【北白河の今日の一枚】vol.90《 終末の時計 ザ・クロック 》最近のダイソーは「ザ」ってつかない

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【北白河の今日の一枚】vol.90《 終末の時計 ザ・クロック 》最近のダイソーは「ザ」ってつかない

冥土の旅の一里塚

こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。

私事になりますが、本日私は誕生日を迎えました。

毎年「この年まで生きてるとは思わんかったな……」と思ってる気がします。来年もその次も、こう思えているといいですね。

というわけで、今回もやっていきましょうか。

この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。

それでは、今日のカードはこちら。

《 終末の時計 ザ・クロック 》

【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジMAX / 文明 水 / パワー3000 / コスト3

■S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、ターンの残りをとばす。(次のプレイヤーのターンをすぐに始める)

DMR-09にて登場(厳密には直前に優勝者賞として配布)した、レアの一枚です。最近ではすっかり何度も再録され、基本カードとして定着した感がありますね。

「ターンの残りを飛ばす」という、史上最強クラスにして唯一無二の効果を持つトリガーとして活躍中のこのカード。

海外版デュエマことkaijudoでは「The Chronarch」という名前でサバイバーとして登場したりしている…というのはなんか前に言った気がしますね。

ともあれ、今回はそんなこのカードについてざくざく語っていこうと思います。

本題に入る前に。

シンプルに「ターンの残りをとばす」という効果を持つこのカードですが、実はこのカードにも元ネタがあります。

画像はちゃんと弊社から持ってきました

MTGに登場した、《 時間停止 》です。

「ターンを終了する。」というシンプルなテキストの後に、どうですかこのエグい量の注釈文。

ゲームが違うのでちょっとアレなんですが、「ターンを終了する」というシンプルな行為ひとつの中にいかに大量の例外処理が含まれているかが分かると思います。

それを踏まえて、デュエマの《 終末の時計 ザ・クロック 》の注釈文をもう少し詳しく書くとこうなります。

■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、ターンの残りをとばす。(解決待ちの能力をすべて消滅し、「このターンの終わりまで」の効果を終了させ、「ターンの終わりに」で始まる効果を発動させずに次のプレイヤーのターンをすぐに始める。)

……このテキストだった場合、初見で内容理解するのかなり無理があるのでは?

とまあ、シンプルなテキストの影には様々なルールの闇があるのです。

なんとなく理解しているつもりの効果にも、目に見えない効果や処理が積もっている……ということは、覚えておくと何かとお得です。ルールの裏側をつつきに行くときとかに。

ちなみに、「短いテキストにクソ長い注釈文」という分野には向こうに凄いのがいまして。

出典:MTG公式サイト

こちらの《ルールの法律家/Rules Lawyer》(※いわゆるジョークカードです)くん、端的に言えばこのカード以外の状況起因処理を無視します。

状況起因処理とは何かをざっくり言うと、カードの効果ではなくルールで発生する処理のことですね。具体的にどういうものが含まれるかは後述します。

《 時間停止 》《 終末の時計 ザ・クロック 》の関係みたいに、仮にこのカードが《 法律の時計 ザ・ルール 》(仮)とでもしてリメイクされてデュエマにやって来ると、何が起きるでしょうか。

まず、バトルによってカードがバトルゾーンを離れなくなります。負けたほうが破壊されるのは状況起因処理ですからね。

また、ルールによって場を離れるもの……つまり、コマンドが出た後の封印や2枚目以降のD2フィールド、バラバラになったセルの類。このあたりも、延々と場に残り続けます

逆に、ルールによって除去耐性を得ているゴッドの類は(おそらく)一回の除去で解体されるようになって脆くなります。

そして、極めつけとして。

山札がなくなっても、ダイレクトアタックが決まっても、プレイヤーは敗北しなくなります。あれもルールで決まってる処理ですからね。

というかこれを突き詰めると「特殊勝利や特殊敗北はカードの効果だが状況起因処理が発生するものがある」みたいな例外処理の話が出てきて途端に世界がバグり始めます。

こうして専門用語でいう所の「泣き鬼塚」が発生し、このカードは刷られることはありませんでしたとさ。めでたしめでたし。

そんなわけで、アウトレイジがいとも簡単にやってる「既存ルールを破る」っていうやつは意外と厄介な存在であることが理解いただけたと思います。

そう思うと、既存のデュエマのルールを壊したうえでゲームは壊さなかったザ・クロックって意外とすごいやつだと思いませんか?

アウトレイジみたいな無法者って、意外とこういうバランス感覚が大事だったのかもしれませんね。

まあ、「ゲームを壊さない」というバランス感覚がよすぎるばっかりに活躍できなかったやつもE3にはいっぱいいた気もしますが……

今日で時間止まらないかな

というわけで《 終末の時計 ザ・クロック 》でした。

これは完全に余談なんですが、私はこのカード名の「ザ」を死ぬほど書き忘れます。

「ザ」のないクロックは、ただのクロックですからね。ポルコもなんかニヒルな顔でそう言っていました。

ロック・クロック・六九とは無関係

さて、次回予告のコーナーです。

弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。

というわけで、次回のカードはこれです。各自予習していってください。

これ初見で解けたら結構すごいと思います

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それでは、次の記事で。北白河でした。

前回の記事

王なのか帝国なのかはっきりしろ

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