目次
はじめに
初めまして、フェアリーと申します。
小学生の頃にデュエルマスターズを始め、それからはトーナメントプレイヤーとしてCSや公式大会に参加していました。
しかし、今ではCSに参加する機会も減り、お仕事としてデュエルマスターズ専門のYouTuberをやっています。
そんな私のYouTuber生活でメインのお仕事は『デッキを創る事』
毎日、デュエルマスターズの動画を投稿する私のYouTubeチャンネル【FairyProject】では年間365個のデッキが必要。それは非常に難しい事で《BAKUOOON・ミッツァイル》が4枚使える環境では毎日のように頭を抱えていました。
けれど、このお仕事は私にとって誇りであり、楽しいものです。
今回のデッキビルダーコンテストでは、企画担当として『FairyProjectの1/365』をお届けしようと思います。
もしご興味がありましたら、最後まで宜しくお願い致します。
コンセプトを決める
「フェアリーさんは、どうやってデッキを創っているんですか?」
今まで、これに近い質問を何度されたか覚えていません。
いつもこの質問に対して上手く説明が出来ないので、今回の記事で流れを知っていただけたらと思います。
まずは、見出しに書いた通り『コンセプト』を決めましょう。
どのカードで、どんな事がしたいのか。これが重要です。
最初から最後までキッチリ決めなくていいです。
曖昧にふわふわした感じで「〇〇と〇〇で〇〇が出来るからこのコンボ決めたい!」とか「新弾の〇〇使いたい!」で構いません。
私が今回選んだカードは《猿神兵アッシュ》と《螺神兵ボロック》
【クリーチャー】
【種族】アーマロイド
【文明】 火
【パワー】3000
【コスト】4
■このクリーチャーまたは自分の他のアーマロイドが破壊された時、相手はカードを1枚自身のマナゾーンから選び、墓地に置く。
【クリーチャー】
【種族】アーマロイド
【文明】 火
【パワー】1000-
【コスト】1
■このクリーチャーのパワーを、バトルゾーンにある光または水のクリーチャー1体につき-1000する。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
『なんか知らんけど、ブラックボックスに再録されたし使いてぇ!』
いつもデッキを考える時の理由は、こんなもんです。
それでは、最初の土台である決めたいコンボ、使いたいカードが曖昧に決まりましたね。
次にする事は『そのカードに関する情報収集』です。
DMvaultのデッキ集やガチまとめのデッキレシピ一覧、Twitterに公開されている情報。
これら全てをチェックしましょう。
「《帝神龍装 ティーゾリス》がいれば《猿神兵アッシュ》の効果が2倍か」
「《激天下!シャチホコ・カイザー》+《螺神兵ボロック》は墓地から出て勝手に溶けるから《猿神兵アッシュ》がいれば毎ターンランデス出来るのか」
色々なリストを見たり調べていると、そのカードに関する知識が頭の中に保存されていきます。
情報収集した結果、《帝神龍装 ティーゾリス》がいる状態で《猿神兵アッシュ》+《螺神兵ボロック》で妨害しながら《激天下!シャチホコ・カイザー》を着地させてロックしよう!
ここでやっと、やりたい事が決定しました。おめでとう!ありがとう!
シナジーを見つける
6コストの《帝神龍装 ティーゾリス》を盤面に残した上で4コストの《猿神兵アッシュ》と《螺神兵ボロック》を出してランデス。しかも、《螺神兵ボロック》を溶かすには光か水のクリーチャーが必要だし、その後に《激天下!シャチホコ・カイザー》も出さないといけない。
いや、要求高過ぎません???
決まりませんでした、今回もご視聴ありがとうございました、また次の記事でお会いしましょう、ばいばーい。
とは出来ないお仕事です。
考えましょう、どうすれば効率良く揃うのかを。
先程、《猿神兵アッシュ》と《螺神兵ボロック》の情報収集が終わりましたね。そこで、また情報収集のお時間がやってきました。
次は、この方です。
【 クリーチャー 】
【種族】 ドラゴンギルド / マフィ・ギャング
【文明】 闇
【パワー】7000
【コスト】6
■このクリーチャーの召喚コストを2少なくしてもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のクリーチャーを1体破壊する。
■W・ブレイカー
■自分のクリーチャーが破壊された時またはバトルゾーンを離れた時にトリガーする自分のクリーチャーの能力はすべて、1度のかわりに2度トリガーする。
コンボに必須なカード関連も、もちろん情報収集の対象です。
デュエルマスターズにおける40枚のデッキっていうのは小さなシナジーの塊なんです。
デッキ内の無駄なカードを極力減らせるよう一つ一つ丁寧にシナジーを探していきます。
《帝神龍装 ティーゾリス》の情報収集に関しては、以前動画で使用した事があったので脳内シナジー引き出しから引っ張り出しました。
色々なカードに触れていると、脳内にどんどん情報がストックされていくので新しいデッキを創るスピードが上がっていきます。
私の強みは、マイナーなカードに触れる機会が多いから、色々なカードのシナジーが脳に詰まっている所にあると思います。
さて、ある程度の情報収集が済んだ所でデッキのカラーリングを決めていきます。
ここまで来ると頭の中にある程度のデッキの形が見えてくると思いますので、整理して課題を洗い出してみましょう。
・全体的にコストが重い、マナが伸びていないとコンボパーツを揃えるのは難しそう
・マナを伸ばすなら、コンボパーツをマナ回収出来る要素が必要
・コンボパーツが単体で強くないから、コンボを決める要素に枠を取られて受け札を採用出来なさそう
・受けを採用できないという事は、軽い妨害札を採用しないとコンボを決める前に負けてしまう
・マナを伸ばして、妨害札も使っていると中盤後半で手札が足りなくなりそう
コンボパーツである火文明と闇文明は必須です。
マナを伸ばしてマナ回収の出来る自然文明は必要そうに感じます。
妨害札は闇文明で何とかなりそうだけど、手札増やすのに水文明まで採用すると4色になってしまいます。
この手のコンボデッキは、色が増えるとどんどん安定性が落ちていく+手札を増やす要素でしか無さそうな4色目はあまり採用したくありません。
そうなると、火文明と闇文明と自然文明の3色で上手く手札をキープ出来る要素を探そうという結論に。
デッキに纏める
カラーリングが決まった所で、次は必要な要素に当てはまるカードを先ほど情報収集した中から探していきます。
マナを伸ばす要素としては、《帝神龍装 ティーゾリス》と相性の良いラスト・バースト能力を持った《ラルド・ワースピーダ/H.D.2.》や《ラ・トビ・トール/ケンドリック・ハーヴェスト》が望ましいでしょう。
《ラ・トビ・トール/ケンドリック・ハーヴェスト》に関してはマナ回収まで付いて来るのが高評価です。
しかし、ラスト・バースト能力の起動には、クリーチャーを出す→破壊するという2行動が必要になってきます。
ラグがあると好きな時に起動出来ない為、マナから《ラ・トビ・トール/ケンドリック・ハーヴェスト》を出しつつそのままマッハファイターで走らせる事も出来る《生命と大地と轟破の決断》を採用。
【 呪文 】
【文明】 自然
【コスト】5
■この呪文を自分のマナゾーンから唱えてもよい。そうしたら、唱えた後、墓地に置くかわりに自分の山札の一番下に置く。
■次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
→自分の山札の上から1枚目を、タップしてマナゾーンに置く。
→コスト5以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。
→このターン、自分のクリーチャー1体はパワーを+3000され、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる。
でも、まだラスト・バーストを起動させるギミックが少なく感じます。
もっと、手軽に欲しい。
《生命と大地と轟破の決断》や《帝神龍装 ティーゾリス》のような大きな動きだけでなく、小さく、つまり細かく動きたい。
そう考えた時に、思い浮かんだのは《雪溶の鎖/堕牛の一撃》の存在。
【 ツインパクトカード 】
【クリーチャー】 雪溶の鎖
【種族】 ビーストフォーク
【文明】 自然
【パワー】 1000
【コスト】 2
■このクリーチャーが破壊された時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
【呪文】 堕牛の一撃
【文明】 闇
【コスト】 1
■自分のクリーチャーを1体破壊する。そうしたら、カードを2枚引く。
1コストでラスト・バースト能力を起動させながら、課題であるドローも出来て、多色なのでカラーリングも優秀。
しかし、まだ手札を増やす要素が足りないので《帝神龍装 ティーゾリス》の脳内シナジーストックより《闇の破壊神ゼオス》を採用。
【 クリーチャー 】
【種族】 マフィ・ギャング / デーモン・コマンド / スペシャルズ
【文明】 闇
【パワー】12000
【コスト】4
■ T・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、自分のクリーチャーを1体破壊する。
■自分のクリーチャーが破壊された時、次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶カードを1枚引く。
▶相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを–3000する。
《帝神龍装 ティーゾリス》のお陰で、2倍起動出来る上に《生命と大地と轟破の決断》から出す事も可能、ドローも除去もしてくれる万能カードです。
ここまで手札を増やす要素があると、妨害札を使用する手札の余裕もあるでしょう。
考えていると、全体的にデッキと相性が良さそうな妨害札は無月の大罪を持ったオレガ・オーラだと気付きました。
ラスト・バースト能力を起動する事も出来るし、GRクリーチャーにはマナ回収や墓地回収やハンデスカードなど多彩です。
そこで私は、ハンデスとして《乱罪 ダイパ殺デー》、除去として《斬罪 シ蔑ザンド》を採用しました。
どちらも2コストと軽く、使いやすそうと感じていました。
ここまで脳内で決めると後は、採用カードの枚数配分です。
役割と色配分をしっかりと脳内で考えて、必要そうな枚数を振り分けていきましょう。
デッキリスト
実際に出来上がったリストがコチラです。
枠が余ったので《闇の破壊神ゼオス》や《超次元 リバイヴ・ホール》とも相性が良い受け札《光牙忍ハヤブサマル》を1枚採用しました。
GRクリーチャーに関しては、相性の良さそうなカードがこの6種類だったのでそのまま採用です。
火文明は、《生命と大地と轟破の決断》を採用した事により枚数を取る必要が無くタッチになりました。
フィニッシャーに関しては、《猿神兵アッシュ》+《螺神兵ボロック》+《激天下!シャチホコ・カイザー》で相手のマナを全て破壊した状態で《生命と大地と轟破の決断》をゲーム中にマナから2枚唱えて山札の下でグルグルさせる事により自分は山札が無くならないという昔のジョバンニデッキを思い出させるかのようなフィニッシュになっています。
後は、リアルで同じデッキを組んでスリーブに入れて、ZweiLanceが家に来るのを待って撮影するだけです。行ってきます。
最後に
『フェアリーさんは、どうやってデッキを創っているんですか?』
この問いに答えるとするならば、小学生の頃からストックされた脳内の引き出しがあって、その場その場で必要なものを取り出しているだけです。
後は、探求心と遊び心。
今までのデュエマ人生において、沢山デッキを組み、同じだけ負けを経験してきました。負け方を知る事は、勝ち方を知る事へ繋がります。
数回負けても諦めずに15年間くらいデッキを組んでみましょう、そのうち何とかなると思います。
この記事では、私がFairyProjectで毎日紹介しているデッキの中から1つピックアップしてデッキが出来るまでを紹介してみました。
普段は文章を書く機会が少ないのですが、今回のデッキビルダーコンテストに挑戦してみたい気持ちがあり、筆を執ってみました。
読んでいただき、本当にありがとうございます。
最後に一言だけ言いますと、生命と大地と轟破の決断が最強!