はじめましての方ははじめまして。そうでない方は、再びのご観覧ありがとうございます。村民まんじゅうと申します。
この度ご縁がありまして、なんとガチまとめ様にて【轟破天】のデッキテーマ解説記事の執筆をさせていただく運びとなりました。
ここ一年ロマンを求めた【轟破天】ばかり紹介してきた私ですが(詳しくはこちらから)、今回ばかりはネタ要素一切無し。
至極真面目に令和の環境に立ち向かうための轟破天を、僭越ながら考察・解説させていただこうと思います。
村民まんじゅうさんはガチまとめ主催の第5回TWGで【轟破天】の記事を書き「ライター賞」を受賞したライターです!
目次
はじめに
2002年に誕生してからもうじき20周年も見えてくるデュエル・マスターズ。
1枚でゲームをひっくり返してしまうカードはその歴史の中に数あれど、その中でも取り分け文字通り破天荒なカード。《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》。
(以下このカードそのものを指さない限り、クリーチャー面はオウ禍武斗、呪文面は轟破天と呼称します)
双極編の始まりと共に登場してから早2年。
呪文面に記された「各プレイヤーは、すべてのクリーチャーを自身のマナゾーンからバトルゾーンに出す。」という簡潔ながらあまりに豪快なその効果は、一部のプレイヤーの心を掴み続けています。
令和の時代も進化し続けるデュエル・マスターズにおいて、サブプランとしてピン刺しされるのではなく、主役としてこのカードを輝かせる【轟破天】デッキとは何か。
僭越ながら考察・解説させていただこうと思います。
【轟破天】の特徴
【轟破天】の定義
10マナを貯めて轟破天を詠唱、マナからの大量展開によるワンショットないし強固なロック。一言でいえばそれだけのデッキです。
それだけのギミックの中に、これまで登場してきたクリーチャーの数だけ可能性が眠っています。
自分のクリーチャーを大量展開出来ることを最大限利用した【轟破天ユニバース】や相手のクリーチャー展開を意に介さない【轟破天シャングリラ】
絶対的ロック性能を持つ【轟破天ドラゴVANナイン】
神の降臨を狙う【轟破天ヘヴィ・デス・メタル】等々……
挙げればキリが無いほどに、デッキタイプもフィニッシュ方法も様々です。
その中でも、この記事では轟破天を大量展開用呪文としてだけではなく、《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》として使うデッキを取り扱います。
轟破天を勝ち筋に据える以上、必ずオウ禍武斗がデッキに数枚入ることになります。
つまりデッキスロットを圧迫せずにフィニッシャー足り得るクリーチャーを採用できるという事。この点を活かさない手は無いでしょう。
【シャコガイル】のようにあくまでフィニッシュまでの足掛かりとして轟破天を唱えるデッキももちろん強力ですが、そういったデッキでは大方相手のシールドを割りに行く必要はありません。主役も轟破天ではないでしょうからね。
このカード無くしてデッキは成立しない。
そういった枠に《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》を採用したデッキを、具体的には「轟破天によるクリーチャーの大量展開からオウ禍武斗を絡めたワンショットキルを狙う【轟破天】」を紹介していきます。
環境に【轟破天】で挑むという事
《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》。ロマン溢れるカードではありますが、現代の高速かつ多様なメタカードが溢れる環境において、
- 10マナを貯めるまで延命しつつ
- 必要なパーツをマナにキープしつつ
- (ほとんどの試合で詠唱前に《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》マナに置くことから)コストがバレている呪文を唱えつつ
- 相手の大量展開を受けてもなお安定してゲームを決められるor相手の展開ないしカウンターを阻害するクリーチャーも一緒に出す
というのはかなりの修羅の道。他のカードではなく轟破天を使うことの意義を見出さなければ、まず間違いなく既存のデッキに劣ってしまうでしょう。
加えて、オウ禍武斗の破天九語を活かすと決めた以上、相手のシールドを無力化する手段がどうしても必要です。《終末の時計 ザ・クロック》をトリガーさせてしまった日には目も当てられません。
- 轟破天1枚ないし軽量カードと合わせて2枚程度のアクションから
- 相手のシールドを無力化する布陣を完成させつつ
- 現代デュエル・マスターズの環境に対するメタも張りつつ
- フィニッシュ手段の搭載によってデッキパワーを過度に落とさない
これらの問題を一気に解決するのは相当に困難。やはり【轟破天】は過去のデッキなのか……?
諦めかけたその時、ドラリンパックにて登場したとあるカードがその絶望を「希望」へと昇華させたのです!
【D2フィールド】
種族 ジョーカーズ / 文明 ゼロ / コスト3
■このゲームで使うカード、そのコスト、そのテキスト内のコストはすべて、文明を失う。(無色となる)
(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)
【轟破天】のデッキレシピ
【轟破天】カード解説
デッキの確定枠
まずは確定枠のご紹介。今回ご紹介するデッキに限らず、私の考える【轟破天】における確定枠は、この5種18枚です。順番に解説していきます。
・《【神回】バズレンダでマナが大変なことに?!【驚愕】》
【呪文】
種族 チームウェイブ / 文明 自然 / コスト2
■バズレンダ [3](この呪文のコストを支払う時、追加で [3]を好きな回数支払ってもよい。そうしたら、そのバズレンダ能力を1回と、追加で [3]支払った回数、使う)
自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
最強の初動。4枚積み確定。これまでの緑単色初動カードについて回った「中盤以降に引くと弱い」という致命的な弱点を、彼女は容易く克服してくれました。
2コス1マナブーストでしっかり初動の役割を押さえつつ、手札の枯渇しがちな5~6ターン目に引いても2~3ブーストから轟破天詠唱への階段を1段飛ばしに駆け上がることができるすごいカードです。
(パーツをマナに落とす必要はあれど)10マナを貯めてさえしまえばいわゆるトップ解決で勝負を決められる【轟破天】において、「序中盤は少しでも早くマナを貯めたい」という願いを1枚で叶えてくれるこのカードは、画期的という他ありません。
・《霞み妖精ジャスミン》
【クリーチャー】
種族 スノーフェアリー / 文明 自然 / パワー1000 / コスト2
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
いつもの初動。《フェアリー・ライフ》とどちらを取るかはお好みで。《音奏 プーンギ》や《正義の煌き オーリリア》などの呪文メタで序盤から動きが止まってしまうのが余りに辛いため、こちらを確定枠としておきます。
マナを十分貯めた後にパーツを引いてフィニッシュするだけという段階で引いたとしても、最低限打点として活躍し得る点もポイント。
ブロッカーや攻撃曲げクリーチャーの展開によって「あと1点だけ足りない…」という悲しい場面を避けるためにも、覚えておいて損はない使い道です。
本来なら9枚目以降の初動も確定枠にしたいところですが、一旦保留。今回は《リツイーギョ #桜 #満開》にその枠を譲る形に。
・《ウマキン☆プロジェクト》
【クリーチャー】
種族 トリックス/サイバー・コマンド/チームウェイブ / 文明 水/自然 / パワー0000+ / コスト4
■バズレンダ [2](このクリーチャーのコストを支払う時、追加で [2]を好きな回数支払ってもよい。このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのバズレンダ能力を1回と、追加で [2]支払った回数、使う)
自分の山札の上から2枚を見る。そのうちの1枚を手札に加え、もう1枚をタップしてマナゾーンに置く。
■パワード・ブレイカー(このクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
■自分のマナゾーンにあるカード1枚につき、このクリーチャーのパワーを+1000する。
何が何でも10マナを貯めたい【轟破天】において、
- いわゆる2→4→6の動きの邪魔にならないカード
- 中終盤に引いても複数回の《フェアリー・シャワー》という質の良いリソース源になる
- 場にいるだけで勝手にパワーが膨れ上がっていくため、ビート対面への抑止力になる
- 場に出た時点で仕事が終わる=優先して除去される対象になりにくいため、オウ禍武斗の破天九語後のトドメ役として適任
という、何から何までハイスペックなビッグマナの革命児。本当は4枚積みしたいところですが、確定枠としては3枚に留めておきます。
3.と4.は特にありがたいポイント。
マナ置きやシールドの中身からこちらが序盤からシールドを詰めに行かないビッグマナデッキであることを察知した相手が、役目を終えたこのクリーチャーに積極的に除去札を使うことはまず無いでしょう。
仮に除去を使わせたとしても、それはこちらにとって大きな痛手になり得ません。
むしろ貴重なリソースを切ってくれたと考えて良い所。逆にわざわざ除去を切ってきたことの意味を考えれば、次の相手の行動も予測できてしまうかも知れませんね。
マナをクリーチャーで染めている時に轟破天を唱えてしまうと、マナのカードが0枚となり《ウマキン☆プロジェクト》のパワーが0になってしまいます。
この場合は《ウマキン☆プロジェクト》が破壊されてしまうので4.の役割を果たせません。ご注意を。
後述する《ドンドン水撒くナウ》の存在も合わせて、これからの【轟破天】は水文明とのタッグを常に意識していくことになることでしょう。
・《ドンドン水撒くナウ》
【呪文】
文明 水/自然 / コスト5
■S・トリガー
■自分の山札の上から2枚を、タップして自分のマナゾーンに置く。
■クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから手札に戻す。その後、そのクリーチャー以下のコストを持つ相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
ブースト兼マナ回収兼除去札。登場してから早1年、コントロールデッキの便利トリガーとして引っ張りだこな彼女。【轟破天】との相性はその中でも特に光るものがあります。
序盤にマナに置いた《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》を回収しながら、9コスト以下という幅広い範囲を対象に除去を撒けるのは、デザイナーズコンボかと見紛うばかりの美しさ。この動きを相手ターンに行えるのが何より素晴らしく、
- こちらがそろそろ10マナ貯まりそうだから
- 大量展開を邪魔するメタクリーチャーを配置できたから
- 《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》がこちらの手札にないから
という理由で軽率に殴ってくる相手に、手痛いカウンターをお見舞いしてあげましょう。
・《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》
【ツインパクトカード】
種族 ジュラシック・コマンド・ドラゴン/ハンター / 文明 自然 / パワー9000 / コスト7
■マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
■W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
■このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。その後、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
呪文
カード名:お清めシャラップ
文明:自然
コスト:3マナ
■自身の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
■カードを1枚以上、いずれかのプレイヤーの墓地から選んでもよい。そのプレイヤーは、それらを自身の山札に加えてシャッフルする。
こちらも登場してから間もなく1年となるカード。潤滑油としての働きは目を見張るものがあります。
まずはクリーチャー面。
これまた手札が枯渇しがちな7コスト帯で、相手の厄介なメタクリーチャーを攻撃しながら《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》の呪文面のようなブースト(以下白米式ブーストと呼称します)を行えるのはとても便利。
単純なパワーの高さと小回りの利くアタックトリガー能力から、《ウマキン☆プロジェクト》同様場にいるだけで相手の攻撃を渋らせる働きも見せてくれます。
続いて呪文面。
いわゆる墓地リセット系カードですね。上手く初動を引けなかった際のリカバリー、【墓地ソース】や【カリヤドネループ】などの早期にフィニッシュを決めてくる墓地利用デッキにも何とか間に合うメタ、ビッグマナデッキに付きまとう山札切れへの回答。
好きなカードを山札に戻せるという点も含めて、こんなに都合のいいことがあろうかという性能です。
強いカード+強いカード=強い。墓地利用デッキが環境にいる限り、採用しない理由はありません。環境を見て2~3枚で調整するのが吉。
・《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》
【ツインパクトカード】
種族 グランセクト / 文明 自然 / パワー14000 / コスト9
■マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
■T・ブレイカー
■破天九語:このクリーチャーがバトルに勝った時、相手のシールドを9つブレイクする。
呪文
カード名:轟破天九十九語
文明:自然
コスト:10マナ
■各プレイヤーは、すべてのクリーチャーを自身のマナゾーンからバトルゾーンに出す。これらのクリーチャーがバトルゾーンに出ることによって起こる効果はすべて無視する。(マッハファイターなどの、そのターンの間働く能力は無視されない)
このデッキタイプのコンセプト。クリーチャー面を最大限活かすために3枚積み。
呪文面によってマナから出てきた《オウ禍武斗(クリーチャー面)》が、クリーチャーが場に出た時に発動する効果(以下cip)を無視して無防備に展開された相手クリーチャーにすぐさま攻撃。
破天九語によって、相手のシールドを9枚まとめて吹き飛ばす。1枚でコンボが完結している美しいカードです。
攻めが苛烈で守りの薄そうなデッキに対しては、《轟破天(呪文面)》による確実なフィニッシュが間に合わないと判断した段階で、クリーチャー面で一気に勝負をかける方向にシフトできるのも魅力。
なるべくそうならないことが望ましいのですが、この判断を下す可能性は常に考えておきましょう。
その他採用カード、採用候補カード
ここからは今回紹介するデッキに採用したカード、および採用候補カードをさっくりご紹介。
・《リツイーギョ #桜 #満開》
【 クリーチャー 】
種族 トリックス / チームウェイブ / 文明 自然 / パワー3000+ / コスト2
■相手のクリーチャーがバトルゾーンに出る時、そのターン、相手が自身の他のクリーチャーを2体以上バトルゾーンに出していれば、相手はかわりにそれをマナゾーンに置く。
■相手のターン中、このクリーチャーのパワーを+4000する。
十王編にて登場した、いわゆるGRメタクリーチャーの一角。
3体以上のクリーチャーの着地すら許さない能力のカバー範囲の広さたるや、計り知れません。この能力、「相手のターン中」という記述が無いことも強力。このデッキではその点を存分に利用させてもらいます。
序中盤は軽量メタとして、終盤にはより確実なフィニッシュのためのパーツとして。捨てるところのない良い食材です。本当はもう一枚くらい積みたいところですが、ただでさえ9枚目の初動ブースト枠を削っての採用なので厳しいところ。
・《希望のジョー星》
【D2フィールド】
種族 ジョーカーズ / 文明 ゼロ / コスト 3
■このゲームで使うカード、そのコスト、そのテキスト内のコストはすべて、文明を失う。(無色となる)
(他のD2フィールドがバトルゾーンに出た時、このD2フィールドを自分の墓地に置く)
このデッキのキーカード。ゲーム中に使用される全てのカードの文明を失わせる、という前代未聞のD2フィールド。
この星の存在によって機能しなくなる能力は数知れず。文明指定の進化や侵略、超次元呪文や革命チェンジ、封印剥がしや《卍 新世壊 卍》等々……。挙げ始めればキリがありません。
「全てのカードのテキスト以外の無色化」によってどのような影響が自分と相手に起こるのか、しっかり考えながらゲームを進めましょう。無策に置くのは相手の手助けにもなりかねません。
《虹速 ザ・ヴェルデ》は無色扱いになったり、《希望のジョー星》より後に出た《革命類侵略目 パラスキング》や《薫風妖精コートニー》は全ての文明を持ち主のカードに与えたり。
単純明快な効果ですが、その裁定は複雑。文明対戦中のトラブル回避のため、《希望のジョー星》周りの裁定はあらかじめ覚えておくと良いですね。
・《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》
【 ツインパクトカード 】
種族 メタリカ / 文明 光 / パワー4500 / コスト6
■ブロッカー
■相手は、自身のターンに1体しかクリーチャーをバトルゾーンに出せない。
■ラスト・バースト(このクリーチャーが破壊された時、このカードの呪文側をコストを支払わずに唱えてもよい)
呪文
カード名:パシフィック・スパーク
文明:光
コスト:3マナ
■相手のクリーチャーをすべてタップする。
《無双の縛り 達閃》は速攻~ビート対面になるべく早く立てたいクリーチャー。
《ヨミジ 丁-二式》や《マリゴルドⅢ》亡き後も未だに環境を席巻し続ける【バーンメア】や【万軍投】、負けじと結果を残す【ダイナボルト】や各種ループデッキ。
それらのようなクリーチャーの複数回展開を要とするデッキにおいて、このカードは相当に邪魔な存在となるでしょう。
ラスト・バースト能力も非常に強力。4500という低めのパワーも、《パシフィック・スパーク》のおかげで意味を持ちます。
3というかなりの軽量コストなこの呪文は、場に残った《ウマキン☆プロジェクト》などでメタクリーチャーを取りに行くという選択肢を、物のついでのように与えてくれます。他の防御札とコストが被っていない点もGood。
既に相手の場に展開されたGRクリーチャーのような軽量級クリーチャーによる波状攻撃や、《斬罪 シ蔑ザンド》のように軽量破壊カードに対しては無力なので、過信は禁物。
・《「雷光の聖騎士」》
【 クリーチャー 】
種族 メタリカ / エンジェル・コマンド / チーム銀河 / 文明 光/水 / パワー8500 / コスト6
■ギャラクシールド [光水04]
■自分のターンのはじめに、このクリーチャーが表向きで自分のシールドゾーンにあれば、コストを支払ったものとして召喚する。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体選び、裏向きにして新しいシールドとして持ち主のシールドゾーンに置く。
■自分のシールドがブレイクされる時、このクリーチャーがバトルゾーンまたは表向きで自分のシールドゾーンにあれば、シールドブレイクのかわりに自分の手札を1枚捨ててもよい。
《「雷光の聖騎士」》。彼がいなければこのデッキは成立しませんでした。
最速で3ターン目から使える強力なシールドブレイク置換能力。シールドがそこまで厚くないこのデッキにおいて、どちらも上述の2体ではカバーしきれない範囲を守ってくれる期待の新星。
《メヂカラ・コバルト・カイザー》と一緒に並んだ彼の姿はとても頼もしいことでしょう。
進化クリーチャーも対象に取れる(加えてなぜか裏向き指定なので同族の【ギャラクシールド】相手にも強い)盾送り除去cipも強みの一つ。
色々な制約に縛られない、かつ干渉しにくいシールドゾーンへの確定除去はとてもありがたいもの。
ちなみに実際に進化クリーチャーを盾に送ると、まとまった1枚のシールドとしてではなく、重なっているカードの数だけ裏向きのシールドが増えることになります。その点はお忘れ無きよう。
ここまででも充分強力なのですが、何より嬉しいのは彼が「エンジェル・コマンド」であるという点。このデッキのフィニッシャー降臨に、その種族までもが役に立つのです。
・《メヂカラ・コバルト・カイザー/アイド・ワイズ・シャッター》
【 ツインパクトカード 】
種族 ブルー・コマンド・ドラゴン / ハンター / 文明 光/水 / パワー7000 / コスト7
■W・ブレイカー
■相手のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、相手のクリーチャーはすべて攻撃できない。
■相手が呪文を唱えた時、自分はカードを2枚引いてもよい。
呪文
カード名:アイド・ワイズ・シャッター
文明:光
コスト:4マナ
■S・トリガー
■相手のクリーチャーを2体まで選び、タップする。次の相手のターンのはじめに、それらはアンタップしない。
こちらも環境に通りの良いカード。
積極的に殴ってくるデッキの大半は、攻撃フェイズ中に次々とクリーチャーを展開するのが基本ムーブ。相手ターン中にクリーチャーが着地した瞬間、そのターンの攻撃を許さない効果は実に強力無比。
相手の呪文に反応して「任意で」2ドローできる能力もすこぶる便利。強制ドローではない点が本当にありがたい。
出した返しに呪文で除去されたとしても、中盤枯渇しがちな手札を補充するという最低限の仕事はこなすいぶし銀。7000という絶妙なパワーラインも嬉しいポイント。トリガーまで付いているとなれば、採用しない理由も無いでしょう。
攻撃制限効果は、《メヂカラ・コバルト・カイザー/アイド・ワイズ・シャッター》がバトルゾーンに存在する間にバトルゾーンにでた相手のクリーチャーが対象になります。
このクリーチャーが除去された後に展開された相手のクリーチャーは、攻撃制限効果の対象外ですのでご注意を。
・《怒流牙 サイゾウミスト》
【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント / シノビ / 文明 光/水/自然 / パワー7000 / コスト7
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■ニンジャ・ストライク 7
■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の墓地にあるカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに置く。次の自分のターンのはじめに、自分のシールドを1つ、マナゾーンに置く。
ビッグマナと言えば、な防御札。相性の良い《ドンドン水撒くナウ》が確定枠ということで、このカードもほぼほぼ確定枠と考えて差し支えないでしょう。
墓地を利用するタイプの【轟破天】など、コンセプト次第では抜けてくる場合もあるので今回は通常の採用カードとしてご紹介。
相手によって呪文の使用を止められることの少なくない現代、確実に相手の攻撃を1度受け流せるこのカードの存在が与えてくれる安心感は計り知れません。
マナに置くだけで色基盤になり、ともすればマナに置かなくても相手に存在を警戒させ攻撃の手を鈍らせる、存在していること自体が強いカードです。
墓地に落とされたカードを山札に戻しつつシールドを増やせるので、ライブラリーアウトの回避にも役立ってくれます。
他の防御札とコストが被らないので、《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》の呪文面による「7」宣言だけではデッキの防御面が機能停止しにくいのも良い所。
・《閃光の守護者 ホーリー》
【 クリーチャー 】
種族 ガーディアン / 文明 光 / パワー3500 / コスト9
■S・トリガー
■ブロッカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーをすべてタップする。
言わずと知れた歩く《ホーリー・スパーク》。
環境に蔓延している《ファイナル・ストップ》や《ジャミング・チャフ》によってデッキの防御機能が停止することを嫌っての採用です。
苦肉の策で《聖霊王アルファディオス》を場に出していたり、呪文を止められていても機能する確実な防御札と言えば彼(彼女?)をおいて他にいないでしょう。
流石にピン刺しでは心許ないので、枚数は要調整。エンジェル・コマンドのカードを他に採用する形になりそうなら、《God of Dream/Grenade of D-moll》と交代させましょう。
・《God of Dream/Grenade of D-moll》
【 ツインパクトカード 】
種族 エンジェル・コマンド / 侵略者 / 文明 光 / パワー15500 / コスト9
■NEO進化:自分の光のコスト9のクリーチャー1体の上に置いてもよい。
■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、それがNEO進化クリーチャーなら、光のコスト9のクリーチャーを9体まで、自分の手札または墓地からバトルゾーンに出す。
呪文
カード名:Grenade of D-moll
文明:光
コスト:9マナ
■S・トリガー
■相手は自身のアンタップしているクリーチャーを9体選び、タップする。その後、自分のクリーチャーを9体までアンタップする
《God of Dream/Grenade of D-moll》。あまり馴染みのないこのカードの採用理由はただ1つ。「エンジェル・コマンドクリーチャーとしても使える最高の防御札」だからです。
自軍アンタップ効果によるものか、なぜか相手の盤面全てをタップできるわけではないので注意。
9体もタップしてくれるなら問題ないのでは、という意見もごもっともなのですが、過去に全盛期の【バーンメア】にこれを踏ませたところ、辛うじて残っていた《せんすいカンちゃん》から10体以上再展開される悪夢を見せられたので油断は禁物です。
・《聖霊王アルファディオス》
【 進化クリーチャー 】
種族 エンジェル・コマンド / 文明 光 / パワー15500 / コスト10
進化-自分のエンジェル・コマンド1体の上に置く。
誰も、光以外のクリーチャーを召喚したり、光以外の呪文を唱えることはできない。
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
このデッキのフィニッシャー。詳しくは後述。轟破天からオウ禍武斗と同時に展開できるよう、マナか場に進化元を忘れず配置しましょう。
・《得波!ウェイブMAX》
【 呪文 】
種族 チームウェイブ / 文明 水/自然 / コスト4
■S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
■次のうちいずれか1つを選ぶ。バトルゾーンに自分の水のクリーチャーと自然のクリーチャーがそれぞれ1体以上あれば、両方選んでもよい。
▶自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。その後、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。
▶相手は、自身のマナゾーンにあるカードの枚数より大きいコストを持つクリーチャーをすべて手札に戻す。
採用候補枠。白米式ブーストと《赤攻銀 ハムラービ/ハムラティス・ジャッジ》の呪文面、2つのモードを持つ潤滑油兼防御札。
カウンター的に《希望のジョー星》をマナから回収できる点、苦手な【赤単B-我】のような速攻相手に良く刺さる点など魅力的です。
その反面、マナを伸ばしつつ攻撃してくるデッキ相手にそこまで通りが良くない点、バウンスしてもあまり旨味が無い点から今回は不採用。
マナを貯めずに殴ってくるデッキが台頭するようなら1~2枚刺してみると良いかも知れません。
・《スゴ腕プロジューサー/りんご娘はさんにんっ娘》
【 ツインパクトカード 】
種族 ジョーカーズ / ワンダフォース / 文明 水/自然 / パワー3000 / コスト5
■ブロッカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時またはバトルゾーンを離れた時、GR召喚する。
呪文
カード名:りんご娘はさんにんっ娘
文明:自然
コスト:6マナ
■S・トリガー
■このカードをバトルゾーンに出す。
■このターンの終わりに、このカードをバトルゾーンから自分のマナゾーンに置く。
採用候補枠。
このカードをはじめ、今回はGRクリーチャー絡みのギミック抜きでデッキを組んでいます。
《希望のジョー星》によるゲームの無色化でマナドライブ持ちクリーチャーが機能停止してしまう点を嫌っての不採用です。
とは言えマナドライブ能力の無いGRクリーチャーにも《全能ゼンノー》や《ポクタマたま》のような強力なものが多いので、デッキの選択肢を広げるために2~3枚採用するのも良いでしょう。
【轟破天】デッキの回し方
①ひたすらマナを伸ばすor軽量メタで妨害
基本的には、《霞み妖精ジャスミン》や《【神回】バズレンダでマナが大変なことに?!【驚愕】》などを使ってマナを伸ばし、いわゆる2→4→6ムーブを決めるのが最優先。
先手後手問わず、蔓延する軽量呪文メタクリーチャー対策として、基本的には呪文によるブーストから先に行いましょう。
それら初動を引けなかったり、軽量メタカードが刺さる相手との対戦なら、《リツイーギョ #桜 #満開》や《希望のジョー星》を展開して時間を稼ぎます。
革命チェンジや侵略を駆使する【ドギラゴン剣】や【レッドゾーン】のような高速で盾を削ってくるデッキには、4→6の動きよりも《希望のジョー星》の展開を優先させる方が吉。
手の内を明かすのを防ぐため、なるべく最序盤に《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》や《精霊王アルファディオス》を置くのは避けたいところ。
とは言えハンデスを仕掛けてくる可能性のある相手に切札を抱え続けたり、相手に刺さり得る他のカードを早々にマナに置くのは悪手なので、頭の片隅で意識する程度で問題無いでしょう。
中盤を有利に進めるためにも、相手のマナ置きなどからしっかりマナに置くべきカードを判断していきましょう。
②妨害、妨害、また妨害
6~7マナ帯に到達したら、このデッキを支える中型メタクリーチャー《無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク》《メヂカラ・コバルト・カイザー/アイド・ワイズ・シャッター》《「雷光の聖騎士」》という3本柱をドンドン展開して相手の動きを止め続けます。
序盤に《希望のジョー星》を展開できなかった場合、彼らによって相手の動きが鈍った隙に余ったマナから使っていきましょう。《希望のジョー星》が3コストと軽いからこそできる選択。
相手のデッキタイプを瞬時に判断して、この3体の中から適切な人材を派遣するのが勝利のカギです。対面し得るデッキの情報は、できるだけ予習しておきましょう。
余裕があれば《ドンドン水撒くナウ》や《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》から、恐らくこのあたりでマナに置かれている《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》を回収しておきましょう。
どちらもついでのように相手の中型クリーチャーを除去してくれるので、相手の場にいる《リツイーギョ #桜 #満開》や《無修羅デジルムカデ》のような轟破天による展開を妨害するカードを退かすのに一役買ってくれます。
③今、天国への扉が開いた!
このデッキのフィニッシュ手段、それは「《希望のジョー星》を展開した状態から轟破天を唱え、オウ禍武斗と《聖霊王アルファディオス》を並べてワンショットキルする」というもの。
先日公式サイトにて公開された《希望のジョー星》に関するよくある質問の中で、「能力に書かれている文章は変更されない」という裁定が発表されました。
Q.《希望のジョー星》がバトルゾーンにあると、「マナ武装」や「革命チェンジ」や「O・ドライブ」に書かれている文明も、「無色」と読み替えますか?
A.いいえ、能力に書かれている文章は変更されず、カードそのものの文明を失います。
https://dm.takaratomy.co.jp/rule/qa/33869/
なので、「マナ武装」や「革命チェンジ」や「O・ドライブ」のような能力は、その状況ではどれも解決することができません。
つまり、《聖霊王アルファディオス》の「誰も、光以外のクリーチャーを召喚したり、光以外の呪文を唱えることはできない。」という能力が《希望のジョー星》によって無色に染まった世界でも生き続けることになります。
厳密には異なりますが、平たく言えばお互いのプレイヤーが疑似的なドラゴVANナイン状態になるということです。
その状態でブレイクされたシールドからは、(D2フィールドやGRクリーチャー存在下でのオレガ・オーラ、という例外はあるものの基本的には)何もトリガーしません。
相手の場にブロッカーや攻撃曲げクリーチャーがいなければ、オウ禍武斗の破天九語と進化クリーチャーである《聖霊王アルファディオス》のデイレクトアタックで、ゲームが終了します。
とは言え、どんな相手にもストレートにこの2連撃が通るとは考えにくいもの。そこで再び顔を出すのが《リツイーギョ #桜 #満開》です。
この魚、「各ターン」相手のクリーチャーが場に出「る」時に、展開阻害効果を誘発させてくれます。轟破天は場に出「た」時に起こる効果を全て無効化しますが、場に出「る」時に起こる効果は問題なく発動するのです。
この辺りの裁定はややこしいですが、覚えておいて損は無いでしょう。
おわりに
現代デュエル・マスターズのカードパワーをふんだんに取り入れながら、私なりに環境に立ち向かうための【轟破天】の考察・解説を行ってきました。
何を使ってでもどんな試合も必ず勝ちたい。そんな方には、正直諸手を挙げてお勧めできるデッキテーマではありません。いわゆるTier1デッキには、背伸びしたってなれないでしょう。
しかしそのかっこいい能力、イラスト、フレーバー。熱狂的なファンを生むこのカード、環境にも一矢報いるだけのポテンシャルは間違いなく備わっています。
ガチガチに武装してCS会場に殴りこむのでもなければ、金銭的にもとっつきやすいテーマなのも魅力の1つ。
《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》、7/20現在カーナベル様にて1枚180円。お得。今回紹介したのは汎用パーツ多めの構築なので、別のデッキに移行するとしても腐ることはそうそう無いと思います。ぜひお試しあれ。
この記事から、少しでもあなたに【轟破天】の魅力が伝わったことを祈って。最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。お相手は村民まんじゅうでした。