【古代からの議論】デュエマにマリガンは必要なのか【所属ライター:みすみ】

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【古代からの議論】デュエマにマリガンは必要なのか【所属ライター:みすみ】

「デュエル・マスターズには『マリガン』が必要だ」と古事記にも記されているように、どんなに強いプレイヤーも、母親と手札事故だけには勝てないものだ。

かく言う私も、手札事故と『宿題終わらせないとデュエマの大会には行かせないから』には、幾多もの敗戦を強いられてきた。同じような経験がある方も多いことだろう。

ところで皆さんは、この『マリガン』というものをご存じだろうか。

デュエル・マスターズ以外のカードゲームも嗜んでいる方には、馴染み深い存在かもしれない。

「初期手札を引き直せるシステム」のことであり、つまりは『初期手札の強弱の差を和らげ、極端な勝ち負けを減らす措置』である。

マリガンを採用しているカードゲームは、マジックザギャザリングを始め、ヴァンガードやヴァイスシュヴァルツ、またDCG(デジタルカードゲーム)ではシャドウバースやハースストーンなど多岐に渡る。

そんな中、マジックザギャザリングの弟分でありながら、マリガンを取っ払われて生まれてきたデュエル・マスターズは、初期手札の弱さによるどうしようもない負けに対し、マリガン導入の是非が問われることもあった。

実際のところ、デュエル・マスターズはマリガンを導入することで、より良いゲームになるのだろうか。

目次

デュエル・マスターズは手札が弱くなりやすいのか

大前提として、デュエル・マスターズはマリガンを導入しているゲームに比べ、初期手札が弱くなりやすいゲームなのだろうか。

ゲームや構築で認識が大きく変わってくるため、一概に並べて比べることは難しいが、今回は指標の一つとして、初期手札の再現性を並べてみようと思う。

※(実際のゲームでは、ヴァンガードにはライド事故があるなどから、この数字通りの体験になるというわけではないため、かなり大まかな指標である。)

【デッキに最大枚数入れたカードAを、初期手札+1ターン目のドローまでに1枚以上引く確率】

●[デュエル・マスターズ]:先手42.7%後手49.2%

(デッキ枚数40 最大積載量4枚 マリガン無し 初期手札+ターンドロー=先手5枚後手6枚)

●[シャドウバース]:先手44.3% 後手48.9%

(デッキ枚数40 最大積載量3枚 マリガン有り 初期手札+ターンドロー=先手4枚後手5枚)

●[ハースストーン]:先手41.2% 後手50.9%

(デッキ枚数30 最大積載量2枚 マリガン有り 初期手札+ターンドロー=先手4枚後手5枚)

●[ヴァンガード(2018.5)]:65.1%

(デッキ枚数49 最大積載量4枚 マリガン有り 初期手札+ターンドロー=6枚)

●[ヴァイスシュヴァルツ]:71.3%

(デッキ枚数50 最大積載量4枚 マリガン有り 初期手札+ターンドロー+クロックドロー=8枚)

以上のように見比べると、デュエル・マスターズは初期手札の再現性が、やや低めなゲームであることが見て取れる。

しかし、シャドウバースやハースストーンはマリガンがありながらも、デュエル・マスターズと大きく数字を離してはいない。

一方で、ヴァンガードやヴァイスシュヴァルツといったゲームは、これらとは離れ、高い初期手札の再現性を持ったゲームシステムになっている。

高まる初期手札への依存度

出典:デュエル・マスターズ

実際、デュエル・マスターズは初期手札の再現性が低めのゲームであるようだ。

これはつまり、初期手札の強さがバラバラになりやすいゲームだ、ということである。

しかし、私はこのゲームシステムそのものに大きな問題があるとは思わない。何故ならマリガンの無い今のデュエル・マスターズでも、シャドウバースやハースストーンと同程度の再現性を持っているからだ。

私の懸念は、この問題がゲームシステムだけに留まっていないというところにある。

その中でも、『近年のデュエル・マスターズは、カードパワーのインフレによって、初期手札の弱さを乗り越えて勝つことが難しくなっていっている。』ことは特に大きい。

つまり、初期手札の強さがバラバラになりやすいだけでなく、その差を埋めづらくなっていっている。→ゲームの勝敗が初手手札の運要素に依存しやすくなっていっているのだ。

しかし一体何故、カードパワーのインフレが、初期手札の弱さを乗り越えて勝つことを難しくしているのか。

[理由1]ゲームスピードが速くなり、手札調整の機会が減った

ゲームスピードが遅い場合、例え初期手札が弱くても、負けるまでの間のターンドローでこれが緩和されたり、サーチカードをプレイすることで解決したりできる。

しかし、3ターン目~6ターン目が主なキルターンである現デュエル・マスターズに、そんな悠長な時間は用意されていない。

結果、初期手札の弱さをカバーリングすることが出来ず、敗北してしまうことがままある。

[理由2]シールド・トリガーを封殺できるデッキが増えた

シールドシステムは、初期手札と並んでデュエル・マスターズを代表する運要素の一つだ。

しかし、現デュエル・マスターズにおいては、多くのデッキがこれを無効化する手段を持ち合わせており、運要素として機能する頻度が減ってきている。

結果、デュエル・マスターズの持つ運要素が、初期手札の部分に集中してきてしまっているのだ。

マリガンで解決!

出典:デュエル・マスターズ

以上より、デュエル・マスターズはシステム面とインフレ面の2つの面から、ゲームの勝敗が初期手札の運要素に依存しやすくなっているゲームになっているのだ。

「マリガンを導入してくれ」というアラートが鳴るのも頷ける。

するとやはり、デュエル・マスターズもマリガンを導入することで、ヴァンガードやヴァイスシュヴァルツのように初期手札の強弱が和らぎ、より良いゲームになるのではないか。と考えるのは自然である。

ところがこれ、実は逆なのだ。

運要素が初期手札に集中しているからこそ、この初期手札の運要素だけは解決してはならない。

同時にヴァンガードやヴァイスシュヴァルツといったゲームが、高い初期手札の再現性を許しているのにも理由がある。

ドラマを生むには

出典:デュエル・マスターズ

デュエル・マスターズのゲームシステムが持つ運要素は、主に初手・シールド・ドローの3つである。

一方で、ヴァンガードやヴァイスシュヴァルツといったゲームは、『トリガーチェック』『ダメージチェック』といった勝敗を左右するほど大きな乱数要素があり、これがゲーム中幾度となく発生する。

そのため、初期手札の再現性が高く、皆が一斉に強い手札からスタートしても、『トリガーチェック』『ダメージチェック』によって展開が左右され、ゲームに抑揚が生まれるのだ。

簡単に言うと、『たとえ理想の初期手札が配られたとしても、それが有耶無耶になるくらいにはゲーム中に乱数が発生するから、それなら良い初期手札で気持ち良くゲームを始めてくれ!』というシステムなのである。

しかし、デュエル・マスターズはそうではない。

理想の初期手札が配られると、それだけで勝ってしまうデッキがあり、それを許すシステムがある。

デュエル・マスターズは、マリガンを導入することで、勝つべく者が勝つべくして勝つ、単調でドラマの無いゲームになってしまう恐れがあるのだ。

母は初期手札より強し

出典:デュエル・マスターズ

だからこそ、初期手札の依存度が高い今のデュエル・マスターズにおいても、マリガンシステムは導入すべきでないと私は考えている。

つまり主題の問いに対しての私の答えは、『マリガンが欲しいくらいには初期手札の運要素に左右されるゲームだが、それでもマリガンは導入すべきではない!』だ。

この問題を解決するのに適切なのは『マリガンの導入』という近道ではなく、『他にも運要素を増やして初期手札への依存度を薄める』といった遠回りな方法だと私は思う。

そして我らがデュエル・マスターズは、ここ1年で既にこれに着手している節があるのだ。

強力ながらも出てくるものがランダムである『GR召喚の登場』や、看板運要素であるシールド・トリガー復権のための『《単騎連射 マグナム》《音精 ラフルル》の規制』『ループ・コンボデッキの規制』がそれだ。

このように今後も初期手札以外の運要素を、様々な箇所に設けていけば、多少弱い手札でスタートをしても、巻き返せる目のあるエキサイティングなゲームになっていくことが予想されるのだ。

ついぞ強いプレイヤー達の弱点が、母親だけになる時代は、すぐそこに迫っているのかもしれない。

前回の記事⇒【第1回トレカライターコロシアム優勝】所属ライター みすみ インタビュー


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