで呪文と召喚を滑り込みで達成しても間に合うんですね。
なんてったってよくある質問に類似の裁定が書いてるんだから仕方ありません。
とりあえず、「相手ターンに能動的に動くことで倍速でメクレイドを行う」というおぼろげな方針は見えました。
さて問題はここから。
流石に1種4枚（と、それが要求するジョーカーズ）のカードを足しただけで未踏アピールするのは、さすがにちょっと苦しい所。可能であれば、令和を代表する詭弁であるところの2種8枚くらいは用意して胸を張りたいところです。
何でもいいので相手ターンに呪文を唱えることに成功すれば《 Wave All ウェイボール 》のGR召喚から条件達成を狙える……というのは先行研究があるのでわかってたんですが、トリガーを使わずに単独で相手ターンに使える呪文って全然ないんですよね。
一応疑似的に「インスタント」を可能にする《 Dの博才 サイバーダイス・ベガス 》もあるんですが、これを貼ったターンにはまずメクレイドできませんからね。
何か単独で「インスタント」を可能にしてくれるカード……こう、シュッと相手の行動に即応して使えるような……それこそ、《 喉首狙い 》みたいな……。
あったよ！百回くらい殴った後の《 喉首狙い 》が！
というわけで、完成したデッキがこちらです。
とりあえず【マジック・メクレイド】の「山札掘り切って無限ターンで勝つ」ギミックをベースに、ウェイボール兄弟とインスタント呪文を搭載した形になります。
《 ジョルネード・グランドライン 》のタネは、GR獣のうちの半分とわりと手札が確保できることから《 ビーチボーイズ 》で確保。どちらも素で使うことも考えてます。
踏み倒しをやらないデッキがほとんど存在しない現代デュエマにおいては、喉首狙いこと《 ZERO ハンド 》はいい感じに初見殺しになってくれるはず。なんならこんなカード4積みだとは思ってないでしょうから、不用意な相手なら2回目以降もあると思いますよ。
展開力が増すことから《 飛翔龍 5000VT 》も簡単に出せてお得……ではあるんですが、逆に出されると全滅するのは痛し痒しです。
さて。このデッキが真に「未踏」のデッキかを確認するためには、あと一工程必要です。それは。
デッキメーカーによる、先行研究チェックです。
キーパーツ3枚程度を含むデッキを検索することで、このアイデアが既出か初出があるかが見込める……ということですね。この検索結果が「1件」ならば、晴れて私は未踏の地に到達したことになります。
というわけで、《 Kl'avia Mondo 》《 ジョルネード・グランドライン 》《 ZERO ハンド 》での検索結果は……！
「未踏」、達成！
2回目にして、なんかヌルっと達成してしまいました！毎回これでいいです。
ちなみに《 ジョルネード・グランドライン 》《 ZERO ハンド 》だけで調べると、普通にゼロチャージキルを狙うデッキが出てきました。なんで俺は貴重な新連載の最初の二回をゼロチャージとゼロチャージもどきで終えようとしているんだ……？
ともあれ、一度「未踏」に到達したからといって連載が終わるわけではないのでこれからも未踏の地を探していこうと思います。
ビーチボーイズがレギュラーになる連載企画、端的に言って嫌すぎる
というわけで、夢を見ていました。
「相手ターンに能動的に動くことはできない」というデュエマの不文律を呪文のみで破るのはちょっと骨が折れましたが、やってできないわけでもないことが分かったのはけっこううれしかったり。
シンプルにニンジャ・ストライク（に近い効果）持ち呪文とか出たらもっと楽なんですが……まあ、普通に使うにはさすがにちょっと強すぎるんでしょうね。《 光牙忍ハヤブサマル 》が殿堂から戻ってこないあたり、インスタント概念はデュエマにはまだ早いようです。
この記事の感想などありましたら、#未踏のデッキの夢を見てでのPostや拡散などなど心よりお待ちしております。
それでは、次の夢で。北白河でした。
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