不都合な事実:コロコロ読者はおおむね2-3年で総入れ替えする
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いろいろなあれこれが片付いたのですっごく久しぶりに奈良の実家に帰って昔行きつけだったカードショップに行ってみたんですが、まあ見事にプレイヤー層が代替わりしてましたね。二年の月日はいろんなものを変える。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。それでは、今日のカードはこちら。
《ベイB ジャック》
(プレミアム殿堂カード)
【 クリーチャー 】
種族 ミルクボーイ / イニシャルズ
文明 自然
パワー6000
コスト1
■バトルゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーは、自分のターンのはじめにアンタップしない。
■自分がカードを引いた時、自分のマナゾーンにあるカードを3枚タップしてもよい。そうしたら、このクリーチャーをアンタップする。
■バトルゾーンにある自分のクリーチャーを、自分のマナゾーンにあるかのようにタップしてもよい。
まめちしき:ベイとBの間に半角スペースはない
前回に引き続き、刷ってはいけなかったカードです。
こいつについては皆さまも言いたいことはいろいろあるとは思うのですが、今回は「なぜこのカードが生まれてしまったのか」というポイントに焦点を当てて語っていこうと思います。
このカードが生まれてしまった背景として、絶対に押さえておかなければならないカードが存在します。それがこちらの《 蛙飛び フロッグ 》です。
最初に結論から言っておくと、《 ベイB ジャック 》が印刷されてしまった理由は、この《 蛙飛び フロッグ 》が弱すぎたからであると私は考えています。何故こう考えるに至ったかについては、順を追って説明していきます。
まずはじめのはじめに。デュエルマスターズのお兄さんことマジック:ザ・ギャザリングには、「マナクリーチャー」という概念が存在します。端的に言うと「タップすることでマナを生み出せる」クリーチャーですね。
デュエマと違ってどんなカードでもマナに置けるわけではないMTGにおいては、一般的なマナ加速手段としてよく用いられています。黎明期から《 ラノワールのエルフ 》といった人気カードが多数存在するくらいには一般的な概念です。
そんなマナクリーチャーですが、デュエマには長いこと存在しませんでした。そんなことしなくても各種ブーストで確実にマナを伸ばせるゲームですからね。
そして時はE3。合法的にルールや前例をぶち壊せるアウトレイジの登場で、「じゃあデュエマでもいっちょマナクリーチャー作ってみるか」という流れで実装された(と思われる)のが《 蛙飛び フロッグ 》。
ですが、彼の前にはデュエマというルールの壁が立ちはだかっていました。
ここがダメだったその1。「デュエマのタップ状態はスキだらけであり、場持ちが最悪である」。
知っての通り、デュエル・マスターズというゲームにおいてタップ状態のクリーチャーは攻撃対象になります。そして、このクリーチャーは存在するだけで毎ターン1マナを生み出すパワー1000のシステムクリーチャーです。
つまり、相手プレイヤーにとってはこのカードを殴らない理由が何一つ存在しないのです。もちろん戦闘で破壊されたらアド損。事実上「2マナ使って(原則次のターン以降に)1回だけ1マナ加速するだけのカード」になっちゃうわけです。
攻撃対象は原則プレイヤーのみであるMTGでは存在しなかった脆弱性が、ここにきて足を引っ張ることになったわけですね。
ここがダメだったその2。「通常のブーストと差別点の無い、2マナであること」。
MTGにおいて、マナクリーチャーは1マナから存在します。対して、土地加速(デュエマで言う所のマナブースト)の相場はおおむね2-3マナ。「破壊されやすい」などのデメリットを勘案してちょっとお得になっているわけですね。
ですがデュエマにおいてこのクリーチャーは2マナ。ライバルとなるマナブーストの相場も、同じく2マナからです。……こちらは「破壊されやすい」というデメリットを抱えているにもかかわらず、です。
マナ加速としての信頼性に雲泥の差があるのは前述の通り。「2ターン目に3マナムーブを許さない」というデュエマの基本原則により2マナになってしまった《 蛙飛び フロッグ 》は、生まれながらにしてブーストの下位的な存在だったといえるでしょう。
さて。そんなわけでしょっぱなから大失敗となったマナクリ概念。となれば、次にやるときはそれらの欠点を最初から克服したものを刷るのは自明ですね。そうして生まれたのが、《 ベイB ジャック 》です。
新規プッシュ種族のミルクボーイと複合させることで、絶望的だった場持ちをパワー6000まで上げてで改善。そして1マナにすることでリターンの薄さを改善…というところまではまあよかったと思うんですよ。
ミルクボーイという種族は、軽量高パワーと引き換えに「何かしてやらないとアンタップしない」という枷を持っています。このままではせっかくのマナクリが台無しですね。なんとかしなければ…
だからって自軍全体に配るやつがいるかよ!!!!!!
こうして、誰がどうやっても悪用にしか使えないデュエマ屈指の失敗作は生まれました。その後の悲惨な結果は、皆様の知る通りです。
ぶっちゃけ《 カエル B ジャック 》みたいに軽減効果にしとけばもうちょっとマシだったとは思うんですが……実はこっちのテキストだと1マナのミルクボーイサポートにならないんですよね。
つまり、「マナクリ効果とミルクボーイと組み合わせている限り、何をどうやってもクソか壊れかになる」ということです。最初にこれに気付けていれば……はい。
まめちしき:豆ではなくオタマジャクシ
というわけで、《ベイB ジャック》でした。
正直多くの人が言いたいことのあるカードではあると思うんですが、もう5年前のカードなんですよねこれ。定型文になったネタを擦り続けるのは、ちょっと時代が遅すぎる気がしますね。
直系の息子となる《 ベイB セガーレ 》が一番肝心の部分の相続を放棄したことから、この先はもうちょっとまともな一族になるんじゃないかな…と思ってます。
何もなければ来週の今頃には、「起源神も究極進化も差し置いて神化編の代表になった歌姫」についての記事が上がるはずです。お楽しみに。
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それでは、次の記事で。北白河でした。