はじめに
満を持して登場する超大型クリーチャー《零龍》
パワー0でありながらあらゆる除去を跳ね返し、相手クリーチャーを一掃する様はインフレを加速させた超天篇のラスボスにふさわしいスペックだといえます。
環境入り待ったなしとされる強カードですが、相手に手札を与えてしまうという無視できないデメリットも持っています。
今回は、全プレイヤーの注目を集めるこの《零龍》について詳しく解説していきます!!
目次
《零龍》の能力と使い方について
滅亡の起源 零無
ゲーム開始時、このカードと異なる4種類の零龍星雲をリンクせずにバトルゾーンに置く。
ゲーム開始時、相手はもう1枚カードを引く。零龍カードはバトルゾーンを離れない。零龍卍誕:自分の4枚目の零龍星雲をこのカードとリンクした時、5枚全部を裏返して1体のリンクしたクリーチャーにする。
手札の儀
自分のターンの終わりに、手札が1枚もないプレイヤーがいれば、この零龍星雲を自分の《滅亡の起源 零無》にリンクしてもよい。そうしたら、GR召喚する。
破壊の儀
クリーチャーが破壊された時、このターン中、他に2体以上破壊されていたら、この零龍星雲を自分の《滅亡の起源 零無》にリンクしてもよい。そうしたら、闇のカードを1枚、自分の墓地から手札に戻す。
復活の儀
カードを自分の墓地からバトルゾーンに出した時、この零龍星雲を自分の《滅亡の起源 零無》にリンクしてもよい。そうしたら、自分の山札の上から2枚を墓地に置く。
墓地の儀
カードを自分の墓地に置いた時、自分の墓地にカードが8枚以上あれば、この零龍星雲を自分の《滅亡の起源 零無》にリンクしてもよい。そうしたら、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-3000する。
零龍
零龍クリーチャー:マスター・ドラゴンZ パワー0
ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)このクリーチャーが零龍卍誕した時、そのターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを0にする。このクリーチャーは、パワーが0以下の間バトルゾーンを離れず、すべてのバトルに勝つ。このカードがバトルゾーン以外のゾーンにあれば、自分はゲームに負ける。
《零龍》は、《終焉の禁断ドルマゲドンX》以来3年ぶりに登場した設置タイプの超大型フィニッシャーです。
前弾の「超天篇 第3弾 零誕! 魔神おこせジョルネード1059!!」で登場した《零》がこのクリーチャーの能力に似た効果を持っていますが、ゲームに与える影響は桁違いのものです。(《零》も《零龍》と組み合わせて使うことでその真価を発揮します)
それでは、零龍卍誕前後のそれぞれのカードについて解説していきます!
《滅亡の起源 零無》は零龍カードが場を離れることがなくなる効果を持ちます。
これにより、零龍卍誕前にゲームから取り除かれることはありません。
《終焉の禁断ドルマゲドンX》や《伝説の禁断ドキンダムX》の禁断の鼓動、最終禁断フィールドが場を離れない効果と基本的には同じ役割なのですが、厳密には違いがあります。
「零龍カードはバトルゾーンを離れない。」とありますが、ここに『自分の』という文言がないので、相手の場に《零龍》がある場合それがいかなる方法によっても除去できなくなるという効果を持ちます。
基本的には関係ありませんが、一応覚えておくと良いです。
そして、これがこのカード群のほぼ唯一にして極めて重いデメリットである相手の初期手札を1枚増やす効果です。
デュエルマスターズにおいて手札1枚がどれほど重いか、プレイヤーの皆さんは重々承知のことと思います。
相手のリソースが増え、事故率も下げてしまう。
メリットは多くあるものの、このデメリットがゲームに与える影響は環境を見ながらしっかり判断していかなければなりません。
(現在の環境で例を挙げると、「赤青ジョーカーズミッツァイル」の先攻3ターンフィニッシュ率が大幅に上がります)
「手札の儀」は、自分のターン終了時に手札がないプレイヤーがいればGR召喚できるという効果です。
これは4つの儀の中で最も便利で汎用性が高いです。
この効果を発動することを目的に《零龍》デッキ以外の速攻デッキなどでの採用が検討できます。
「赤単ミッツァイル」「赤白サンマックス」などで採用し、手札を一気に消費してダメ押しのGR召喚。
増えてしまった相手の手札も、利用される前に倒してしまえばオールOKです。
《零龍》デッキで使う場合は、大型ハンデスと合わせて使い、相手の手札を切らして達成することが多くなります。
「デスザーク」デッキの《追憶人形ラビリピト》などは手軽にハンデスを行えて特に相性が良いです。
闇のGRクリーチャーといえば《ソゲキ 丙-一式》が強力ですが、この方法でのGR召喚がメインとなる場合はその力を発揮できないので採用は見送るのが吉です。
■マナドライブ4(闇):このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンのカードが4枚以上で闇文明があれば、相手は自身の手札を1枚撰んで捨てる。 (ゲーム開始時、GRクリーチャーは山札には含めず、自分の超GRに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、超GRの一番下に戻す)
「破壊の儀」は、クリーチャーが破壊されたときに他に2体既に破壊されていれば、つまり3体目以降のクリーチャーが破壊されたときに墓地から闇のカードを回収できるというものです。
《零龍》が種族に「マスタードラゴン『Z』」を持っているということもあり、《時空の封殺ディアスZ》を連想させる能力ですが、あちらと違い破壊カウントは自分のクリーチャーでもよいので、《堕魔ドゥポイズ》や《斬罪 シ蔑ザンド》を利用して手軽に達成させましょう。墓地回収効果を使って破壊したクリーチャーを手札に戻せるのも強力な点です。
■殲滅返霊4(このクリーチャーが攻撃する時、自分または相手の墓地からカードを4枚選んでもよい。あるいは両方の墓地からカードを4枚ずつ選んでもよい。選んだカードを好きな順序で持ち主の山札の一番下に置く。こうして選んだカード4枚につき、このクリーチャーの◎能力を使う)
◎相手は、バトルゾーンまたは手札から自身のカードを1枚選び、山札の一番下に置く。
■W・ブレイカー
■覚醒−自分のターンの終わりに、そのターン、相手のクリーチャーが3体以上バトルゾーンを離れていた場合、このクリーチャーをコストの大きい方に裏返す。
■エヴィル・ソウル
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のクリーチャーを2体破壊する。その後、相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。
■無月の大罪2(このオーラを使うコストを2少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりに、自分のクリーチャーを1体破壊する)
■これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
■これをクリーチャーに付けた時、各プレイヤーはそれぞれ自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。
「復活の儀」はカードを墓地から場に出したときに山札の上から2枚を墓地に送る効果です。
クリーチャーに限定されていないので、オーラなども問題なく反応します。
《S級侵略デッドゾーン》や《大卍罪ド・ラガンザーク卍》《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》など、闇文明には蘇生系カードが多くあるので達成は難しくありません。
2枚の墓地肥やしはやや地味な能力ですが、前述した「破壊の儀」の効果を強めたり、「墓地の儀」の達成を早める縁の下の力持ち的な役割を果たします。
決して悪い効果ではないのですが、そもそも墓地から蘇生するカードを使うタイミングではある程度墓地が肥えているということもあり、他に比べると少し見劣りしてしまう効果になります。
「墓地の儀」は8枚目以降のカードが墓地に置かれたときに相手クリーチャー1体をマイナス3000する効果です。
《堕魔ヴォガイガ》や《幽具リンリ》など蘇生同様墓地肥やしカードが多くある闇文明のデッキにおいて、この達成は難しいものではありません。
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から4枚を墓地に置く。その後、闇のカードを1枚、自分の墓地から手札に戻す。
■自分の魔導具クリーチャーを召喚するコストを1少なくする。ただし、コストは0以下にならない。
■自分のターンの終わりに、自分の山札の上から1枚目を墓地に置いてもよい。
墓地肥やしが除去につながるというのは自分の動きを強めながら盤面も制圧することができる非常に優秀な効果です。
それぞれの「儀」ですが、封印と違ってリンクさせるさせないは任意です。
そのため、防御手段として「零龍卍誕」を残したいという場合にはどれかをリンクさせないプレイもあります。
《BAKUOOON・ミッツァイル》デッキ相手であれば、「破壊の儀」を残すことができればまずそのターンの安全を得ることができます。
《マリゴルドⅢ》などで大量展開されたとしても、アクティブ側の処理がすべて終わった後で「零龍卍誕」を行うので、1度は必ず場を空にできます。
墓地リセット系のカードが入ってなさそうな相手の場合は、「墓地の儀」を残すことで呪文トリガーや《光牙忍ハヤブサマル》が全体除去に早変わりします。
ただし最近だとGRゾーンから《ポクタマたま》が現れることも増えているので、油断は禁物です。
1ターンにリンクさせる儀の数に制限はないので、一気にリンクさせて奇襲をかけることも可能です。
《零龍》はデュエマのフィニッシャーの中でも最強格のフィニッシュ力、除去耐性を持ったカードです。
裏返った時に相手クリーチャーのパワーを全て0にする除去効果。
これによりまず間違いなく相手のバトルゾーンは更地になります。
この状態でワールドブレイクを行うことができるので、アタッカーが他に1体いるだけでダイレクトアタックまでもっていけます。
また、パワーが0以下の間はすべてのバトルに勝ち場を離れない効果があり、まず除去されることはありません。
味方の攻撃でシールドを0にできれば、ほぼすべてのトリガーを無効化して《零龍》で仕留めることができます。
設置系カード特有の場を離れると敗北する効果を持っていますが、この耐性によりまず倒されることはありません。
最強のフィニッシャーで、一気にゲームエンドまでもっていきましょう。
《零龍》はどんなデッキと相性が良い?
最強のフィニッシャーを獲得!「デスザーク」
■無月の門:自分の魔導具をバトルゾーンに出した時、自分の魔導具をバトルゾーンと墓地から2つずつ選び、このクリーチャーを自分の手札または墓地からそれら4枚の上にコストを支払わずに召喚してもよい。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体破壊する。
■このクリーチャーの下に4枚以上カードがあれば、相手のクリーチャーはタップしてバトルゾーンに出る。
それぞれの儀の達成条件を踏まえると、《零龍》を使うデッキに求められるのは「手札破壊」「墓地肥やし」「蘇生」「大量破壊」の4つです。
「手札破壊」は《追憶人形ラビリピト》「墓地肥やし」は《堕魔ヴォガイガ》「蘇生」は《卍デ・スザーク卍》に《卍月ガ・リュザーク》「大量破壊」は《堕魔ドゥポイズ》や《卍デ・スザーク卍》と、デッキコンセプトをゆがめることなく《零龍》を活かすことができます。
また、このデッキはややフィニッシュ力に難点があったので、《零龍》の存在は極めてありがたいものです。
とても相性の良いデッキです。
GRを使い倒す!「黒オーラ」
■罪・無月の大罪(自分の墓地にあるオーラ1枚につき、このオーラを使うコストを1少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりに、自分のクリーチャーを1体破壊する。ただし、コストは0以下にならない)
■これをクリーチャーに付けた時、またはこれを付けたクリーチャーが攻撃する時、コスト8以下のオーラを2枚まで自分の墓地から選び、そのクリーチャーに付ける。
■これをバトルゾーンから自分の墓地に置く時、かわりに山札の一番下に置く。
■相手のターンの終わりに、これを自分の墓地から山札の一番上に置いてもよい。
■これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
■罪・無月の∞罪:自分のターンのはじめに、これが自分の墓地にあれば、自分のクリーチャーを2体破壊してもよい。そうしたら、このオーラをバトルゾーンに出す。
■これをクリーチャーに付けた時、コスト7以下のオーラを1枚、自分の墓地から選び、そのクリーチャーに付ける。
構築済みデッキで大量の強力なオーラを獲得し、著しく強化された「黒オーラ」デッキも《零龍》との相性は非常に良いです。
《乱罪 ダイパ殺デー》《幽鬼ブチャカティ》に加え、《ソゲキ 丙-一式》や《バクシュ 丙-二式》などGRクリーチャーも含めた「手札破壊」
《卍魔刃 キ・ルジャック》《斬罪 シ蔑ザンド》による「大量破壊」、《幽具リンリ》《幽具ギャン》の「墓地肥やし」に、《大卍罪 ド・ラガンザーク 卍》による「蘇生」
《大卍罪 ド・ラガンザーク 卍》を付けたGRクリーチャーはブレイク数が増え、ワールドブレイカー(5枚ブレイク)のサイズにまでなることが珍しくないので、すべて楯を割り《零龍》で仕留めることができます。
ただし「手札破壊」に関しては、全ハンデスではなく1枚ハンデスを複数回行っていくタイプのデッキなので、初期手札追加が響くことがあります。
手札の儀達成までに多少の時間がかかることも想定しておきましょう。
《零龍》の対策方法
即敗北とはあわれよのぉ~《あたりポンの助》
■W・ブレイカー ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、《あたりポンの助》以外のクリーチャーのカード名を1つ選ぶ。 ■選んだ名前を持つクリーチャーの能力をすべて無視する。
《あたりポンの助》は、《零龍》に対して明確な回答となるカードです
能力を失い、パワー0であることによって破壊された《零龍》は、その効果によってプレイヤーに敗北をもたらします。
相手の要となるクリーチャーを無効化できるので、他のデッキに対しても有効に機能することが少なくありません。
《零龍》が環境に出てくるなら採用を検討できるカードです。
GRクリーチャーもまとめて止める!《ノーブル・エンフォーサー》
クロスギア:このカードをバトルゾーンに置く。クリーチャーにクロスするには、このカードのコストをもう一度支払う。そのクリーチャーがバトルゾーンを離れても、このカードはバトルゾーンに残る。
これをクロスしたクリーチャーは、パワー2000以下のクリーチャーに攻撃またはブロックされない。
このカードがどのクリーチャーにもクロスされていない時、パワー2000以下のクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
まず除去できない《零龍》ですが、動けなければ何ということもありません。
このカードをプレイできれば、《零龍》はただの置物と化します。
また、環境でよく見かけるGRクリーチャー達は総じてパワーが低いので、これらの動きも止めることができます。
《零龍》登場前の現在でも採用できるカードです。
これらのほかに、1度パワーを上げてから除去するということも可能ではあるのですが、2度手間となるうえ、他のデッキに対してあまり有効に働かないのでおすすめはできません。
使うのであれば、革命2で受け札となる《REV.タイマン》が腐りづらいです。
■S・トリガー
■クリーチャーを1体選ぶ。
次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーのパワーを+4000し、相手プレイヤーを攻撃できない。
■革命2―自分のシールドが2つ以下なら、次の自分のターンのはじめまで、相手のクリーチャーはプレイヤーを攻撃できない。
まとめ
デュエマ史上最高峰のフィニッシュ力を誇る《零龍》
その力は極めて強力で、環境に影響を与えること間違いなしです。
手札を与えるに見合うメリットはあるのか、それによってデュエマはどう変化するのか。
新環境でプレイヤーたちが出す結論はどうなるのか。
目が離せません。
《零龍》と相性の良いデッキがいくつもあるので、ぜひいろいろ試してみてくださいね!