こんにちは、神結です。
実はこの記事が年末に上がるのか年始に上がるのかよくわかっていません。ですので、予め両方をケアしておこうと思います。
というわけで、もうすっかり年末です。皆さんは2022年如何お過ごしだったでしょうか。あ、あとあけましておめでとうございます。本年も引き続きよろしくお願いします。
歴代名作デッキの方はデッキのストックが豊富で、ここ5年分だけでも紹介しきれていないモノがたくさんあります。2023年も本シリーズをよろしくお願いします。
というわけで年内最後か新年一発目になるかはわかりませんが、今回は【赤侵略】です。
目次
本日の名作デッキ紹介
革命環境を覆した“禁断”のデッキ
というわけで今回の名作デッキは、【赤侵略】になります。呼び名に関しては赤侵略、赤シン、バイク、レッドゾーンなどなど色々ありますので、好きなのでどうぞ。
リストはおおよそこんな感じ。
細かなリストの話をすると、《単騎連射 マグナム》を4枚採用する場合は何かを削らなくてはいけなくて、それは一般的には《超音速 ターボ3》か《轟速 ザ・マッハ》であるケースが多かったように思います。
筆者の個人的な意見だと、結局上に挙げたカードで一番弱いのは《単騎連射 マグナム》なので、ここが枚数減ることになりますね。
ちなみに私が一番好きで、よく使っていた構築はこっちです。
やっぱボルドキカウンターよ。
さて、このデッキの登場は7年前のちょうど今くらいの時期ですね。
当時は革命編だったのですが、ちょうど《禁断 ~封印されしX~》が発売されたことで一気に環境入りを果たします。
革命編は前後期で大きく環境が違うことや、前半期は基本的にDS期のデッキが強くてみんなそっちの研究をしてた、みたいな話は過去にも触れているので、併せてご確認ください。
そんなわけで重複する部分は省略しますが、非進化バイク(いわゆる下バイ)を出して、進化バイク(こちらは当然上バイ)に侵略するというギミックは革命編第1弾からありました。
【 進化クリーチャー 】
種族 ソニック・コマンド / 侵略者 / 文明 火 / パワー12000 / コスト6
■進化―自分の火のクリーチャー1体の上に置く。
■侵略―火のコマンド(自分の火のコマンドが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、一番パワーが大きい相手のクリーチャーをすべて破壊する。
しかしギミックそのもの手札の消費の激しいことや、後続の確保に難があったことも重なり、“侵略”というギミックそのものは当時でもそこまで強くなかった、というのがいま改めて感じる評価です。
特に盤面をガチガチに固めることが出来る黒単ヘルボやイメンなどの防御力は高く、それら一回の侵略で突破できるかというと、まぁ無理と言えるでしょう。
しかし《伝説の禁断 ドキンダムX》によって、事情は大きく変化しました。
【 禁断の鼓動 】
文明 火 / コスト99
■この鼓動は、ゲーム開始時、封印を6つ付けてバトルゾーンに置く。
■この鼓動はバトルゾーンを離れない。
■禁断解放―この鼓動の封印がすべてなくなった時、クリーチャー側に裏返す。
(カードを封印するには、自分の山札の上から1枚目を裏向きのままそのカードの上に置く。コマンドがバトルゾーンに出た時、その持ち主はそのコマンドと同じ文明を持つ自身のカードから封印をひとつ、墓地に置く。クリーチャーが封印されている間、両プレイヤーはそのクリーチャーを無視する。)
【解放後】
カード名:伝説の禁断 ドキンダムX
カードの種類:禁断クリーチャー
文明:火
種族:-
パワー:99999
コスト:99マナ
マナ:-
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが禁断解放した時、相手は自身のクリーチャーすべてに封印をひとつ付ける。
■コスト4以下の呪文によって、相手がクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーは選べない。
■このカードがバトルゾーン以外のゾーンにあれば、自分はゲームに負ける。
「盾を割り切ったけど、ダイレクトまでいけない」みたいなゲームは全て禁断解放が解決。その解放自体も上から引いたバイクを出してるだけでいいのです。
これは本当に“革命的”でしたね。正直、一生ヘルボロフが強いゲームだと思っていました。
こうなると、コントロール側からしたらやってられません。
特に【黒単ヘルボロフ】はこれによって大きなダメージを受け、環境のトップからは退くことになりました(イメンも一時的に消えましたが、後に普通に復活しました)。
赤侵略自身も研究され、【アナカラーデッドゾーン】というメタデッキの登場によって大きく後退したかに思われましたが、《暴走龍 5000GT》の発掘によってそれも覆り、今度はデッドゾーン側も《ガンリキ・インディゴ・カイザー》や《光牙王機ゼロカゲ》を採用し始めるなど、様々な変化がありました。
弱点も多い赤侵略は最強のデッキではなかったと思っています。
しかし、これまでヘルボやイメンといった高難度のドラグハートデッキが環境を牛耳っており「上手い人が勝つゲーム」だったデュエマに於いて、勝ちまでがわかりやすい赤侵略は、初心者プレイヤーにとっての救世主でした。
ですので最強のデッキではないにせよ、大会に出れば最大母数はいつも赤侵略だったと記憶していますね。
上下を揃えて楽しく侵略!
使い方は本当に明確で、下バイを出して上バイを載せて殴るだけです。最初は本当にそれだけで勝てました。簡単でしょう?
当時の先攻《一撃奪取 トップギア》は極めて強力で、今の先攻メンデル2ブーストくらいに匹敵したんじゃないでしょうか(ちなみに当時の先攻メンデル2ブーストもちゃんと強かったんですけど)。
先攻でギアザレッドレッドゾーンとか喰らったら、普通にもう負けで大丈夫です。特にレッドゾーンが盤面を焼き払いながら走っていくので、後攻でトップギア出しても同じ動き出来ないんですよ。
ただ対策されていくと、とりあえずレッドゾーンで走るだけでは勝てなくなりました。アナカラーの《復讐 ブラックサイコ》+《S級不死 デッドゾーン》に咎められたり、《天真妖精オチャッピィ》から《革命目 ギョギョウ》の着地で大変なことになるんですね。
ただこれも赤侵略側が下バイを2体並べて“並走”させることで、ある程度解決しました。このデッキは最速で走るよりも、溜める方が強かったんですよね。溜められるかどうかというのは、プレイヤーの勝率に結構影響していたと思います。
あとはシールドを全部殴り倒して、トリガー待ちというプレイもあります。サンプルでは《終末の時計 ザ・クロック》を採用していますが、《閃光の守護者ホーリー》などもお馴染みでした。白だと「ホーリー+DNA」みたいな採用の仕方も出来たんですよね。
ちなみに余談ですが、デュエプレプレイヤーにはお馴染みとなっている「ビートデッキにタッチでスパークを入れる」という構築ですけども、デュエマの歴史に於いてはレッドゾーンに採用されたのは本当に久々で、その前はというと《アストラル・リーフ》の時代まで遡ることになると思います。
限定構築戦ではGENJI系のデッキが採用していた時代もあったようですが、通常構築戦でいくと本当に久々だったんじゃないでしょうか。
ウィニー系統は1マナでカードを使いたいので採用が出来ませんし、ビートデッキ側としても、マナの色置きがシビアなケースが多くて、また踏ませても別に返し勝つギミックがないなんていうケースも多かったんじゃないでしょうか。
あとはプレイスのマナ置きシステムが如何に優秀か、という話にもなりますね……。プレイスの赤白速攻とかシステムが生んだバグだと思ってましたもん。
まぁそんなわけで、一部プレイはありますけども、マナ置きから勝ち方まで比較的に融通の利く、当時の初心者にはガチで助かる系デッキだったなと思ってます。
私自身が「極論、踏まなきゃビートデッキは勝てる。困ったらリーサルを見る」と理解したのも、このデッキでした。
なお環境からいなくなった理由は「ドギラゴン剣」の一言で説明が終わります。
現代のレッドゾーンは?
環境から消えては復活してを繰り返しているレッドゾーンですが、現代のレッドゾーンは比較的強い方だと思います。
使うならこんな感じになるでしょう。トップギアに頼る時代は終わって、メタカード+3コスホールバイク(バイクではない)から走って勝つことを目指すのが、シンプルだと思います。
踏み倒し系のデッキは《流星のガイアッシュ・カイザー》に弱いのですが、このデッキは《奇石 ミクセル》系を12投することによってガイアッシュに対して相応に強くなっています。
《十番龍 オービーメイカー Par100》とかも防げるので、そんなに悪いデッキと思っています。そこそこ勝てるんじゃないですかね?
おわりに
「DM歴代名作デッキ」、第29回は私にとっても大切なデッキである【赤侵略】でした。
ちなみに私が初めて入賞したのが赤侵略だったので、色々と思い入れ深いですね。当時プレイヤーとしてはまだまだ初心者だった私は、だいぶこのデッキにキャリーしてもらいました。
いまでもこのデッキのパーツは大事に持っています。
あともう一つエピソードを紹介しておくと、それまでの私は適当作ったデッキで遊んでいることも多かった(赤侵略についても、面白そうだということで禁断発売前に遊んでいたのでカードを持っていたんですね)のですが、赤侵略を使ってからはCSの強豪プレイヤーたちからも「ちょっと赤侵略とやりたいんで回しましょう」みたいな誘いもあったんですよ。
そこから人脈が広がったり、プレイも教えてもらったりと、プレイヤーとして成長していくのに必要なデッキでもありました。
成長するのに大事なことの一つとして、その環境で一番強い(数が多い)デッキを使うこと、というのはあるでしょうね。
というわけで、今回はここまで。
「このデッキを紹介して欲しい」といったリクエストも受け付けておりますので、#DM歴代名作デッキでご感想をお待ちしております。
それではまた次回、お会いしましょう。