目次
はじめに
皆さんこんにちは!ガチまとめDM担当 F野です。
今回のテーマは、DM冬の風物詩、エリア代表決定戦についてです!
自分は先日開催された全国大会2019エリア代表決定戦 中四国B大会に参加してきました!
今回はエリア予選レポートということで、自分がエリア予選に向けて「どのようなことを考えて調整したか」ということを中心にレポート形式でお伝えさせていただきます!
「エリア予選に参加される方にとって、少しでも有益な情報を書き残す」という思いで執筆をしました。
かなり本気で取り組んだ超実践的なレポートになっているかと思いますので、これからエリア代表決定戦を控えている方々の参考になれば幸いです!
(せっかくなのでアイキャッチ画像もそれっぽいものを作ってもらいましたw)
果たして肝心の本人の結果は如何に…
後日、使用デッキの徹底解説編も公開されますのでそちらもお楽しみに!
1.エリア代表決定戦とは
エリア代表決定戦をよく知らない方のためにこちらで簡単に説明します。
エリア代表決定戦とは、全国大会への切符を掛けた公式大会です。全国のカードショップで開催される店舗予選からスタートし、店舗予選の優勝者はエリア代表決定戦に参加することができます。
エリア代表決定戦で優勝すると、日本一決定戦に出場することができます。
今でこそ「DMPランキングで上位になることが日本一決定戦への正規ルート」のような扱いになっておりますが、自分のような以前からのプレイヤーは「全国予選といえばエリア予選」という認識である場合が多いです。
普段ランキングを走れない人でも、エリア代表決定戦で優勝すれば文句なく日本一決定戦に出場できます。競技DMPにとってあこがれの舞台である全国大会…自分も例外ではなく、調整に熱が入ります。
出場エリア選択
今年からエリア代表決定戦の出場地域を自由に選べる制度になりました。
(以前までは権利獲得地域のみ出場可能)
自分の住んでいる地域は東海地方なのですが、お休みの関係上東海予選の週に東海地方にいない為、中四国大会に遠征することにしました。(その週は関東の実家に帰っているので…)
岡山県は初めて行く県なので、ちょっとした旅行も兼ねてリラックスできればいいな、という意図もありました。
2.調整結果
ここでは、調整結果から得た各デッキへの印象をお話しします。
本来なら調整過程→調整結果とお話しするのが一般的ですが、少々長くなってしまうため、先に結果を話してしまいます。
これらの結果に至った思考過程は、3.エリア代表決定戦に向けての調整録でお話しします。
環境定義
調整を行う際、「どのようなデッキが存在するか」という確認も含めて環境定義は重要です。
エリア代表決定戦は2ブロック構築で行われます。
自分は現環境に以下のデッキが存在すると考えました。(2019年12月8日までの環境想定)
Tier1
- 【シータミッツァイル(ジョーカーズ軸)】
- 【シータミッツァイル(《κβバライフ》軸)】
- 【赤青ジョーカーズミッツァイル】
Tier2
- 【赤白ミッツァイル(赤白ビート系)】
- 【赤単B-我ライザ】
- 【青黒ハンデス】
Tier3
- 【青緑ジョラゴンジョーカーズ】
- 【青魔導具】
- 【赤青覇道】
新興勢力
- 【カウンタージョーカーズ】
- 【青黒(ドロマー)オーラ】
各デッキタイプのTierは大体の感覚で配置していますが、実際の使用率や入賞率とそこまで相違ないかと思われます。
ざっと見ると「ミッツァイル環境」ではありますが、非常に多くのデッキタイプが存在することが分かります。
注目すべきは新興勢力のデッキタイプです。これらのデッキは11月30日(土)に行われた九州大会と12月1日(日)に行われた北海道大会でそれぞれ優勝したものです。
それまで存在しなかった(身を潜めていた)デッキタイプであるため、環境の各デッキに対するアンサーである場合があります。この新興勢力のデッキタイプは、「調整終期」に実際に触ります。
各デッキへの認識
ここでは、各デッキの実際に触ってみた(対戦してみた)印象を紹介します。ガッツリ触ったものから、ほんの少ししか触っていないものもあるので、練度に差があることはご了承ください。
※こちらは自分がエリア予選に参加する前(12月8日)までの印象です。実際に参加し、認識が変わった部分に関しては赤字で追記しております。
【シータミッツァイル( ジョーカーズ軸 、《κβバライフ》軸 )】
この環境での超鉄板デッキ。最終使用候補まで残っていました。
デッキとして非常に安定感があり、一度回りだすと手が付けられないです。《“魔神轟怒”万軍投》の登場によって光文明を入れて《続召の意志 マーチス》を絡めずとも、大量にGRクリーチャーを展開できるようになりました。
それに加え、デッキの性質上手札が0枚でもトップからGR召喚できるカードを捲れば《天啓 CX-20》や《マリゴルドIII》から、いわゆる「ピタゴラスイッチ」が始まって大逆転できるという、上ブレ要素も兼ね備えています。
環境最強の封殺カードである《「本日のラッキーナンバー!」》もフルで採用でき、デッキとして隙が少ないです。
【シータミッツァイル】にはジョーカーズ軸と、それ以外(便宜上《κβバライフ》軸と呼称)が存在します。
ジョーカーズ軸は《グレープ・ダール》+《エモG》パッケージの採用で盤面処理力が高いです。これらのカードは【シータミッツァイル】というデッキ基盤に非常に噛み合っています。
また、基盤マナブーストである《ジョラゴン・オーバーロード》や《超GRチャージャー》がGR召喚できるカードであるため、前述の「ピタゴラスイッチ」チャンスが増しています。その分若干Sトリガーが薄く、採用カードをジョーカーズに大幅に寄せるため構築が縛られる傾向にあります。
《κβバライフ》軸は構築の縛りがないのが最大の利点です。強力除去カードである《DROROOON・バックラスター》の採用や《Waveウェイブ》で《「本日のラッキーナンバー!」》を使いまわすことができます。
光文明を追加し、環境最高峰のロック性能を持つ《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》を採用して、より同型を意識した構築にすることも出来ます。
《フェアリー・ライフ》や《κβバライフ》がマナブーストの軸となっているため、アグロ系デッキに対してデッキ単位でジョーカーズ軸より強くなっています。
上記の2パターンを両方触り、自分が出した結論は、「【シータミッツァイル】を使うなら、《“魔神轟怒”万軍投》を採用したジョーカーズ軸」というものでした。
理由はデッキとしての最大出力がジョーカーズ軸の方が高いことと、トップからのGR召喚による「ピタゴラスイッチ」力が高いからです。【青黒ハンデス】や【青黒オーラ】が環境に存在する以上、トップから解決する能力の高さはそのままデッキとしての強さとして評価することができます。
同型を考えた際、《エモG》のみだとGR召喚のタイミングと回数に不安が残りますが、そこは《“魔神轟怒”万軍投》の採用でデッキパワーマシマシの構築にすることで解消しました。九州大会Bブロック 2位のマッピ~選手の構築を大きく参考にさせていただきました。
サンプルデッキリスト
また《κβバライフ》軸で光文明を採用することは、マナベースに大きな不安を抱えることになり、デッキとしての出力が相対的に低下すると判断しました。採用しているSトリガーの枚数も、【赤単B-我ライザ】に対して根本的な解決になっていない場合が多いため、差別化のポイントとしては少々弱いです。
他にも細かい理由はありますが、ざっくりとした印象は以上になります。まあ、最終的に【シータミッツァイル】は使用しなかったんですけどね…
【赤青ジョーカーズミッツァイル】
環境の中心となっているデッキの1つです。正直メインでは触っていません。
先行3ターンキルをそれなりの確率で実現できる圧倒的理不尽なデッキパワーを持っています。
《スッポンジ・トム》や《ザパンプ》を採用した型を調整相手に回してもらいました。(《Wave All ウェイボール》を採用した型も入賞していましたね。)デッキとしての押し付け力が強力且つ、《無限合体 ダンダルダBB》から《「本日のラッキーナンバー!」》を無理なく撃てるようになったので、デッキとしてかなり完成されているイメージです。
ただ、【赤白ミッツァイル】や【青黒ハンデス】の存在からあまり使いたくはないなぁという印象でした。基本的に受けを採用できない為、【赤単B-我ライザ】に貫通されるのも嫌だなあと感じていました。
追記
中四国A、B大会では、《Wave All ウェイボール》と《バリスイトーヨー/水筒の術》を採用した型が多く入賞しました。(九州大会の優勝もこちらの型でした。)《Wave All ウェイボール》が恒久的にジョーカーズGRクリーチャーを供給でき、《水筒の術》が小さい《“魔神轟怒”万軍投》のように扱えます。
サンプルデッキリスト
これにより【赤青ジョーカーズミッツァイル】が抱えていた「息切れ感」という問題を解消しております。非常に理にかなった強力な構築であることは、結果が示す通りでしょう。
調整段階で仮想敵として設定していたデッキリストが古いもので、このデッキへの認識が浅かったことは反省しなければなりません。
【赤白ミッツァイル(赤白ビート系)】
赤白系のメタ要素を含んだビートダウンデッキは3つのタイプに分けられます。
《ナゾの光・リリアング》+《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》軸、《ヘブンズ・フォース》+《音奏 シャンタン》軸、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を採用した【赤白ビートダウン】が存在します。自分は《ヘブンズ・フォース》+《音奏 シャンタン》軸をメインに触りました。
感触としては悪くなかったです。《ヘブンズ・フォース》を絡めた通常ではありえない展開力と、各種メタクリーチャーが様々な対面に有効であることが確認できました。《MANGANO-CASTLE》の捲り方や《”轟轟轟”ブランド》等の上ブレ要素も兼ね備えているため、ノッている日に使えばかなりの出力を発揮するなぁと考えていました。(極論全てのデッキに言えることではありますが 笑)
懸念点は、《全能ゼンノー》の存在です。このカードの対処は噛み合いが必要な場面があり、状況によってはクリティカルに刺さるのが気になりました。
また先攻であれば様々な対面に対して有利に戦えますが、逆に後攻であった場合相手の対処が間に合ってしまうことが多々ありました。特に【シータミッツァイル】に対しての勝率がガクッと下がってしまう点が気がかりでした。
【赤単B-我ライザ】
現環境において最大出力を発揮できるデッキです。
《“必駆”蛮触礼亞》₊《龍星装者 “B-我”ライザ》のみから勝利することも多々あり、サブプランである横展開からの《BUNBUN・ヴァイカー》も十分強力です。
ですが最高の動きがある反面、動かないときには悲しいほど動かない…
ハンデスもランダムハンデス1枚で致命傷を負うことがあり、隙の大きいデッキであるという印象が強くなっていきました。
《龍星装者 “B-我”ライザ》を着地させた後のデッキとしての再現性を高めるために《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》や《GIRIGIRI・チクタック》を採用してみましたが、結局は最初に《龍星装者 “B-我”ライザ》で捲るカードに依存してしまいました。
環境内のデッキに【赤単B-我ライザ】を意識した、【カウンタージョーカーズ】や【青黒オーラ】のようなデッキが登場しつつあることも向かい風でした。
何より、これだけ調整して《“必駆”蛮触礼亞》₊《龍星装者 “B-我”ライザ》から《“必駆”蛮触礼亞》を捲ってお仕舞は正直渋いなぁという感情に支配され、使用候補からは外れました。デッキの瞬間出力は間違いなく最速最大です。
【青黒ハンデス】
調整初期~中期に可能性を感じて一番触っていたデッキです。
この環境はリソース補給をしている暇は基本的にありません。リソース補給は制圧後か動きの中で行わないと、相手の動きを為すが儘に受け入れることになってしまいます。その為リソース確保専用のカードはメインデッキに基本的に採用されていません。(結局は《天啓 CX-20》を絡めれば、後からいくらでもリソースを確保することができます。)
つまり、ハンデスという行為がリソース補給を行っていない相手への妨害として非常に有効に働きます。序盤の妨害としては現環境で一番安定している行為です。
ハンデスでリソースを枯らし、《「本日のラッキーナンバー!」》で相手のGRクリーチャーを封じ、それを《Wave ウェイブ》や《回収 TE-10》で使い続ける…実に合理的で隙のない戦略に見えます。
が、ここに大きな落とし穴があることが調整をしているうちに判明しました。
冒頭のこちらの文章を思い出してください。
この環境はリソース補給をしている暇は基本的にありません。リソース補給は制圧後か動きの中で行わないと、相手の動きを為すが儘に受け入れることになってしまいます。
これが【青黒ハンデス】にも当然適用されます。制圧後or動きの中でのリソース確保に加え、相手の動きに対処し続ける【青黒ハンデス】には、以下の行動を求められています。
①相手の手札を枯らす
②《「本日のラッキーナンバー!」》を唱え続ける
③自分のバトルゾーンを展開する
④相手のバトルゾーンの脅威を除去する
これら全てをこなすと、「完璧な勝利」が実現できます。逆にこれらのどれか(特に②)が欠けると、そこから突破されてしまうことがあります。これらを円滑に行うためにするのが「リソース確保」なのですが、動きの中で実現するにはGRゾーンから《天啓 CX-20》や《回収 TE-10》を捲るしかありません。
これらの根本的な問題を解決するために、
- 「リソース確保と自分の動きの両立の補助」として《カエル B ジャック》を採用
- 「動きの中でのリソース確保の増強」として《Wave All ウェイボール》を採用
- 「相手バトルゾーンの除去と打点の早期形成」として、火文明を増やして《DROROOON・バックラスター》と《BAKOOON・ミッツァイル》を採用
- 「《「本日のラッキーナンバー!」》以外の封殺行動」として、光文明を増やして《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》と《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》を採用
等色々試しましたが、解決になっていなかったり他の問題が発生してしまいました。
環境最大母数の【シータミッツァイル】にジョーカーズ軸が増えたこともあり、【青黒ハンデス】にとっての脅威である大型システムクリーチャー《エモG》の処理と上記①~③の両立が非常に難しくなりました。
上記のことから、
「ハンデス」という行為は強いが【ハンデス】というデッキタイプは弱い
という判断をし、【青黒ハンデス】というデッキタイプを諦めることになりました。
結構回したし、可能性は感じたんですけどね…
【青緑ジョラゴンジョーカーズ】
エリア予選権利獲得時に使用していたデッキです。
その頃はまだ必殺!!マキシマム・ザ・マスターパックが発売していなかったため使えましたが、発売後の【赤青ジョーカーズミッツァイル】と《全能ゼンノー》の登場で厳しい戦いを強いられるようになってしまったので、全く触らないようになりました。
【青魔導具】
スパーリング相手として少しだけ触りました。
現環境ではキルターンが5ターンなのがネックで、【シータミッツァイル】に対して完全に蹂躙されてしまっていたため使用候補から外れました。
追記
元々アグロ耐性はあり、【青黒オーラ】や【カウンタージョーカーズ】のような受け気味のデッキの登場により、環境的な立ち位置が向上しています。【ミッツァイル】系デッキにも、綺麗に《「本日のラッキーナンバー!」》を「4」、「8」宣言されなければ戦えるということが後から分かりました。
また、自分の参加した中四国エリアは、地域柄【青魔導具】が多いという情報も後から知りました。(実際、中四国B大会の予選抜けの最大母数は【青魔導具】です)
【赤青覇道】
全く触っていないので割愛させていただきます。
【カウンタージョーカーズ】
新興勢力デッキタイプ①。
エリア予選開始前は特に注目されていなかったデッキタイプですが、カーナベルプロ ユーリ選手と九州Aブロックの優勝者であるfogion選手が使用しています。(お2人のデッキ構築は異なります。)
この時点で実力のあるデッキであることは明白で、とりあえずユーリ選手のデッキリストを回してみることにしました。
回してみた雑感としては、従来の【青緑ジョラゴンジョーカーズ】が抱えていた問題を解決している素晴らしいデッキリストであると感じました。《ドンジャングルS7》等、《オコラッタ》の採用率が減っているから有効に働くカードをしっかり採用している辺り、流石だなぁと感じさせられました。
また採用されているSトリガーがバラけており、初見ならば相手の《「本日のラッキーナンバー!」》の宣言ミスを誘導することができるのが魅力に感じました。
ですが「Jチェンジをされないようにクリーチャーを召喚しない」、「攻撃の際には複数回の《「本日のラッキーナンバー!」》を絡める」などを徹底されると脆いデッキでもあり、そこが懸念材料でもありました。
【青黒(ドロマー)オーラ】
新興勢力デッキタイプ②。
北海道大会で優勝されたNJ選手と一緒に調整をされていたえーじ選手が使用されていたデッキタイプです。全く注目されていなかったデッキタイプが入賞し、驚かれた方も多いかと思われます。
自分もそのうちの1人です。まずは完コピして触ってみることにしました。
すると非常に完成度の高いデッキであることが分かり、過去最高の手ごたえを感じました。詳しくはデッキ解説の方でお話ししますが、
- 「ハンデス」という現環境で有効な妨害が基本戦略となっている
- オレガ・オーラがメインであるため《「本日のラッキーナンバー!」》がほぼ効かない
- 《白皇世の意志 御嶺》による相手の除去への安心感
- 豊富なシールドトリガー
等、現環境に非常にマッチしています。2t《御嶺》や、《*/零幻チュパカル/*》→《極幻空 ザハ・エルハ》等の上ブレ要素も内包している点も魅力で、調整終期ではこのデッキの研究をすることにしました。
3.エリア代表決定戦に向けての調整
ここでは自分がエリア代表決定戦当日まで、どのように調整をしていたかを紹介します。調整期間は約1ヶ月です。この調整を元に、上記でお話しした各デッキへの認識は形成されました。
調整初期(1~2週間目)
各デッキへの理解度を高める
環境に存在するデッキへの理解度が根本的に足りなかったため、友人と協力して環境に存在するデッキを全て組みました。(新興勢力を除く)具体的に組んだデッキは、
- 【シータミッツァイル(ジョーカーズ軸、バライフ軸)】
- 【赤白ミッツァイル】
- 【青黒ハンデス】
- 【赤単B-我ライザ】
組んでもらったデッキは、
- 【赤青ジョーカーズミッツァイル】
- 【青緑ジョラゴンジョーカーズ】
- 【青魔導具】
となります。
これらのデッキのテンプレ構築をひたすら回し、理解度を深めました。この時の雑感は、「【シータミッツァイル】つっっっっっっっよ!!!!!」でした。
ここで「【シータミッツァイル】を安定して倒すことができるデッキや構築が重要」ということを明確に意識しました。
他のデッキと比べて安定感と爆発力が飛びぬけており、先行であれば各種アグロデッキにも十分間に合います。【ハンデス】に対してもトップからの「ピタゴラスイッチ」で《天啓 CX-20》を絡めれば容易に返すことができます。
調整中期(2~3週間目)
各環境デッキへの理解度は十分深まり、ここから【シータミッツァイル】を倒せる構築の開発に着手します。
【青黒ハンデス】との格闘
まずは【ハンデス】に可能性を感じ、VS【シータミッツァイル】の検証を行いました。回していくうちに、【シータミッツァイル】に勝利するためには
①相手の手札を枯らす
②《「本日のラッキーナンバー!」》を唱え続ける
③自分のバトルゾーンを展開する
④相手のバトルゾーンの脅威を除去する
事が必要という知見を得ることができました。
従来の【青黒ハンデス】では、これらを安定して達成することができませんでした。前述の通り様々な構築を試し、幾度となく【シータミッツァイル】に立ち向かいましたが、正解の構築にたどり着くことができず諦めることになりました。
【赤単B-我ライザ】との格闘
「相手が動く前に倒せば良い。」
「撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ。」
そこに視点をシフトした自分は、【赤単B-我ライザ】に目を付けます。VS【シータミッツァイル】においては、受けのトリガーに《龍星装者 “B-我”ライザ》を直接除去できるカードが採用されていないこともあり、貫通できることが多かったです。
捲りの再現性を高めるために、
- 2回攻撃ができる 《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》
- 条件付きではありますが、2コストを捲ってしまっても2/3の確率で4コスト以上の捲りに復帰ができるようになる《GIRIGIRI・チクタック》
- 捲りの回数を能動的に1回追加できる《龍装者 バルチュリス》
等を採用してみました。感触は悪くなく、【赤単B-我ライザ】への期待感は高まっていきます。(何より使っていてとても楽しい)
この段階では、「VS【シータミッツァイル】を強く意識してエリア予選に挑むなら【赤単B-我ライザ】を使用する」ということを考えていました。
その他のデッキ
【ハンデス】と【赤単B-我ライザ】の調整にお熱であったため、スパーリング相手としてテンプレ構築は触っておりましたが、勝つための構築の調整は触れておりませんでした。
調整終期(3週間目~エリア予選前日)
【青黒オーラ】との出会い
この時期にエリア代表決定戦 九州大会、北海道大会の結果が出ました。【カウンタージョーカーズ】、【青黒オーラ】という新興勢力が現れ、環境はいよいよ混沌としてきました。
幸いパーツは全て揃っていたため、両方即座に組んで回し始めました。
どちらも非常に完成度の高いデッキで、特に【青黒オーラ】は従来の【青黒ハンデス】が抱えていた問題を解消する、可能性を感じるデッキタイプでした。自分はコントロールデッキが大好きであるということもあり、「最終週は【青黒オーラ】を中心に触る」ということを決めました。
また、【赤単B-我ライザ】は新興勢力の2デッキに明確に不利であり、出力にムラがありすぎるという課題がどうしても残ってしまったため、使用しないことに決めました。
この時点で、【シータミッツァイル】もしくは【青黒オーラ】にデッキが絞られたわけです。
【青黒オーラ】VS【シータミッツァイル】
環境の最大母数は【シータミッツァイル】であるという認識の下調整を進めていた自分は、【青黒オーラ】VS【シータミッツァイル】対面の検証を始めます。
すると、「【青黒オーラ】側が微有利ではあるが安定して勝てない」という結果が得られました。
原因としては、以下のものが考えられます。
- 《ア・ストラ・ゼーレ》で全体除去をしても、《白皇世の意志 御嶺》+《無修羅デジルムカデ》だけでは蓋がしきれない(2ターンかけて展開されてしまう)
- ハンデスで動きを鈍らせてもフィニッシュスピードが遅いため、手札を枯らしても「ピタゴラスイッチ」から復帰されてしまう
また決定的な決め手がないため、時間切れの懸念が付きまといました。(エリア代表決定戦の予選の制限時間は20分)
【青黒オーラ】は新興勢力であるためテキスト確認をされる場面が多く、対面想定もよくされていない為ロングゲームを基本プランにするのは危険と考えました。
これらの問題を解決するために、ここから独自チューンに入ります。
問題を解決する2枚のカード
- 【シータミッツァイル】に対する蓋がしきれない
- フィニッシュスピードが遅い
これら2つの課題を解決するためのカードは、光文明にありました。
《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》
【クリーチャー】
【種族】 メタリカ
【文明】 光
【パワー】4500
【コスト】6
■ブロッカー
■相手は、自身のターンに1体しかクリーチャーをバトルゾーンに出せない。
■ラスト・バースト(このクリーチャーが破壊された時、このカードの呪文側をコストを支払わずに唱えてもよい)
【呪文】
【文明】光
【コスト】3
■相手のクリーチャーをすべてタップする。
GR召喚を多用する【シータミッツァイル】に対しての蓋として、これほど有効なカードはありません。着地したら限定的な方法でしか対処できません。
このカードの採用により、【シータミッツァイル】への勝ち筋として
①《御嶺》+《デジルムカデ》を立てる②展開されたクリーチャーを《ア・ストラ・ゼーレ》で返す③獲得したETで《無双の縛り 達閃》を着地させて蓋をする
というルートが確立できました。
《金剛の断ち 那暮/ダイヤモンド・カッター》
【クリーチャー】
【種族】 メタリカ
【文明】 光
【パワー】11500
【コスト】8
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーの数が相手より多ければ、自分の山札の上から4枚を表向きにする。その中から、コスト4以下のメタリカをすべてバトルゾーンに出し、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。
【呪文】
【文明】光
【コスト】5
■このターン、相手プレイヤーを攻撃することができない効果をすべて無視する。(召喚酔いや、「このクリーチャーは攻撃できない」または「このクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃できない」などの効果を無視する)
《白皇世の意志 御嶺》+《ダイヤモンド・カッター》はフィニッシュスピードを速めるのに最適なコンボです。《御嶺》+《デジルムカデ》+《もう1体の御嶺》+《ダイヤモンド・カッター》は【シータミッツァイル】に対して揃えれば必ず勝てます。
《もう1体の御嶺》がなくとも、小型GRクリーチャーが複数体並んでいればGR召喚からの《バイナラシャッター》をケアしてフィニッシュできます。
また、このカードは時間切れに対してとても有効です。スパーク系や《終末の時計ザ・クロック》がなければ 《御嶺》でワールドブレイクして強引にフィニッシュすることができます。
最終デッキリスト
ここから枚数調整を重ね、以下のデッキリストにたどり着きました。
52枚全ての採用理由を話せる、納得のいくデッキリストに仕上がりました。
【シータミッツァイル】とどちらを使うか、この時点ではもはや悩んでいませんでした(笑)
細かいデッキ解説は、この記事の後に公開される使用デッキ徹底解説編で解説します!
4.エリア代表決定戦中四国B大会 レポート
さて、ここからは実戦のレポートです。
頭の中で組み上げた理論は完璧…
聞かせてやるよ 論理の律動を…
(画像は著作権の問題で割愛します)
当日
前日はホテルに宿泊していた為、朝起きてそのまま会場へ。
中四国地方に住む友人と久しぶりに会い、楽しく会話していました。(地方の友人に会えるのが遠征のいいところでもありますね♪)
受付を済ませ、いざ尋常に…!
試合結果
1回戦 【赤白ミッツァイル(赤白ビート)】(先攻)
ビートダウン相手に先攻を獲得。
《チュパカル》→《補充》の幸先の良いスタートをします。
お相手は《リリアング》→《ヘブンズ・フォース》→《ゴルドーザ》でビートを仕掛けてきます。
返しに《チュパカル》→《ブチャカティ》→《ダイパ殺デー》で相手をハンドレス状態に。
お相手はトップから2体目の《リリアング》を追加。《リリアング》と《ゴルドーザ》で自分のシールドを0枚に。
この時に、
- Sトリガー1枚以上
- 《ア・ストラ・ゼーレ》
- 《轢罪 エクスマ疫ナ》
のどれかが絡めば返せていたのですが、どれも絡まずに敗北…
非常に悔しい負け方をしてしまいました。
2回戦 【カウンタージョーカーズ】(後攻)
エリア予選は5-1すれば文句なく予選進出。気を取り直して2回戦に挑みます。
お相手は有利対面の【カウンタージョーカーズ】。相手の手札を枯らして《デジルムカデ》か《全能ゼンノー》を出せば完封できます。
序盤は《ダイパ殺デー》を《オーマ 丙-二式》や《離脱 DL-20》と絡めることにより使いまわし、お相手の手札を0枚にすることに成功します。
《御嶺》に《チュパカル》と《ザハエルハ》をセットすることにも成功し、展開の準備は完了。《デジルムカデ》を拾いに行く作業に入ります。
ところが、《ア・ストラ・センサー》を3回使用しても見えない《デジルムカデ》…《全能ゼンノー》もGRゾーンから一向に顔を見せません。
相手のクリーチャーを除去するために使用した《轢罪 エクスマ疫ナ》からようやく《デジルムカデ》を引きます。
「相手のハンドは0だし、次のターンでデジル貼って勝ちだな…」
慢心しました。
お相手は《ソーナンデス》→《キング・ザ・スロットン7》から《キング・ザ・スロットン7》。
更にその《スロットン》から《オラマッハ・ザ・ジョニー》!
《オラマッハ・ザ・ジョニー》
【 クリーチャー 】
【種族】 ジョーカーズ
【文明】 自然
【パワー】13000
【コスト】8
■T・ブレイカー
■マスター・マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる。このターン、このクリーチャーがバトルに勝った時、アンタップし、相手のシールドを1つブレイクする)
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを1枚自分のマナゾーンから手札に戻す。
■相手が呪文を唱えた時、その呪文とコストが同じジョーカーズ・カードを1枚、自分の手札から捨ててもよい。そうしたら、その呪文は効果を失う。
ん…?アンタップ…?Tブレイカー…?
自分のバトルゾーンに残った 《御嶺》 以外のクリーチャーは残り2体。
更に相手の《オラマッハ》は《スロットン》の効果で相手プレイヤーで攻撃可能になっています。
自分のシールドにSトリガーは存在せず、《スロットン》のダイレクトアタックが成立し、自分のエリア予選は幕を閉じました…。
負け筋は存在しないと完全に慢心した状況からの予期せぬ敗北に、試合後は放心状態となりました。
恐るべき《オラマッハ》、恐るべき《スロットン》…。
試合後に確認したら、《全能ゼンノー》はGRゾーンの10枚目と11枚目に居ました。(1回《予知》の効果を挟んでいます)
慢心、ダメ絶対。
オマケ 3回戦
放心状態の自分はドロップを忘れ、3回戦へ。
どうせなら1勝くらい…もしかしたらここから4-2すればワンチャン…(ほぼ無い)そんな気持ちで挑んだ3回戦。
お相手「《堕呪 ウキドゥ》をチャージしてターン終了します。」
超絶不利対面の【青魔導具】に遭遇してしまいました。
しっかり《卍 新世壊 卍》を貼られ、あまりにもか細いビートプランで応戦するも、《堕呪 カージグリ》を踏み無月の門は開かれました。
流石にここでギブアップ。ドロップし会場を後にしました。
反省
メタ読みミス
エリア予選の調整中、「環境最大母数は【シータミッツァイル】。【青魔導具】はこの環境の2ブロックにおいては少数である」と思い込んでいました。
上記の思考からメタ読み・調整をし、【ドロマーオーラ】を持ち込みました。
ところが、【青魔導具】の環境的な立ち位置は悪くなく、復権の兆しがありました。更に中四国という地域がそもそも【青魔導具】が多いという情報を当日の朝知りました。
母数が多ければ、1回戦2回戦と勝利しても【青魔導具】に遭遇する可能性は十分にあり、【ドロマーオーラ】を持ち込むのは間違いであったと思います。
実際に予選抜け最大母数は【青魔導具】であったそうです。
構築ミス
【シータミッツァイル】が最大母数という思考は、構築にも影響を及ぼしました。
対【シータミッツァイル】の為にドロマーカラーへと構築を変えるために、《*/弐幻ニャミバウン/*》等のSトリガーの枠を削りました。
更にSトリガーの採用カードは《轢罪 エクスマ疫ナ》から確定除去ができる《罪罰執行 ジョ喰ンマ》へと変わり、全体的にアグロ耐性は低くなっていました。
負けたいずれの試合もSトリガーがあればゲームに復帰できたため、まさしく敗因といっていいでしょう。
おわりに
大敗…!圧倒的大敗…!!
エリア代表決定戦は、自分や身内で調整した結果の答え合わせができる大会であると考えています。
自分の場合、超勉強したけど盛大に答えを外したような結果になってしまいました…。
ですが、今回の調整や姿勢は無駄ではなかったと思っております。しっかり論理的にメタを読み、それに対する答えは出せたのではないかと思っております。(前提条件をスカしたらアカンということも思い知らされました。)
自分のこのエリア予選に対する調整の思考と過程は、この記事に詰め込みました。この記事を読んだ方が、少しでも自分の身になる情報を得れたのであれば幸いです。
長くなってしまいましたが、ここらで筆を置かせていただきます。
使用デッキの【ドロマーオーラ】徹底解説編は、近日公開予定です!
そちらも良かったら読んでください!