はじめに
2019年8月。ちょうど今から1年前に産声を上げた【アナカラーデッドダムド】は、他の追随を許さない圧倒的なボードコントロール力で当時の環境を瞬く間に席巻しました。
【アナカラーデッドダムド】がシーンを支配する中、山形で開催された超CSを制したのは、しかし水闇自然の3色で構成されたデッキではありませんでした。
超CSⅢを制し、その後も9月末に始まる新環境までの間、「デッドダムドキラー」として一定の地位を確立した呪文コンボデッキ。それこそが【青魔導具】です。
1年の時を経て【アナカラーデッドダムド】が環境に舞い戻るというのであれば、私たちはこのデッキの存在を思い出さないわけにはいかないでしょう。
今回はそんな【青魔導具】の「今」について解説していきたいと思います!
また、デッキを組みたくなった方はそのまま【青魔導具】に関するカードをまとめて購入することもできます!
当日の15時までにご注文頂ければ、即日発送で【青魔導具】のデッキパーツをお届けします。
目次
【青魔導具】とは
【青魔導具】というデッキの大部分は、「《堕呪》」の名を冠する水文明の魔導具呪文で構成されています。
デュエル・マスターズにおいて唯一である「無月」フィールド、《卍 新世壊 卍》を設置したのちに、4枚の軽量《堕呪》を唱えて「無月の門99」の条件を高速で達成。
その能力でExターンを獲得しながら種族「ドルスザク」持ちの大型クリーチャーを4体までバトルゾーンに送り込み、明くるターンに召喚酔いの解除された打点をぶつけてダイレクトアタックによって勝利するデッキです。

【 無月フィールド 】
文明 水 / コスト2
■自分の魔導具呪文を唱えた時、唱えた後で墓地に置くかわりに、このフィールドの下に置いてカードを1枚引いてもよい。
■自分の魔導具呪文またはドルスザク呪文を唱えられなくする能力を無視する。
■無月の門99:自分のターンの終わりに、このフィールドの下に4枚以上カードがあれば、ゲーム中で一度、水のコスト99以下の呪文を1枚、自分の手札または墓地からコストを支払わずに唱えてもよい。

【 呪文 】
種族 ドルスザク / 文明 水 / コスト99
■ドルスザクを4体まで、自分の手札または墓地からコストを支払わずに召喚してもよい。
■このターンの後で自分のターンをもう一度行う。
採用されている《堕呪》の多くは「カードを1枚以上手札に加える」ことのできる呪文であり、これに《卍 新世壊 卍》の追加ドローが加われば、手札は減らないばかりか、自然と増えていきます。
大量ドローは素早くデッキを掘り進めてコンボパーツを集めるのに役立つだけでなく、《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》をはじめとしたボードへの干渉手段を頼りにすることで真正面からリソース勝負を仕掛けることもできるようにしてくれます。
もうひとつの環境的に明確な強みとしては、「呪文コンボデッキでありながらも《卍 新世壊 卍》によって呪文ロックが通りづらい」という部分が挙げられます。
■自分の魔導具呪文またはドルスザク呪文を唱えられなくする能力を無視する。
《卍新世界卍》より能力を一部抜粋
「ドラリンパック」に収録され頭角を表した《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》をはじめ、《ジャミング・チャフ》や《奇天烈 シャッフ》などの環境の定番となっている呪文に的を絞ったカード群。
呪文コンボデッキ対策はこれらの呪文封殺手段に大きく偏っている場合が多く、それらを貫通してコンボを遂行できるのは他の呪文コンボにはない特色です。
【青魔導具】の回し方
①何はなくとも《卍 新世壊 卍》!
まずはデッキコンセプトである《卍 新世壊 卍》を設置しにいきましょう。引けなかった場合であっても山札を掘る手段は豊富に用意されています。全力で探しに行くが吉。
2ターン目に設置できれば言うことなしですが、3ターン目でも十分に間に合います。4ターン目以降になりそうな場合でも間に合わないことはないですが、《堕呪 ゾメンザン》の使い方が重要になってきます。

【 呪文 】
種族 魔導具 / 文明 水 / コスト1
《堕呪 ゾメンザン》は単体では何もできないため《卍 新世壊 卍》が引けていないと邪魔なように見えますが、《卍 新世壊 卍》の着地が遅れた場合でも素早く《堕呪》カウントを進めてくれるため、素早く《卍 新世壊 卍》を置けそうにない時こそ、複数枚キープ推奨です。
②手札を調整しつつ、《堕呪》連打で目指せカウント4!
《卍 新世壊 卍》の設置後は一目散に《堕呪》を連打し、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を唱える準備をしていきます。
ドローソースを使って魔導具呪文を連鎖させていくのはもちろんですが、せっかく無月の門99を開いたとしても、踏み倒すドルスザクの枚数が不十分であれば意味がありません。
《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》や《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》は 採用率が高いドルスザクですね!
最低でも《凶鬼卍号 メラヴォルガル》2枚+α、できる限りは《凶鬼卍号 メラヴォルガル》を3枚以上出せるように手札を調整していきたいところです。

【 クリーチャー 】
種族 マフィ・ギャング / デーモン・コマンド / ドルスザク / 文明 闇 / パワー11000 / コスト8
■無月の門:自分の魔導具をバトルゾーンに出した時、自分の魔導具をバトルゾーンと墓地から2つずつ選び、このクリーチャーを自分の手札または墓地からそれら4枚の上にコストを支払わずに召喚してもよい。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のシールドを2つブレイクする。その後、自分のシールドを2つブレイクする。
■自分のシールドが1つもなければ、このクリーチャーに「ブロッカー」を与える。
《堕呪》とフィニッシュパーツの取捨選択を楽にしてくれるのが《堕呪 バレッドゥ》。
《卍 新世壊 卍》と《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》はどちらも墓地から対象のカードをの踏み倒す効果を持っています。
《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》やドルスザク関連のカードを優先的に捨てることで実質的に損失なく手札を増やせます。

【 呪文 】
種族 魔導具 / 文明 水 / コスト2
■カードを2枚引く。その後、自分の手札を1枚捨てる。
ただし、【カリヤドネループ】や【零龍ギャスカ】などの墓地利用デッキが隆盛している環境では、墓地対策も多くなりがち。
墓地に送った 《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》やドルスザク関連のカード が山札に戻されては、フィニッシュが遅れてしまいます。
相手のデッキ構成に注視しつつ、パーツをやむなく墓地に落とす際には、できる限りギリギリのタイミングを狙うようにしたいところです。
《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》《龍素記号 Xf クローチェ・フオーコ》には気を付けたいですね・・・
また、余裕があれば2枚目の《卍 新世壊 卍》を探しにいくのも有力な選択肢になります。
2枚目の《卍 新世壊 卍》設置後、《凶器卍号 メラヴォルガル》でブレイクしたシールドからトリガー付きの《堕呪》が何枚かめくれれば、Exターン中に数枚の《堕呪》を追加してもう1度《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を唱えることができます。
最上級の押し込み手段になるのでぜひ覚えておきたいところですが、これはもちろん1枚目を安全に着地させられた先での話。
まずは、大前提がきちんと達成できるかどうかをしっかりと吟味しましょう。
③《月下卍壊》で一気にゲームを畳め!
カウント4を見届けたうえでフィニッシュを見込める準備が整っているなら、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を躊躇なく発射していきましょう。
対面のトリガー採用枚数によって前後することはありますが、基本的には先ほども述べたように、最低でも《凶鬼卍号 メラヴォルガル》2枚+α、可能であれば《凶鬼卍号 メラヴォルガル》3枚+αが安定したフィニッシュの基準になります。
《光牙忍ハヤブサマル》をはじめとしたブロッカーをケアするためには《卍 ギ・ルーギリン 卍》が必要になります。万全を期すのであれば1枚はあることが望ましいです。
【青魔導具】には相手のトリガーを直接ケアする手段はありませんがデュエル・マスターズのルール上、通常のシールドブレイクとは異なった挙動で間接的にトリガーのケアができます。
※覚えておきたいルール
「 誘発している登場時能力の解決はターンプレイヤーが優先」
「誘発しているS・トリガーの解決はターンプレイヤーが優先」
「S・トリガーした呪文は、使用宣言→効果解決までが一連の流れ」
「S・トリガーしたクリーチャーは、宣言→バトルゾーンに出すまでが一連の流れ(登場時能力はトリガーとしては解決できない)」
クリーチャーの登場時能力はターンプレイヤーのものから順に、割り込まずに解決されます。
仮に1体目の《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の能力で相手の《終末の時計 ザ・クロック》を踏んだとしても、残りの《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の能力は先に解決できます。
逆にこちらから《終末の時計 ザ・クロック》を採用し、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の能力で踏み抜いて相手のトリガークリーチャーの登場時能力をすべてスキップさせるという、裏ワザのようなトリガーケア手段もさかんに用いられています。
受け手段をデッキに多く用意したい環境であれば、《終末の時計 ザ・クロック》の採用は十分理に適った選択肢だといえそうです。
ひるがえって、呪文トリガーの割り込みを避けることはできません。
都合4体の大型ドルスザクが一気に集結するため、除去しきるのは容易ではありませんが、トリガーの埋まり方次第では不可能でないのも事実です。
その場合は、《卍 ギ・ルーギリン 卍》や《卍月 ガ・リュザーク 卍》などの「虚無月の門」「無月の門・絶」を自身の呪文トリガー解決ののちに解決させて、安全な打点を確保するテクニックがあります。
カウント4に達したあとの《堕呪》を《卍 新世壊 卍》の下に入れてドローを進めるべきか、それとも墓地に落としてドルスザクの開門に使うべきかは慎重に判断しましょう。
ドルスザクが相手のトリガーで全滅させられた場合、ターンの終了時に墓地から 《卍月 ガ・リュザーク 卍》 を出せるように魔導具呪文を墓地にためておくプレイも意識しよう!
【青魔導具】の構築
【青魔導具】の「確定枠」


異論がある方もいらっしゃるとは思いますが、今回はここまでを確定枠とします。
【青魔導具】は自由度が低いなりに、パーツの選択肢が多いのが特徴です。特に2マナ域のチョイスについては環境に依る振れ幅があり、明確な根拠を持って確定枠を定めるのが難しいデッキでもあります。
今回は執筆時(8月下旬)における直近1ヶ月程度のCS入賞リストに採用されていたカードの枚数をカウントして平均値を割り出し、それを考慮しつつ独断と偏見を交え確定枠を定めさせていただきました。
4枚採用となっているのは《堕呪 ゾメンザン》、《堕呪 ゴンパドゥ》、《卍 新世壊 卍》、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》。
これらのカードが【青魔導具】というデッキの中核を為しています。
《堕呪 ゾメンザン》

【 呪文 】
種族 魔導具 / 文明 水 / コスト1
能力のないカードでありながら、《堕呪 ゾメンザン》は多くのリストにおいて迷いなく4枚採用されていました。
最高速を引き上げるのはもちろん、《卍 新世壊 卍》の設置が遅れた際にも複数枚使いたいカードになりますから、枚数を増やしたいのは必然とも言えるでしょう。
唱えた呪文の枚数がカギを握る【青魔導具】において、マナを余すことなく活用できる《堕呪 ゾメンザン》は見た目以上に重要になってきます。
《堕呪 ゴンパドゥ》

【 呪文 】
種族 魔導具 / 文明 水 / コスト2
■自分の山札の上から3枚を見る。その中から1枚を自分の手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。
高い柔軟性を買われて4枚採用されているのが《堕呪 ゴンパドゥ》。
山札を掘れる枚数が《堕呪》で最も多く、2ターン目までに《卍 新世壊 卍》を置けなかった場合に最もプレイしたい2マナ域になります。
《卍 新世壊 卍》設置後も、その柔軟性は健在。コンボパーツはもちろんのこと、1枚差しの増えがちなこのデッキの自由枠をピンポイントで探すのにも一役買ってくれる万能選手です。
3枚採用の《堕呪 バレッドゥ》、《堕呪 カージグリ》、《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》。2枚採用の《堕呪 ギャプドゥ》、《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》。1枚採用の《堕呪 ウキドゥ》。
これらは「何もなければもう1枚入れるけど、環境に合わせてメタカードを入れたい際に枚数を調整する枠」とでもいうべきカード群です。
手札の減らないコスト2《堕呪》群の中では、山札に触る枚数の多い《堕呪 ゴンパドゥ》が頭ひとつ抜けて優秀で、他のカードはある程度の優劣はあれど一長一短です。
絶対に優先すべき基準はあまりなく、環境との兼ね合いで枚数はかなり変わってきます。
《堕呪 バレッドゥ》

【 呪文 】
種族 魔導具 / 文明 水 / コスト2
■カードを2枚引く。その後、自分の手札を1枚捨てる。
《堕呪 バレッドゥ》はシンプルに優秀で、墓地をもリソースとして活用できるこのデッキでは最も採用しやすいカードです。
一方で、トリガーがついておらず、防御的な使い方ができないのは難点です。また、墓地メタが豊富な環境では裏目を踏むことも少なくありません。
《堕呪 ギャプドゥ》

【 呪文 】
種族 魔導具 / 文明 水 / コスト2
■スーパー・S・トリガー(この呪文を自分のシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい。その時自分のシールドが1つもなければ、この呪文にxB能力を与える)
■カードを1枚引く。
xB次の自分のターンの終わりまで、相手のクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
《堕呪 ギャプドゥ》はトリガーがついているのが最大の利点。自分の《凶鬼卍号 メラヴォルガル》で踏み抜いて2枚目の《卍 新世壊 卍》やドルスザクの開門に役立ってくれます。
SSTについても《零龍》のような大打点一発でシールドを割り尽くすフィニッシャーに対しては一定の効力があり、《H・センボン》を採用する場合はシールドが0ないし1枚の局面で仕込むと安定してターンを得られます。
ただし、手札に来た際には他と比べて効率の悪いドローでしかなく、S・トリガーの強みを活かしづらい環境では、あまり積極的に枚数を取りたいカードでないのは確かです。
《堕呪 ウキドゥ》

呪文 】
種族 魔導具 / 文明 水 / コスト2
■いずれかのプレイヤーのシールドを1つ見る。それを持ち主の墓地に置いてもよい。そうしたら、そのプレイヤーは自身の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとしてシールドゾーンに置く。
■カードを1枚引く。
《堕呪 ウキドゥ》は「シールドを確認できる・墓地に置ける」という唯一無二の強みを持っています。
シールドに埋まっていたドルスザクを墓地に落としたり、自分のトリガーではないシールドをリフレッシュしてトリガーチャンスを増やしたり、はたまた相手のトリガーやギャラクシールド持ちを墓地に置いたり。
汎用性が高いわけではありませんが、「あるとないとで出来ることが全く変わってくる」のが、《堕呪 ウキドゥ》を1枚でも確定枠としている大きな理由になります。
《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》

【 呪文 】
種族 ドルスザク / 文明 水 / コスト99
■ドルスザクを4体まで、自分の手札または墓地からコストを支払わずに召喚してもよい。
■このターンの後で自分のターンをもう一度行う。
《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》は「1枚あれば多くの場合で十分なものの、2枚触りたくなる展開もなくはない」という微妙なラインを攻めた結果の3枚採用。
とはいえ、《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》の弾としても最有力であり、このカードをこれ以上削ることはないと言っていいでしょう。
これらのカード群をベースに、自由枠のカードを加えてデッキを調整していくことになります。
【青魔導具】の「自由枠」


確定枠に入ったカードの追加分も含め、この辺りがよく採用される自由枠となります。
自由枠に採用されるカードの多くは1枚刺しが前提になります。そのため、ピンポイントでも明確かつ劇的な役割を持てるカードが多いですね。
《お届け!スタートデッキ 》

【 呪文 】
文明 水 / コスト1
■自分の山札の上から3枚を見る。その中から、自分のマナゾーンにあるカードの枚数よりコストが1大きいカードを1枚選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。残りを好きな順序で山札の一番下に置く。
《お届け!スタートデッキ》は採用例が少ないものの、相性のいいカードとして紹介します。「2ターン目に《卍 新世壊 卍》を着地させないと安心して夜も眠れねえ!」というあなたにオススメです。
採用例が少ないのは、おそらく1ターン目が賞味期限の、文字通り「腐りやすい」カードであるためでしょう。
3ターン目に2+1で動いて《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》を引きにいく場面は無きにしもあらずや。
《光牙忍ハヤブサマル》

(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ガーディアン / シノビ / 文明 光 / パワー3000 / コスト3
ニンジャ・ストライク4(相手のクリーチャーが攻撃またはブロックした時、自分のマナゾーンにカードが4枚以上あり、その攻撃中に「ニンジャ・ストライク」能力を使っていなかった場合、このシノビをコストを支払わずに召喚してもよい。そのターンの終わりに、このシノビを自分の山札の一番下に置く)
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、次の自分のターンのはじめまで、バトルゾーンにある自分のクリーチャー1体は「ブロッカー」を得る。
《光牙忍ハヤブサマル》は、《卍 新世壊 卍》着地後に大量の手札を抱えやすい【青魔導具】において、最も安心できる受け手段です。
基礎スペックの高さは実績が証明してくれています。マナが伸びにくいこのデッキではニンジャ・ストライクの要求マナが抜群に低く、なおかつ相手を選ばないのが嬉しいですね。
《H・センボン》

【 クリーチャー 】
種族 サイバー・ウイルス海 / 革命軍 / 文明 水 / パワー2000 / コスト3
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のシールドをひとつ、手札に戻す。
ただし、その「S・トリガー」は使えない。
そのターンの終わりに、自分の手札を1枚、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに裏向きにして置く。
《H・センボン》は希少なシールド回収・トリガー仕込みカード。
シールドが1枚もない状態からでもトリガーを仕込めるため、《終末の時計 ザ・クロック》や《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》といった面ストップ手段と組み合わせてターンを稼げるのが魅力です。
また、《卍 新世壊 卍》の「魔導具・ドルスザク呪文を唱えられなくする能力を無視する」能力が機能している間は、シールド入れ替えによく見られる「ただし、その『S・トリガー』は使えない」能力を無視してトリガーを使うことができます。
運良く、あるいは《堕呪 ウキドゥ》などで確認してS・トリガー付きの《堕呪》を踏み抜くことができれば、トリガーを仕込みながらカウントを進めることができるのも便利な点ですね。
《終末の時計 ザ・クロック》

【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジMAX / 文明 水 / パワー3000 / コスト3
■S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、ターンの残りをとばす。(次のプレイヤーのターンをすぐに始める)
《終末の時計 ザ・クロック》は文明が合致する受け手段であるだけでなく、先述のトリガークリーチャーをケアするテクニックと相まってデッキとの相性が良く、殿堂施行以降の殴り合いが増えた環境においては3枚前後の採用が珍しくなくなりました。
《凶鬼卍号 メラヴォルガル》から出れば追加の打点になり、相手のトリガー要求が厳しくなるのも重要なポイントです。
注意点として、《終末の時計 ザ・クロック》を使ったトリガーケアを前提とする場合、ターン終了時に誘発する《卍月 ガ・リュザーク 卍》の「無月の門・絶」が使えなくなることは覚えておきたいですね。
《堕呪 エアヴォ》

【 呪文 】
種族 魔導具 / 文明 水 / コスト4
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■バトルゾーンにある、コスト7以下のカードを1枚選び、持ち主の手札に戻す。
《堕呪 エアヴォ》は基本的には弱い《堕呪 カージグリ》ですが、その特性上いくつかの利点があるため1〜2枚採用されることがあります。
まず、「自分の《卍 新世壊 卍》を剥がして、下に入っていた《堕呪》を墓地に落とせる」点。これは先ほど紹介した「《卍 ギ・ルーギリン 卍》、《卍月 ガ・リュザーク 卍》を使った呪文トリガーケア」を使う際に重要になってきます。
《卍 新世壊 卍》着地後は基本的に《堕呪》が墓地に行かないため、「無月の門」開門に必要な《堕呪》を貯めるのが難しくなります。しかし、《堕呪 エアヴォ》があれば1枚で墓地の《堕呪》を最低5枚は増やすことができるため、開門の達成に大きく近付けます。
次いで、「『最強戦略‼︎ドラリンパック』で追加された特殊なフィールドを剥がせる」点。特に《卍 新世壊 卍》の「無月の門99」が死に能力になる《希望のジョー星》は、それ1枚で詰みかねない危険球です。対抗する手段があるに越したことはないでしょう。
リリース直後はあまり目立った活躍を見せていなかった《希望のジョー星》ですが、侵略を多用する【アナカラーデッドダムド】の流行を受けて徐々に注目を集めています。
先月発売の「龍魂紅蓮譚」に収録された、マナゾーンにある文明を参照してドラグハートを出すドラグナーたちにも強烈に突き刺さる能力であるため、《希望のジョー星》と遭遇する機会は今後増えていきそうです。
今後の入賞リストにおける《堕呪 エアヴォ》の枚数には要注目ですね。
《MEGATOON・ドッカンデイヤー》

(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ビートジョッキー / ワンダフォース / 文明 火 / パワー5000 / コスト5
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の手札をすべて捨てる。
■自分の手札を1枚捨てた時、GR召喚する。(GR召喚:自分の超GRの上から1枚目を、コストを支払ったものとして召喚する)
《MEGATOON・ドッカンデイヤー》はメタ手段を乗り越えて「雑に勝つ」ためのサブプランとして採用されています。
使用する場合の超GRゾーンは、火文明統一・《ソニー・ソニック》&《“魔神轟怒”ブランド》全ツッパの瞬間火力に特化した構成がベーシックです。
《卍 新世壊 卍》を引けなかった・間に合わなかった場合にハンドキープしながら暴発させてワンチャンスを掴みにいくほか、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》を完遂しながら相手のトリガーによって捌き切られてしまった場合でも、二の矢として過剰打点で圧殺を狙えます。
これまたあるとないとでゲームに対する見方が変わるカードなので、ぜひとも1枚採用したいカードです。が、なくても【青魔導具】というデッキ自体は成立し、メインプランには寄与しないので自由枠でのピックアップ。
余談ですが、《ソニー・ソニック》はマナドライブ3(火)、《“魔神轟怒”ブランド》はバトルゾーンに出たクリーチャーと、それぞれ「火文明のカード」を参照してSAを得るため、《希望のジョー星》が貼られていると打点にならず、メインプランともども潰されてしまいます。あな憎し。
《龍素記号 Xf クローチェフオーコ》

【 クリーチャー 】
種族 クリスタル・コマンド・ドラゴン / 文明 水 / パワー6000 / コスト5
■ブロッカー
■G・ゼロ―相手の墓地にカードが5枚以上あれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
■このクリーチャーは攻撃することができない。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、各プレイヤーは自身の墓地のカードをすべて山札に加えてシャッフルする。
《龍素記号 Xf クローチェフオーコ》は主に【カリヤドネループ】や【零龍ギャスカ】などへのメタ手段として採用されます。
相手の墓地さえあれば何ターン目でも使える・マナ不要・文明一致など様々な面で利点が大きく、環境次第では有力な選択肢になるでしょう。
自分自身が墓地を活用できるデッキタイプであるため、脳死で採用できるわけではない点には留意しておきたいです。
特に《堕呪 バレッドゥ》の有用性はこのカードを使用する場合、大きく下がってしまいます。
プレイでケアするのはもちろん、構築の段階から《堕呪 バレッドゥ》の枚数を絞るなどの工夫も考慮したいですね。
《機術士 ディール/「本日のラッキーナンバー!」》

(殿堂カード) 【 ツインパクトカード 】
種族 マジック・コマンド / 文明 水 / パワー6000 / コスト6
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、数字を1つ選ぶ。その数字と同じコストを持つ相手のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
呪文
カード名:「本日のラッキーナンバー!」
文明:水
コスト:3マナ
■数字を1つ選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、相手はその数字と同じコストを持つクリーチャーと呪文を召喚したり唱えたりできない。
《機術士 ディール/「本日のラッキーナンバー!」》は具体的にどこかを狙い撃つカードではなく、幅広く多くのデッキを見られるカードです。
強いて言うのであれば、特定のカードに依存したコンボデッキやGR戦術に対して特に有効でしょうか。
強力なカードであることに間違いはないですが、このデッキのカードとしてはやや重く、革命チェンジや侵略を直接封じ込めることはできないため、やや下火になりつつあるかな? というのが個人的な所感です。
存在自体は頭の片隅に留めておきたいところ。
《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》

【 ツインパクトカード 】
種族 マスター・ドルスザク / マフィ・ギャング / 文明 闇 / パワー11000 / コスト9
■無月の門・絶:各ターンの終わりに、自分の魔導具をバトルゾーンまたは墓地から合計6つ選び、このクリーチャーを自分の手札または墓地からそれら6枚の上にコストを支払わずに召喚してもよい。
■相手のターンのはじめに、相手は自身のマナゾーンのカードを3枚までしかアンタップできない。
■W・ブレイカー
呪文
カード名:卍・獄・殺
文明:闇
コスト:9マナ
■クリーチャーをすべて破壊する。
■すべての墓地にあるカードの合計が13枚以上であり、この呪文が自分のシールドゾーンにあれば、この呪文は「S・トリガー」を得る。
《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》は先述のトリガーケア手段としての活用が中心になるでしょうか。
ビッグマナ系のデッキが押され気味な現在の環境においては、マナロック手段としての活躍はさほど見込めそうにない、というのが本音のところでしょう。
《堕呪 エアヴォ》の項で紹介した高速墓地肥やし手段を使わずに「無月の門・絶」を開門するのはなかなか簡単ではないため、可能であれば《堕呪 エアヴォ》とのセット採用を検討したいカードです。
以前は確定枠の扱いでしたが、枠の調整が難しいためか、現環境では採用しない構築もちらほら見られるようになりました。
【青魔導具】のサンプルリスト
以上を踏まえ、筆者が構築したサンプルリストが以下のものになります。


サンプルリストということで、環境に合わせたチューンは控えめ。「自分の強みを殺さないようにしつつ」「自分の弱点を補う」という単純な方向性で自由枠を埋めています。
実戦で用いるのであれば、
・【青黒カリヤドネ】が流行っているのであれば《龍素記号 Xf クローチェフオーコ》で墓地対策を
・【デイガドラグナー】に勝ちたいなら《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》の増量やトリガーを仕込む《H・センボン》でボードリソースの一掃を狙い
・【アナカラーデッドダムド】に負けたくないなら低コスト《堕呪》を増やして安定した4〜5ターンキルを
などなど、周囲の流行に合わせたチューンを施しましょう!
【青魔導具】の弱点
①コスト増加は無視できない!
呪文ロックは無視できる《卍 新世壊 卍》ですが、《音奏 プーンギ》や《イオの伝道師 ガガ・パックン》など、呪文のコストを引き上げる呪文メタに対しては無力です。
その後のトリガー次第でどうとでもできてしまう部分は否めませんが、少なくとも出鼻を挫くには最適なのは間違いありません。特に、《卍 新世壊 卍》が引けてない場合はドローソースのコストアップが致命傷になります。
稼いだ時間で押し切りを狙いましょう!
②カード除去で《卍 新世壊 卍》をリセット!
複数ターンに分けてのカウント稼ぎが必須になる【青魔導具】は、カード指定除去によって《卍 新世壊 卍》をリセットされると立て直すのに莫大な時間を要します。
複数回に渡って妨害されようものなら、強制ドローによって削れた山札でライブラリアウト負けを喫してしまうことも。
《龍脈術 落城の計》や《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》といった小回りが利くカード指定除去は、受け札になりつつ《DGパルテノン 〜龍の創り出される地〜》や《希望のジョー星》に対しても有効なので、汎用的に使える対策手段です。
「覚醒流星譚」収録の《最終決戦だ!鬼丸ボーイ》もこのカテゴリに属するカードのひとつ。コスト5とやや重いですが、ツインパクト特有の汎用性の高さは魅力的ですね。

【 ツインパクトカード 】
種族 ヒューマノイド / ハンター / エイリアン / 文明 火 / パワー2000 / コスト5
■S・トリガー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、バトルゾーンにある相手のコスト4以下のカードを1枚選び、持ち主の墓地に置く。
呪文
カード名:超次元オニシュラ・ホール
文明:火
コスト:6マナ
■相手のパワー2000以下のクリーチャーをすべて破壊する。
■火のコスト7以下のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
③《希望のジョー星》!

【 D2フィールド 】
種族 ジョーカーズ / 文明 ゼロ / コスト3
このゲームで使うカード、そのコスト、そのテキスト内のコストはすべて、文明を失う。(無色となる)
(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)
無対策の場合、比喩抜きに1枚で詰みます。
かろうじて《卍月 ガ・リュザーク卍》や《卍 ギ・ルーギリン 卍》を打点とすることで勝つ目がないわけではないですが、【青魔導具】側は極めて細い勝ち筋を辿ることになるでしょう。
使えるデッキがかなり限られるカードではありますが、とかくクリティカルなカードであるということは、【青魔導具】を使う場合でも使われる場合でも、覚えておく必要がありそうです。
おわりに
【アナカラーデッドダムド】の隆盛を受けて……なのかどうかは定かではありませんが、低速化した環境に合わせて【青魔導具】というデッキの注目度は間違いなくにわかに上がってきています。
この記事が現環境の【青魔導具】を理解する一助になれば幸いです。
最後に、カーナベルでは【青魔導具】デッキを組みたい方に向けて、今回の記事内で紹介した【青魔導具】関連カードや相性の良いカードを豊富に準備してます!
15時までの注文で即日発送のカーナベルでまとめてデッキパーツを手に入れ、《卍 新世壊 卍》による大量ドロー・《凶鬼卍号 メラヴォルガル》の一斉ブレイクの快感を味わってみてください!