目次
はじめに
カーナベル所属プロのギラサキです。
今回のテーマは「一強環境」です。
今一番名前を聞くカードと言ってもいい《BAKUOOON・ミッツァイル》とそれをフィニッシャーとした非常に強力なデッキ【赤青ジョーカーズミッツァイル】等を題材とし、「一強環境」についての自分なりの考えを書いていきます。
前半に、「一強環境」の説明と、現状の環境についての簡単な解説をし、中盤では「一強環境」を支える環境トップデッキについて、後半は「一強環境」での立ち回りという流れとなっています。
「一強環境」とは
今回テーマとしている「一強環境」という言葉ですが、今回の記事では特定のデッキタイプが突出して大会等で多く結果を残している環境と定義します。
極端な例ですが、全国各地の大会のベスト4のデッキが全て同じデッキタイプ!みたいなのは完全な「一強環境」ですね。
また、トップクラスのデッキが2つある場合は「二強環境」とも言われたりします。
現在のトーナメントシーン環境
これは先日、コバさん(@kyubu16to1)がツイートしていた全国各地のCS結果を纏めたものです。
細かなデッキレシピは異なりますが、見ての通り《BAKUOOON・ミッツァイル》だらけですね。
他のデッキもチラホラと結果は残していますが、やはり《BAKUOOON・ミッツァイル》が目立ちます。
今のCS上位デッキの分布はこんな感じなんだなと、軽く理解していただけたら大丈夫です。
デュエルマスターズで「一強環境」は発生しにくい?
今回メインとなる話の1つです。
デュエルマスターズのトーナメントーシーンではどれだけ強いデッキが環境に現れても、そのデッキタイプの大会における母数(使用しているプレイヤーの割合)は多くて35%程度だと思っています。
その理由としては以下のようなものが考えられます。
- 環境トップデッキを組む難易度が金銭的に難しい
- 特定のデッキを愛用しているプレイヤーが多い
- 環境トップに強いデッキを使うプレイヤーの存在
今回注目してほしいのは「環境トップに強いデッキを使うプレイヤーの存在」です。
デュエルマスターズは切り札級のカードが非常に強いので、そちらに注目されがちですが、メタクリーチャーの質も非常に高いゲームとなっています。
最近では《音奏 プーンギ》や《奇石ミクセル/ジャミング・チャフ》などは代表的なメタクリーチャーでしょうか。
出典:デュエルマスターズ
GRクリーチャーに対しては《百発人形マグナム》や《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》等も強力ですね。
出典:デュエルマスターズ
それらを無理なく採用できるデッキタイプは相対的に強力なデッキとなるので、そのようなデッキタイプを使用するプレイヤーの増加が、環境トップデッキの母数が高くなり過ぎない原因になっていると思います。
このような状況だと、環境トップデッキが、大会の上位を独占!となるような状況は起こりにくいというのが自分の考えです。
対策されても強い環境トップデッキの要素
メタクリーチャー等で対策をされて、簡単に負けてしまうようなデッキが環境トップになる事はありません。
ここでは環境トップデッキの特徴的な要素について書いていきます。
圧倒的な速度でメタクリーチャーを間に合わせない
当たり前ですが、キルターン(ゲームに勝つターン)の速さは非常に重要です。
キルターンが速いという事は先述したメタクリーチャーを間に合わせない事に繋がります。
例えば【赤青ジョーカーズミッツァイル】は3ターンキルが現実的な確率(3割程度)で決まります。そこがこのデッキの1番の強みです。
過去の環境トップデッキを思い出してみても、キルターンの速いデッキが多かったのではないでしょうか。
出典:デュエルマスターズ
勝つルートが複数あり、対策されにくい
一昔前の話ですが、【猿ループ】や【白緑メタリカ】などは、ループ(ソリティア)をする事もできるし、攻撃してそのまま勝つルートもありました。
このように複数のルートがあると、自分の手札が噛み合わなかったり、相手に1つのルートを封じられてしまったとしても、ゲームに勝つ事が可能です。
「満足に動けなかった時にも勝てるデッキ」は強いデッキに必要な要素です。
とにかく安定する
大会で良い結果を残すためには、安定した勝率が必要となります。
つまり、何試合も安定して自分の動きを通せるようなデッキである必要があります。
最近の環境トップデッキによく見られる特徴は「手札にどのようなカードが来ても戦えるように構築されている」だと思います。
【赤青ジョーカーズミッツァイル】だと、《“魔神轟怒”万軍投》を使って《夢のジョー星》や《BAKUOOON・ミッツァイル》に繋げるルートがメインですが、《“魔神轟怒”万軍投》が無くても《オケ狭間 寛兵衛 》でクリーチャーを展開する事も可能です。
出典:デュエルマスターズ
【赤白サンマックス】では、《ナゾの光・リリアング》や《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》などと相性の良いカードが沢山入っているので、強力なカードの組み合わせが多いのが魅力的ですね。
出典:デュエルマスターズ
勝つルートが複数あるという要素とは似ていますが、こちらは1つのルートに対するアプローチが沢山あるイメージです。
逆に《フェアリー・ライフ》→《フェアリー・シャワー》→何かのように、流れが固定されているようなデッキは上記のようなデッキと比べると安定しないデッキとなり、強力なデッキにはなり得ない可能性が高いです。
「一強環境」での立ち回り
一強環境や環境トップデッキの解説をしましたが、ここでは、「結局、一強環境でどういうデッキ選択をしたら良いの?」という話です。
考えられるパターンを幾つかあげ、それぞれについて簡単に解説しています。
環境トップデッキを使う
迷ったらこれです!
環境トップデッキはやはり強力です。強力だから環境トップデッキとなっているので。
環境トップデッキを使う際には、メリットとデメリットが存在します。
メリット:デッキを考える時間があまりかからない
これは大きな利点ですね。
環境トップデッキのレシピはSNSで公開されている大会結果や、有名プレイヤーの記事等で簡単に手に入れる事ができます。
昔に比べて毎週全国各地で大会が開かれるようになったので、デッキを考える時間を削減できる事は大きなアドバンテージとなります。
デメリット:周りには対策デッキが多い
これは一番の問題点です。
周りのプレイヤーが環境トップデッキに対して有利なデッキを持ち込む事は容易に想像できると思います。
なので、基本的に大会で対面するデッキは自分のデッキを対策してきています。
環境トップデッキを使う時は、そういった対策を乗り越えられる強さがあるのかどうかを見極め、不安なら対策されにくい別の勝ち筋を用意したり、新たなカードを採用したりする必要があります。
メタデッキを使う
メタデッキ(環境トップデッキに強いデッキ)を使うのも有効な選択肢です。
ですが、勿論この場合も気を付ける点があります。
- 環境トップ"だけ"に勝てるデッキは弱い
- デッキを作成する時間がかかる
環境トップ"だけ"に勝てるデッキは弱い
文字通りです。環境トップデッキの母数が全体の4割だと仮定しても、 対面する確率は 「環境トップデッキ」よりも「それ以外のデッキ」の方が高くなります。
そうなると環境トップ"だけ"に勝てるデッキは素直に考えると勝率が4割程度になってしまいます。
なので、環境トップにある程度の勝率を出すことが可能で、尚且つ他のデッキにもそれなりの勝率が出せるデッキが理想となります。
ある程度強さが保証されている、環境でよく使われているデッキタイプや、自分の好きなデッキに強力なメタカードを数枚採用する。という流れだと、そのような理想のデッキは生まれやすいと思います。
デッキを作成する時間がかかる
これは環境トップデッキを使う場合とは正反対ですね。
環境トップに強いデッキが存在している場合も、使用者が少なかったり、使用しているプレイヤーが情報を封鎖しており、簡単に構築が手に入る可能性は低いです。
そうなると、自分の力でデッキを考え、作成する事になるので時間がかかってしまいます。
自分がデュエルマスターズに使える時間とのバランスを予め考える事も重要ですね。
少ない時間で強いデッキを作る事は中々できません。
メタデッキに強いデッキを使う
これは一種の賭けですね。周りのプレイヤーの一歩先を行く思考になります。
【赤青ジョーカーズミッツァイル】が流行っている環境で、それに強い盤面処理や速攻系のデッキが流行ると読み、受けが強く序盤にクリーチャーを展開しない【絶十】や【ビッグマナ系統】を使う、というのが1つの例でしょうか。
この選択肢はハマれば強力ですが、環境トップデッキと当たってあっさり負けてしまう場合もあるので注意が必要です。
結局どうすればいいの?
このパターンが一番良い!という結論は中々出ません。
そもそも周りのプレイヤーが何を使うのか分からない状況では、確実な正解は無いと思います。
なので、それぞれの選択肢のメリットやデメリットを理解し、自分に合った選択を取る事が一番良いです。
「今週は時間があるからメタデッキ考えてみようかな」とか、「ちょっと最近忙しいからおとなしく環境トップデッキ使うか…」など個人の状況にも依存します。
ちなみに僕はメタデッキを考えて使う事が多いです。デッキを作る事が好きなので!
(おまけ)【GRメタデッドダムド】
少し前、【赤青ジョーカーズミッツァイル】と【シータミッツァイル】が流行っていた時に1度CSで使っていた【デッドダムド】のレシピを公開します。
※おまけなので解説は少なめです。
《百発人形マグナム》がとにかくGR召喚に強く、ハンデスで妨害したり、《悪魔妖精ベラドンナ》から繋げて早めに出せれば【赤青ジョーカーズミッツァイル】には勝てます。
《百発人形マグナム》の効果は自分にも及びますが、《SSS級天災 デッドダムド》に侵略して自分自身を破壊する事で攻撃をキャンセルしたり、《白皇世の意志 御嶺》を破壊対象に選び盤面を減らさない事が可能です。
【シータミッツァイル】には《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》を《Wave ウェイブ》と《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》で使いまわして勝ちます。《マナ・クライシス》も刺さります。
このデッキの良い点は《ブレイン・タッチ》や《マナ・クライシス》等の妨害でリソース差を付けたり、《SSS級天災 デッドダムド》や《虹速 ザ・ヴェルデ》で大きく盤面処理をする等、幅広い戦略が取れる事だと思います。
環境トップ"だけ"に勝てるデッキにはしたくなかったので、【アナカラーデッドダムド】という強力な基盤に《百発人形マグナム》という強力なメタクリーチャーを採用したという流れですね。
まとめ
個人的に「一強環境」ではプレイヤーの実力が試される良い環境だと思います。
「○○強すぎ!殿堂してほしい!」や「△△ばかりで大会がつまらない」等と思考を放棄してしまうのではなく、一度「その環境や環境の中心となっているカード」とちゃんと向き合ってみれば新たな発見があるかもしれません。
強くてよく使われているデッキが予め分かっている方が考えも纏まりやすく、デッキ選択など立ち回りの難易度はそこまで高くは無いと自分は思っています。
さいごに
ここまて読んでいただきありがとうございました。
《BAKUOOON・ミッツァイル》が飛び交う環境も次の殿堂施行まで(?)だと思うので、期間限定です!
この環境を遊べるのは今しかないので、目の前の環境を楽しみましょう!
それでは。
感想や質問などは、コメントして頂ければ時間がある時に簡潔に返信させていただきたいと思います。
※記事に直接関係のない質問やデッキ診断等は基本的にはお答えできません。申し訳ありません。