セントレアには銭湯があり、そこで体力回復が狙えるぞ
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。終わりましたね、GP2nd。参加者・運営のみなさま、お疲れさまでした。私は例によってカバレージを取っていました。
今回は愛知県ということで、そこそこ気軽に行き来できる範囲でとっても助かりましたね。
具体的には、家に帰ってからカバレージの続きを執筆できるんですよ。会場から家までに時間がかかると、「ホテルで徹夜して仕上げる」一択になって体力が死ぬんですよね。
とりあえず、GPで一日中フル稼働して翌日も動く……というのは、若い人あるいは日頃から体力を鍛えている人の特権。そうでない人は、しっかり身体を休めましょう。
ああそうだ。弊社のボルスズもしっかりベスト64まで生き残ったということも言っておかねばなりませんね。現地でも何回言ったかわかりませんが、とにかくおめでとうございます。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《「無月」の頂 $スザーク$》
【 クリーチャー 】
種族 ドルスザク / マフィ・ギャング / ゼニス / 文明 闇 / パワー15000 / コスト10
■無月の門・絶:各ターンの終わりに、自分の魔導具をバトルゾーンまたは墓地から合計6つ選び、このクリーチャーを自分の手札または墓地からそれら6枚の上にコストを支払わずに召喚してもよい。
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが召喚によって出た時または攻撃する時、相手のクリーチャーを1体破壊し、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。
■相手の墓地に、どこからでもカードが置かれた時、カードを1枚引いてもよい。
DM22-EX1 で登場した、SRのドルスザク/マフィ・ギャング/ゼニスです。
読みにくい名前をしてますが、要するに《 卍デ・スザーク卍 》がゼニスになったら……という感じのカード。
ゼニスお得意のエターナル・Ωがない代わりに無月の門・絶で何度も出てくるという、両種族の「実質不死身」というポイントを活かしたデザインコンセプトはまあかなり綺麗なんじゃないでしょうか。
そんなこのカードの話題と言えば、なんといってもGP決勝戦のミラーマッチ。
カバレージチーム内でも「いつまで続くの?」との声が止まなかった長期戦のカバレージを、要点をまとめて仕上げた神結さんの執筆力にはいつも驚かされます。
実際のところ、母数やデッキパワーともに環境最強だったのは【青黒緑ジャオウガ】であるのは間違いないと思うんですが……まあ、そのぶんメタられるのも必至なわけで。
上位に残ったデッキは、どれもこれも【ジャオウガ】を乗り越える策があるのを前提とした構築。なんならミラーマッチですらいわゆる「テンプレの一個先」が求められるような状況でした。
そこから長期戦で篩にかけ続けた結果、「メタられるほど母数が多くなく」それでいて「十分なデッキパワーを有している」【青黒魔導具】が勝ち抜いたのは理解できる話です。
一言でまとめると、環境を定義する「最強」ではなく環境に順応した「最適」のデッキが制した……という形ですね。
……ところで、実際【青黒魔導具】というか【魔導具】系列のデッキ、そろそろヤバいんじゃないでしょうか。
いやその、「もうそろそろ丸5年だぞ!」とか「いつまで陰キャコントロールやってんだ!」みたいなプリミティブな感情的な話ではなくてですね。
具体的には、「やっちゃいけないところまで強度が上がってしまった」といいますか。
もともと「ドルスザクでじりじり締め付けて戦うコントロールの【黒魔導具】」と「《 卍 新世壊 卍 》と《 月下卍壊 ガ・リュミーズ卍 》のコンボまでやりくりするコンボの【青魔導具】」というテーマだったと思うんですよ。
共通するのは、「手札や墓地をやりくりしつつ、細くも確実な勝ち筋を目指してじっくり戦う」という前提ですね。
で、ここらへんの「細い勝ち筋」という要素を《 堕∞魔 ヴォゲンム 》と《 「無月」の頂 $スザーク$ 》がこじ開けた結果、全ての前提が崩れて勝ち筋が確実になりすぎちゃったんですね。単体で稼いでいいアド超えてるだろ!
「魔導具」って書いてるカードのプールが増えすぎた結果、《 卍 新世壊 卍 》抜きでもデッキが成立する……なんていう本末転倒なことになるのは、さすがに公式にとってもちょっとラインを超えてそうです
まあその。何度も言ってるように、このデッキもうそろそろ6年目に突入するんですよ。もう……いいんじゃないですかね(プリミティブな感情的な話)。
じゃあ何でここまで魔導具(ひいてはそれと密接に関連するドルスザク)が増え続けたかと言うと……。
キャラ人気とかもあるんでしょうが、おそらく一番大きいのは「テーマとしての拡張性が広くて作りやすかったから」だと思います。
要するにこのデッキ…というかこの戦略、新カードの種族欄に「魔導具」と書いてさえあれば強化になるんですよね。
単体でそこそこ強い闇の軽量生物や水の軽量呪文を作ったうえで魔導具にしてしまえば、それだけで「一定の需要があるカード」が生まれるわけです。開発部にとってもプレイヤーにとってもいい話じゃないですか。
その結果際限なく強化が行われて、今がある……というわけですね。
ちなみに、こういう「あるテーマの拡張性や新カードの作りやすさ」をなんとなくひっくるめた概念を専門用語で「デザイン空間」といいます。
魔導具みたいに拡張性が高いやつを「デザイン空間が広い」と言い、そうでないやつを「狭い」と言うわけですね。当たり前ですが、広い方が公式にとって作りやすくてよい能力(の、指針の一つとなる)と言えます。
この辺はカラーパイの問題や別カードとの相互作用も入ってきますから、「一見広そうに見えるけど突き詰めたら狭いやつ」「一見狭そうに見えたけど作ってみたらまだまだ広いやつ」みたいなのが多数存在します。
例えば魔導具と同期なのに全然拡張されない(ばかりか焼き直しだらけ)状態になっていた裁きの紋章も、「見た目よりデザイン空間が狭かった」のが原因だったんじゃないか……と、個人的に思ってます。
ところで、「シナジーを特定のカード名に依存し」「テーマ内で成立する最大枚数が定められており」「30通りを超える組み合わせパターンが存在する」という、見た目にも実際にもデザイン空間が狭そうなテーマがありますね。
ええ。ありますね。それをなんとかするのが、刷っちゃった者の責任というやつではないでしょうか。ねえウィザーズさん。ねえ。ねえってば。
魔導具仙人、いるんだろうか
というわけで、《 「無月」の頂 $スザーク$ 》でした。
……実はですね。今回のGPで私は3本ほどカバレージ書いたんですが。3試合とも「【魔導具】系列デッキが勝つ」結果だったんですよね。
また、以前格安デュエマ研究所で【魔導具】を取り上げようとしたところ、突然値上がりしてボツになったりもしています。
要素だけ見たらめちゃくちゃ私の好きそうなデッキであるんですが、ギリギリ組むまでには至らないのはこういう偶然のいたずらによるものなのかもしれません。きっと。
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それでは、次の記事で。北白河でした。