こんにちは。北白河と申します。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
この企画「今日の一枚」では「今バズっているカード」「今高騰しているカード」「今話題のカード」「往年の名カード」「今北白河の中でアツいカード」など、独断と偏見で北白河が選んだカードを定期更新(週四回くらい更新できたらいいな)で毎日1枚取り上げて語っていきます。
というわけで、今日もやっていきましょう。それでは、今日のカードはこちら。
《暗黒の騎士ザガーン》
【クリーチャー 】
【種族】デーモン・コマンド
【文明】闇
【パワー】7000
【コスト】6
■W・ブレイカー
つまらん。
記念すべきDM-01…つまり、第一弾収録のスーパーレアです。同じスーパーレアの《混沌の騎士デスライガー》とともに、第一弾に2枚しか収録されていないデーモン・コマンドとして強いインパクトを与えたカードです。大剣を手にしてケンタウロスめいた下半身を持った禍々しい容姿は、闇文明の戦闘種族の強さをわかりやすく我々に伝えてくれます。
そのフレーバー通り当時としては高いパワーを誇り、当時のカードプール内で素のパワーでこのクリーチャーに一方的に勝てるのはわずかに6体。当時一部のデメリット持ちの例外を除きVR以上にしか与えられなかったW・ブレイカーを持ち、圧倒的な力を誇っていませんでした。準バニラだからね。
基本的に殴り合いとトリガー(あとドロー)に終止する第一弾環境ではそのパワーからそこそこ活躍できたものの、まあ進化というオプションができたDM-02参戦後はお察しですね。スペック的にはその……もう語ることが……はい。
どこに楽しみがある?
その微妙なスペックと、それに見合わずよく知らない人にやたら持ち上げられているフレーバーから、ネタカードとして人気を馳せることになりました。同じようながっかりスペックのカードとともに「デュエルマスターズ七英雄」とか言われたりしてますね。
そのカルト的人気は公式にも届いています。ブラック・ボックス・パック再録の際にはフレーバーの本歌取りで「つまらんやつを戦場に出したら、戦場がどうなるか知っているか?――究極の覚醒者デビル・ディアボロスZZ 」と同じフレーズを使って罵倒され、《古の騎士ガザーン》《迷宮の騎士 サンザーン》と微妙なスペックのリメイクが2回も刷られるなど、愛されてるんだか愛されてないんだかよくわからない感じの扱いを受けています。
そして最終的には《暗黒の騎士ザガーン/「一方的に勝つに決まっている」》とツインパクト化まで果たしてしまいました。……スペック的には「だからどうした」って感じですが。
どこに喜びがあるというの?
さて。あまりにも有名なこのカードのフレーバーテキストですが、海外版でどう訳されているかご存知でしょうか?海外版DMの《Zagaan, Knight of Darkness》のフレーバーを見てみましょう。
"If I were to send him to the field, he'd overwhelm the enemy in an instant. Where's the fun in that?" —Ballom, Master of Death "
(北白河訳:もし私がやつを戦場に送ったら、やつはすぐに敵を圧倒したことだろう。(それの)どこに楽しみがある?――死の主、バロム)
言ってることはほぼそのままにも関わらず、なんと発言者だけが変わっています。「Ballom, Master of Death」は海外版の《悪魔神バロム》の名前ですね。これに限らず、海外版ではフレーバーに出てくる《覇王ブラックモナーク》は概ね《悪魔神バロム》に差し替えられるか、完全に別物になっています。《凶犬人形ジュンカツ》の海外版《Junkatz, Rabid Doll》とかもそうで、デスパペットを作ったのも《悪魔神バロム》になってます。まあ当時未収録のキャラクターの名前を出すよりも、収録確定してる大ボスにやらせたほうがわかりやすいですしね。これに限らず海外版オリジナルフレーバーはめちゃくちゃかっこいいものが多いので、ぜひ一度調べてみてください。
そして後に世界観を一新して作られた北米版デュエマこと「Kaijudo」。こちらの第一弾に同イラスト・同スペック(レアリティはこちらで言うレアまで落ちました)で収録された《Zagaan, the Bone Knight》のフレーバーはどうでしょう。
"Were I to dispatch him to field, he would overwhelm the enemy in an instant. And where is the joy in that?" —Dark Lord Megaria
(北白河訳:私がやつを戦場に派遣したら、やつはすぐに敵を圧倒するでしょうね。それで、(それの)どこに喜びがあるというの?――暗黒の王、メガリア)
今度は同じ構文で《暗黒皇女メガリア》に褒められています。彼女は日本版と同じイラストで《Megaria, the Collector》(北白河訳:蒐集者メガリア)として同パックのSR相当として収録されており、またも「収録確定しているボス」の発言に差し替えられた形です。まあ 《Megaria, the Collector》の効果は日本でいる《ギガルゴン》と完全に一致してるんですが。Kaijudoには日本版から名前やイラストだけ流用してスペックがぜんぜん違うカードがたくさんあり、これもその一枚ですね。
……ちなみに、同期の《混沌の獅子デスライガー》はなぜか向こうで人気が見込まれて 《Death Liger, Lion of Chaos》《Death Liger, Apex Predator》《Death Liger the Justicar》(北白河訳:《混沌の獅子、デスライガー》《頂点捕食者、デスライガー》《大司法官デスライガー》)と三回もカード化されています。最後のよくわからない役職に就いてるやつに至っては光文明とのレインボーカードです。この差よ!
というわけで、《暗黒の騎士ザガーン》でした。海外wikiで海外版デュエマの情報漁るの、マジで楽しいですよ。これだけのために英語学ぶ価値があります。それでは、次の記事で。
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