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こんにちは。北白河と申します。皆様はいかがお過ごしでしょうか。きたしーは生きています。今はまだ。
この企画「今日の一枚」では「今バズっているカード」「今高騰しているカード」「今話題のカード」「往年の名カード」「今北白河の中でアツいカード」「クソほど溜まってるリクエスト消化」など、独断と偏見で北白河が選んだカードを不定期更新で1枚取り上げて語っていきます。
というわけで、今日もやっていきましょう。それでは、今日のカードはこちら。
《ドラグ変怪》
【クリーチャー】
【種族】ティラノ・ドレイク/鬼札王国
【文明】闇
【コスト】3
【パワー】4000
■相手のクリーチャーが手札以外のどこからでもバトルゾーンに出た時、自分は、相手の山札の上から5枚を墓地に置いてもよい。
■相手の呪文の効果またはクリーチャーの能力によって、カードが自分の山札から離れる時、離れるかわりにとどまる。
ドラゴンについて語ることは、何もありません。
見出しから一行で言葉をひっくり返すことになるのですが、まあ名前に反して非ドラゴンです。そんなわけで真面目に語ります。
十王篇で各文明に配られた、露骨にGRゾーンを敵対視するカードの一枚ですね。GRに限らずあらゆる手札以外からの展開に反応するため、リアニメイトやギャラクシールド等に対しても副次的効果が期待できるのはうれしいところです。
スペックを見るとやはり目を引くのはメタ能力。同じようなメタカードと比較すると、登場そのものは許す代わりに5枚もの山札破壊を誘発させます。
ライブラリアウトをちらつかせることで違法な展開を抑制するのは過去に例がなく、デュエマのデザイン領域の広さを感じられます。
加えて、バニラ並みのパワーと相手の効果でこちらの山札が削れることを防止する効果まで持っています。ミラーマッチのこととか絶対考えたくないですね。
地味に久々の登場となるティラノ・ドレイクであることも懐古マンにとってはうれしいポイントです。いやマジで何年ぶりの新規なんですかねこれ。
種族を活かすならば、ワンショットキルが発見されて話題になった《覇竜凰ドルザバード》の進化元にするといいでしょう。いやまあ他にろくな選択肢がないっていうのもあるんですが。
対戦相手に濡れ衣を着せろ!
このカードでデッキを組むにあたり、重要な点が一つ存在します。
いかにして相手に違法展開の罪をおっかぶせるかという点です。
どんな強力なメタカードであっても、相手に刺さらなければ意味がありません。現代デュエマのデッキに《骨喰怪人ボーンリーパー》に毛が生えたバニラを積むスロットがない(そんなものは元からない)以上、こちらからどんどん罪を押し付けて罰していく必要があります
そこで、それらを一気に誘発させる手段として……
《Dの妖艶 マッド・デッド・ウッド》を採用しましょう。Dスイッチで強制的に両者のカードをリアニメイトし、事前に《ドラグ変怪》を落としておけば、即座に山札破壊効果が誘発してなんとなく勝てそうです。
というわけで組んでみたデッキがこちら。
念のため説明しますと、《ブラッディ・クロス》や《ルソー・モンテス》で両者の墓地を肥やしてから《D2M2 ドグライーター》《禁断 V フィーダス》で《Dの妖艶 マッド・デッド・ウッド》を踏み倒し、Dスイッチで《ドラグ変怪》を呼ぶと同時に相手に強制的にリアニメイトを行わせる感じのデッキです。
最大の問題は、《Dの妖艶 マッド・デッド・ウッド》まではきっとほとんどのデッキビルダーがすでに辿り着いているという点です。既出デッキを「これが俺のオリジナルだ!」と大々的に披露してしまうのはクソデッキビルダーのプライドが許せません。
もっと何か、自分でなければ組めないデッキを追求する必要がありますね。
実質〇〇理論(実践編)
一度、勝ち手段としての《ドラグ変怪》の性能について整理してみましょう。
《ドラグ変怪》は相手の手札以外からのクリーチャー展開に誘発して5枚山札を削ります。ゲーム開始時の山札は手札とシールドを除いた30枚。なので、おおむね6回効果を誘発させればよいことになります。
とはいえ、6回も違法な展開を許している時点でまあ負けています。なので、可能な限り相手に展開させる数を減らして勝ちたいですね。
それを解決するアプローチはおおむね二つ。こちらが《ドラグ変怪》を複数体並べることと、相手に大量に違法展開をさせることです。
上記の《Dの妖艶 マッド・デッド・ウッド》はそれを同時に満たせるから強いんですが、特に後者の相手に強制的に展開させるのが強力でした。
……それならば、前者の「《ドラグ変怪》を複数体並べる」ルートを突き詰めれば、今度こそオリジナリティのある《ドラグ変怪》デッキが作れるのではないでしょうか。やってみましょう。
理想は「4体バトルゾーンに並べて、何かで相手の違法展開を誘発して20枚ライブラリアウト(≒勝ち)」です。この目標を定めた時、北白河はある既視感を覚えていました。それは……
《ケロヨン・カルテット》。「バトルゾーンに四枚揃えてターンが返ってくれば勝つ」という、単純明快なエクストラウィンを持つクリーチャーです。
「とにかく同じクリーチャーを複数揃える」という戦略が重なっている以上、今組もうとしているデッキにおいて《ドラグ変怪》は実質《ケロヨン・カルテット》です。
もう少し正気に近い言い方をすると、今まで《ケロヨン・カルテット》に採用していたギミックが今回のデッキでもおおむね採用可能ということになります。
で、具体的にどうやって揃えるかと言いますと。
《神羅パンゲア・ムーン》を使いましょう。要するに、こいつがいる状態で《ドラグ変怪》を召喚すると残りの何枚かが山札から湧いてきます。
偶然にも以前からリクエストを頂いていたカードですので、ここで応えたということでひとつ。こんなん単体で記事とか絶対書けないし……
というわけでできたデッキがこちら。
もっと簡単に勝つ方法がいくらでもあるのでは?
説明すると、雑なマナ加速から《大勇者「銀河の誘発」》→《母なる星域》で《神羅パンゲア・ムーン》を出して《ドラグ変怪》の大量展開を狙う感じのデッキです。 マナ落ちした《ドラグ変怪》 は《獣王の手甲》で山札に戻せばいいですね。
《龍覇少女隊ハラグロX》は基本的にコストを大幅に軽減してくれる《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》狙いですね。フォートレスでも役に立ちますが、龍解するとかなり無理のある動きもできるようになります。えらい!
これらのピンポイント起用カードをビースト・フォークでまとめることができたので追加のマナ加速として《スーパー大番長「四つ牙」》を採用。 《獰猛なる大地》や《神羅パンゲア・ムーン》 素出しといった強引なムーブも可能になりますね。
……お気付きの方も多いと思いますが、このルートには相当の虚無が広がっています。そもそもこのデッキ、一回の山札削りの最大枚数が20枚なので決まっても削り切れないパターンがけっこうあるんですよね。これは(自称)コンボデッキとしてさすがに致命的です。
というわけで、クソデッキビルダーとしてこのデッキから得た教訓がこちら。
「大量マナ加速から《獣王の手甲》を何体か出せば理想の山札が作れる」。
いやマジで山札に特定のカードを必要とするタイプのデッキのソリューションだと思うんですよこれ。今回はサーチ先を山札に戻すための起用でしたが、ライブラリトップの積み込みとかにも使えるナイスカードです。100枚買え!
とりあえずきたしーは《ザ・ユニバース・ゲート》で無限ターンデッキを模索し始めました。《魂の呼び声》含めたサーチ8枚体制+極限までフェニックスを削れる組み合わせで優勝していきます。
というわけで、《ドラグ変怪》でした。デュエマは「勝ち」という目的に向けてやっていくゲームなんですが、その過程は大いに我々の手に委ねられています。その「過程」に魅力を見出してしまうと、こういうよくないデッキができてしまうので良い子は真似せずほどほどにお願いします。
さて。皆様にお伝えしなければならないことがひとつございます。
北白河は社内異動により7月よりガチまとめ運営を離れることとなりました。原稿が遅れたのもそれが理由ですね。というわけで、この連載も今回で終了……
しません。引き続き、空き時間や営業時間外に社内ライターをやっていくことになりました。
まあその。これからも引き続きよろしくお願いいたします。ぶっちゃけあんまり変わらないと思います。
それでは、次の記事で。あるいは、カーナベルのメッセージカードで。
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今回のカードのおさらい
《ドラグ変怪》
【クリーチャー】
【種族】ティラノ・ドレイク/鬼札王国
【文明】闇
【コスト】3
【パワー】4000
■相手のクリーチャーが手札以外のどこからでもバトルゾーンに出た時、自分は、相手の山札の上から5枚を墓地に置いてもよい。
■相手の呪文の効果またはクリーチャーの能力によって、カードが自分の山札から離れる時、離れるかわりにとどまる。