メメントは何故殿堂入りしたのか?十王編前考察。

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メメントは何故殿堂入りしたのか?十王編前考察。
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目次

わあい、フンボー!どうも、ドヒドイデな戦法を使う陰キャのNaOHです。

はじめに。

今回、トレカライターガーデンに記事を投稿するのは2度目になります。

次回作の構想は練れていないということを前回の投稿のあとがき部分で述べたと思うのですが、いいネタを思いついたということで今回、急遽執筆にとりかかりました。

※今回の考察には、ソースが不明確な情報や、独断と偏見に基づく予想が多分に含まれています。あくまで私個人の意見、考察であり、その成否を保証するものではありません

つまり、私の述べた考察に対して、それは違うだとか、情報の正確性に疑問があるとか、そういったことでレスバトルをするのは避けていただきたいということです

ですが、可能な限り根拠となる事実を挙げ、理路整然とした文章を書けるよう努めていきます。

私自身がカジュアルプレイヤーであるため、環境考察については至らぬ点もあると思いますが…

今回は《天使と悪魔の墳墓》は一切関係ありません。

では以下から本題に入ります。

殿堂入りの理由、3つ

まず、結論を先に出してしまいます。その後、根拠となる事実をつまびらかにし、《 Dの牢閣 メメント守神宮 》の殿堂入りが妥当であったという考察を裏付けていこうと思います。

《 Dの牢閣 メメント守神宮 》

(殿堂カード) 【 D2フィールド 】
文明 光 / コスト4

■S・トリガー(このD2フィールドをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ展開してもよい)
■自分のクリーチャーすべてに「ブロッカー」を与える。(「ブロッカー」を持つクリーチャーをタップして、相手のクリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)
■Dスイッチ:いずれかのプレイヤーが自身のターンに最初のカードを引いた時、このD2フィールドをゲーム中で一度上下逆さまにしてもよい。そうしたら、相手のクリーチャーをすべてタップする。

以上のような効果を持った、D2フィールドです。

このカードが殿堂入りした理由は、以下のようなものだと考えています。

1、そもそもデッキ内で与えられる用途、役割が多く、汎用性の高い壊れカードだったから。

2、公式(タカラトミーやWOTC)が想定しているデュエルマスターズはそもそも、クリーチャーで殴り合うものであり、それを前提とした上でこのカードの強さを評価すると、壊れているから

3、《 BAKUOOON・ミッツァイル 》が殿堂入りしたタイミングだったから。

この3つが理由です。

その他、グレーな理由として、《天井院さま/床弾坊》が無限ブロッカーになるからという考察もあるようですが、これについては恐らく誤りであるということを根拠をもってお話ししようと思います。

同時期に殿堂入りしたカード。

まず、 《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 が殿堂入りした際、同時期に殿堂入りしたカードや、環境をおさらいしていきます。今後の考察を進めていく上で重要な根拠となってきます。

まずは、 殿堂入り直前に、 《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 を取り巻いていた環境を確認しましょう。

ありがたいことに、当時の入賞デッキリストが、ガチまとめ上に掲載されているので、引用させていただきましょう。 ドン!

驚くべき、《 BAKUOOON・ミッツァイル 》の採用率。

このリストですが、入賞率、もしくは使用者の母数が多い順に並んでいますね…

私個人の印象として、母数が特に多かったのは、赤青ジョーカーズミッツァイル、シータミッツァイルの2台巨頭です。これらだけで、環境の5割を占めていたと言っても過言ではないと思います。

赤青ジョーカーズミッツァイルは、《機術士ディール/本日のラッキーナンバー! を連続して撃ち、シールド・トリガーをケアしながら3~4ターンキルが可能なデッキでした。

また、シータミッツァイルは、5ターン目くらいには、安定してGR召喚を12回吐き出しきり、《 単騎連射 マグナム 》 《 音精 ラフルル 》 を揃えてシールド・トリガーをケアしながら殴り切ることが可能なデッキでした。

ですから当時の環境を分かり易く図示すると。

冗談でも何でもなく、こういった形になります。

ミッツァイルマスターズ…そんな皮肉が多くのプレイヤーの口から語られていたことは、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

続いて、赤単ブランド、赤青覇道、青緑ジョラゴンジョーカーズ。

赤単ブランドは3ターンキルに特化した超速攻デッキ、

赤青覇道もキルターンは4ターン前後(しかも追加ターン付き)、

青緑ジョラゴンジョーカーズも4ターンキル程度、しかも、《アイアン・マンハッタン》等のメタカードを採用していました。

他にも、赤白サンマックス、赤白ミッツァイル、赤青革命チェンジと、3~4ターンキルに特化したデッキがずらり。

更に、ドッカンメルゲループ、緑単ネイチャーループ、青黒カリヤドネループ、ロマノフワンショット。

どれも相手の反撃を一切許さない即死ループを、5ターン前後で叩き込んでくるデッキです。

つまり、当時の環境は、 《 BAKUOOON・ミッツァイル 》 を中心に、3~4ターンキルに特化した超速攻デッキと、即死ループを叩き込んでくるコンボデッキの二極化が起こっていたと言えます。

そこに、コントロールやミッドレンジ、ビッグマナといったデッキタイプが、相手の攻撃を耐えて動き出す猶予などありませんでした。強いて言えば《 卍 新世壊 卍 》によって相手のトリガー封殺手段を無効にできる、青魔道具が存在していた位で、他には、シールド・トリガーを使ってカウンター気味に動くデッキは、機能を完全に封じられていたと言わざるを得ません

次にドロマーハンデスに注目してください。《 機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」  》が採用されています。

これは、 《 BAKUOOON・ミッツァイル 》等によるGR召喚を事前に咎めることができ、 同時にシールド・トリガーもケアできるということで、非常に環境に刺さっていたカードでした。

これによって、更にシールド・トリガーの価値は低下していました…

因みにこの環境デッキの中で、 《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 はというと…シータミッツァイルにおいて《続召の意志 マーチス》のマナドライブの条件を満たすためにタッチする光文明のカードの選択肢の一つ…という程度で、殆どのデッキに採用されていなかったことが分かります。

次に、同時期に殿堂入り、プレミアム殿堂入りしたカードを見ていきましょう。

2020年1月より殿堂入りしたカードは、 《 BAKUOOON・ミッツァイル 》 《禁断機関 VV-8》《 機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」  》 《バロン・ゴーヤマ》《 侵革目 パラスラプト》、そして本記事の議題である、《Dの牢閣 メメント守神宮 》。

同日にプレミアム殿堂入りしたカードは、《アクア・メルゲ》《 音精 ラフルル 》でした。

順番にテキストと、殿堂理由について見ていきましょう。

《 BAKUOOON・ミッツァイル 》

(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ビートジョッキー / ワンダフォース / 文明 火 / パワー9000 / コスト9

■このクリーチャーを召喚する時、自分のクリーチャーを好きな数破壊してもよい。こうして破壊したクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、このクリーチャーを召喚する時に破壊されたクリーチャー1体につき、GR召喚する。
■自分のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。

ミッツァイルマスターズとも言われる一つの時代を作り上げたカード。

上で述べた、赤青ジョーカーズミッツァイル、シータミッツァイルが、シールド・トリガーを完封しながら3~5ターンキルを叩き込んできました。

その他、赤単ブランド、赤白ミッツァイル等の速攻系の他、緑単ネイチャーループでもパーツとして採用されていました。速攻の核とソリティアの核を同時にこなす核ミサイル。この殿堂入りは当然の措置です。

《禁断機関 VV-8》

(殿堂カード) 【 禁断クリーチャー 】
文明 水 / パワー12345 / コスト6

■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から5枚を見て、その中から2枚を自分の手札に加える。
このクリーチャーに封印を3つ付ける。
■禁断機動:このクリーチャーの封印がすべてなくなった時、このターンの後に自分のターンを追加する。(カードを封印するには、自分の山札の上から1枚目を裏向きのままそのカードの上に置く。コマンドがバトルゾーンに出た時、その持ち主はそれと同じ文明を持つ自身のカードから封印を1つ、墓地に置く。クリーチャーが封印されている間、両プレイヤーはそのクリーチャーを無視する)

もう一度、11月時点での優勝デッキリストをご覧ください。

そこには、アナカラーデッドダムドというデッキが掲載されているはずです。

このアナカラーデッドダムド、8月9日のアルティメット・クロニクルデッキ 2019 SSS!!侵略デッドディザスター以降、環境の覇者と呼ばれたデッキです。

ミッドレンジとコントロール両方の性質を併せ持つ太いデッキでした。

動きを簡単に説明すると、《天災 デドダム》や《 虹速 ザ・ヴェルデ 》を《 SSS級天災 デッドダムド 》等に侵略させながら、相手のバトルゾーンを一瞬で更地にし、 《禁断機関 VV-8》 で追加ターンを得て攻め込む…というものです。

安定したキルターンは5~7ターン前後となるので、11月時点の環境では遅く、シータミッツァイルやジョーカーズミッツァイルの参入以降一気に没落しました。

そんなアナカラーデッドダムドにおいて、 《禁断機関 VV-8》は、いわば中核ともいえる存在であり、追加ターンを狙いに行くフィニッシャーと、山札を5枚掘れるドローソース という2つの役割を兼任していました。

さらに、アナカラーデッドダムドはその高すぎる除去能力故、クリーチャーを呼び出してもどうせ 《 SSS級天災 デッドダムド 》 で除去され、 《禁断機関 VV-8》 の追加ターンのきっかけを与えてしまうというプレッシャーを対戦相手に与えてしまうことから、クリーチャーを展開する意欲を著しく減衰させる性質がありました。

それ故、多くのプレイヤーが、クリーチャーをそもそも展開しないループデッキか、アナカラーデッドダムドを上回る速度の超速攻デッキを使用するという2通りの対策方法にたどり着き、超速攻かループしか存在せず、シールド・トリガーを形骸化させた11月時点の環境を生み出した…という解釈もできます。

恐らく、公式の考えとしては、 《 BAKUOOON・ミッツァイル 》 殿堂入り後、アナカラーデッドダムドは再び環境の覇者となるので、規制を入れる必要性を感じた…といったところでしょう。

(実際には、アナカラーデッドダムドが戦い抜くにはキルターンが短すぎる環境というのは、今回の殿堂では制御できなかったようですが…)

機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」  》

(殿堂カード) 【 ツインパクトカード 】
種族 マジック・コマンド / 文明 水 / パワー6000 / コスト6

■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、数字を1つ選ぶ。その数字と同じコストを持つ相手のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。

────────────呪文────────────
カード名:「本日のラッキーナンバー!」
文明:水
コスト:3マナ
■数字を1つ選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、相手はその数字と同じコストを持つクリーチャーと呪文を召喚したり唱えたりできない。

これは呪文側が強すぎるカードでした。

まず、GRクリーチャーは3か4コストが大半を占めています。そこで、 機術士ディール/本日のラッキーナンバー!」  》 を唱えると、2019年時点でプッシュしているギミックである、GR召喚をいともたやすく封じ込めてしまいます。これが商業的に問題があると判断されたのでしょうね…新ギミックをそもそも封殺されるのはまずいということでしょう。

そしてもう一つ、このカードのいけないポイントは、シールド・トリガーを封殺できてしまう点です。ドロマーハンデスは勿論、シータミッツァイルにも、 《 単騎連射 マグナム 》 《 音精 ラフルル 》 がシールドに落ちていた場合の封殺札として搭載されていました。

何故、シールド・トリガーを封殺できるといけないのかは後に解説します。

《バロン・ゴーヤマ》

《 侵革目 パラスラプト》

(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ワイルド・ベジーズ / 文明 自然 / パワー5000 / コスト5

このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中からカードを1枚選んで自分のマナゾーンに置いてもよい。そうした場合、カードを1枚自分のマナゾーンから墓地に置き、《バロン・ゴーヤマ》以外の進化ではないワイルドベジーズを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。その後、山札をシャッフルする。

(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ジュラシック・コマンド・ドラゴン / 革命軍 / 侵略者 / 文明 自然 / パワー5000 / コスト5

■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自然のクリーチャーをすべて、自分の墓地からマナゾーンに置く。
■いずれかのプレイヤーのシールドが2つ以下なら、自分のターン中にクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。

緑単ネイチャーループのパーツでした。

しかし、本当に殿堂入りすべきだったのは、ループの核である、《 生命と大地と轟破の決断 》だったと私は考えます。

そもそも即死ループデッキ自体、相手にシールド・トリガー等の逆転要素を与えず、攻撃せず勝利できてしまう(ものが殆ど)である以上、規制されるリスクは高いのです。寧ろ、ロマノフワンショットや青黒カリヤドネループのパーツが規制されなかったのが不思議なくらいです。

《 生命と大地と轟破の決断 》

【 呪文 】
文明 自然 / コスト5

■この呪文を自分のマナゾーンから唱えてもよい。そうしたら、唱えた後、墓地に置くかわりに自分の山札の一番下に置く。
■次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)  
→自分の山札の上から1枚目を、タップしてマナゾーンに置く。  
→コスト5以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。  
→このターン、自分のクリーチャー1体はパワーを+3000され、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる。

このカードが、マナゾーンから唱えることができて、なお且つコスト5以下のクリーチャーを文明指定なしで2体踏み倒せるという性質を持つ以上、踏み倒すクリーチャーの組み合わせ次第でいくらでもコンボやループが作り出せてしまうのです。しかし、このカードは殿堂入りさせるにはまだ発売から日が浅すぎるということで、上記2体を殿堂入りさせる措置を取ったのでしょう。

《アクア・メルゲ》

(プレミアム殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 リキッド・ピープル / 文明 水 / パワー1000 / コスト2

自分のターン中、自分の他のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札を1枚捨ててもよい。そうした場合、カードを1枚引く。

当時殿堂入りしていたにも関わらず、メルゲドッカンループで、またしてもループを発生させた1枚です。

そもそも、このカードが殿堂入りする大分前に、《盗掘人形モールス》《疾封怒闘 キューブリック》(両2枚とも殿堂入り済)と組んでメルゲループワンショットというループデッキで猛威を振るっていた前科があり、今回またしてもループが組まれたため、このカードが存在する限りループが生まれるという事実が認知され、プレミアム殿堂に昇格したのだと思います。

《 音精 ラフルル 》

(プレミアム殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 エンジェル・ドラゴン / 革命軍 / ドレミ団 / 文明 光/水 / パワー5000 / コスト5

■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■革命チェンジ-光または水のクリーチャー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、相手は呪文を唱えられない。

以前から、 《 単騎連射 マグナム 》 《 音精 ラフルル 》 の組み合わせで相手のシールド・トリガーを封殺できてしまうことが問題となっていました。嘗て存在した赤青ブランドは、この、単騎ラフルルと呼ばれるセットを4枚ずつ採用し、完封を仕掛けてくるデッキタイプでした。そのため両方が殿堂入りしたのです。

その後も、赤青、ラッカドギラゴン剣等のデッキタイプで1枚採用というケースは多かったのですが、シータミッツァイルが、 前述の通り、5ターン目くらいには、安定してGR召喚を12回吐き出しきり、《 単騎連射 マグナム 》 《 音精 ラフルル 》 を揃えてシールド・トリガーをケアしながら殴り切ることが可能なデッキとして現れます。この、安定して揃えられるという点が仇になって、プレミアム殿堂入りを果たしたのだと考えられます。

…さて、こうして見ると今回殿堂入り、プレミアム 殿堂入りしたカードには共通項が見えてきます。それは、ループによってそもそもシールドをブレイクしないか、シールドをブレイクしてもシールド・トリガーを封殺できるカードである。という点です。これに該当しないのはそれこそ、 《禁断機関 VV-8》 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 くらいのものです。

…さて、これでようやく本題に移れますね。

《Dの牢閣 メメント守神宮 》

(殿堂カード) 【 D2フィールド 】
文明 光 / コスト4

■S・トリガー(このD2フィールドをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ展開してもよい)
■自分のクリーチャーすべてに「ブロッカー」を与える。(「ブロッカー」を持つクリーチャーをタップして、相手のクリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)
■Dスイッチ:いずれかのプレイヤーが自身のターンに最初のカードを引いた時、このD2フィールドをゲーム中で一度上下逆さまにしてもよい。そうしたら、相手のクリーチャーをすべてタップする。

今まで見てきた通り、11月時点の環境では、決して採用率が高いカードではなく、しかも、同時期に殿堂入りしたカードとの共通項を持たない、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 、このカードが何故殿堂入りしたのかが、今回のテーマです。

高すぎる汎用性、多すぎる採用デッキ。

このカードの殿堂入りが発表されたとき、皆さんはどんな反応をしたでしょうか…?

恐らく、何故殿堂入りしたのか分からないという疑念や、惜しいカードを失ったという嘆きが多かったのではないでしょうか?

惜しいカードを失った…それこそ、殿堂入りした理由の根幹に近いと私は考えます。

何故ならば、惜しいカードと思っている時点で、それだけ多くの人が 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 の強さを認識したり、デッキに採用したりしているからです。それ自体が、殿堂入りする程の強さを持ったカードであることを証明する材料になります。

…さて、わたしは前作、ドロマーメタイエス トップメタの栄光が落とす陰で、このカードの役割、採用理由を以下のように説明しました。

《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 の役割は一言でいうなら、白い 《 勝利宣言 鬼丸「覇」 》 です。

1 タップキルの橋頭堡

2 ブロッカー軍団による肉壁形成。

3 相手のブロッカーや殴り返しを無視して一気に攻め込む。

4 相手の攻撃を1ターン止め、またシールド・トリガーとして、防御札となる。

5 相手のD2フィールドを張り替える。

1枚でこれだけの仕事ができた、非常に強力なカードでした。特にこのデッキでは1の動きが最も重要で、殿堂入りした後も採用しない理由は特に見当たりません。

…仕事多すぎませんか?

これと全く同じ仕事をこなせるカードを、私は知りません。一部の機能を代替できるカードに心当たりがあるくらいです。

実際に、多くのプレイヤーが、 《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 のこなす役割、仕事量の多さに依存しきっていたのではないでしょうか?

《 Dの牢閣 メメント守神宮 》は、そもそもミッツァイルマスターズ以前の環境で、盛んに使われていた実績のある、立派な強カードです。

その実績を見ていきましょう。

恐らく、最初に脚光を浴びた時期は、新章DM初期の日本一決定戦まで遡ります。

そこで結果を出したデッキタイプ…ラッカドギラゴン剣。

それは、 《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 を、《異端流し オニカマス》をタップキルで除去する手段として採用したものでした。他にも、私が先ほど述べた1~5の役割全てを踏襲していました。

その後、 《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 は、多くの環境デッキに採用され、メメント合戦とまで言われる状況に陥ったのです。

私が今思いつくだけでも、先ほどのラッカドギラゴン剣の他に、チェンジザミラダンテ、チェンジザドンジャングル、青白サザンルネッサンス、白単メタリカ、赤白轟轟轟、赤白メタリカミッツァイル、4cバラギアラコントロール…とにかく様々な環境デッキに広く4投されてきたのです。

残念ながら、ガチまとめでは、 《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 を採用したレシピということで検索はできません。しかし、カーナベルのデッキ相談室では、採用カードをもとにした検索が行えるので、実際にメメントと入力して検索してみました。すると…

チェンジザドンジャングル、シノビドルゲーザ、5cハイランダー、GRサードニクス(独特なデッキ…)、オーロラドギラゴン、私のドロマーメタイエス、チェンジザランデス、籠城コントロール、九十九ユニバース、ドロマーオーラ、4cボルコン、4cガードホール…トリーヴァシャコガイル、 4Cウェイブキラードン1059ハンデス(これもオリジナル色が強い…)  ここで検索結果の閲覧を辞めました。

こうして、 《 Dの牢閣 メメント守神宮 》 を採用した デッキを列挙してみると、それはガチからカジュアルまで、非常にバラエティに富んだものであることが分かります。

Dの牢閣 メメント守神宮はデッキを選ばず入る汎用性の高いカードだったという厳然たる事実がそこにはありました。しかし、汎用カードが必ずしも殿堂入りするわけではありません。実際、《 フェアリー・ライフ 》は殿堂入りした経歴はありませんよね?

デュエルマスターズの根本的設計思想。

何も言わずに以下のカードを見て下さい。

【 呪文 】
文明 光 / パワー- / コスト6

S(シールド)・トリガー(このカードをシールドゾーンから手札に戻すとき、コストを支払わずにすぐ使ってよい。)
バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてをタップする。

【 呪文 】
文明 闇 / パワー- / コスト6

S(シールド)・トリガー(このカードをシールドゾーンから手札に戻すとき、コストを支払わずにすぐ使ってよい。)
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の墓地に置く。

【 呪文 】
文明 自然 / パワー- / コスト6

S(シールド)・トリガー(このカードをシールドゾーンから手札に戻すとき、コストを支払わずにすぐ使ってよい。)
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。

もう完全上位互換が存在するよね…とか、デュエマプレイスでお世話になっています…という声が聞こえてきそうですが、今回の論点はそこではありません。

これらのカードの右下を凝視してください。2002という数字が書かれ、エキスパンションマークはありませんよね?

つまり、これらはデュエルマスターズの、記念すべき第1弾に収録されていたカードです。

《 フェアリー・ライフ 》 が登場する以前から、シールド・トリガーというギミックは存在していました。

当時存在していたキーワード能力は、クリーチャー、ブロッカー、W・ブレイカー、そして、シールド・トリガー…

ここから、デュエル・マスターズの根本的設計思想を読み解くことができます。

つまり、デュエル・マスターズはもともと、クリーチャーをぶつけ合って、5枚のシールドをブレイクし合いながら、シールド・トリガーによるシーソーゲームを行い、逆転劇を生み出すものとして設計されていたのです。

それを否定してはならないからこそ、先ほど殿堂入りしたカードの共通項として、 ループによってそもそもシールドをブレイクしないか、シールドをブレイクしてもシールド・トリガーを封殺できるカードである。 という点が挙げられたのです。

シールド・トリガーを否定し、シーソーゲームを拒否してはならないのです。デュエル・マスターズはクリーチャーによる殴り合いがメインのゲームです。

事実、シールド・トリガーを否定するカードは過去にも何度も規制されてきたという歴史があります。例えば以下のように。

(プレミアム殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ミステリー・トーテム / 文明 自然 / パワー6000 / コスト6

W(ダブル)・ブレイカー(シールドを攻撃したとき、このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、相手は「S(シールド)・トリガー」を使えない。

(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ダークロード / アース・ドラゴン / 文明 闇/自然 / パワー5000 / コスト6

マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
シンパシー:デスパペットおよびビーストフォーク(このクリーチャーを召喚する時支払うコストは、バトルゾーンにある自分のデスパペットまたはビーストフォーク1体につき1少なくなる。ただしコストは2より少なくならない)
このクリーチャーが攻撃する時、このターンの終わりまで、誰も「S・トリガー」を使うことはできない。

(殿堂カード) (元プレミアム殿堂カード)【 クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 火 / パワー11000+ / コスト10

スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
パワーアタッカー+3000(攻撃中、このクリーチャーのパワーは+3000される)
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに、持ち主の墓地に置く。

(備考 このクリーチャーがブレイクしたシールドのS(シールド)・トリガーは使えない)

…全部大分昔のカードですよね?

つまり、過去から現在に至るまでのデュエル・マスターズの歴史が連綿と続く中で、 シールド・トリガーを否定し、シーソーゲームを拒否 することは固く禁じられていたのです。

これは私の憶測ですが、今回の殿堂施行によって、公式は、デュエル・マスターズが、シールド・トリガーがマトモに機能し、クリーチャー同士で殴り合うゲームに戻ることを狙っていたのではないでしょうか?であれば、 クリーチャーを展開する意欲を著しく減衰させる性質があったアナカラーデッドダムドの中核をなす、 《禁断機関 VV-8》 の殿堂入りも納得できます。

…では、今回の殿堂施行によってどうなったか?2月環境を見てみましょう。

またもガチまとめから引用させていただきます。 ドン!

環境トップを飾るのは、ドッカンデイヤーループ、シータバーンメア。

ドッカンデイヤーループは、別名ミッツァイルリペア、ヨミジループとも呼ばれます。

《 BAKUOOON・ミッツァイル 》の役割であった、大量にGR召喚するというアクションを、《MEGATOON・ドッカンデイヤー 》に任せたデッキです。

シータミッツァイルと比べると、寧ろ、《 ヨミジ 丁-二式 》が採用されたことによって、シールドをブレイクしに行くより安全な、ループによるフィニッシュを行えるようになり、強化されたという印象すら受けます。

《 ヨミジ 丁-二式 》 は自身の効果で自壊させ、超GRゾーンの底に送ることで、リアニメイトが行えます。そして、オレガ・オーラや《 スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘 》をリアニメイトさせることで、再び 超GRゾーンの底 から舞い戻ってきます。それではループしても致し方ありませんよね…

続いて、シータバーンメア、こちらは、赤青ジョーカーズミッツァイルリペアと解釈することもできるアグロデッキです。

メタビートとしての色合いが強く、《 BAKUOOON・ミッツァイル 》の役割であった、GR召喚したクリーチャーにスピード・アタッカーを与えるという役割を、《 バーンメア・ザ・シルバー/オラオラ・スラッシュ 》に任せ、《 ジェイ-SHOCKER 》や、《奇天烈 シャッフ》でシールド・トリガーをケアして殴ります。

その他脇を固めるデッキは…赤青覇道、赤緑 “B-我”ライザ …どれも3~4ターンキルを仕掛ける速攻デッキばかりです。新規参入した、零龍ギャスカはなんと2ターンキルです。

速攻も、速度が速すぎると、シールド・トリガーで耐えても次のターンマナがないので何もアクションができないという事態が発生するので、依然として、 シールド・トリガー の価値は低く、シーソーゲームが否定された環境というのは続いています。相変わらず、 コントロールやミッドレンジ、ビッグマナといったデッキタイプが、相手の攻撃を耐えて動き出す猶予などないという事実は変わりません。

この原因は…《 BAKUOOON・ミッツァイル 》がすぐにリペアされた事実から分かる通り、GR召喚というギミック自体が壊れていたせいだと言わざるを得ません。

因みに、緑単ネイチャーループは機能不全になりましたが、《 生命と大地と轟破の決断 》も、《 音奏 ハイオリーダ/音奏曲第3番「幻惑」 》《 幸運の精霊ファイブスター 》を踏み倒してループするデッキが開発されましたね…

下のカードを見比べて下さい。

【 呪文 】
文明 水 / パワー- / コスト4

カードを1枚引く。
チャージャー(この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く)

【 呪文 】
文明 水 / コスト4

■カードを1枚引く。
■GR召喚する。(GR召喚:自分の超GRの上から1枚目を、コストを支払ったものとして召喚する)
■チャージャー(この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く)

《ブレイン・チャージャー》が古いカードであることを鑑みても、コスト論を考慮すると、GR召喚一度にかかるマナコストは0~1コストです。そのため試行回数を容易に稼ぐことができます。

それでありながら、12回回せば確実に狙ったカードが出るのですから、それは悪用されて当然と言えるでしょう。

では、今後、十王編はどのように展開していくのかと言うと…

まず、《 U・S・A・BRELLA 》という、嘗ての《 異端流し オニカマス》を彷彿とされるGRメタカードが出ます。

そして実装される新ギミックキリフダッシュと鬼タイム。

キリフダッシュは、自分のクリーチャーの攻撃の終わりに、アンタップ状態のマナを支払うことで、アタックステップ中にクリーチャーが召喚できるというギミックです。普通に召喚するコストよりキリフダッシュを使った方が少ないコストで召喚できるカードが多く、実質的にコスト軽減ギミックです。

クリーチャーによる攻撃を引き金とすることから、殴り合いを前提としたギミックであると言えます。

続けて、もう一つの新ギミック、鬼タイム。

鬼タイムは、お互いのシールドの合計が一定枚数以下であると発動する…なんだか革命を彷彿とさせる能力です。こちらはどちらかといえばカウンター向けのカードが多い印象を受け、やはり、 殴り合いを前提としたギミックであると言えます。

ですから、公式としては、GR召喚という壊れギミックを一旦なかったことにし、今度こそ、 デュエル・マスターズが、シールド・トリガーがマトモに機能し、クリーチャー同士で殴り合うゲームに戻ることを狙っていると考えられます。…というかそうなることを切に願います。

では、そのようなデュエル・マスターズを想定した上で、もう一度、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 の能力、役割仕事量の多さ、採用されるデッキの多様性を読み返してみましょう。

殴り合いやシーソーゲームを前提とする上で、 白い 《 勝利宣言 鬼丸「覇」 》 とも言えるこのスペックを改めて見ると、壊れていると思いませんか?

恐らくクリーチャーが殴り合うバトルゾーンにおいて、攻撃、防御両面共に優れ、多様な仕事量が可能な、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》は、これからも多くのデッキに採用され、結果として、メメント合戦が勃発することは容易に想像できます。

ですから、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 は、本来あるべきデュエル・マスターズの在り方を鑑みると、殴り合いにおいて非常に多くの役割が持てるため、どのデッキにも必須レベルで入ってくる壊れカードである。そう公式は考えたのではないでしょうか?

以前から計画されていた…?

公式は以前から、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 の危険性を理解し、殿堂入りを仕掛けるタイミングを見計らっていたと考えられます。寧ろ、《BAKUOOON・ミッツァイル 》が流行する以前の環境でこれだけ使われていたのだから、そう考えるのが自然です。

では何故、 《BAKUOOON・ミッツァイル 》 が流行してから 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 は採用率が極端に下がったのか…理由はシンプルです。

1、Dスイッチをしても、 《BAKUOOON・ミッツァイル 》 によって、 タップさせたクリーチャーがアンタップ状態のスピード・アタッカーになって襲ってくるため効力が薄く、相対的には弱かったから。

2、そもそも殴り合うことが前提のデュエル・マスターズとは違い、超速攻とループで一方的に勝つデッキがメタゲームの中心となり、相対的に弱かったから。

これまで相対的に弱かった、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 。 デュエル・マスターズを、 これから本来あるべき、シールド・トリガーがマトモに機能し、クリーチャー同士で殴り合うゲームに なるように設計しなおしたとき、相対的に壊れたカードになる。そう判断して、今のタイミングでの殿堂入りに踏み切ったのではないでしょうか?

そう考えると、 《BAKUOOON・ミッツァイル 》 の殿堂入りが、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 の殿堂入りのきっかけとなった…そう考えるのは飛躍した論理とは言い切れませんよね?

無限ブロッカー自体は許容されるはず。

《天井院さま/床弾坊》が無限ブロッカーになるから、という考察も散見されます。しかし、私はこれは誤りではないかと考えています。なぜなら、無限ブロッカーの存在自体は、これまでも許されていたからです。

《天井院さま/床弾坊》

【 ツインパクトカード 】
種族 ヒューマノイド / 文明 光/火 / パワー1000 / コスト10

■S・トリガー
■このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに、表向きのまま新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置く。
■自分のシールドゾーンに表向きのカードがあれば、このクリーチャーに「ブロッカー」を与える。

【呪文】
文明 火/コスト3

相手の墓地にあるカードの枚数以下のコストを持つ、相手のクリーチャーを1体、破壊する。その後、相手は自身の墓地を山札に加えてシャッフルする。

確かに、このカード に《Dの牢閣 メメント守神宮 》 でブロッカーを付与することで無限ブロッカーになります。

しかし、無限ブロッカーであることを理由に殿堂入りするのかと言えば、答えは否。デュエル・マスターズには既に無限ブロッカーが多数存在します。

【 進化クリーチャー 】
種族 メカサンダー / 文明 光 / パワー10500 / コスト5

ブロッカー
進化-自分のメカサンダー1体の上に置く。
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
このクリーチャーがブロックしたとき、バトルの後でアンタップする。

(私の人生初デュエマはこいつで詰みました。)

【 クリーチャー 】
種族 メカサンダー / 文明 光 / パワー5000 / コスト7

ブロッカー(相手クリーチャーが攻撃するとき、このクリーチャーをタップして、その攻撃を阻止してよい。そのあと、その相手クリーチャーとバトルする)
このクリーチャーがブロックしたとき、バトルの後でアンタップする

こういった古くから存在する無限ブロッカーは規制された経歴を持ちませんよね…?

また、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 でブロッカーを付与することで無限ブロッカーになるのがいけないというのなら…メタリカの攻撃誘導能力による疑似無限ブロッカーを制限しない理由が分かりません。

【 クリーチャー 】
種族 メタリカ / 文明 光 / パワー4500 / コスト4

このクリーチャーをアンタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーまたは自分のタップしているクリーチャーに変更してもよい。
ラビリンス:自分のシールドの数が相手より多ければ、相手はコスト5以下の呪文を唱えられない。

このカードにブロッカーを付与することで、攻撃誘導でアンタップ→ブロックしてタップという挙動が取れ、疑似無限ブロッカーになる…というお話も前作、ドロマーメタイエスの記事で解説したはずです。

無限ブロッカーの 《天井院さま/床弾坊》 の存在が許容できないなら、上記のカードが殿堂入りしていないほうがおかしいのです。

では別の仮説として、シールドが無限に回復するギミックがいけないのではないか…そう考えてみると…既にそういったギミックは存在し、規制を受けておりません。

例えば、《 極幻空 ザハ・エルハ 》《 スローリー・チェーン 》のコンボは、ドロマーオーラに搭載されていたのですが…今回の殿堂入りではノータッチでした。

【 オレガ・オーラ 】
種族 トリックス / デリートロン / 文明 水 / パワー+4000 / コスト4

■これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
■このオーラまたは他のオーラを自分のクリーチャーに付けた時、カードを1枚引いてもよい。
■自分のシールドが、シールドゾーンから手札以外のゾーンに置かれる時、かわりにシールドゾーンにとどまる。

【 呪文 】
文明 光 / パワー- / コスト4

S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
このターン、クリーチャーは攻撃することができない。
この呪文を裏向きにしてシールドに加える。その後、自分のシールドを1枚選び、墓地に置く。

これだと無限にシールドが回復できますし、 《 極幻空 ザハ・エルハ 》 の下に《 白皇世の意志 御嶺 》があれば、除去して突破する手段すら限られてきます。天敵であるシールド・トリガー封殺札、 《 機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」  》 《 音精 ラフルル 》が規制されたにもかかわらず、 《 極幻空 ザハ・エルハ 》《 スローリー・チェーン 》のコンボは規制されていません。

もっと昔のデッキを漁ると、ピュアザルロックというものもあり、これも無限にシールドを回復できるデッキタイプでした。

以上の前例を考慮し、無限ブロッカーというギミックは昔から存在しており、今回改めて規制する必要性はない…というのが私の持論です。

まとめ

以上の話をまとめると、恐らく公式が意図している、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 の殿堂理由は以下のようになります。

公式は、クリーチャーを出してぶつけ合い、シールド・トリガーによるシーソーゲームに一喜一憂するゲームとしてデュエル・マスターズをデザインしたかった。しかし11月時点の環境では、シールド・トリガーが形骸化し、一方的に勝つ、超速攻かループのみしか存在しない環境になっていた。だから、その環境にメスを入れようとした。メスを入れた結果形成されるであろう、殴り合い前提のデュエル・マスターズの環境を想定すると、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 は強すぎる。 超速攻かループのみしか存在しない環境 を作り出していたカードに殿堂入りという措置を行った上で、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 の価値を下げている 《 BAKUOOON・ミッツァイル 》 も殿堂入りさせたので、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 も殿堂入りさせるべき時が来たと思った。

…以上のようなバックグラウンドがあったと推察できます。

まあ、2月時点の環境を見る限り、現実は公式の想定とは違った動きを見せたようですが…

一方で懸念事項もあります。それは、 《 U・S・A・BRELLA 》 を始めとするGR召喚メタは、 《 異端流し オニカマス》 と同じ歴史を繰り返すのではないか?という疑問です。

《 異端流し オニカマス》 がメタゲームに顔を出しても、環境トップには相変わらず、ドギラゴン剣やミラダンテといった革命チェンジ主体のデッキがありました。同じように、GR召喚メタが、同型メタとして使用され、ドッカンデイヤーループやバーンメアジョーカーズと組んで環境を席巻する未来というのも考えられます。

これに関しては、公式が如何にバランス調整を上手く行えるかにかかっていると思います。

さて、冒頭でも述べた通り、本記事に記載されている内容は、あくまで個人の見解の域を出ません。信じるか信じないかを読者の皆様に委ねたコンテンツです。

ですから、情報の正確性に疑問を持っても、それでコメント欄を荒らさないようにご注意いただけると幸いです。

因みに、本記事によって、デュエル・マスターズ公式を非難する意図はありません。カードを作っているのは人間ですから、今回のGR召喚のような、調整ミスを犯してしまうこともあります。寧ろ、そういったミスを払拭し、クリーチャーによる殴り合いが主体となるデュエル・マスターズを復権させようとしている公式のスタンスは称賛されるべきだと考えております。…結果として十王編環境がどんな形になるのかはまだ分かりませんが…

あとがき

現象には必ず理由がある…某ドラマの決め台詞でそんなのもありましたね。

実際その通りで、カードが殿堂入りするという現象にも必ず理由があります。

上記の考察をもって、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 が殿堂入りした理由を紐解いていきました。

今になって思えば、決して強いと思えないカードでも、当時は一強ともいえる環境を作っていたからとか、当時はゲーム性を否定するレベルのコンボを作っていたからだとか…そういった理由が大半を占める中、《 暴龍警報 》が侵略の補助として有用すぎた…等の、先の時代を見据えたが故の殿堂入り…というケースも存在します。今回はそれに該当するものだと分析しました。

新しく殿堂レギュレーションが更新されるたび、プレイヤーは一喜一憂します。それは自分たちのプレイ環境に少なからず影響を及ぼすからではないでしょうか?

前述の通り、 《Dの牢閣 メメント守神宮 》 の殿堂入りに対しては嘆きの声が非常に多かったように思います。

しかし、それを理不尽な殿堂入りだと決めつけるのではなく、過去の歴史や、今後のデュエル・マスターズの趨勢を考慮して、理由を突き詰め是非を問う。

こういった視点を持って、 デュエル・マスターズ というゲームに対峙することで、これまでとは違った側面を垣間見ることもできるのではないでしょうか?

時の流れの中で、王者だけがその力を研ぎ澄まし、次の時代を見据えていた。

このフレーバーが指し示すように…私も王者に…?

(冗談です。ただの弱小プレイヤーですよ。)

それでは最後に、トレカライターガーデンという場を提供して下さったカーナベルのスタッフの方々と、そして何より、私の記事に目を通してくださった全国の読者の方々に無上の感謝を。

今回はここで筆を置かせていただきます。いずれまた機会があれば、記事を執筆させていただくかもしれません。


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