はじめに
こんにちは、最近どんどんデッキを新しく組むペースが上がってきています、はみるとんです。
さて、デッキビルドTips第4回、今回は「エクストラデッキを使って特定の動きにアクセスする」というのをテーマに話を進めていきます。
ここまで「カードの持つ特徴を読み解く」「ステータスの持つ意味を理解し、デッキ単位でのつながりを意識する」という風にデッキ構築に必要な考え方を展開してきましたが、今回は「展開ルート」というテーマで実際のプレイを想定した横の繋がりを考えていきたいと思います。
Twitterや動画などで再三話しているのですが、10期に入ってから、オリジナルのコンボデッキが本当に組みやすくなったと実感しています。
「カードが持つ選択肢の多さ」はそのまま「構築の多様性」に繋がります。そしてリンク召喚の「緩さ」「拡張性」はそのまま多様性に繋がっていると僕は考えています。
目次
10期以前の「初動」と「終着点」の関係性
9期までの遊戯王は、基本的に「どの召喚方法のために使うカードなのか」というのが明確に決まっていました。
例えば、《レスキューラビット》は同名モンスターを2枚並べるカードなのでシンクロ召喚には向かず、「エクシーズ召喚の始動用のカード」として使われていました。
実質的に初動と終着点の関係性が1対1で定められてしまっていたため、「ランク4を作るのが目的のデッキ」であれば「レベル4を並べるためのカード」を大量に積む事で初動を安定させ、結果的に「ランク4を作る事だけに特化したデッキ」となりがちでした。
シンクロ召喚に特化したデッキであっても、基本的には非チューナー・チューナーどちらかのレベルを統一しておき、狙ったレベルにうまく調整できるように構築する必要があったため、状況に応じた色んなレベルのシンクロを出そうとする構築には事故の可能性が常に付きまとい、あまり現実的ではありませんでした。
ひとえに「〇〇(特定のカード)1枚で出来る事」の範囲が狭く、拡張性に乏しかったのが原因といえます。
リンク召喚以降の「初動」の考え方
10期に入り、リンク召喚というシステムが実装されました。
レベルの指定も無くチューナーのような特定の素材指定も無い条件により、「とりあえずモンスターを並べるだけで強い動きが出来る」という地盤が完成しました。
宇宙最強のリンクモンスター《水晶機巧-ハリファイバー》 の使い方
《水晶機巧-ハリファイバー》(制限カード) 【 リンクモンスター 】 星 2 / 水 / 機械族 / 攻1500 /
チューナー1体以上を含むモンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。②:相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。EXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚する。
【LINK-2:左下/右下】
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
現代遊戯王における最強の初動カード《水晶機巧-ハリファイバー》は最早昨今の展開系デッキにおいて名前を見ない日が無いといっても過言ではない強力なカードです。
このカードは展開の最中でリンク数を増やす事の出来るリンクモンスターの中でも随一の縛りの緩さを誇り、チューナーを1枚絡めれば他の条件は何でもよいという破格の出しやすさによってさまざまなカードから1枚始動で出す事ができます。
また、チューナーにはカテゴリの名称指定を持った物も多く存在し、それらを引っ張ってくる事でリンクモンスターの素材条件を満たすための経由地点として使ったりもでき、非常に幅広い用途が期待できるモンスターです。
以下に簡単にこのカードで出来る事を書いていきます。
リンク4が出せる
《ジェット・シンクロン》《幻獣機オライオン》《ゾンビキャリア》などの墓地で+1枚分の素材になれるチューナーを利用する事でリンク数を4つまで延ばす事が出来ます。
《ジェット・シンクロン》は1枚で《リンクリボー》になれるので、《ヴァレルロード・ドラゴン》などの3体の素材を要求するリンクモンスターにもなる事が出来ます。
「〇〇を含む」系の条件を満たせる
素材条件の片方にしか縛りの無いリンクモンスターを、対応するチューナーを持ってくる事で満たす事が出来ます。
これを活かしてリンク召喚できるモンスターは以下の通りです。
- スクラップチューナーを特殊召喚し《スクラップ・ワイバーン》をリンク召喚
- 炎属性チューナーを特殊召喚し《灼熱の火霊使いヒータ》をリンク召喚
- 風属性チューナーを特殊召喚し《蒼翠の風霊使いウィン》をリンク召喚
- TGチューナーを特殊召喚し《TG トライデント・ランチャー》をリンク召喚
- 《神樹のパラディオン》を特殊召喚し《ヴェルスパーダ・パラディオン》、《レグレクス・パラディオン》をリンク召喚
- 《オルフェゴール・カノーネ》を特殊召喚し《オルフェゴール・ガラテア》、《オルフェゴール・ロンギルス》をリンク召喚
《水晶機巧-ハリファイバー》自体のステータスを活かして条件を揃える
《水晶機巧-ハリファイバー》は水属性・機械族・リンクモンスターなので、これらを素材条件に指定しているリンクモンスターを出す際に適切なチューナーを持ってくる事で素材を揃えます。
- 水属性チューナーを特殊召喚し《マスター・ボーイ》《海晶乙女クリスタルハート》《海晶乙女コーラルアネモネ》《海晶乙女マーブルド・ロック》をリンク召喚する
- 機械族チューナーを特殊召喚し《F.A.シャイニングスターGT》《ギミック・パペット-キメラ・ドール》《機関重連アンガー・ナックル》《プラチナ・ガジェット》《クリフォート・ゲニウス》をリンク召喚
- 戦士族、機械族チューナーを特殊召喚し《ジャンク・コネクター》をリンク召喚
- 任意のチューナーを特殊召喚し《アークロード・パラディオン》《天威の鬼神》《天威の龍拳聖》をリンク召喚
《アークロード・パラディオン》の使い方
《アークロード・パラディオン》 【 リンクモンスター 】 星 3 / 光 / サイバース族 / 攻2000 /
リンクモンスターを含む効果モンスター2体以上
①:このカードの攻撃力は、このカードのリンク先のモンスターの元々の攻撃力分アップする。
②:このカードのリンク先のモンスターは攻撃できない。
③:1ターンに1度、このカードのリンク先の自分の、「パラディオン」モンスターまたは「星遺物」モンスター1体をリリースし、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。この効果は相手ターンでも発動できる。
【LINK-3:上/左下/右下】
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
《マギアス・パラディオン》 【 リンクモンスター 】 星 1 / 光 / 魔法使い族 / 攻100 /
「マギアス・パラディオン」以外の「パラディオン」モンスター1体
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードの攻撃力は、このカードのリンク先のモンスターの元々の攻撃力分アップする。
②:このカードのリンク先のモンスターは攻撃できない。
③:このカードのリンク先に効果モンスターが特殊召喚された場合に発動できる。デッキから「パラディオン」モンスター1体を手札に加える。
【LINK-1:下】
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
いわゆる「パラディオン展開」と僕が呼んでいる汎用性の高いルートの始動になってくれるカードです。
リンク3である《アークロード・パラディオン》を出しつつ、《マギアス・パラディオン》に変換し、そのリンク先に効果モンスターを特殊召喚して初めて成立するルートなので、合計リンク数が4になる展開で組み込むことが出来ます。
まず《水晶機巧-ハリファイバー》で《幻獣機オライオン》《ゾンビキャリア》《ジェット・シンクロン》などの2枚分になれるチューナーを特殊召喚し、《アークロード・パラディオン》をリンク召喚します。
そのまま《アークロード・パラディオン》を使って《マギアス・パラディオン》をリンク召喚し、そのリンク先に先程素材にしたチューナーを特殊召喚、《幻獣機オライオン》の場合はトークンを《リンク・スパイダー》にします。
これによって《マギアス・パラディオン》の効果で「パラディオン」モンスターをサーチ出来るので、ここから展開していきます。
パラディオンのみで構える場合の展開
《マギアス・パラディオン》の効果で《神樹のパラディオン》をサーチし、《マギアス・パラディオン》と《ゾンビキャリア》で《レグレクス・パラディオン》をリンク召喚、そのリンク先に《神樹のパラディオン》を特殊召喚し、《レグレクス・パラディオン》の効果で《クローラー・パラディオン》をサーチ、《レグレクス・パラディオン》と《神樹のパラディオン》で《アークロード・パラディオン》をリンク召喚してターン終了
相手ターンに《クローラー・パラディオン》をリンク先に特殊召喚する事によって、デッキから「星遺物」カードを加えつつ《アークロード・パラディオン》の無効効果のコストにします。
派生パターンその1《聖騎士の追想 イゾルデ》
《マギアス・パラディオン》の効果で《神樹のパラディオン》をサーチし、《マギアス・パラディオン》と《ゾンビキャリア》で《ヴェルスパーダ・パラディオン》をリンク召喚、そのリンク先に《神樹のパラディオン》を特殊召喚し、2体で《聖騎士の追想 イゾルデ》をリンク召喚
パラディオン展開を《聖騎士の追想 イゾルデ》に繋ぐルートです。という事は実質《水晶機巧-ハリファイバー》を出す事が《聖騎士の追想 イゾルデ》に繋がるという事になります。
戦士族を2体並べるというのは意外と大変で、《レスキューラビット》や《V・HERO ヴァイオン》などの限られたカードでしか1枚始動が出来ないのですが、このルートを取り入れると多くの初動カードを戦士族の展開へと結びつけることが出来ます。
《聖騎士の追想 イゾルデ》を出した後の強い展開については後述します。
派生パターンその2《守護竜エルピィ》
《マギアス・パラディオン》の効果で《星辰のパラディオン》をサーチし、《マギアス・パラディオン》と《ゾンビキャリア》で《ヴェルスパーダ・パラディオン》をリンク召喚、そのリンク先に《星辰のパラディオン》を特殊召喚し、《守護竜エルピィ》をリンク召喚。《ヴェルスパーダ・パラディオン》の効果によって《守護竜エルピィ》を右に移動し、2体のリンク先に《守護竜エルピィ》の効果でドラゴン族モンスターを特殊召喚。
パラディオン展開を 《守護竜エルピィ》に繋ぐルートです。実質《水晶機巧-ハリファイバー》が守護竜展開へと繋がっていきます。
《ヴェルスパーダ・パラディオン》が位置を移動する効果を持っている事を上手く利用し、最小限の消費でドラゴンへとアクセスする事が出来ます。
《守護竜エルピィ》を出した後の強い展開については後述します。
《聖騎士の追想 イゾルデ》 の使い方
《聖騎士の追想 イゾルデ》 【 リンクモンスター 】 星 2 / 光 / 戦士族 / 攻1600 /
戦士族モンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。このターン、自分はこの効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、そのモンスター効果も発動できない。②:デッキから装備魔法カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる(同名カードは1枚まで)。墓地へ送ったカードの数と同じレベルの戦士族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
【LINK-2:左下/右下】
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
サーチ効果と特殊召喚効果の両方を兼ね備え、こちらも様々な下準備を兼ねながら展開ルートに派生できます。
ただし、このカードの真価を発揮するためには装備魔法を大量に投入する必要があります。
4枚以上落とせるようなデッキ構築にすれば《V・HERO ヴァイオン》や《終末の騎士》などを用いてとてつもなく強い事が出来るのですが、構築上あまり現実的ではないため、ここでは最大2枚までを用いた展開ルートを解説していきます
なぜ2枚かというと、この枚数までなら《月鏡の盾》と《執念の剣》を入れる事で「素引きしてもデッキに戻す事が出来る」状況を作る事が出来るからです。
3枚以上使いたい場合は素引きを考えて実際に必要な枚数よりも多少多く投入する必要が出てくるので、枚数調整はかなりシビアになってきます。
《影六武衆-フウマ》を使った展開
1枚落としで《水晶機巧-ハリファイバー》に派生する事が出来ます。また、六武衆モンスターを含む戦士族2体となるので、《六武衆の軍大将》を出す事も出来ます。
《ヒーロー・キッズ》を使った展開
《ヒーロー・キッズ》を特殊召喚する事で場に同名2体を並べ、場の合計リンク数を5枚にまで引き上げる事が出来ます。
ここから《アークロード・パラディオン》展開に派生する事も出来たり、ランク2エクシーズを行ったり、展開先は様々です。
《ヒーロー・キッズ》の素引きが気になるところですが、始動として《聖騎士の追想 イゾルデ》を直接出すのではなく《水晶機巧-ハリファイバー》から《アークロード・パラディオン》展開を経由して行うのであれば《ゾンビキャリア》を絡めて《ヒーロー・キッズ》を戻す事が出来ます。
《エレメントセイバー・マカニ》を使った展開
《聖騎士の追想 イゾルデ》のサーチ効果でエレメントセイバー戦士族をサーチしておくことで、《エレメントセイバー・マカニ》を特殊召喚しつつ効果を発動する事が出来ます。
これによって霊神モンスターをサーチ出来るので、《聖騎士の追想 イゾルデ》を展開するまでに用いたモンスターの属性に応じてサーチを行う事が出来ます。
闇属性主体のデッキであれば《闇霊神オブルミラージュ》をサーチする事で更なる展開が望めるでしょう。
《守護竜エルピィ》 の使い方
《守護竜エルピィ》 【 リンクモンスター 】 星 1 / 闇 / ドラゴン族 / 攻1000 /
レベル4以下のドラゴン族モンスター1体
自分は「守護竜エルピィ」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、その②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分はドラゴン族モンスターしか特殊召喚できない。
②:自分メインフェイズに発動できる。2体以上のリンクモンスターのリンク先となる自分フィールドに、手札・デッキからドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する。
【LINK-1:左】
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
ドラゴン族なら何でもデッキからアクセスできるという非常に強力な効果を持っています。
《水晶機巧-ハリファイバー》と違い、フィールド上で発動する効果も無効にならないため、様々な展開に派生する事が出来ます。
このカードを出した段階で2つ以上のリンクマーカーが1か所に向いている状況にする為には、【↙・↓】【↓・↘】などのマーカーを用意する必要があり少し難易度が高いですが、《星遺物の守護竜》や《ヴェルスパーダ・パラディオン》を使って位置を移動させれば容易に達成する事が出来、特に《星辰のパラディオン》によって直接ドラゴン族を持って来れるパラディオン展開との相性が良いです。
《妖醒龍ラルバウール》を使った展開
《妖醒龍ラルバウール》 【 効果モンスター 】 星 1 / 闇 / ドラゴン族 / 攻0 / 守0
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドのモンスターが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。②:このカードが特殊召喚に成功した場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。自分の手札を1枚選んで捨て、対象のモンスターと同じ種族・属性でカード名が異なるモンスター1体をデッキから手札に加える。
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
フィールドに存在するモンスターと同じステータスのモンスターをサーチする事が出来ます。
このカード自身を対象にする事も出来る為、《守護竜エルピィ》から《妖醒龍ラルバウール》を出した時点で闇属性・ドラゴン族モンスターは確実にサーチ出来ます。
また、パラディオン展開によって出していた場合、場に残っている《ヴェルスパーダ・パラディオン》を参照として光属性・戦士族モンスターをサーチする事も出来ます。
《水晶機巧-ハリファイバー》のみから始動するパターンではこの2種類のうちどちらかしかサーチ出来ませんが、プラスアルファの展開カードがある場合、サーチしたいカードと同じ種族・属性のカードを場に用意する事でほぼ全てのモンスターにアクセスする事が出来ます。
これらの展開の後、場に居る《守護竜エルピィ》《妖醒龍ラルバウール》《ヴェルスパーダ・パラディオン》の3体で《鎖龍蛇-スカルデット》をリンク召喚すれば、サーチしたカードをそのまま特殊召喚出来ます。
《スクラップ・ワイバーン》 の使い方
《スクラップ・ワイバーン》 【 リンクモンスター 】 星 2 / 地 / ドラゴン族 / 攻1700 /
「スクラップ」モンスターを含むモンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分の墓地の「スクラップ」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。その後、自分フィールドのカード1枚を選んで破壊する。②:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、フィールドの表側表示の「スクラップ」モンスターが効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「スクラップ」モンスター1体を特殊召喚する。その後、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
【LINK-2:左/下】
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
《スクラップ・リサイクラー》からの展開が有名なカードですが、実は《水晶機巧-ハリファイバー》からスクラップチューナーを出す事によってリンク召喚する事も出来ます。
《水晶機巧-ハリファイバー》でスクラップチューナー(☆1 ~3)を特殊召喚し、《スクラップ・ワイバーン》をリンク召喚。素材にしたスクラップチューナーを蘇生し、そのまま破壊。《スクラップ・ワイバーン》の効果でデッキから《スクラップ・ゴーレム》を特殊召喚し、場のカードを1枚破壊。《スクラップ・ゴーレム》の効果でスクラップチューナーを蘇生。
この展開によってレベル6~8のシンクロモンスターを出せる他、《スクラップ・ワイバーン》の破壊を展開と関係ない伏せカードや相手のカードで賄える場合は《スクラップ・ワイバーン》自体も展開に絡める事が出来ます。
《ライトロード・ドミニオン キュリオス》を出すパターン
《スクラップ・ワイバーン》によって《スクラップ・ゴーレム》を出し、効果でスクラップチューナーを蘇生した場合、《スクラップ・ワイバーン》がドラゴン族、《スクラップ・ゴーレム》が岩石族、《スクラップ・ゴブリン》が獣戦士族、《スクラップ・マインドリーダー》が機械族、《スクラップ・ワーム》が昆虫族なので、どのパターンでも種族が被ることなく《ライトロード・ドミニオン キュリオス》を出す事が出来ます。
《ライトロード・ドミニオン キュリオス》を使った強い動きに関しては後述します。
《パワー・ツール・ドラゴン》を出すパターン
最初の《水晶機巧-ハリファイバー》で《スクラップ・ワーム》を出しておき、《スクラップ・ゴーレム》と《スクラップ・ワーム》で《パワー・ツール・ドラゴン》をシンクロ召喚、その後《リビング・フォッシル》を3枚見せてサーチ
ここから《スクラップ・ワーム》を蘇生して9シンクロを出したり、最初に《水晶機巧-ハリファイバー》を作るのに使ったチューナーを特殊召喚してシンクロを行ったり色々と派生することが出来る。
《スクラップ・ハンター》を用いた展開
《スクラップ・ハンター》 【 効果モンスター 】 星 3 / 地 / 機械族 / 攻1600 / 守400
1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して破壊し、自分のデッキからチューナー1体を墓地へ送る事ができる。
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
《スクラップ・ワイバーン》によってスクラップチューナーを蘇生して破壊した後、《スクラップ・ハンター》を特殊召喚し、効果で《スクラップ・ワイバーン》を破壊する事でデッキからチューナーを落とすことが出来る。これによって…
- 《幻獣機オライオン》を落として《彼岸の黒天使 ケルビーニ》をリンク召喚
- 《ジェット・シンクロン》を落として4シンクロ
- 《ゾンビキャリア》を落として5シンクロ
といった動きに派生出来る。これによって実質的に《スクラップ・ワイバーン》からの展開で出せるシンクロがレベル4~9まで広がる。
No.5 《ライトロード・ドミニオン キュリオス》
《ライトロード・ドミニオン キュリオス》 【 リンクモンスター 】 星 3 / 光 / 戦士族 / 攻2400 /
同じ属性で種族が異なるモンスター3体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキからカード1枚を選んで墓地へ送る。②:自分のデッキのカードが効果で墓地へ送られた場合に発動する。自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。③:表側表示のこのカードが相手の効果でフィールドから離れた場合、または戦闘で破壊された場合、自分の墓地のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
【LINK-3:上/左下/右下】
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
任意のカードを墓地へ送る事が出来るモンスター
禁止カードである《ラヴァルバル・チェイン》のようにあらゆるカードにアクセスする事が出来、無限の可能性があると言われている……
あまりにも出来る事が多すぎるので、このカードに関しては今後別途記事を書くかもしれないです。
展開系で一部出来る事を記しておきます。
- 《D-HERO ディアボリックガイ》を落とし《聖騎士の追想 イゾルデ》をリンク召喚
- 《ゾンビキャリア》を落とし《水晶機巧-ハリファイバー》をリンク召喚
《彼岸の黒天使 ケルビーニ》 の使い方
《彼岸の黒天使 ケルビーニ》 【 リンクモンスター 】 星 2 / 闇 / 天使族 / 攻500 /
レベル3モンスター2体
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードのリンク先のモンスターは効果では破壊されない。②:フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊される場合、代わりに自分フィールドのカード1枚を墓地へ送る事ができる。③:デッキからレベル3モンスター1体を墓地へ送り、フィールドの「彼岸」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、墓地へ送ったモンスターのそれぞれの数値分アップする。
【LINK-2:左下/右下】
出典 : 遊戯王OCG デュエルモンスターズ
レベル3モンスターなら何でも墓地へ送れるというとてつもなく汎用性の高い効果を持っているため、様々な展開への派生が出来るモンスター
召喚条件もとても緩く、エクシーズと違ってトークンも素材に使えるため、《マスマティシャン》で《幻獣機オライオン》を落とす等で手軽に出す事が出来ます。
《カーボネドン》を使った展開
《ギャラクシーサーペント》や《守護竜ユスティア》を特殊召喚する事で《水晶機巧-ハリファイバー》につなげる事が出来る。
また、ドラゴン族通常モンスターは多種多様な属性を持っているため、特定の属性のドラゴン族通常モンスターを出す事で《灼熱の火霊使いヒータ》などを出す事も出来る。
彼岸モンスターを使った展開
《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ》を落とす事によってデッキから《彼岸の悪鬼 ガトルホッグ》を特殊召喚し、《彼岸の黒天使 ケルビーニ》と共にリンク素材になる事で再び《彼岸の黒天使 ケルビーニ》を蘇生してリンク召喚に繋げる。
最初の展開で《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》をリンク召喚していれば、《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》や《幻影騎士団サイレントブーツ》を絡めて更なるリンク展開に繋がる。
その他の用途
- 《魔サイの戦士》で悪魔族を落とす
- 《エッジインプ・シザー》を落とし、展開しつつ任意のカードをデッキに戻す
- 《ゴキポール》を落として昆虫族をサーチ、特殊召喚する
それぞれの初動の互換性
リンクモンスターを始動とする展開ルートの素晴らしいところは、各リンクモンスターを経由して別のリンクモンスターの素材条件を満たしに行く動きが出来る所です。
以下に対応関係をまとめていきます。
《水晶機巧-ハリファイバー》始動
- 《幻獣機オライオン》等を特殊召喚する事でパラディオン展開へ派生
- パラディオン展開から《聖騎士の追想 イゾルデ》展開へ派生
- パラディオン展開から《守護竜エルピィ》展開へ派生
- スクラップチューナーを特殊召喚する事で《スクラップ・ワイバーン》展開へ派生
- 《スクラップ・ワイバーン》を経由する事で《ライトロード・ドミニオン キュリオス》展開へ派生
- 《スクラップ・ワイバーン》を経由して《スクラップ・ハンター》から《彼岸の黒天使 ケルビーニ》展開へ派生
《アークロード・パラディオン》始動
- 《神樹のパラディオン》をサーチする事で《水晶機巧-ハリファイバー》展開へ派生
- 《神樹のパラディオン》をサーチし、《ヴェルスパーダ・パラディオン》を出す事で《聖騎士の追想 イゾルデ》展開へ派生
- 《星辰のパラディオン》をサーチし、《ヴェルスパーダ・パラディオン》を出す事で《守護竜エルピィ》展開へ派生
《スクラップ・ワイバーン》始動
- 《スクラップ・ゴーレム》からスクラップチューナーを蘇生する事で《水晶機巧-ハリファイバー》展開へ派生
- 《スクラップ・ゴーレム》からスクラップモンスターを蘇生する事で《ライトロード・ドミニオン キュリオス》展開へ派生
- 《スクラップ・ハンター》から《幻獣機オライオン》を落とす事で《彼岸の黒天使 ケルビーニ》展開へ派生
- 《スクラップ・ハンター》から《ゾンビキャリア》などを落とす事で《水晶機巧-ハリファイバー》展開へ派生
《ライトロード・ドミニオン キュリオス》始動
- 《ゾンビキャリア》などを落とす事で《水晶機巧-ハリファイバー》展開へ派生
- 《幻影騎士団サイレントブーツ》などを落とす事で《聖騎士の追想 イゾルデ》展開へ派生
《彼岸の黒天使 ケルビーニ》始動
- 《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ》を落とし《彼岸の悪鬼 ラビキャント》を出す事で《水晶機巧-ハリファイバー》展開へ派生
- 《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ》を落とし《幻影騎士団ラスティ・バルディッシュ》を出す事で《聖騎士の追想 イゾルデ》展開へ派生
各リンクモンスターを出すのに便利なカード
上述のようにどの始動カードからでも大概別の展開に派生する事が出来ます。
以下、それぞれのリンク始動が行いやすいモンスターをまとめていきます。
自分のデッキの他の要素と比較し、採用しやすい物を選ぶと良いでしょう
《水晶機巧-ハリファイバー》が出しやすいカード
- 《ジェット・シンクロン》で《リンクリボー》を出し、自己蘇生する
- 《ゾンビキャリア》で《転生炎獣アルミラージ》を出し、自己蘇生する
- 《ドラコネット》で《ギャラクシーサーペント》を出す
- 《クリッター》で《転生炎獣アルミラージ》を出し、《神樹のパラディオン》をサーチし特殊召喚する
《聖騎士の追想 イゾルデ》が出しやすいカード
- 《シュトロームベルクの金の城》で《鉄のハンス》を出し、《鉄の騎士》を特殊召喚する
- 《V・HERO ヴァイオン》で《D-HERO ディアボリックガイ》を落とし、特殊召喚する
- 《レスキューラビット》で戦士族通常モンスターを2体特殊召喚する
- 《ネオスペース・コネクター》で《N・アクア・ドルフィン》を特殊召喚する
《彼岸の黒天使 ケルビーニ》が出しやすいカード
- 《ギャラクシー・ワーム》で同名を特殊召喚
- 《レスキューキャット》で《ペロペロケルペロス》などを2体特殊召喚
- 《マスマティシャン》や《スクラップ・リサイクラー》で《幻獣機オライオン》を落とす
自分のデッキに応用してみよう!
デッキを組み始めた段階では、おそらく「何のカードを使って動き始めたいのか」「何のカードを経由したいのか」「何のカードを終着点としたいのか」など、色々と考えがあると思います。
それらのアイデアをなるべく活かしたまま、シナジーのあるカードやメインの動きから逸脱しない範疇でうまく始動となるカードを増やしたり展開のレパートリーを増やしていくためには、「このカードは何が出来るカードなのか」というのを知っておくことが重要です。
例えば、この記事の最初の項目で「9期以前の《レスキューラビット》はエクシーズをするためのカードだった」と説明しましたが、ここまで記事を読んだ方なら、《レスキューラビット》は《水晶機巧-ハリファイバー》、《聖騎士の追想 イゾルデ》、《彼岸の黒天使 ケルビーニ》など様々なリンクモンスターを直接出す事が出来る優秀な始動札である事が分かるでしょう。
このように、展開ルートを知る事はそのカードの出来る事の可能性を知る事であり、カード同士の繋がりを「展開」という面から見てデッキを形作っていく事に繋がります。
一見関係ないカード同士が展開の中で綺麗にシナジーを形成した瞬間は回している側も見ている側も感動する、遊戯王の醍醐味といっても過言ではありません。
皆さんも是非、色んなコンボパターンを考えてみてください。