はじめに
「パラレル・マスターズ」、発売!!!
数多の独創的な、言葉を選ばずに言えば奇妙なカードたちが事前情報として公開され、プレビュー期間から大盛り上がりだったこのパック。
これまでは触れなかった「超次元ゾーン」の異なる使い方を模索した挑戦的なカードが非常に多く、その性質上アドバンスでしか使えないカードもたくさん存在しています。
実験的なデザインのものがほとんどであるため環境にダイレクトな影響を及ぼすカードはそれほど多くありませんが、これを機にアドバンス環境に注目が集まるのはいいことですね。
それでは、今月もアドバンス環境の今について解説していきたいと思います!
目次
「最強」の定義
本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。
Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。
Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。
Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。
先月からのカードプールの変化
つい先日発売した新パック、「パラレル・マスターズ」。
これまでに例を見ない使い方をするカードが多数収録されており、発売から日が浅いこともあって、環境への影響力は杳として知れません。
現時点でのアドバンス環境にわかりやすく影響を及ぼしそうなカードとして、今回は4枚をピックアップいたします。
1枚目は《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター/蒼き覚醒 ドギラゴンX》。
【 進化サイキック・クリーチャー 】
種族 ソニック・コマンド / 侵略者 / 文明 光 / パワー12000 / コスト6
■進化:光のクリーチャー1体の上に置く。
■P侵略:自分の光の、サイキックではないコマンドが攻撃する時、自分の超次元ゾーンにあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい。
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚、超次元ゾーンに置き、その後、一番パワーが大きい相手のクリーチャーをすべてタップする。次の相手のターンのはじめに、それらはアンタップしない。
【裏面】
カード名:蒼き覚醒 ドギラゴンX
カードの種類:サイキック・クリーチャー
文明:水/闇文明
種族:メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団
パワー:13000
コスト:8マナ
■P革命チェンジ:自分の闇または水のコスト5以上の、サイキックではないドラゴンが攻撃する時、そのクリーチャーと自分の超次元ゾーンにあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい。
■T・ブレイカー
■このクリーチャーはブロックされない。
■このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚捨てる。
■自分の手札を捨てた時、次の自分のターンのはじめまで、自分の他の多色クリーチャーすべてに「スレイヤー」を与える。
特に《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》はバトルゾーンに干渉しながら、光のコマンドであればコストの制限なく3打点に変換できるため、様々な組み合わせが模索されています。
現在のアドバンス環境でよく使われるカードの中で相性がいいのは、【アナカラーダークネス】の《虹速 ザ・ヴェルデ》と【4cドラグナー】と【リースモモキングRX】の《最終龍覇 ロージア》あたりでしょうか。
これらの他にも光のコマンドを使うデッキで、超次元ゾーンを全く使わないデッキであれば、とりあえずこのカードを2枚ほど入れておくだけで自由に打点生成が可能になります。
選択肢を広げる意味でも、余程の理由がない限りは入れておかない手はないでしょう。
ドラグハートとは超次元ゾーンの上限枚数である8枚を共有してしまうため、ドラグナーとの組み合わせる際は注意が必要です。
もっとも、トリガーした《最終龍覇 ロージア》を返しに3打点にできるメリットは非常に大きいので、採用を検討する価値は十分にあるでしょう。
2枚目は《暗黒の騎士ザガーンGR》。
【 GRクリーチャー 】
種族 デーモン・コマンド / 文明 闇 / パワー7000 / コスト6
■W・ブレイカー
見た通りの準バニラであるため特別な使い方は特にありませんが、これだけ大きくてデメリットがなければ流石に強力。
シンプルにパワーと打点が高いため、雑に出て殴るだけでも強いプレッシャーを与えられます。
【赤単我我我ブランド】では火文明でないことが足を引っ張る場面が多々あり、必ずしも採用できるわけではありませんが、【赤白我我我ブランド】のように文明を足したいビートダウンであれば文句なしの採用筆頭候補です。
3、4枚目は《新世界王の創造》と《新世界王の破壊》。
【 キング・セル 】
文明 光/水/火 / コスト13
■G・ストライク
■このカードを自分の手札からマナゾーンに置いた時、アンタップする。
【 キング・セル 】
文明 水/闇/自然 / コスト13
■G・ストライク
■このカードを自分の手札からマナゾーンに置いた時、アンタップする。
カード名:新世界秩序
カードの種類:呪文
文明:光/水/闇/火/自然文明
種族:
パワー:
コスト:13
■自分の手札またはマナゾーンに2種のキング・セル《新世界王の創造》《新世界王の破壊》が揃っていれば、コストを支払ってこの呪文《新世界秩序》を唱えてもよい。
■ドラゴンではないクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
■自分のマナゾーンと墓地から好きな数のドラゴンを出す。次の自分のターンのはじめまで、それらに「スピードアタッカー」と「ブロッカー」を与える。
既存の3種いずれもパーツごとの出張があったように、アンタップインの3色マナはG・ストライクがついているだけでも十分強力です。
今回収録された2種はそれぞれ《T・T・T》と《天災 デドダム》という強力な3マナカードと文明が一致しており、これらのカードを使いたいコンボデッキにとっては待望のカードです。
現時点でも《新世界王の破壊》は水文明を足した4色の【キングダムJO退化】に採用されていますが、この2種はそれだけに止まらない新しいコンボデッキを作る原動力になりうるマナ基盤カードです。
今後どんなデッキが出てくるのかいちプレイヤーとしても楽しみですね。
Tier1
【赤単我我我ブランド】Tier1
アドバンス環境でも【赤単我我我ブランド】は絶好調!
【アナカラーダークネス】の存在がコントロールデッキ全般に睨みを効かせるアドバンス環境では、オリジナル以上にビートダウンの通りが抜群です。
サンプルデッキでは採用していませんが、「パラレル・マスターズ」から採用されそうなカードとしては、《暗黒の騎士ザガーンGR》が有力候補です。
3ターン目に《GIRIGIRI・チクタック》から登場するGRクリーチャーとしては破格の、無条件かつデメリットのないパワー7000のW・ブレイカー。
火文明でないため《“罰怒”ブランド》との噛み合わせが悪いのが最大の懸念ですが、代わりに《“逆悪襲”ブランド》を採用したい環境が訪れれば、検討に値しそうです。
【アナカラーダークネス】Tier1
今年1月の殿堂レギュレーション更新直後に鮮烈なTier1デビューを果たし、徐々に周知が広まった現在では強デッキの一角に収まっている【アナカラーダークネス】。
序盤は素早くマナを伸ばしつつ、余ったマナでメタカードや軽量オレガ・オーラを繰り出し相手を妨害。
マナがしっかりと貯まった中盤以降はオレガ・オーラから出てくるリソース力に優れたマナドライブ獣と《絶望と反魂と滅殺の決断》のシナジーでアドバンテージ差を大きく広げ、最終的に《S級宇宙アダムスキー》に《禁断機関 VV-8》や《魔天降臨》を絡め、相手の受けを無視して勝負を決します。
多様だった構築はより洗練され、自由枠だった部分のカードについても、ほぼ《龍素記号 Xf クローチェフオーコ》が固定採用になっています。
【青魔導具】や【アナカラー墓地退化】に刺せる墓地対策・【赤単我我我ブランド】などのアグロを捌くブロッカー・自身の山札回復など、対面を問わず活躍できるうえ、不足しがちな水単色を補えるのが《龍素記号 Xf クローチェフオーコ》。
他のカードも魅力的な選択肢ではありますが、【アナカラー墓地退化】がアドバンスでも勢力を伸ばしている現環境では特に採用価値が高いと言えるでしょう。
「パラレル・マスターズ」からは新戦力として《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》を獲得。
明確な使いどころがあるわけではなく手札消費も重いので使わない対戦も多そうではあるものの、選択肢として入れない手はないため、基本的には「とりあえず採用する」カードになりそうです。
2月下旬現在ではTier上位に比較的不利なデッキが増加しているものの、それはこのデッキに勝てないデッキが淘汰された結果でもあります。
環境への影響度の大きさを考えれば、引き続き文句なしのTier1です。
【4cドラグナー】Tier1
こちらも1月の新殿堂直後から環境で活躍し、Tier1の一角に収まったミッドレンジデッキです。
ドラゴンシナジーの2ブースト札で初動を支えつつ、伸ばしたマナや《ドラゴンズ・サイン》から《最終龍覇 グレンモルト》・《龍風混成 ザーディクリカ》を投下。
豊富なマナとドラゴンのカードパワーで盤面を制圧し、一気に畳みかけるドラゴン系デッキの最新型です。
《最終龍覇 ロージア》、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》といったお馴染みの面々に加え、《最終龍覇 グレンモルト》を出せばそのまま勝ちに繋がる《ドラゴンズ・サイン》の存在から、ビートダウンデッキに対しても高いカウンター性能を誇ります。
ほぼ苦手なデッキが存在しない【赤単我我我ブランド】に対して現実的な勝ち筋を用意できる点が、現在のアドバンス環境では最大のセールスポイントです。
一方でハンデスでリソースを絞りながら《とこしえの超人》でドラグハートに蓋をしてくる【アナカラーダークネス】は苦手な相手。
その弱点を埋めるべく、「爆発的にリソースを稼ぎつつ大量のトリガーと合わせて能動的な展開も作れる1枚」として《黒神龍 ブライゼナーガ》を採用。
これを《神秘の宝剣》で盾確認しつつサーチし、《マクスカルゴ・トラップ》で射出する構築も登場し、話題となりました。
現在は環境の変化に伴ってやや下火ですが、コントロール系のデッキに対しては文字通り必殺の一撃となりうるため、覚えておきたいギミックです。
Tier2
【アナカラー墓地退化】Tier2
アドバンスにも魔の手を伸ばす、オリジナル環境の覇者【アナカラー墓地退化】。
オリジナルよりも真っ直ぐ殴ってくるデッキが少ないため《終末の時計 ザ・クロック》+《戯具 ヴァイモデル》のトリガーパッケージを全て排除し、空いた枠に軽量メタクリーチャーを搭載して《∞龍 ゲンムエンペラー》をムゲンクライムで召喚するサブプランを重く見た構築が主流です。
メタクリーチャーの配分は環境次第で変わりますが、環境トップの【赤単我我我ブランド】を痛烈に牽制しつつムゲンクライムとも相性のいい《「敬虔なる警官」》は優先度高め。
【アナカラーダークネス】のような軽いGR召喚を連打するデッキについても相手に運否天賦の勝負を仕掛けることができ、腐る対面がほとんどありません。
そもそもの基盤としての強さはオリジナル環境で保証済み。
総合的なデッキパワーの高さから、今後はアドバンス環境でもさらに勢力を拡大するのではないかと考えています。
【アナカラームゲンクライム】Tier2
オリジナルとアドバンスで同時期に登場し、徐々に定着しつつある【アナカラームゲンクライム】。
序盤は軽量のメタクリーチャーを連打して相手のアクションを抑えつつ、こちらは《罪無 ウォダラ垓》で山札を掘り進めながら横へと盤面を展開。
4ターン目に《∞龍 ゲンムエンペラー》を着地させ相手のカードを無効化してしまうのがゲームの終着点となります。
受け札の採用枚数はオリジナルよりも少ないですが、《ベイB セガーレ》と《「敬虔なる警官」》の2枚看板でアグロデッキへの耐性はある程度確保済みです。
アドバンスならではのカードチョイスとして、《へームル・エンジオン》を採用した構築が活躍しています。
前身となった【ジョー星ゼロルピア】でも採用されていたカードですが、ループパーツになるのはもちろん、シンプルにアドバンテージを稼ぐ手段としても強力でした。
【アナカラームゲンクライム】においても、そのアドバンテージ力は健在。
マナドライブさえ発動していればお手軽にリソースを得られる《サザン・エー》や《クリスマⅢ》、早期着地するとビートダウンを強烈に牽制できる《全能ゼンノー》など、コストパフォーマンスに優れたGRクリーチャーを連打できます。
クリーチャーを手札に戻す効果も、破壊されそうな《桜風妖精ステップル》を手札に逃がしたり、《「敬虔なる警官」》を回収して張り直したりと便利に使える場面が多数。
墓地にあって困らないカードが多いためセルフハンデスにも強く、環境トップへのメタデッキとして注目のデッキタイプです。
【キングダムJO退化】Tier2
ついにアドバンス独自の進化を遂げた【キングダムJO退化】。
《斬罪 シ蔑ザンド》は3ターン目に勝負を決めることこそできないものの、中盤にアドバンテージを得ながら盤面を処理して時間を稼げる、優秀な自壊カードです。
《クリスマⅢ》や《パキラキⅡ》といったマナ加速が3ターン目までに起動すれば《未来龍王 モモキングJO》を手札から召喚できるチャンスが増加しますし、《ブルン・ランブル》や《ナギー・ナグナグ》で小型クリーチャーを潰せば速攻デッキともある程度戦えます。
ほとんど効かなかったメタクリがある程度有効になってしまう弱点は否めませんが、GRゾーンのカードパワーや柔軟性の高さを加味すると面白い強化だと言えそうです。
また、現状はオリジナルでの活躍が主流なためサンプルリストには選出しなかったものの、《新世界王の破壊》を採用した水入りの【キングダムJO退化】も研究が進んでいます。
水文明が入る最大のメリットは、やはり《天災 デドダム》。
このデッキは墓地を使うデッキでこそないものの、3→5で《未来王龍 モモキングJO》を4ターン目にプレイできるメリットは計り知れません。
ただでさえ難解なマナべースがさらにタイトになるためどこまで実用的な構築になるかはまだわかりませんが、もしかするとさらにパワーアップした【キングダムJO退化】が環境を席巻する日も遠くないかもしれませんね。
Tier3
【リースモモキングRX】Tier3
《メンデルスゾーン》を起点とした展開に重きを置く、爆発力の高さが魅力のドラゴン系ミッドレンジです。
ブン回りの最大値は高いものの、新たに得たものが特にないため数ヶ月にわたってアップデートがなされていないのが最大の難点。
《メンデルスゾーン》を絡めた展開が作れなければ心許なく、しかし《メンデルスゾーン》は最大でもデッキに4枚しか入らないため、安定感の面でも難を抱えています。
総じて「一発」を狙うにはいいデッキではあるものの、トーナメントを長く戦い抜くには不安のあるデッキ、という印象です。
【青魔導具】Tier3
【アナカラーダークネス】のカウンターデッキとして注目を浴びた【青魔導具】。
仮想敵である【アナカラーダークネス】や【5cコントロール】が立ち位置を落としたため、【青魔導具】も相対的に不遇な立ち位置に。
現在アドバンス環境で主流な構築は《MEGATOON・ドッカンデイヤー》と《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》を採用した古き良き【青魔導具】ですが、今回のサンプルデッキでは試験的に新カードである《砕界の左手 スミス》を採用しています。
《砕界の左手 スミス》は後手であれば1ターン目の開始前に初手の引き直し、いわゆる「マリガン」をさせてくれるカード。
特定のキーパーツが必要になるコンボデッキでの採用が取り沙汰されていた《砕界の左手 スミス》ですが、特に《卍 新世壊 卍》1枚さえ引けばゲームができる【青魔導具】との相性は抜群です。
魔導具呪文の枚数は減らしづらいため割りを食うのはどうしても受け札の枠になってしまいますので、後ろ寄りのデッキが比較的多いアドバンスの方が採用は検討しやすいでしょう。
定着するかはまだまだ未知数なので、今後の採用率に注目したいカードです。
【5cコントロール】Tier3
引き続き厳しい立ち位置の続く【5cコントロール】。
【赤単我我我ブランド】への明確な回答を持つ稀有なデッキではあるものの、全体としては前のめりなデッキがそれほど多くない環境ではあるため、安定してトーナメントシーンを勝ち抜くにはデッキの強みと環境があまり噛み合っていない印象です。
【赤単我我我ブランド】が突出して多く、それに不利な【アナカラーダークネス】やその他のコンボデッキが減少することが予想されるメタゲームでは強さを発揮しやすいため、タイミング次第では活躍が見込めるでしょう。
【赤白我我我ブランド】Tier3
今月の「注目の新デッキ」枠。
早期のメタクリーチャーで相手の動きを1ターン遅らせつつ《我我我ガイアール・ブランド》を絡めて4ターン前後で殴り切る、構築理念としては【4cドッカンデイヤー】期の【赤白レッドゾーン】に近しいビートダウンデッキです。
特に《奇石 ミクセル》と《天翼 クリティブ-1》の同型8枚体制が重要。
これらのカードは相手の動きを牽制する手段として強いのはもちろんですが、自分のターン中にも機能するため、【4cドラグナー】のトリガークリーチャーや《ドラゴンズ・サイン》から出てくるクリーチャーをボトムへと送り返せるのが強力です。
《龍風混成 ザーディクリカ》のEXライフも複数体立てることで無理やり貫通できたりと、カウンターに寄せたデッキの反撃を抑え込むうえで重要な役割を果たします。
また、純正の【赤単我我我ブランド】に対しても《奇石 ミクセル》の通りが非常に良好で、《“逆悪襲”ブランド》の面処理能力も合わせてアグロミラーは明確に有利。
単純な速度では【赤単我我我ブランド】に一歩劣るものの、コンセプトの段階で一定の優位があるため、【アナカラーダークネス】にも比較的強く出られます。
環境トップ3に対して理論上は【赤単我我我ブランド】と同等以上に立ち回れるため、一見すると有力なデッキに見えますが、2色のビートダウンデッキの宿命として常に事故の可能性が付きまといます。
光を引けない/引きすぎる色事故はもちろん、必要なメタカードを必要な対面で引けないことも。
1コストクリーチャーの枚数もあまり多くは採れないため、「安定した3ターンkill」という観点ではどうしても【赤単我我我ブランド】に劣ってしまいます。
「《奇石 ミクセル》が強いメタゲームでは」という但し書きは付くものの、環境の間隙を縫って活躍するデッキとして、今後の活躍に期待したいデッキのひとつです。
環境のまとめ
今まで
環境は安定性・速度・突破力の三拍子揃った【赤単我我我ブランド】を中心に進行中。
コントロールでは【アナカラーダークネス】、ミッドレンジでは【4cコントロール】がそれぞれ覇権を握り、アグロの【赤単我我我ブランド】と合わせて三すくみを形成、不動のトップ3として君臨しています。
これら3つのデッキからなる枠組みを破壊しようと試みるのが、独自の強みを主張できる特殊なデッキ群。
【アナカラー墓地退化】・【アナカラームゲンクライム】ら《∞龍 ゲンムエンペラー》を活用できるデッキ2種や、メタの通りづらいコンボデッキである【キングダムJO退化】・【青魔導具】などが虎視眈々とトップ3の隙を窺っています。
これから
「パラレル・マスターズ」は非常に斬新で面白い能力を持ったカードが多いものの、テーマ単位での強化が「サバイバー」や「ケングレンオー」といった非常に古いファンテーマにしかなかったためか、こと環境での活躍はあくまでいくつかのデッキを補強するに留まっています。
もっとも、独特のテキストをしたカードが多数収録されているのは事実なので、今後のプレイヤーの研究次第で想像もつかないような新デッキが開発されたとしてもおかしくはありません。
現時点で分かる範囲の話をすれば、オリジナルで活躍中の【アナカラー墓地退化】はアドバンスでも注目株です。
豊富なルーターで安定した4〜5ターンkillが繰り出せるうえに、6〜8枠の自由枠が常に確保できるため構築の柔軟性も高水準。
メインプランとサブプランの方向性が大きく異なるため安易なメタが張りづらく、サブプランの中核となる《∞龍 ゲンムエンペラー》自身がメインプランに組み込まれているため引きが噛み合わず腐るようなこともありません。
注目のメタカードである《「敬虔なる警官」》をみずから採用することも難しくないため、まさに現環境のトレンドに適したデッキだと言えるでしょう。
おわりに
というわけで、2月下旬のアドバンス環境について解説いたしました。
使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか?
この記事が皆さんのアドバンス環境に対する理解への一助となれば幸いです。
それでは次回、3月上旬のオリジナル環境解説記事でまたお会いしましょう!