こんにちは、はみるとんです!
前回は「テーマデッキの組み方」について紹介しましたが、今回は「特定の好きなカードをエースにしたデッキ構築」についての考え方について語っていきます!
テーマデッキと違い明確な方針が示されていない事も多い、単体のカードを中心としたデッキ構築。
しかしこれが得意になると遊戯王カードを眺めるだけで無限に構想が沸いてくるようになります。
では、順番に見ていきましょう。
STEP1.使いたいエースを決める
《ニードルバンカー》
【 効果モンスター 】
星 5 / 闇 / 機械族 / 攻1700 / 守1700
このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターのレベル×500ポイントダメージを相手ライフを与える。
まず、使いたいカードを決めます。
ここはもう本当に何でもよいです。
見た目がカッコいい、効果がシブい、名前が好き、などなどインスピレーションで決めても良いですし、「難しそうな効果だから、これを活かせたらカッコいいな」というような、テキストありきの理由でも良いでしょう。
使いたいエースモンスターの魅力を十全に発揮し、コイツが主役のデッキだ!と胸を張って言えるようなデッキにしていく事が今回の記事の目的となります。
というわけで、今回は僕の大好きなカード《ニードルバンカー》を主体のデッキを構築していきます。
STEP2.エースの特徴を捉える
まずは、そのカードが「どんな風に活躍できるカードなのか」を考えていきます。
モンスターの役割は、大きく分けて以下のように分類していく事が出来ます。
1.そのカード自体が妨害として機能するカード
《虚無魔人》
【 効果モンスター 】
星 6 / 闇 / 悪魔族 / 攻2400 / 守1200
このカードは特殊召喚できない。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、モンスターを特殊召喚する事ができない。
相手の行動やカードの発動を封じたり、フリーチェーンで場のカードを破壊したり出来るカードがこれに当たります。
こういったカードは場に出せればそのままゲームを有利に進められるため、「どうやって手札に加えるか」「どうやって特殊召喚するか」などの「アクセス手段」を意識してデッキ構築をしていきます。
2.ライフを削りゲームエンドに持っていく性能を持つカード
《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》
【 儀式モンスター 】
星 8 / 闇 / ドラゴン族 / 攻4000 / 守0
「カオス・フォーム」により降臨。
このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。
①:このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
②:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分の倍の数値だけ戦闘ダメージを与える。
「自身の攻撃力を上げる」「貫通効果持ち」「バーン効果持ち」などのモンスターがここに該当します。
こういったモンスターは「どうやってライフを0に持っていくか」のプランを立てる必要があります。
例えば、例として挙げた《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》であれば、相手の場に守備力0のモンスターを送り付ければ貫通で8000ダメージを与えられるので、そういったギミックを考えるなどの工夫が必要になります。
3.展開力を持ったカード
《幻銃士》
【 効果モンスター 】
星 4 / 闇 / 悪魔族 / 攻1100 / 守800
このカードの召喚・反転召喚に成功した時、自分フィールド上に存在するモンスターの数まで「銃士トークン-」(悪魔族・闇・星4・攻/守500)を特殊召喚する事ができる。自分のスタンバイフェイズ毎に自分フィールド上に表側表示で存在する「銃士」と名のついたモンスター1体につき300ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。この効果を発動する場合、このターン自分フィールド上に存在する「銃士」と名のついたモンスターは攻撃する事ができない。
モンスターを場に並べる事の出来る効果を持ったモンスターがここに分類されます。
これらのカードは、基本的にはトークンや攻撃力の低いモンスターなど、場に出してもそれだけでは何も起きないモンスターを産むため、最終的に何を出すのかを考える必要があります。
並べられるモンスターの種族などによって、何を出すのに使うのが良いか検討していきます。
4.アドバンテージを稼ぐことの出来るカード
《聖鳥クレイン》
【 効果モンスター 】
星 4 / 光 / 鳥獣族 / 攻1600 / 守400
このカードが特殊召喚した時、このカードのコントローラーはカードを1枚ドローする。
直接的に展開や妨害ができるわけではないものの、ドローやコスト確保などで他のギミックによる手札消費を補う役割が担えるカードです。
こういったカードを軸に据える場合、方針はかなり様々ですが、基本的には汎用的な罠カードなどによって稼いだアドバンテージを試合展開を有利にする方向にもっていくようなコントロールデッキ寄りの構築を目指していきます。
5.強い耐性を持つカード
《始祖竜ワイアーム》
【 融合モンスター 】
星 9 / 闇 / ドラゴン族 / 攻2700 / 守2000
通常モンスター×2
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
①:「始祖竜ワイアーム」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードは通常モンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されず、
このカード以外のモンスターの効果を受けない。
文字通り、耐性を持ち一度出したらなかなか突破されづらいモンスターを指します。
こういったモンスターは出すのが大変な事が多いので、まずどうやって出すかという手段を考えるのが重要になります。
また、大抵の場合はある程度耐性に穴があるため、そこを補強する手段を考えていきます。
6.その他
《セレモニーベル》
【 効果モンスター 】
星 3 / 光 / 魔法使い族 / 攻0 / 守1850
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いの手札をすべて公開し続ける。
効果が独特でそれ自体が戦術の要になるようなモンスターが該当します。
こういった効果はそれとシナジーがあるカードも限られてくるので、まずはどういった動きをするデッキなのかの方針を決めて相性の良いカードを見つけていきます。
というわけで、これらの分類に当てはめ、自分が使おうとしているカードにどういった役割を持たせるべきなのか、どういう風に構築を進めていくのかの方針を立てていきます。
《ニードルバンカー》の場合は「2.ライフを削りゲームエンドに持っていく性能を持つカード」に該当するので、 どうやってライフを0に持っていくか を考えていく事になります。
STEP3.エースの特徴が活きる状況を考える
STEP2で挙げた相性の良いカードの探し方や方針に沿って、どのような動きを想定してエースカードの特徴を活かすのか考えます。
というわけで、《ニードルバンカー》の効果が活きる場面を想定していきます。
このカードは「このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターのレベル×500ポイントダメージを相手ライフを与える」という効果を持っているので、「相手の場にレベルの高いモンスターがいる」ことと、「相手の場のモンスターに《ニードルバンカー》が戦闘で勝てるようにする」ことの2つの状況が成り立っている事が前提となります。
また、レベル10を倒しても5000しか与えられない事を考えると一撃で削るのは難しいため、その状況を一度作れば良いというわけではありません。
よって、「継続的にこの状況を作れる」もしくは「更に追加でダメージを与えて8000削りきる」のどちらかの方法も考える必要があります。
STEP4.その状況を作り出せるカードを探す
実際に「エースの特徴が活きる状況」をどういった手段によって成立させていくのかを考えます。
これを作り出せるカードが基本的にデッキ構築の軸となっていくので、なるべく多く候補を挙げておき、後々別の要素を満たすカードが挙がった際にどれが相性が良いのか選択肢として広く見れるようにしておきましょう。
「相手の場にレベルの高いモンスターがいる」状況を作り出すカード
まずは《ニードルバンカー》で戦闘破壊する対象となる、「相手の場にレベルの高いモンスターがいる」状況を作り出すカードを考えていきます。
《壊星壊獣ジズキエル》
【 効果モンスター 】
星 10 / 光 / 機械族 / 攻3300 / 守2600
①:このカードは相手フィールドのモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに攻撃表示で特殊召喚できる。
②:相手フィールドに「壊獣」モンスターが存在する場合、このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。
③:「壊獣」モンスターは自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
④:カード1枚のみを対象とする魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを3つ取り除いて発動できる。
その効果を無効にし、フィールドのカード1枚を選んで破壊できる。
《トーチ・ゴーレム》
(制限カード) 【 効果モンスター 】
星 8 / 闇 / 悪魔族 / 攻3000 / 守300
このカードは通常召喚できない。このカードを手札から出す場合、自分フィールド上に「トーチトークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を2体攻撃表示で特殊召喚し、相手フィールド上にこのカードを特殊召喚しなければならない。このカードを特殊召喚する場合、このターン通常召喚はできない。
「壊獣」や《トーチ・ゴーレム》などの直接相手の場に送り付ける事の出来るモンスターはシンプルにこういった状況を作り出す事が出来ます。
《ニードルバンカー》を戦闘で勝てるようにするカード
《月鏡の盾》
【 装備魔法 】
①:このカードの装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。
装備モンスターの攻撃力・守備力はダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力と守備力の内、高い方の数値+100になる。
②:表側表示のこのカードがフィールドから墓地へ送られた場合、500LPを払って発動する。
このカードをデッキの一番上または一番下に戻す。
《ニードルバンカー》の攻撃力を直接上げるか、相手モンスターの攻撃力を下げるかして《ニードルバンカー》が戦闘で勝てるためにするカードたちです。
《聖騎士の追想 イゾルデ》
【 リンクモンスター 】
星 2 / 光 / 戦士族 / 攻1600 /
戦士族モンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、そのモンスター効果も発動できない。②:デッキから装備魔法カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる(同名カードは1枚まで)。墓地へ送ったカードの数と同じレベルの戦士族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
【LINK-2:左下/右下】
《焔聖騎士-リナルド》
【 効果モンスター 】
星 1 / 炎 / 戦士族 / 攻500 / 守200
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドに戦士族・炎属性モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。この方法で特殊召喚したこのカードはチューナーとして扱う。
②:このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、「焔聖騎士-リナルド」以外の戦士族・炎属性モンスター1体または装備魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
《月鏡の盾》などの装備魔法を主体とする場合は《聖騎士の追想 イゾルデ》からの《焔聖騎士-リナルド》で回収する事が出来るので、安定してギミックとして組み込みやすいです。
《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》
【 エクシーズモンスター 】
星 4 / 闇 / ドラゴン族 / 攻2500 / 守2000
レベル4モンスター×2
①:このカードのX素材を2つ取り除き、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分このカードの攻撃力をアップする。
《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》
【 エクシーズ・ペンデュラム 】
星 7 / 闇 / ドラゴン族 / 攻3000 / 守2500
レベル7モンスター×2
レベル7がP召喚可能な場合にEXデッキの表側表示のこのカードはP召喚できる。①:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分このカードの攻撃力をアップする。この効果は相手ターンでも発動できる。②:モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。
【P効果 青10/赤10】
①:1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの元々の攻撃力はターン終了時まで半分になる。
また、《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》や《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》のようなモンスターは相手のモンスターの打点を下げて《ニードルバンカー》の戦闘補助を行いつつ、自身も高い打点でライフを削りに行くことで前述の「他の手段でライフを0にする」というハードルを達成する事にも貢献してくれるため、非常に相性が良いです。
STEP5.エースカードにアクセスする手段を探す
何度も引用している便利記事、こちらの2つを見て自分の使いたいカードがどのようなサポートを受けられるのか把握していきます。
メインデッキに入るカードであれば基本的に手札や場にいる事で真価を発揮するカードが大半ですので、「サーチ」や「リクルート」については特に重要になってきます。
《ニードルバンカー》であれば闇属性・機械族・レベル5という点を活かし
《トランスターン》
【 通常魔法 】
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を墓地へ送って発動できる。
墓地へ送ったモンスターと種族・属性が同じで
レベルが1つ高いモンスター1体をデッキから特殊召喚する。
「トランスターン」は1ターンに1枚しか発動できない。
優秀なモンスターの多い闇属性・機械族・レベル4モンスターをコストに《トランスターン》を打つことでアクセスしたり
《クリフォート・ゲニウス》
【 リンクモンスター 】
星 2 / 地 / 機械族 / 攻1800 /
機械族モンスター2体
①:リンク召喚したこのカードは魔法・罠カードの効果を受けず、このカード以外のリンクモンスターが発動した効果も受けない。②:1ターンに1度、このカード以外の、自分及び相手フィールドの表側表示のカードを1枚ずつ対象として発動できる。そのカード2枚の効果をターン終了時まで無効にする。③:このカードのリンク先にモンスター2体が同時に特殊召喚された時に発動できる。デッキからレベル5以上の機械族モンスター1体を手札に加える。
【LINK-2:左下/右下】
レベル5以上の機械である事に着目し、機械族を並べれば出す事の出来る《クリフォート・ゲニウス》で様々な機械族をアクセスの始点にしたりといったアプローチが考えられます。
《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》
【 効果モンスター 】
星 7 / 地 / 機械族 / 攻2250 / 守2250
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:デッキからモンスターが特殊召喚された場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。②:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。手札・デッキから、攻撃力と守備力の数値が同じで、属性が対象のモンスターと同じとなるモンスター1体を特殊召喚する。③:相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功する度に発動する。相手に300ダメージを与える。
また、他に特徴的な点として、《ニードルバンカー》は攻守が同じモンスターなので、《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》によるリクルートや《機巧牙-御神尊真神》によるサーチに対応しています。
STEP6.候補に挙がったカード群のシナジーや共通点を見つける
ここまでに名前の挙がってきたカードたちを使ってデッキの形にまとめていきます。
ここで重要なのが「エースカードと相性の良いカード同士も個々に相性が良い」という状況を作れるとデッキとしての完成度は各段に高くなるという事です。
種族という共通点を活かす
最も分かりやすいパターンが「種族統一」「属性統一」などです。これらが行われていると、例えばエースカードにアクセスするための種族サポート(《増援》など)によって、その他のエースと相性の良いカードにも同時にアクセスする事が出来るといったような状態になります。
また、メインで狙いたいギミック以外にもコンボを組み込みやすくなり、デッキとして出来る事の幅が広がっていきます。
今回は《ニードルバンカー》のアクセス手段に機械族を参照する物が中心となる事から機械族をベースとしてデッキ構築をしていく事にします。
これにより前述の《クリフォート・ゲニウス》が非常に活かしやすくなりました。
カード間のシナジーを活かす
また、シナジー要素として《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》の召喚条件を《妨げられた壊獣の眠り》で満たす事が出来る事を活かしていきます。
《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》は相手の場に特定の属性を必要とするため、好きな属性の「壊獣」モンスターを送り付ける事でサーチ先を状況に応じて変えられる点でも相性が良く、これらのシナジーもデッキ構築の核となってくれるでしょう。
レベルという共通点を活かす
同じレベルのモンスターが多く採用されている場合、それらによるエクシーズ召喚やシンクロ召喚を狙う事が出来ます。
多くの場合そうして出てきたモンスターは展開の補助として決めたいコンボのエンジンになってくれたり、エースを活かす状況を作るのに一役買ってくれるため、念入りにチェックしておきましょう。
と、ここで《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》がレベル7である事から、戦闘補助の項目で名前の挙がった《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》を出せる事が分かります。
また、壊獣はレベルがある程度バラけておりレベル7も複数存在しているため、《妨げられた壊獣の眠り》によってレベル7モンスターを供給する事が出来ます。
STEP7.具体的な展開パターンを決める
エースへのアクセスや活かせる状況の構築に必要なカードは見えてきたので、これらを実際にどう動かすのかを決めていきます。
手札:《妨げられた壊獣の眠り》+《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》
《妨げられた壊獣の眠り》を発動し、相手の場に《多次元壊獣ラディアン》、自分の場に《粘糸壊獣クモグス》を特殊召喚
《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》の効果によって自身を場に特殊召喚し、成功時の効果で《多次元壊獣ラディアン》を対象に取る事で《ニードルバンカー》を特殊召喚
《粘糸壊獣クモグス》と《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》で《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》をエクシーズ召喚し、《多次元壊獣ラディアン》の攻撃力を半分にして自身の攻撃力を上げる
《ニードルバンカー》で攻撃力1400となった《多次元壊獣ラディアン》を戦闘破壊し、超過300ダメージ+効果によって7×500=3500ダメージを与える
攻撃力が上昇した《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》でダイレクトアタックし、4800ダメージを与え、8000を超えるため勝利
STEP6までに考えていたカード同士のシナジーが実際にゲーム中でどう発揮されるのかを決め、目指すべき動きを想定する事で、それをどのようにして成立させるのか?というゲームプランの始点となる部分に手を出す事が出来るようになりました。
手札:《トーチ・ゴーレム》
《トーチ・ゴーレム》の効果でトークンを2体特殊召喚して自身を相手の場に出す
トークンを《リンクリボー》に変換して《アカシック・マジシャン》を出し、《トーチ・ゴーレム》をバウンス
《トーチ・ゴーレム》を再び場に出し、トークン2体で《セキュリティ・ドラゴン》をリンク召喚し、《トーチ・ゴーレム》をバウンス
《トーチ・ゴーレム》を再び場に出し、墓地の《リンクリボー》効果でトークン1体を《リンクリボー》に変換
《アカシック・マジシャン》と《リンクリボー》で《アークロード・パラディオン》をリンク召喚し、トークンを《リンクリボー》に変換した後、更に《マギアス・パラディオン》をリンク召喚
《リンクリボー》と《セキュリティ・ドラゴン》で《V-LAN ヒドラ》をリンク召喚し、《マギアス・パラディオン》効果で《神樹のパラディオン》をサーチし、《V-LAN ヒドラ》のリンク先に特殊召喚
《神樹のパラディオン》と《マギアス・パラディオン》で《水晶機巧-ハリファイバー》をリンク召喚し、《幻獣機オライオン》を特殊召喚
《水晶機巧-ハリファイバー》と《幻獣機オライオン》で《ユニオン・キャリアー》を《V-LAN ヒドラ》のリンク先に特殊召喚し、 《幻獣機トークン》 を特殊召喚した後、《ユニオン・キャリアー》の効果で《ユニオン・ドライバー》を装備
《ユニオン・ドライバー》効果で《トルクチューン・ギア》を装備し、特殊召喚
《トルクチューン・ギア》と《幻獣機トークン》で《クリフォート・ゲニウス》をエクストラモンスターゾーンにリンク召喚
《V-LAN ヒドラ》の効果で《ユニオン・キャリアー》を墓地へ送りトークンを2体特殊召喚
《クリフォート・ゲニウス》の効果で《ニードルバンカー》をサーチ
トークン1体で《リンク・スパイダー》をリンク召喚
《クリフォート・ゲニウス》、《リンク・スパイダー》、トークンで《鎖龍蛇-スカルデット》をリンク召喚し、効果で《ニードルバンカー》を特殊召喚
《ニードルバンカー》で《トーチ・ゴーレム》を戦闘破壊し4000ダメージを与え、《鎖龍蛇-スカルデット》(ATK2800)と《V-LAN ヒドラ》(ATK1900)でダイレクトアタックして8000削り勝利
STEP8.初動を安定させるカードの投入
STEP7でカード同士の結びつきを実際の動きとして起こすと、「初手や場の前提条件」が見えてきます。
今回の壊獣を軸とした《ニードルバンカー》の動きで考えると、《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》と《妨げられた壊獣の眠り》がセットで引ける事がコンボ始動の前提条件となります。
これらのカードは両方ともサーチが難しいので、《強欲で金満な壺》などのドローカードによって引き込む確率を増やしていく事になります。
また、《妨げられた壊獣の眠り》でなくとも、デッキからレベル7モンスターを場に出す事が出来れば《機巧狐-宇迦之御魂稲荷》を特殊召喚しつつ《ダーク・アンセリオン・ドラゴン》を出す事が出来るため、そういった動きが可能になるカードも初動の安定に寄与してくれます。
STEP9.サブプランの構築
メインでやりたい動きが出来ない場合にどういった動きをするのかを考えます。この「サブプラン」がしっかりしているほど、デッキとしての動きの最低限保証されたラインは高くなり、「事故」が軽減されます。
今回は《ニードルバンカー》にアクセスできなかった時の事を考え、「壊獣」要素だけでもある程度戦えるように《KYOUTOUウォーターフロント》を採用する事で壊獣たちに強力な効果を与えます。
《KYOUTOUウォーターフロント》
【 フィールド魔法 】
①:フィールドのカードが墓地へ送られる度に、1枚につき1つこのカードに壊獣カウンターを置く(最大5つまで)。
②:1ターンに1度、このカードの壊獣カウンターが3つ以上の場合に発動できる。
自分はデッキから「壊獣」モンスター1体を手札に加える。
③:このカードが効果で破壊される場合、代わりにこのカードの壊獣カウンターを1つ取り除く事ができる。
《海亀壊獣ガメシエル》
【 効果モンスター 】
星 8 / 水 / 水族 / 攻2200 / 守3000
①:このカードは相手フィールドのモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに攻撃表示で特殊召喚できる。
②:相手フィールドに「壊獣」モンスターが存在する場合、このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。
③:「壊獣」モンスターは自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。
④:相手が「海亀壊獣ガメシエル」以外の魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを2つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にし除外する。
STEP10.サブプランとメインプラン双方に繋がりがある形に再調整する
メインのプランを成立させるためのカードとして候補に挙がっていた物の中から、サブプランの成立の助けとしても一貫した役割が持てるカードが無いか改めて検討します。
例えば、ここまでの流れで高レベルの送り付けという点では壊獣で十分だという事で採用されていなかった《トーチ・ゴーレム》ですが、このカード1枚で《鎖龍蛇-スカルデット》を作る事が出来るため、先攻で《海亀壊獣ガメシエル》などを場に構えたい場合に相性が良く、壊獣で攻めるサブプラン、相手の場に高レベルモンスターを置きたいメインプランの両方に対して優秀なカードであるため、これを採用していきます。
STEP11.デッキの形として完成させる
というわけでここまでの流れを実際の構築に落とし込んだのがこちらのデッキとなります。
《トーチ・ゴーレム》を採用した事により、エクストラデッキは殆どその展開に使うカードとなっているので、基本的にはエクストラに依存せず壊獣と《ニードルバンカー》で戦えるようなメイン構築となっています。
STEP12.環境に合わせ汎用カード等で微調整する
こうして出来上がったデッキは完全に自分のデッキのやりたいギミックの事しか考えずに出来上がったものなので、実際のデュエルでうまく戦えるかどうかというのは考慮されていません。
ここから、展開系のデッキが多い大会環境であれば手札誘発で対策をする、ワンキルデッキが多い環境なら攻撃反応罠を入れる、など、デッキを回す環境に応じて微調整して完成となります。
これらの行程を踏む事の重要性
ここで紹介したような流れを踏まずとも、皆さんは様々なエースでデッキ構築をしてきた経験があると思います。
ですが、改めてこういう風に一つずつデッキ内でのカードの役割や方針を見直しながら構築をしていく事には大きな意味があります。
まずは「このデッキで何がしたかったのか」が明確になる、というのが最も大きな利点です。
往々にして1からデッキを組んでいく際、相性の良いカードを連ねていくうちに中心となるギミックがどれだったのかよく分からなくなっていく事があり、エースとしての役割がぼやけていってしまいがちです。
ここで紹介したように、軸となるギミック→そこから派生した共通点やシナジーから生えたサブプランという具合に、軸からはブレない範囲で選択肢を広げていくことで、そういった迷走状態に陥りづらくなります。
また、何となく「〇〇と××は相性が良い」ととらえて「〇〇を入れるなら××も入れる」という感じでふわっと認識していたカード群が、そもそもなぜ相性が良いと言われていたのか?
今回の用途では本当に必要なのか?などを見直す事で無駄なギミックでデッキが溢れかえる事を防止する事も出来ます。
何より、活かしたいエースカードにどんなポテンシャルがあるのかを精査する事で、今まで思いつかなかったような新しいデッキが完成する確率が各段に増えます。
というわけで、皆さんも是非自分のお気に入りのカードを上記のプロセスに沿って見つめ直してみてください。きっと新たな発見があると思います。
というわけで今回は「エースカードを活かした構築」に関する解説記事でした。最後まで読んでいただきありがとうございました!