その1マナが勝負を分ける

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その1マナが勝負を分ける

 マナ。

 DMというゲームでカードを使う際には、必ずこのエネルギーが必要とされる。だからこそ、僕たちは毎ターン毎ターンマナゾーンにカードをチャージして、使えるマナを増やすのだ。

 DMプレイヤーの誰しもが、呼吸をするかのように当たり前に行っているマナチャージ。

 しかし、何気なく置いたそのマナが、実はあなたの敗因かもしれない。

 

目次

1 マナチャージの基本

 プレイヤーは、自分のターン、カードを使用する前に、手札から1枚マナゾーンにカードを置くことができる。この行為のことを、「マナチャージ」という。

 そして、一部例外はあるものの、一度マナゾーンに置かれたカードはその対戦中使うことができなくなってしまう。だから、間違って必要なカードをマナゾーンに置いてしまえば、それだけで勝敗が決することもありえる。

 したがって、マナチャージの基本は、「いらないカードをマナゾーンに置き、必要なカードを手札に残す」ことである。

 そうはいっても、デッキの中にあるのは、自分が真剣に考えて選び抜いた40枚。いらないカードなんて入れてない!!!

 ・・・そう。だからこそ、マナチャージは難しいのである。

2 手札に残すべきカード

・マナコスト、デッキ内の枚数を考える

 ただ、全部必要なカードとはいっても、使うべきタイミングというものがある。マナの少ない序盤はコストの小さいカード、マナのしっかりたまった終盤にはコストの重いカードと、基本的には自分が使えるマナの数を考えながら、状況にあったカードを手札に残すことになるだろう。

 また、デッキの中に入っている枚数が少ないカードは、デッキから再び同じカードを引く確率が低く、一度マナゾーンに置いてしまうと対戦中同名カードが使えない可能性がある。したがって、デッキに入っている枚数が多く、マナゾーンに置いてもデッキから再び手札に加わる可能性の高いカードの方がマナに置きやすい。

 

 ・・・なるほど。

 

 じゃあ、《超戦龍覇モルトNEXT》は、コストも7で重たいし、デッキに4枚も入っているからマナゾーンに置いちゃおっと!!

《超戦龍覇モルトNEXT》はノリで4枚入っているわけではない。

出典:デュエル・マスターズ

・・・などと間違っても考えてはいけない。

 

・デッキの核や手札の枚数を増やすカードはなるべく置かない

 マナコストも重いし、デッキにもたくさん入っているモルトNEXTをマナゾーンにおいてはいけない理由。

 それは、彼が、「モルトNEXT」という「デッキの核」すなわち、対戦相手がどんなデッキであれ必ず使いたい、そのデッキにおいて中心的な役割を果たすキーカードだからだ。

 モルトNEXTが4枚デッキに入っているのは、マナゾーンに置くためではなく、対戦中に絶対に使いたいからである。そんな超重要カードをわざわざ自分からマナゾーンに置いておきながら、トップでモルトNEXTを引けなくて負けた、DMは運ゲーなどといっていては本末転倒である。

 自分の使っているデッキにおいて、必ず使いたいカードは何なのか、使わなければならないカードは何なのか、デッキの核といえる存在が何なのかを理解することが、マナチャージのコツといえるだろう。

 

 そして、核と同じく重要なのが、手札の枚数を増やすドローカードや特定のカードを手札に持ってくるサーチカードといった、使うことでデッキの核を手札に加えることができるカードだ。

GR召喚に注意が行きがちだが、ドロー効果もうまく活用したい。

出典:デュエル・マスターズ

 DMにおいて、手札は「知識」ともいわれるように、手札が増えればその分使えるカードの選択肢が増える。マナがなければカードは使えないが、手札がなければそのマナすら貯められない。

 特定のカードを手札に持ってくることのできるサーチカードは、手札の数を増やさないが、手札の質を上げてくれる。自分の好きなタイミングで確実に欲しいカードを持ってくることができるサーチカードは、その後の戦術を考えるうえでも役に立つ。

 

・手札にあることに意味があるカード

 また、DMには、手札にあることに意味があるカードが存在する。攻めのカードでいえば「侵略」や「革命チェンジ」、守りの能力でいえば「ニンジャストライク」や「革命ゼロトリガー」などである。

 これらのカードもなるべくであれば手札に残しておきたい。ただ、デッキの核になっていることも多い攻めのカードと異なり、守りのカードは自分のデッキの動きには直接関係しない場合が多いので、上にあげたカードたちと比べると手札に残すべき優先順位は低くなる。

 

3 マナに置くべきカード

 なるほど。ここまででマナに置いちゃいけないカードはなんとなくわかったけど、だったら何を置いたらいいのさ!?ということで、ここからはマナゾーンに置くべきカードについて考えていきたい。

 

・使いたいカードを考える

自分はもちろん、相手がカードを使う際にも必要な文明のマナをタップしているかを確認することは重要である。

出典:デュエル・マスターズ

 基本的には、すでに説明した手札に残すべきカード以外のカードをマナに置くということになるのだが、ここで忘れてはならないことがある。それは、カードを使う際には、そのカードと同じ文明のマナが最低1つは含まれていなければならない(ゼロ文明を除く。)というDMの大原則である。

 したがって、マナゾーンにカードを置く際には自分が使いたいカードが使える状態であるかも考えなければならない。

 とくに多色カード(複数の文明を持つカード)が入っているデッキの場合は注意が必要である。多色カードは、マナゾーンにタップして置かれるため、チャージしたとしてもそのターンに使えるマナとしては数えることができない。手札の多色カードを置くタイミング、また、デッキトップが多色である可能性などを考えたうえで、使いたいカードを確実に使えるように余裕を持ったマナチャージを心掛ける必要がある。

 

・メタカード

踏み倒しメタでもあり、墓地利用メタでもあり、ループパーツでもある一部例外

出典:デュエル・マスターズ

 メタカードとは、特定のデッキを対策するためのカードである。例えば、墓地を利用するデッキに対する《ポクチンちん》や、パワーの小さいクリーチャーを並べるデッキに対する《メガ・マグマ・ドラゴン》などのことである。

 これらのカードは、一部例外も存在するが、基本的には特定のデッキ以外には効果を発揮しない。したがって、効果を発揮しないデッキ相手の時にはマナゾーンに置いてよいだろう。しかし、効果を発揮するデッキ相手には、出せなければ何事もなく負けてしまうということもあり得るので、その場合には手札に残すべきカードとなる。

 どのカードが、どのデッキに対して効果を発揮し、どのデッキに対しては無意味なのかを知ることもまた、より良いマナチャージのために必要なことである。

 

・シールドトリガー

 シールドトリガーは、相手の攻撃を受けてシールドから発動することを前提にデッキに入れられていることが多い。したがって、手札に来てしまった場合には、基本的にマナゾーンに置いてしまってよいだろう。

 しかし、だからといって、《Dの牢閣メメント守神宮》もシールドトリガーを持っているからマナチャージしてしまっていいんだー、とはならない。

スピードアタッカーがいないデッキ相手であれば、確実に1ターン負けない状況を作り出せる等、手札から出しても強力な一枚。

出典:デュエル・マスターズ

  シールドトリガーには2種類ある。

 《終末の時計ザ・クロック》や《撃髄医スパイナー》など、基本的に手札から使うことが想定されていない、シールドトリガーとしての役割のみを期待されたものと、《ドンドン水撒くナウ》や《Dの牢閣メメント守神宮》など、手札から使っても強力な効果を発揮するものだ。

 そのシールドトリガーが手札から使っても意味があるカードかどうかを考えてみてほしい。

 

・マナゾーンに置くべき、または、置いても問題ないカード

 まず、手札に同じ(役割の)カードが二枚以上あるという場合に、一枚でもそのカードが使えれば十分であるというような場合には、一枚をマナゾーンに置いたとしても確実にその(役割の)カードを使うことができるので問題ないだろう。

 しかし、相手が手札を破壊する手段を持っている場合や、二枚目を使うことにも意味があるという場合は、同じ(役割の)カードが重複していたとしても、マナゾーンに置くべきではない。

 

今後もマナゾーンから使うことのできるカードの枚数はどんどん増えていくだろう。

出典:デュエル・マスターズ

 カードの中にはマナゾーンから使うことができるという効果を持つ者もいる。このようなカードは、マナゾーンにあろうが手札にあろうがどちらにせよ使うことができるので、マナにおいても問題ない。

 また、「チェンジザドンジャングル」に採用されている《ニコル・ボーラス》のように、はじめからマナゾーンに置くことが前提とされているカードもある。このようなカードは、むしろ積極的にマナゾーンに置かなければならない。

 

マナ回収は強力な効果ではあるが、それを前提にした行動をとりすぎていると思わぬ事態を招くことになるかもしれない。

出典:デュエル・マスターズ

 また、《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》をはじめとしてマナゾーンにあるカードを回収したり、《ドンジャングルS7》や「Jチェンジ」などマナゾーンのクリーチャーにアクセスしたりすることのできるカードを採用している場合、これらのカードの能力を使うことを前提とするプレイングもあり得る。

 しかし、マナ回収カードがデッキに入っているからといって、何も考えずにマナゾーンに置いてしまうと、結局使いたいときにカードが使えなかったということにもなりかねない。そのカードを使いたいタイミングまでにマナ回収が間に合うかどうかも考える必要があるだろう。

 

4 マナチャージしないという選択肢

 最後に、マナをチャージしないという選択肢もあるということを押さえておきたい。

 たとえば、「モルトNEXT」デッキでは、(構築によるが)マナゾーンに8マナたまってさえしまえば、デッキのすべてのカードを使うことができるので、手札の強力なドラゴンをわざわざマナゾーンに置いてまでマナを増やす必要性がない。

 先ほども言ったように手札は知識である。自分から進んで選択肢を減らす必要性はない。自分のデッキが最大何マナまでマナゾーンにカードを置く必要があるのかを知ることで不必要なマナチャージをする必要がなくなる。

 

不意の《終末の時計ザ・クロック》ほど心臓に悪いカードもない。

出典:デュエル・マスターズ

 また、マナゾーンに置いたカードは相手プレイヤーにもわかってしまうことから、よく知られている構築には入っていないカード(特にシールドトリガーなど)を採用している場合には、そのカードをあえてマナゾーンに置かないというのも一つの手である。

 そのようなカードは、相手も警戒している可能性が低く、相手の計算を大きく狂わせ、あなたを勝利に導くカギになりうるからである。

5 まとめ

 これまでの内容をざっくりまとめると、以下の通りである。

  1. マナ置いたカードは、基本的には使えなくなってしまう。
  2. 基本は、使えるマナの数を考えながら、使いたいカードを手札に残す。
  3. デッキの核は、手札に残す。
  4. デッキの核にアクセスできるドロー、サーチカードは、なるべく手札に残す。
  5. 使いたいカードが使えるようにマナゾーンに文明をそろえる。
  6. メタカードが効果を発揮するか否かを考える。
  7. マナに置かないという選択もできることを忘れない。

 こうしてみると、なんのことはない。

 多くのプレイヤーにとっては、当たり前のことを書いただけかもしれない。

 しかし、当たり前のことを当たり前に行うことは案外難しい。

 この1マナが勝敗を決するかもしれないという意識で、一マナ一マナ丁寧にチャージすることを心掛けたい。

執筆者:一番ぼし


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