池袋の「かるまる」で君もととのえ
こんにちは。あるいはお久しぶりです。北白河と申します。
いやあ。終わりましたね、GP。参加者・運営のみなさま、お疲れさまでした。
私は例によって今回もカバレージ(2日目)を書いてました。全国大会2019でカバレージデビューしたばんちきさんとyk800さんと久しぶりにご一緒しましたね。
一流プレイヤーの激戦を特等席で見れたうえで、「あのプレイの意図」とか「デッキ選択の理由」とかを試合後に本人から直接聞けるのは、カバレージライターの特権。今回も名勝負揃いでとにかくブチ上がりました。
終了後の打ち上げでもまつがんさんとカミカミ王子さんからめちゃくちゃ貴重なお話を聞けてまたブチ上がったんですが、これは守秘義務なので墓場まで持っていきます。アルコールが入っていたのでそもそも記憶がないという説もありますが。
ちなみに、こうしてブチ上がった反動で翌日の体調は見るも無残なことになりました。サウナでひたすら交互浴&昼寝などして必死に回復させ、新幹線を予定より早いやつに変えて家でしっかり休むつもりだったんですが……。
その新幹線が事故で止まった結果、家に辿り着いたのは日付が変わるくらいになりました。全然体が休まらないままこの原稿を書いています。殺してくれ。
というわけで、今回もやっていきましょうか。
この記事があなたの良い暇潰しになれば、これほど嬉しいことはありません。
それでは、今日のカードはこちら。
《絶望神サガ》
【 クリーチャー 】
種族 ゴッド / オリジン / 文明 水/闇 / パワー3000 / コスト3
■このクリーチャーが出た時、または自分のターンのはじめに、カードを1枚引き、自分の手札を1枚捨てる。その後、自分の墓地にクリーチャーが3体以上あれば、コスト5以下のゴッドまたはコスト5以下のオリジンを1体、自分の墓地から出してもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。
DMX22-EX2で登場した、ゴッド/オリジンですね。
超ざっくり言うと、メタられてない状態で2枚引くと3マナでだいたい勝つカードです。
このカードについては私がうだうだ言うよりももっと上手い人が書いた記事が腐るほどありますので、まずはそちらを見ていただくとして。
なんだかんだ言いつつ環境で見ない日のないこのカード……というか、このカードを活かしたデッキこと【サガループ】。
先日のGP二日目(オリジナル)でも、多くのプレイヤーが使用したようです。フィーチャー卓で配信を見ていた方なら、なんとなくその比率の高さを感じてもらえたんじゃないかと思います。
ベスト128には(派生デッキ合わせて)14人を送り込みシェア率2位を確保するなど、実際に一大勢力として勝ち残っていたようです。
しかし、そのシェア率の高さと裏腹に。ベスト8に【サガループ】の姿はありませんでした。なぜでしょうか。
その理由の一つとなるのが、「あまりにもメタられすぎた」というポイント。
最速3ターンキルの印象が強い【サガループ】ですが、実はそこまで上手くいく可能性は高くありません。実現するにはかなりの引き運か相当特化させた構築、あるいは両方が必要になってきます。
そして、現在の【サガループ】側の主な「メタのメタ」となるカードは2マナ以下を対象とする《 「敬虔なる警官」 》。初期型に採用されていた《 爆撃男 》はあまり見なくなりました。
……となると、「低確率のブン回りによる先攻3ターンキル」さえ割り切れるならば、3ターン目に3マナのメタクリを設置することでおおむね安全な4ターン目をもぎ取れるんですよね。
それを見越してか、優勝したいっぺこ選手の構築に投入されていたのが……
《 U・S・A・BRELLA 》です。
これまでの主流だった1マナ獣大量採用タイプではなく、やや下火だったビートジョッキー型に回帰してまで採用された彼は【サガループ】に効果覿面。ついでにビートジョッキー型なら《 烈火大聖 ソンクン 》も取れて、実質カード指定除去やブロッカー対策もできる…というのも嬉しいところ。
さらに間違いなく仮想敵となってくる【青魔導具】(実際に決勝戦でぶつかってましたね)に対しては、トリガーでまず対処されないアタッカーとしてすら運用が可能です。噛み合い!
それに何より、「もともとGRに対策するために作られたアドバンス向けカードがオリジナル攻略のカギになる」っていう構図、面白すぎません?
なんにせよ、このカードと【赤単我我我】以外にも多くのデッキが「踏み倒しメタと墓地メタの併用で多角的に対策するプラン」「対策されてもいいので一回だけ止めて、その隙に勝負を決めるプラン」などを採用することで【サガループ】の対策を目論見ました。
一回の試合では乗り越えられても、予選9ラウンドと本戦7ラウンドという長丁場すべてでそのメタを潜り抜けられず脱落した……というのが、今回の【サガループ】全滅の一因なんじゃないかなって思ってます。
どこまで行っても「2枚コンボ」なので、デッキ全体の動きで勝負するデッキと比べて出力にムラがある(そのぶん3キルもあるんですが)のもこの傾向を加速させたんじゃないかと。
どんなに強いデッキでも(あるいは、強いデッキだったからこそ)「メタゲーム」という土俵に立つことからは逃れられなかった……ということを示す好例ですね。
ちなみに《 U・S・A・BRELLA 》が今回の表題ではないのは、「【サガループ】に勝つためのカード」という例示に過ぎないからです。
決して「初期にメタクリ雑語り回の表題にしてしまったから」ではありません。ありませんったら。
……とはいえ、おそらく【サガループ】側もやられているままではないでしょう。
単体でも毎ターンルーティングできて腐らない《 絶望神サガ 》4枚(と勝ち手段)を積んどけば無限ルーティングループそのものは成立するので、デッキの自由度そのものはめちゃくちゃ高いんですよ。
なんなら、「普通に《 CRYMAX ジャオウガ 》を目指して戦いつつ、引けたらループする」といった思想で【アナカラージャオウガ】と複合したタイプも結果を残してますしね。
ついでに言うとこのループは墓地肥やし関係なく「無限にカード引いてキーパーツを探せるループ」でもあるので、極論(そこまでやる価値があるかは置いといて)「別のコンボを揃える手段として運用する」みたいな使い方もできるわけで。
これからの【サガループ】あるいはそれを取り巻く環境がどう変わっていくか、一プレイヤーとしてはすごく楽しみですね。まあそれでも……このカードについて思うところがないわけではないんですが。個人的な好き嫌いもさることながら、名前に「起源神」って入ってないところとか。
「メタ」と「メタのメタ」に同じカード使わないでくれ
というわけで、《 絶望神サガ 》でした。
こういうのはどう考えても神結さんとかyk800さんのほうが解像度が高い話ができると思うんですが、今回のGPでそれぞれのデッキが「【サガループ】にいかに適応したか」っていうポイントをビシビシ見せつけられて感動したので記事になりました。
決して「【赤単我我我】も【青魔道具】もなんか最近勝ってたから近い話したことある気がするなあ…」と思ったからではありません。ありませんったら。
あと、今大会での《 絶望と反魂と滅殺の決断 》の活躍については……たぶん誰かがちゃんと言語化してくれることでしょう。私から言えることとしては、「対策とかメタとか関係なくこいつが単独で強すぎるだけじゃねえか!」ですね。
さて、次回予告のコーナーです。
弊社のECサイトにはカードごとに「一緒に買ってるランキング」というお遊び要素があるのですが、皆様にはそのランキングのみを見て次回のカードを当ててもらいます。
おや、今回も次回予告がありませんね。この原稿提出、公開の2時間前ですからね。やってる余裕がありません。
というわけで、次回のテーマはこちらです。各自予習していってください。
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それでは、次の記事で。北白河でした。