こんにちは。北白河と申します。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
この企画「今日の一枚」では「今バズっているカード」「今高騰しているカード」「今話題のカード」「往年の名カード」「今北白河の中でアツいカード」など、独断と偏見で北白河が選んだカードを定期更新(週四回くらい更新できたらいいな)で毎日1枚取り上げて語っていきます。
というわけで、今日もやっていきましょう。それでは、今日のカードはこちら。
《蒼き団長 ドギラゴン剣》
【クリーチャー 】
【種族】メガ・コマンド・ドラゴン/革命軍/ハムカツ団
【文明】火/自然
【パワー】13000
【コスト】8
■ 革命チェンジ―火または自然のコスト5以上のドラゴン
■自分の多色クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■T・ブレイカー
■ファイナル革命ーこのクリーチャーが「革命チェンジ」によってバトルゾーンに出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、コストが合計6以下になるよう、進化ではない多色クリーチャーを自分のマナゾーンまたは手札から選び、バトルゾーンに出す。
頼むから帰ってくれドギラゴン
ドラゴンについて語ることは、何もありません。
……とは行かないので、真面目に説明を。DMR-21 「革命ファイナル 第1章 ハムカツ団とドギラゴン剣」に収録されたレジェンドカードですね。およそ3年間にわたって環境の最前線に居座り続けた、デュエマの歴史に残る最悪のドラゴンの一角です。
「革命」の主役カード《燃える革命 ドギラゴン》が蒼い鎧と剣を身に着け、ハムカツ団団長の座と革命チェンジとファイナル革命の力(あと自然文明)を手に入れた姿です。こいついつも色々もらってんな。防御的スペックだった以前の姿から打って変わってその能力は超攻撃的かつ極悪です。というか以前の姿が不甲斐なさ過ぎたとも言うんですが。相手に依存する能力は弱い!
革命チェンジとかいう存在そのものがコスト論に喧嘩を売っている能力で登場し、ファイナル革命とかいう特にファイナル要素のない能力で多色クリーチャーを展開。さらにそれらにSA付与という、「コスト無視」「大量展開」「SA付与」というデュエマにおいてやってはいけないことを全部やってのける、掟破りのカードです。
その強さはウィザーズ社の開発スタッフのチャーリー・カティノ氏をして「やりすぎた」と言わしめるほどです。しかも開発時には「合計7コストまで出せる」という能力だったらしく、そのまま世に出ていればこれ以降の革命ファイナルのカードデザインはクソつまらなくなっていたと思われます。具体的に言うと「《蒼き団長 ドギラゴン剣》で出ちゃうから」という理由だけで7マナの強力な多色クリーチャーを一切刷れなくなるわけですね。ここまで高コストが出てしまうと「革命チェンジするより 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 で出したほうが早い」みたいな革命チェンジ持ちも増えてしまい、革命ファイナルというブロックを全否定することにも繋がります。開発段階で気付いてくれてよかった。
このクソ雑な数値設定はスタートデッキの切札である《DXブリキング》を出すためだったそうですが、そんなcipで除去するだけの準バニラを出したいがために世界を終わらせるつもりだったと考えると肝が冷えますね。
どの面下げて帰ってきたドギラゴン
そんな 《蒼き団長 ドギラゴン剣》ですが、発売当初から暴れに暴れまくりました。最初に開発されたのが1マナクリーチャー→《二族 ンババ》→ 《蒼き団長 ドギラゴン剣》でリレーを行い3Tキルを狙う【成長バスター】。このデッキでは過剰な速攻要員としての起用でしたが、「《蒼き団長 ドギラゴン剣》を出せばゲームが終わる」→「ならば、安定しない3キルよりも準備を整えて相手が動き出す1ターン前に動いたほうがいいのでは?」という発想から、ミッドレンジデッキとしての【バスター】の形が見え始めます。
というわけで次に台頭したのが《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》や《勝利のアパッチ・ウララー》で除去性能を高め、より広いレンジに対応できるようになった【赤黒バスター】です。GP3rdの優勝もこのタイプで、その出力と対応力の高さを物語っています。
そして対応力の化身と言えるのがその後現れた【5cバスター】。全色の受け札や詰め筋を採用できるこのデッキは、革命ファイナル期の最後の勝者と言えるでしょう。
そして新章環境に突入し殿堂によるパーツ規制や《異端流し オニカマス》等の致命的なメタカードが現れた後も、逆に《異端流し オニカマス》を搭載し、《Dの博才 サイバー・ダイス・ベガス》による受け性能を高めた【青黒赤バスター】や《次元の霊峰》で安定性と対応性を高めた【霊峰バスター】などが登場し、その勢力は衰えませんでした。
それどころか3キルに使ってくれと言わんばかりの《”龍装”チュリス》が登場。あらゆる 【バスター】デッキにお手軽な即死ルートが生まれ、ビートに特化した【青赤バスター】やメタカードを搭載した【白青赤バスター】が活躍しました。
その後双極篇に至っても《龍装者 バルチュリス》などを獲得して暴れ回った《蒼き団長 ドギラゴン剣》ですが、2019年3月1日をもってついに本体が殿堂入り。アーキタイプの核としての役目を終えることになりました。登場からなんと2年9ヶ月。ようやく眠ることに……
なりませんでした。そもそも単体でも強力なスペックであり多色のドラゴンデッキなら1枚でも積まない理由が特にないので、【モルトNEXT】【赤青革命チェンジ】などのデッキで今も採用され続けています。頼むから帰ってくれ。
やっと帰ってくれたドギラゴン
さて、走り続けてきた 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 ですが、本体に規制がかかるのが遅かったということはすなわちそれまでの過程でお供のカードをどんどん殿堂入りに叩き込んできたということにほかなりません。《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》《裏切りの魔狼月下城》《単騎連射 マグナム》《音精 ラフルル》《次元の霊峰》《勝利のアパッチ・ウララー》《プラチナ・ワルスラS》。単体で悪さをしたやつもいるとはいえ、実に7枚ものカードが《蒼き団長 ドギラゴン剣》のせいで殿堂入りの憂き目に遭っているのです。
どうしてここまで殿堂が遅れたのか?その最大の要因が「主人公の切札だから」です。主人公カードとして比較的出やすいレジェンドとしてあらゆる層に大量供給してしまった以上、安易な殿堂入りは「キッズにとってはカッコいい切札を奪われデュエマを離れてしまう」「ガチ勢にとってはトップメタの失墜で客離れを起こす」といった事象を引き起こすことが容易に想定されました。新章突入で売上が落ちていたこともあり、慎重になっていたのでしょう。公式の思惑もわからなくも……
……いやそもそも調整ミスった公式のせいだろこれ!ちゃんとしてくれカティノ!「ごめん強くしすぎたわ」の前に本来なら「強すぎたので調整しました」がないといけないんだよ!
というわけで、《蒼き団長 ドギラゴン剣》でした。「主人公だから」で査定を甘くするとこういうことになるのだ!わかってるのか おい!……全然使われなかった《武闘将軍 カツキング》と《燃える革命 ドギラゴン》の反動って言われたら特に言い返せないんですが。それでは、次の記事で。
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