魚族モンスター100体目記念! 《飛鯉》の運用方法を考える

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魚族モンスター100体目記念! 《飛鯉》の運用方法を考える

目次

はじめに

過ぎ去りし5月の頭、我々は令和初となる「こどもの日」を迎えました。現在進行形でこどもの方、もう既にこどもではなくなった方、こどもの心を持ったまま大人になった方、皆に等しく5月5日は訪れたことでしょう。

その日からおよそ一週間後のある日、遊戯王プレイヤーにとって大切な出来事がありました。そう、「デュエリストフェスティバル OSAKA 2019」です。この日は恒例となったプロモーションパック2019の配布も行われており、そのパックの収録カードのうちには1枚、こどもの日にちなんだものがあります。

その名も《飛鯉》。今回は、様々な可能性を秘めたこのカードについて考察していきます!

考察1:基本的な性能の確認

使い方について深く考察する前に、まずは基本的な性能を確認します。

《飛鯉》【 効果モンスター 】 星 4 / 水 / 魚族 / 攻500 / 守500 

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札から水属性モンスター1体を捨てて発動できる。
このカードの攻撃力は500アップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、このカードをリリースして発動できる。
手札・デッキから魚族・海竜族・水族モンスター1体を特殊召喚する。

出典:遊戯王OCG

ご覧の通り、効果は二つあります。
一つは「水属性モンスターを捨てて発動し、攻撃力を上げる」効果。
もう一つは「戦闘破壊時、デッキから魚・海竜・水族をリクルートする」効果です。

また、それ以外の部分を見てみると以下のような使用方法も考えられます。

  • レベル4魚族であるため《超古深海王シーラカンス》のリクルートに対応
  • レベル4魚族であるため《鰤っ子姫》のリクルートに対応
  • レベル4水属性であるため《バハムート・シャーク》のエクシーズ素材にできる
  • 水属性魚族であるため《マスター・ボーイ》《水精鱗-サラキアビス》のリンク素材にできる
  • 水属性であるため《白闘気白鯨》のシンクロ素材にできる
  • 水属性であるため《水精鱗-ネレイアビス》の攻撃力上昇効果に対応
  • 水属性で攻撃力が1500以下のため、魔法カード《サルベージ》に対応
  • 魚族であるため魔法カード《白の救済》のサルベージ・リクルート効果に対応
  • 魚族であるため罠カード《フィッシャーチャージ》の発動コストにできる
  • 攻撃力が1500以下のため、魔法カード《地獄の暴走召喚》に対応

以上の情報を元に、この《飛鯉》の運用方法を考察していきます。上記の通り、シンクロ・エクシーズ召喚の素材、もちろんリンク召喚の素材としても大変優秀な1枚ですが、ここでは《飛鯉》の②の効果を発動するための方法を考えていきましょう。

考察2:戦闘で勝つためにどうするか

《飛鯉》はモンスターを戦闘で破壊した際にリリースすることでデッキから強力なモンスターへ繋げることができますが、元々の攻撃力は500と低く、このままでは戦闘で活躍することは見込めません。

そのため、毎ターン地道に①の効果で攻撃力を上げなければならない、というのがデザインされた通りの使用方法です。しかし①の効果のみに頼るのではいくら相手ターンでも発動できるとはいえ時間がかかり過ぎてしまい、こちらが準備を整える前に相手からの攻撃を食らってしまうことでしょう。

ここで、このカードをサポートする方法は二つあります。《飛鯉》の攻撃力を強化するか、相手モンスターを弱体化させるか、です。

考察2.1:《飛鯉》の攻撃力を強化して勝つ

兜や鎧には強く育ってほしい想いが込められている

元々の攻撃力が500しかない《飛鯉》ですが、その攻撃力を上げていけば自然と戦闘で勝つことができる確率は上がります。自身の持つ①の効果でも上がるには上がりますが、他にも攻撃力を上げる効果を持つカードを探してみましょう。

このカードの攻撃力を強化できる可能性を持ったカードは、およそ以下の通りです。

  • 《マスター・ボーイ》:攻撃力を500上昇させるリンクモンスター。召喚条件が緩く場に出しやすい。
  • 《水精鱗-サラキアビス》:リンク先のモンスターの攻撃力を500上昇させるリンクモンスター。他にも強力な効果を持ち、後述の《水精鱗-ネレイアビス》をサーチすることができる。
  • 《深淵に潜む者》:ランク4の汎用エクシーズモンスター。エクシーズ素材を使って相手の墓地利用を封じられるのはもちろん、エクシーズ素材に水属性モンスターが含まれているならば、自分フィールド上の水属性モンスターの攻撃力を500上昇させることができる。
  • 《伝説の都 アトランティス》《忘却の都 レミューリア》:攻撃力を200上昇させるフィールド魔法。本当に些細な値だが《メタバース》でコンバットトリックを決めることも一応はできる。
  • 《水精鱗-ネレイアビス》:手札・フィールドのモンスター1体を破壊してその攻撃力分だけ上昇させる。手札消費が激しくなるデメリットはあるが、コンバットトリックに使用できるほか、カテゴリの恩恵を受けることができて手札に引き込みやすい。
  • 《月鏡の盾》:戦闘で負けることがなくなる装備魔法。ただし、装備魔法のサーチはデメリット持ちの魔法カード《アームズ・ホール》などひと手間かかるため、これのみに頼ることは現実的ではない。
  • 《団結の力》:上記の《月鏡の盾》と同じく強力な装備魔法。同様にサーチは難しいが、装備魔法でビートダウンを行う構築なら採用できる。

《飛鯉》をデッキのメインに据えるか、他のカードをメインとしてこちらをサブに据えるかでも何を採用するかは変わってきます。カード自体は《クリッター》等で手札に加えたり《鰤っ子姫》で特殊召喚したりと、フィールドに出すことはそこまで難しくないでしょう。

考察2.2:相手モンスターの攻撃力を下げて勝つ

菖蒲湯は香りが強く、魔よけの効果があるとされる

そのターンに召喚した《飛鯉》は自身の効果だけでは攻撃力は1000までしか到達できず、返しのターンでも1500までしか上がりません。しかし、こちらの攻撃力が低くても、相手モンスターの攻撃力を下げる、高い攻撃力のモンスターを立たせないことで戦闘で優位に立つことができます。

相手モンスターの攻撃力を下げられる可能性を持つカードは、およそ以下の通りです。

  • 《No.37 希望織竜スパイダー・シャーク》:お互いの攻撃宣言時に相手フィールドのモンスターの攻撃力を1000ダウンさせることができるエクシーズモンスター。召喚条件も水属性レベル4モンスター2体とかみ合っており、デッキ内の他の水属性モンスターとも絡めやすい。
  • 《EMソード・フィッシュ》:自身の召喚・特殊召喚時、また自分の他のモンスターの召喚・特殊召喚1回ごとに相手フィールドの全モンスターの攻撃力・守備力を600ダウンさせる魚族モンスター。1ターンの発動回数に制限がないため《シャーク・サッカー》《サイレント・アングラー》、リンク召喚で回数を稼げば《飛鯉》で戦闘破壊できる確率がぐっと上昇する。
  • 《かつて神と呼ばれた亀》:お互いに攻撃力1800以上のモンスターの特殊召喚ができなくなる効果を持つレベル1のモンスター。《ワン・フォー・ワン》で特殊召喚ができる他、水族であるため《飛鯉》と同じデッキに入れやすい。《飛鯉》で戦える状況になったらリンク召喚で場からどかそう。
  • 《魔界の足枷》:装備したモンスターの攻撃力を100にする装備魔法。《飛鯉》の戦闘破壊の補助に大きく貢献するが、装備魔法であるため手札に持ってくることがやや難しい。
  • 《星遺物を巡る戦い》:自分フィールドのモンスター1体をエンドフェイズまで除外し、その攻撃力分だけ相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を下げる速攻魔法カード。性質上コンバットトリックには使えないが、エクストラモンスターゾーンに居座るモンスターをメインモンスターゾーンへ移動させる使い道もある。
  • 《銀幕の障壁》:相手の攻撃モンスターの攻撃力を半分にする罠カード。現在のカードプールでは《コズミック・サイクロン》《ツインツイスター》《トロイメア・フェニックス》などバック除去は豊富だが、相手が除去の手段を持たない場合は1枚で攻撃を全て止めることもできる。
  • 《迷い風》:特殊召喚されたモンスターの効果を無効にし、攻撃力を半分にする罠カード。条件が合えば墓地からさらに使いまわすことができ、またフリーチェーンであるため罠カードの中でも比較的扱いやすい。

考察3:《飛鯉》の②効果で何を出す?

様々なカードの補助を受けて見事戦闘破壊に成功した《飛鯉》ですが、さて、その②の効果でデッキから何をリクルートしたらよいでしょうか。ここまでくるのにはある程度手間がかかっているため、その労力に見合った強さのモンスターを出していきたいところです。

《飛鯉》は魚族、海竜族、水族のすべてのモンスターのリクルートが可能なモンスターです。三種族をざっと見た場合、この効果で特殊召喚してみたいカードはおよそ以下の通りになります。

  • 《超古深海王シーラカンス》:レベル7魚族モンスター。起動効果で手札を1枚捨てることでデッキから可能な限りの魚族モンスターを特殊召喚することができ、そこからリンク・シンクロ・エクシーズ召喚を経ることで一気にゲームを決めることが可能。
  • 《城塞クジラ》:レベル7魚族モンスター。特殊召喚時に《潜海奇襲》をセットすることができ、また、自分フィールド上の水属性モンスター1体を対象とする効果を1ターンに1度無効にして破壊することができる。自身で特殊召喚できる効果も持っているため手札でも比較的腐りにくい。
  • 《深海の怒り》:レベル5魚族モンスター。自分の墓地の魚族・海竜族・水族モンスターの数×500の攻撃力・守備力を持ち、ゲーム中盤以降であれば攻撃力3000ラインを容易に超えられるのも魅力。
  • 《地縛神 Chacu Challhua》:レベル10魚族モンスター。相手への直接攻撃(2900ダメージ)か守備力の半分のバーン(1200ダメージ)が可能なほか、守備表示で場に存在している間相手はバトルフェイズができなくなる。地縛神モンスターはフィールド魔法の存在が不可欠だが、昨今のデッキ環境においてはフィールド魔法はない方が珍しいだろう。
  • 《水精鱗-メガロアビス》:レベル7の海竜族モンスター。《飛鯉》で場に出した次のターンからは自分フィールド上の水属性モンスターを1体リリースすることで二回攻撃が可能となる。同デッキに海皇モンスターも入れるならば自身の特殊召喚効果の手札コストをメリットに変換することも可能。
  • 《サブテラーマリス・グライオース》:レベル8の水族モンスター。場に出した後は毎ターン好きなカードをデッキから墓地へ送ることができるようになるが、地属性なこともあってデッキ内のサポートは受けづらく、手札に来たら腐りやすい。
  • 《大皇帝ペンギン》:レベル5の水族モンスター。自身をリリースすることでデッキから「ペンギン」モンスターを2体特殊召喚することができ、メインフェイズ2で後続につなげることができる。ただ、労力に見合っているかは微妙。

現状、②の効果から特殊召喚するモンスターは魚族が筆頭になりそうですが、今後追加される海竜族・水族モンスターによってはその様相も変わってくることでしょう。特に海竜族はモンスターの数が極めて少ないので、今後何かしらのテコ入れがくるかもしれません。

まとめ:それは可能性の鯉

屋根より高くあれ

ここまで長々と《飛鯉》の可能性について書き連ねてきましたが、正直な話、このモンスターで最強を求めることはかなり厳しいでしょう。なぜならこのカードを輝かせるために必要なカード枚数は多く、現在ある他のデッキではその枚数で別の、たくさんのことができるためです。

しかし、このカードに与えられた効果、属性、種族、攻撃力・守備力の値を見ると、やれるものならやってみろ、というメッセージが伝わってくるように感じます。登竜門伝説の如く、厳しい試練を乗り越えた者がこのカードの真価を発揮することができるのでしょう。

これは挑戦です。
我々自身が鯉となって滝を登る番なのです。

可能性を秘めた《飛鯉》――皆さんなら、どう使いますか?


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