はじめに
はじめまして!今回トレカライターガーデンに参加して記事を書かせていただきます小心Dと申します。復帰勢なのであまりデュエマへの知識は深くないのですが何卒よろしくお願いします!
目次
デッキ作成の動機 ~舞うはGR、奏でるは核戦争の調べ~
僕がデュエマに復帰したのは双極編開始直前。そこからずっと『黒単デ・スザーク』を握り続けてきた僕でしたが、突如として人権を奪われることとなりました。そうです。GRです。
いとも簡単に盤面を5~6面並べられる上におまけで大量ドローしたりバウンスしたり踏み倒ししたりしてくるので、タップインごときでそれを止められるはずもなく、ボロクソに叩きのめされてあえなく僕はスザクを一軍として使用することを断念しました。そしてそれから使い始めたデッキタイプが、今回紹介するデッキでもある『アナカラーデッドダムド』になります。
その後アナダムドはひと月ほど環境をアナカラー一色に染め上げましたが、そこでも我らの行く手を阻むのはGRでした。
アナダムドでは共に戦い、何だGRも結構いい奴じゃないかなんて思っていたのもつかの間、《BAKUOOON・ミッツァイル》によって大増殖した彼らは《SSS級天災デッドダムド》によって処理する間もなく我々を焼き殺していきました。
《BAKUOOON・ミッツァイル》が殿堂入りし、僕はようやく我等安住の地が訪れることかと胸をなでおろしましたが、そのあとに待っていたのはミッツァイル以上にコントロールに当たりの厳しいループマスターズでした。
そしてその勢いは新章十王編になってからも衰えることはなく、メタカードをぶち破って生き抜いた『ドッカンデイヤーループ』が環境トップの不動の座につき、コロナウイルスによる大会自粛もあって十王編が訪れたことに気づくものはいません。少なくとも僕が復帰してからは初めての『新たな風の吹かない新章スタート』となりました。
環境の停滞、それもデュエルマスターズの面白みである『シールドを攻撃する』というギミックを完全否定するループが環境トップに居座り続けるとなれば、新規参入の高い壁となってしまいます(あくまでも個人的な意見です)。
僕はこの環境を変えたいと思うと同時に、自分の大好きだった『アナカラーデッドダムド』の復権を狙おうと思いました。幸いにも十王編第一弾によって多くの強化を手に入れたこのデッキは、使い方次第では環境でまだまだ戦えると思い、今回この記事を執筆しようと思ったわけです。
デッキ紹介 ~ダムドのち大樹王~
さて前置きも済んだところで、取り敢えず僕が作った『零龍ギガンディデッドダムド』の完成系がこちらになります。
ここからは詳細解説になります。まずはデッキのキーパーツとなる《大樹王 ギガンディダノス》の能力の確認から。
【クリーチャー】
【種族】ジャイアント・ドラゴン/不死樹王国
【文明】闇/自然
【コスト】12
【パワー】50000
■ワールド・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手は自身の手札をすべてマナゾーンに置く。
■自分は、このクリーチャーよりパワーが小さいクリーチャーに攻撃されない。
■フシギバース(14/闇/自然)(自分のクリーチャーを1体タップしてマナゾーンに置き、 (14/闇/自然) からそのクリーチャーのコストを引いた数のコストを支払って、このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。ただし、コストは (2/闇/自然)より少なくならない。)
ハンデスと攻撃ロックによる高い妨害性能、パワー50000ワールドブレイカーという規格外のフィニッシュ力を兼ね備えたスーパーカードです。
そして何よりも大きな特徴が、十王編から新たに登場したネームド能力の一つ『フシギバース』によって墓地からの召喚が可能である点。ただ早期着地しやすいだけでなく、盤面への復帰もしやすいという素晴らしい能力です。
そしてこのカードと相性のいいカードとして発売前から騒がれていたカードが《SSS級天災 デッドダムド》になります。
侵略元となることのできる文明は三色。さらにあらゆるゾーンから飛んでくることのできる侵略能力によって一時は環境の覇者にまで上り詰めたこのカードですが、今回は簡単に場に出すことのできる8コストクリーチャーということで注目が集まりました。
色もあっており、サポートも豊富。本体も妨害性能に優れているということでこれ以上ないくらいのシナジーの良さを誇っています。
そしてこの二枚のカードを最もスムーズに使うことのできると僕が考えた構築が上のものになります。かなり単純なつくりになっていますが、それぞれのカードにもちゃんと役割があるので、それを今から解説していきたいと思います。
《*/弐幻ムクチューン/*》
【 オレガ・オーラ】
【種族】 トリックス/ デリートロン
【文明】 水
【パワー】+2000
【コスト】4
■これをクリーチャーにつけた時、カードを3枚引き、その後、自分の手札を2枚捨てる。
「手札捨てたいのはわかるけど何でこのカード?」って思った人は絶対多いと思います。その理由はこのカードの細かいところに由来します。
当然ながら「カードを引いて捨てる」という効果を持ったカードは多くあり、何も考えずに手札を捨てたいだけならばこのカードのほかにも《*/零幻ルタチノ/*》や《サイバー・チューン》なども採用候補として挙がってきます。
そんな中で僕がこのカードを採用した理由はいくつかあります。
一つ目はこのカードがオレガ・オーラであることにあります。GRに対して並々ならぬ憎しみを抱いている僕ではありますが、同時にGRに助けられた経験が多いのも事実です。ドローソースとなるだけでなく、GRによって追加のアドバンテージを得ることができるオレガ・オーラという分類であるだけでそのほかのカードより高い採用価値を持っています。
オレガ・オーラのライバルとしては《*/零幻ルタチノ/*》が存在しますが、このカードは手軽に手札を捨てられる分ドローソースとしての役割が薄く、手札枯渇の起こりやすいこのデッキとの相性があまりよくないです。多少マナコストをかけてでもこちらの方がデッキの回りが良くなると考えて採用しました。
《リツイーギョ #桜 #満開》
ご存知GR召喚に対するメタとして刷られたカードです。現環境は凍結していますが、凍結直前のCSにおいてこのカードはGRのデッキを止めることができていませんでした。その理由としてよく言われているのが「1ターンしか相手の動きを止められない」というものでした。
このカードは簡単に除去されるのを防ぐために「相手ターン中パワーが7000になる」という能力を持っています。しかしそれ以外の耐性を持っておらず、例えば『ドッカンデイヤーループ』においては《斬罪 シ蔑ザンド》や《九番目の旧王》などの除去札で除去されてしまいます。
そのためこれらのカードはGR召喚のメタとしてはまともに機能しないと言われていたりします。
しかし僕はそうは思いません。これらのカードはGRのデッキを完全に封殺こそできませんが、かなりの妨害ができていると考えます。何故ならこのカードを使用するために相手はまるまる1ターンを無駄にしなければならないからです。
例えば今回僕が目の敵にしている『ドッカンデイヤーループ』の場合、相手が《リツイーギョ♯桜♯満開》を除去するために使わなければならないカードは先述した2枚ですが、これらを使用するために必要なコストは4~5。手札が減って《MEGATOON・ドッカンデイヤー》着地時の爆発力が減るうえにそのターンはそれ以外のカードをプレイすることができません。しかし相手がこのカードを無視してコンボを発生させることは不可能な以上、この手順を踏むのは必要不可欠になってきます。
つまり何が言いたいかというと、「このカードを立てておけば確実に次のターンが回ってくる」ということです。実質追加ターンってことになりますね。
絶対に中盤までには手札に抱えておきたい上に複数出しておけばほぼゲームエンド級の封殺力になるので4投確定です。
《ウマキン☆プロジェクト》
【クリーチャー】
【種族】 トリックス/サイバー・コマンド/チームウェイブ
【文明】水/自然
【コスト】4
【パワー】0000+
■バズレンダ(2/無色)(このクリーチャーのコストを支払う時、追加で (2/無色)を好きな回数支払ってもよい。このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、その能力を1回と、追加で (2/無色) 支払った回数、使う)
→自分の山札の上から2枚を見る。そのうちの1枚を手札に加え、もう1枚をタップしてマナゾーンに置く。
■パワード・ブレイカー(このクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
■自分のマナゾーンにあるカード1枚につき、このクリーチャーのパワーを+1000する。
主な使い道は《天災 デドダム》の5~6枚目になります。墓地を増やす能力は持っていないので多少使い勝手は悪いですが、終盤ではトリガー封殺札である《奇天烈 シャッフ》を探しにいったり、あるいはなかなか《大樹王 ギガンディダノス》がめくれなかった際にマナを貯めることでファッティとなりフィニッシャーになったりします。マナ基盤としても優秀なので使い道がない時は遠慮なくマナにおいても活躍してくれます。
侵略元としても優秀ですが、あまり多くても使わないので2枚採用です。
《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》
万能の封殺札です。最強です。《リツイーギョ #桜 #満開》の5枚目として使うこともありますが、最も多いのはフィニッシュの際のトリガーケアになります。《終末の時計 ザ・クロック》などは《奇天烈 シャッフ》で止めることができないので、そういった封殺の穴をカバーします。
しかしこのカードが無くてもなんとかなる試合もそれなりに多く、この枠は他のカードに変えてもいいかと思います。どんなものがいいかは後述します。
《復讐 ブラックサイコ》
サポートが主な役割になります。ハンデスは《大樹王 ギガンディダノス》に任せても問題ないのですが、それでは間に合わない時もあるのでこのカードを採用しています。また、貴重な黒単マナであり、序盤の初動をスムーズにするためには不可欠な単色カードなので、交換する際は同じ黒単カードと入れ替えるようにしてください。
《滅亡の起源 零無/零龍》
このカードが採用されていることにタイトルの時点で疑問に思った方もいるでしょう。この案は友達からもらったものなのですが、僕も最初は疑問でした。
主な役割はフィニッシュ力の増加とデッキの潤滑剤としての役割です。四つの儀式が存在しますが、そのうちほとんどがデッキにとって有利に働く能力を持っています。
カードを自分の墓地からバトルゾーンに出した時、この零龍星雲を自分の《滅亡の起源 零無》にリンクしてもよい。そうしたら、自分の山札の上から2枚を墓地に置く。
例えば『復活の儀』は《SSS級天災 デッドダムド》を墓地から侵略した際に発動し、デッキの上2枚を墓地に送ります。これにより、《大樹王 ギガンディダノス》が墓地に落ちる可能性がわずかに増します。
自分のターンの終わりに、手札が1枚もないプレイヤーがいれば、この零龍星雲を自分の《滅亡の起源 零無》にリンクしてもよい。そうしたら、GR召喚する。
他にも『手札の儀』は《大樹王 ギガンディダノス》着地直後に発動すれば打点形成になり、その他のタイミングで自分の手札が尽きたときに発動すればリソースの回復が見込めます。
零龍クリーチャー:マスター・ドラゴンZ パワー0
ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする) このクリーチャーが零龍卍誕した時、そのターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを0にする。このクリーチャーは、パワーが0以下の間バトルゾーンを離れず、すべてのバトルに勝つ。 このカードがバトルゾーン以外のゾーンにあれば、自分はゲームに負ける。
本体性能もかなり高く、場を離れないワールドブレイカーということで、卍誕すればそのまま勝負を決めれてしまう高いフィニッシュ力を備えています。そのような面もあり、対戦相手に高いプレッシャーを与えることができることを考慮して、今回は採用しました。
他に採用が検討できるカード
今回デッキに入れてはいませんが、好みや環境によって採用が見込めるカードを一気に紹介します!
《機術士ディール/本日のラッキーナンバー!》の枠に入るカードになります。《光牙忍ハヤブサマル》はこのデッキが苦手とするアグロタイプへの対抗策として優秀ですし、《フェアリー・ギフト》はマナが足りない事故を起こりにくくします。《闘争類喧嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》はGRに頼っている以上不確定要素となっている墓地メタをより確実に発動させられる上、それによってGRから墓地メタを除くことができるので確実にGRによるアドバンテージを得ることができます。
《怒流牙 佐助の超人》はビートダウン対面でスムーズにフシギバースの用意を整えることができます。マナの枯渇、手札の入れ替えなども兼任するため非常に優秀ですが、今回の構築ではループ対面を優先しているのに加え、枠の不足なども相まって不採用としました。しかし強力であることに変わりはないため、十分に採用が検討できます。
デッキの回し方解説 ~初心者流ダム道場~
このデッキの最も基本的な流れは
1、 2ターン目にマナ加速
2、 3ターン目に《天災デドダム》を着地
3、 メタカードを配置。《天災デドダム》で攻撃して《SSS級天災デッドダムド》に侵略
4、 《SSS級天災デッドダムド》をマナに送ってフシギバースで《大樹王ギガンディダノス》を着地。
5、 《奇天烈シャッフ》《機術士ディール/本日のラッキーナンバー!》を使ってシールドトリガーを封殺してフィニッシュ
となります。この場合、2から3ターンの間に《大樹王 ギガンディダノス》を墓地に送る必要があるので完全に運ゲーになります。これが上手くいかず、《大樹王 ギガンディダノス》が手札に来てしまった場合は、手順3以降のタイミングで《*/弐幻ムクチューン/*》を使って墓地に送ります。また、《天災 デドダム》が手札に来なかった場合は、その場の状況に合わせてマナ加速するかメタカードを張って対処します。《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》などはなるべくフィニッシュまで残しておきたいカードですが、出し惜しみして負けてしまっては元も子もないので封殺札がこれしかないという状況になったら遠慮なく使ってください。
このデッキは基本的にミッドレンジに近い動きをしますが、それらのデッキほど速くはないので時としてコントロール的な動きをする必要もあり、その際にどのカードをどう使うかは純粋にプレイヤースキルが試されます。
個人的に感じた回す際のポイントは、
「《大樹王 ギガンディダノス》を無理に立てようとしない」
「最速で動くことより相手の遅延を優先する」
「零龍の儀の達成を忘れない」
などです。特別なものは何もなく、ある程度回していればそのうち慣れると思うので、最初はうまくいかなくても何度も練習すれば勝てるようになります(多分)。
実際にリモートデュエルで回してみたところ、対戦したデッキは『青黒ハンデス』『5cドギラゴン剣(バーンメア採用型)』『5c蒼龍』『ドッカンデイヤーループ』の4つでしたが、全勝でした。どのデッキタイプに対してもある程度強く出ることができるのがこのデッキの強いところなので、使いこなせば環境デッキをも倒すことができるポテンシャルを秘めていると僕は確信しています。
しかし、このデッキが唯一勝つのが難しいデッキタイプが存在します。
それはキリフダッシュです!
《無修羅デジルムカデ》で一応の対応が可能ですが、着地が間に合わないことが意外にも多く、回してこのデッキが一番苦戦したデッキが最速でモモキングを場に出してくる『ドラ息子型モモキング』でした。
僕がなぜこの記事のタイトルを「環境を変えろ!」にしたのか、その最大の理由はここにあります。
つまり、このデッキが環境にいるGR乱射デッキをなぎ倒す→このデッキに有利対面のキリフダッシュが使われ始める→さらにこのデッキに有利なデザイナーズコンボを備えたチームのデッキが使われる→環境は十王編中心に変動していく
ということです。このデッキが上手くGRデッキを倒すことができれば、環境全体を大きく変えることができるのではないかと考えました。
最後に
いかがだったでしょうか。このデッキは結構前から考えていたものなのですが、僕が遅筆すぎるせいで記事にするのがかなり遅くなってしまいました。
しかし今回僕が紹介したのは当然ながら数多ある構築のうちの一つにすぎません。僕より構築が上手い人がいれば、まず間違いなくもっといい構築が出来上がると思います。それでも僕がここで記事を多くの人に見てもらい、皆さんにこのデッキに対する興味を持ってもらいたいと思ってこの記事を作成しました。
現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛によりGP10thが中止になるなど、カードゲーム業界は下火になってきていますが、そんな中でもデッキ構築を考えるなど、できることはたくさんあるはずです。この状態がいつまで続くかはわかりませんが、いつか自粛が解かれたときに思いっ切り楽しめるように今のうちに一人一人に出来ることはやっておきましょう!
そして皆さんも興味が湧いたらぜひ自分なりのギガンディダムドを組んでみてください!
それでは、最後にこの場で記事を書かせてくださったガチまとめ運営の皆様とここまで読んでくださった読者の方々に最大限の感謝をしてこの記事を終わろうと思います。
本当にありがとうございました!