【緊急企画】《ヴォルグ・サンダー》プレ殿記念 環境と共に振り返る彼の一生

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【緊急企画】《ヴォルグ・サンダー》プレ殿記念 環境と共に振り返る彼の一生

目次

《ヴォルグ・サンダー》という概念の喪失

《ヴォルグ・サンダー》

【 サイキック・クリーチャー 】 
種族 デーモン・コマンド / ハンター / 文明 闇 / パワー7000 / コスト6 

このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーを一人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の山札の上から、クリーチャーが2体出るまでカードを墓地に置く。
W・ブレイカー(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自分の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)

出典:デュエルマスターズ

2019年6月20日、7年と9か月の年を経て《ヴォルグ・サンダー》がデュエルマスターズの競技史から消えることとなった。当記事ではこれを機会に、《ヴォルグ・サンダー》というたった一枚のカードがどれだけ環境に影響を及ぼしてきたのかを振り返っていきたい。

そもそも、《ヴォルグ・サンダー》は概念である。例をあえて出せば、《天使と悪魔の墳墓》に近い存在だろう。

《天使と悪魔の墳墓》

【 呪文 】 
文明 光/闇 / パワー- / コスト4 

S・トリガー
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
バトルゾーンに同じ名前のクリーチャーが2体以上あれば、それらをすべて破壊する。
その後、すべてのマナゾーンを見て、同じ名前のカードが2枚以上あれば、それらをすべて持ち主の墓地に置く。

出典:デュエルマスターズ

ハンデスデッキを使っていたとして、《学校男》を2枚入れたいときに君ならどうするだろうか?

長年デュエマをしているプレイヤーからしたら当たり前だろうが、片方は《堕魔 ドゥポイズ》にするだろう。それは、《堕魔 ドゥポイズ》が欲しいのではなく、《天使と悪魔の墳墓》を避けるためにやっていることなのだ。《天使と悪魔の墳墓》というカードの存在のみで、デッキの構築を変えてしまっている。

同じことが《ヴォルグ・サンダー》にも言える。

オプティマスループは《クリスタル・メモリー》を使いたいデッキであり、《水晶の記録 ゼノシャーク》として用いることは皆無だろう。

《水晶の記録 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》

【 ツインパクトカード 】 
種族 ムートピア / 文明 水 / パワー1000 / コスト3 

■スマッシュ・バースト(このクリーチャーが攻撃する時、このカードの呪文側を、バトルゾーンに置いたままコストを支払わずに唱えてもよい)

────────────呪文────────────
カード名:クリスタル・メモリー
文明:水
コスト:4マナ

■S・トリガー
■自分の山札を見る。その中から1枚選び、手札に加える。その後、山札をシャッフルする。 

出典:デュエルマスターズ

しかしながら、《水晶の記録 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》を採用するのが常である。それは《ヴォルグ・サンダー》の存在故にだ。

デッキのあと1枠に何をいれようか?《ヴォルグ・サンダー》を警戒してクリーチャー比率を上げよう。

このような構築を行ったことは少なからずあるだろう。

このように《ヴォルグ・サンダー》は概念として常にデュエルマスターズに在り続けた。環境の変遷とともにその歴史をみていこう。

エピソード1環境

エピソード1、第2弾ダークサイドの最高レアリティカードとしてこの世に命を受けた《ヴォルグ・サンダー》。最高レアリティながらも、箱1で出てくるため市場は4~500円とお世辞にも高いとは言えなかった。

しかし、前弾ファーストコンタクトのSRカード《復活の祈祷師ザビ・ミラ》との相性は凄まじく、ヴォルグサンダーライブラリアウトというデッキタイプを作ったほどだ。

《復活の祈祷師ザビ・ミラ》

【 クリーチャー 】 
種族 デーモン・コマンド / エイリアン / 文明 闇 / パワー9000 / コスト8 

このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の他のクリーチャーを好きな数破壊してもよい。こうして破壊したクリーチャー1体につき、コスト6以下のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出してもよい。 (ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自身の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)

出典:デュエルマスターズ

大量展開したクリーチャーを一気に《ヴォルグ・サンダー》に変換。一瞬で相手の山札を刈り取る恐ろしいデッキだ。相手がフルクリーチャー寄りの構築でも、他のサイキック・クリーチャーで殴って戦えるという器用さを併せ持つ。

次に《ヴォルグ・サンダー》はカレーの香ばしい香りと共に無限に山札を削ってきた。紅蓮ゾルゲの登場だ。

《紅蓮の怒 鬼流院 刃》

【 サイキック・クリーチャー 】 
種族 ビースト・コマンド / ハンター / 文明 火/自然 / パワー7000 / コスト7 

自分の自然または火のハンターがバトルに勝った時、それよりコストが小さいハンターを1体、自分の超次元ゾーンまたはマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー (ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自身の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)

出典:デュエルマスターズ

《偽りの名 ゾルゲ》

【 クリーチャー 】 
種族 アンノウン / 文明 水/火/自然 / パワー8000 / コスト8 

マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーまたは自分の他のクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある別のクリーチャーを1体選んでもよい。そうした場合、その2体はバトルする。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする) 

出典:デュエルマスターズ

《カレーパン・マスター 切札勝太》

カード名:カレーパン・マスター 切札勝太
カードの種類:サイキック・クリーチャー
文明:火
種族:カレーパン/レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 
パワー:7000
コスト:10
マナ:-


バトルゾーンにあるコスト6以下のクリーチャーはすべて、種族に「カレーパン」を追加する。
このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある他のカレーパン1体につき、+1000される。
自分のターンのはじめに、「カレーパンを食ってやるぜぇ!」と言ってもよい。そうした場合、そのターン、このクリーチャーはタップされていないカレーパンを攻撃できる。
W・ブレイカー  

出典:デュエルマスターズ

ここでは手順に関しては省かせていただくが、《ヴォルグ・サンダー》を無限に出して相手の山札を空にするという恐ろしいデッキである。

後に《紅蓮の怒 鬼流院 刃》《偽りの名 ゾルゲ》はプレミアムコンビ殿堂にかかってしまったため、このデッキは使えなくなってしまった。

エピソード2環境

前述のヴォルグサンダーライブラリアウトが猛威を振るい、プレイヤーからは殿堂を望む声も聞こえ始めていた。

そんな中、《ヴォルグ・サンダー》に対する明確なメタカードが登場した。

《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》

【 クリーチャー 】 
種族 レッド・コマンド・ドラゴン / ハンター / エイリアン / 文明 火/自然 / パワー8000 / コスト8 

マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
W・ブレイカー
相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを持ち主のマナゾーンに置く。
このクリーチャーがどこからでも自分の墓地に置かれる時、かわりにこのクリーチャーと自分の墓地を山札に加えてシャッフルする。  

出典:デュエルマスターズ

《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》がどこからでも墓地に落ちた瞬間に、墓地のカードが全て山札に戻ってしまうため《ヴォルグ・サンダー》を使ったライブラリアウトデッキはフィニッシュ力に欠けてしまい、第一線から退く形となる。

とはいえ、《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》が無いと抵抗できないため、どのデッキにもこのカードがピン投されるなど《ヴォルグ・サンダー》の影響力は計り知れない。

エピソード3環境

殿堂により環境の多くのデッキが打撃を受ける中、《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》をフィニッシャーに据えたビッグマナデッキは殆ど無傷であった。《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》が無理なく入るデッキが環境に居座るのは《ヴォルグ・サンダー》にとって向かい風といえよう。

《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》

【 クリーチャー 】 
種族 レッド・コマンド・ドラゴン / ハンター / ゼニス / 文明 ゼロ / パワー14000 / コスト11 

このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手のシールドを数え、その回数相手とガチンコ・ジャッジする。その後、こうして自分がガチンコ・ジャッジに勝った数、ハンターを1体、自分の墓地、マナゾーン、または手札からバトルゾーンに出す。

T・ブレイカー

エターナルΩ 

出典:デュエルマスターズ

しかし、そんな中でも影響力は抜群だ。

《妖精の裏技 ラララ・ライフ》の登場により、《常勝ディス・オプティマス》を使ったオプティマスループが環境に登場するもデッキの都合上、呪文の比率がかなり多く、《ヴォルグ・サンダー》1発でかなりの打撃となってしまう。

《常勝ディス・オプティマス》

【 クリーチャー 】 
種族 グレートメカオー / エイリアン / 文明 光/水 / パワー6000 / コスト6 

マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スペース・チャージ:光/水(自分のマナゾーンに光、水のいずれかまたは両方を持つカードが置かれた時、このクリーチャーの能力を使ってもよい)
光:呪文を1枚、自分の墓地から手札に戻す。
水:自分のシールドを1枚、手札に加える。ただし、その「S・トリガー」は使えない。その後、自分の手札を1枚裏向きにして、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加える。
W・ブレイカー

出典:デュエルマスターズ

このようなコンボデッキにすら《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》は入っており、既に概念として君臨していたといえよう。

また、この頃までドロマー超次元に常に《ヴォルグ・サンダー》は入っており、デッキ内のクリーチャー比率をいかに上げるかはデッキビルダーの目下の課題であったといえよう。

ドラゴン・サーガ環境

《龍素記号Sr スペルサイクリカ》の登場により、ドロマー超次元はさらにパワーアップを得る。それは即ち、《ヴォルグ・サンダー》の繁栄を意味する。

《龍素記号Sr スペルサイクリカ》

【 クリーチャー 】 
種族 クリスタル・コマンド・ドラゴン / 文明 水 / パワー6000 / コスト7 

■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト7以下の呪文を1枚、自分の墓地からコストを支払わずに唱えてもよい。そうした場合、唱えた後、墓地に置くかわりに自分の手札に加える。
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分の山札の一番下に置く。

出典:デュエルマスターズ

しかし、この頃から単色でデッキが組めるようになり、闇文明の超次元呪文がどのデッキにもあるという状況が少なくなってきた。

また、《龍覇 グレンモルト》を中心に○○モルト、といったデッキが多数作られゲームスピードが上昇。そこに《ヴォルグ・サンダー》が入り込む隙間がなくなってきたのだ。

本拠地であるはずの闇単デッキは《極・龍覇 ヘルボロフ》を軸に闇単ヘルボロフが組まれた。このデッキはドラグハートに依存するデッキであり、8枚という超次元ゾーンのスロットを最大限まで使っているため《ヴォルグ・サンダー》の入る余地がなく、次第に環境から姿を消していった。

《極・龍覇 ヘルボロフ》

【 クリーチャー 】 
種族 デーモン・コマンド・ドラゴン / ファンキー・ナイトメア / ドラグナー / 文明 闇 / パワー7000 / コスト7

■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト3以下のドラグハート1枚、またはコスト5以下の闇のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(それがウエポンであれば、このクリーチャーに装備して出す)
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚を墓地に置いてもよい。
■W・ブレイカー  

出典:デュエルマスターズ

革命編環境

侵略という新たなキーワード能力によりますます高速化するなか、初めて行われたDMGPにおいてドロマー超次元がベスト8に名を連ねるという素晴らしい成績を残す。そこには当然《ヴォルグ・サンダー》がいた。

前ドラゴン・サーガ環境から考えると大躍進である。

また、デュエルマスターズ初めての試みである、クロニクルデッキで《邪眼教皇ロマノフⅡ世》が作られると、それをもとに呪文を大量連鎖させてループするロマノフループが組まれる。《ヴォルグ・サンダー》はそのフィニッシュ役であり、環境トップとはいかないまでも常に活躍の場は設けられていた。

そんな中転機が訪れる。

ただでさえ強い侵略能力がさらにパワーアップし、S級侵略という新たなキーワード能力を獲得する。どのカードもかなり強いのだが、とりわけこのカードを中心に組まれたデッキがが環境トップへと躍り出た。

《S級不死 デッドゾーン》

【 進化クリーチャー 】 
種族 ソニック・コマンド / S級侵略者 / 文明 闇 / パワー12000 / コスト6 

■進化―自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
■S級侵略「不死」―闇のコマンド(自分の闇のコマンドが攻撃する時、自分の手札または墓地にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい。)
■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーを-9000する。 

出典:デュエルマスターズ

黒緑、青黒緑で構築された《S級不死 デッドゾーン》はコントロールとビートダウンを器用にこなし、一躍環境トップとなる。

闇のコマンドを対象にサポートが組まれているため、末席ではあるが《ヴォルグ・サンダー》もこのデッキの超次元をささえている。

この頃ではすでに《ヴォルグ・サンダー》の入ったダークサイドは絶版状態であり緩やかにだが値段が上がり始めていた。

革命ファイナル環境

革命環境ではトップだった黒緑、青黒緑デッドゾーンも殿堂により弱体化。今なお強化されているバイクデッキや発売されたばかりの《蒼き団長 ドギラゴン剣》を用いたデッキが横行。環境上位から《ヴォルグ・サンダー》は姿を消しつつあった。

《蒼き団長 ドギラゴン剣》

【 クリーチャー 】 
種族 メガ・コマンド・ドラゴン  / 革命軍 / ハムカツ団 / 文明 火/自然 / パワー13000 / コスト8 

■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■革命チェンジ―火または自然のコスト5以上のドラゴン
■自分の多色クリーチャーすべてに「スピードアタッカー」を与える。
■T・ブレイカー
■ファイナル革命ーこのクリーチャーが「革命チェンジ」によってバトルゾーンに出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、コストが合計6以下になるよう、進化ではない多色クリーチャーを自分のマナゾーンまたは手札から選び、バトルゾーンに出す。  

出典:デュエルマスターズ

赤黒剣、5c剣などには超次元ゾーンに1枚刺されることもあった。これも偏に、「刺さる対面には刺さる」という《ヴォルグ・サンダー》独自のカードパワーによるものだろう。

今弾から作られた新しいカードタイプ、D2フィールドが登場した。D2フィールドを採用した場合、デッキ内のクリーチャー比率が下がるため《ヴォルグ・サンダー》の間接的な強化を受けたといえる。

革命ファイナル 第2章 世界は0だ!!ブラックアウト!!で《禁断機関 VV-8》が作られると、《時空の支配者ディアボロス Z》の覚醒条件との相性の良さからドロマー超次元が流行する。また《ヴォルグ・サンダー》は環境のフィニッシャーとして活躍を始めた。

《禁断機関 VV-8》

【 禁断クリーチャー 】 
文明 水 / パワー12345 / コスト6 

■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札の上から5枚を見て、その中から2枚を自分の手札に加える。
このクリーチャーに封印を3つ付ける。
■禁断機動:このクリーチャーの封印がすべてなくなった時、このターンの後に自分のターンを追加する。(カードを封印するには、自分の山札の上から1枚目を裏向きのままそのカードの上に置く。コマンドがバトルゾーンに出た時、その持ち主はそれと同じ文明を持つ自身のカードから封印を1つ、墓地に置く。クリーチャーが封印されている間、両プレイヤーはそのクリーチャーを無視する)  

出典:デュエルマスターズ

《時空の支配者ディアボロス Z》

【 サイキック・クリーチャー 】 
種族 ワールド・コマンド / 文明 光/水/闇/火/自然 / パワー9000 / コスト10 

ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
相手のクリーチャーの能力によって、相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
覚醒 - 自分のターンのはじめに、バトルゾーンまたはマナゾーンから自分のカードを3枚選び、山札に加えてシャッフルしてもよい。そうした場合、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。

出典:デュエルマスターズ

《ヴォルグ・サンダー》が命を受けたエピソード1から6年。勝太編が終わる記念にファイナル・メモリアル・パックが発売された。5年と4ヶ月ぶりに《ヴォルグ・サンダー》が新規イラストとなって再録された。

《ヴォルグ・サンダー》

【 サイキック・クリーチャー 】 
種族 デーモン・コマンド / ハンター / 文明 闇 / パワー7000 / コスト6 

このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーを一人選ぶ。そのプレイヤーは、自身の山札の上から、クリーチャーが2体出るまでカードを墓地に置く。
W・ブレイカー(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自分の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)

出典:デュエルマスターズ

新章デュエルマスターズ環境

最初に述べておくと、この年がもっとも《ヴォルグ・サンダー》にとって激動の1年だったといえるだろう。

DMGP4rdでバッシュギヌスというデッキタイプが注目を集める。ジョバンニスコールを環境に持ち込んだ愛知の強豪プレイヤーがGPに持ち込んだのも大きいだろう。

《凶鬼34号 バッシュ》

【 クリーチャー 】 
種族 マフィ・ギャング / 文明 闇 / パワー2000 / コスト4 

■スレイヤー
■このクリーチャーが破壊された時、パワー1000以下のクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。 

出典:デュエルマスターズ

《魔龍バベルギヌス》

【 クリーチャー 】 
種族 ドラゴン・ゾンビ / グランド・デビル / 文明 闇 / パワー1000 / コスト7 

このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーをひとり選ぶ。そのプレイヤーのクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、そのプレイヤーの墓地から、《魔龍バベルギヌス》以外の進化ではないクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出す。

出典:デュエルマスターズ

しかし、環境に躍り出たのも束の間、《魔龍バベルギヌス》が殿堂入りしてしまいこのデッキは環境から姿を消す。

だが《ヴォルグ・サンダー》は止まらない。青黒ハンデスには常にフィニッシャーとしてあり続けた。それだけではない。

新4弾裁・魔から《阿修羅サソリムカデ》《凶鬼07号 ジャバランガ》《堕魔 ドゥポイズ》が登場するとジャバランガループというデッキタイプが作られる。

《ヴォルグ・サンダー》を永遠に出し続けて相手の山札を奪うという紅蓮ゾルゲを彷彿とさせる即死コンボデッキだ。ループデッキながらシールドトリガーが非常に強力で環境に影響を与え続けた。

ジョーカーズにハンデスが有効なためハンデスデッキが流行った。バッシュギヌスが作られた。ジャバランガループが作られた。まさに激動の1年間であったといえよう。

ツインパクト環境

今弾から新たなカードタイプ、ツインパクトカードが登場する。クリーチャーとも呪文とも扱えるカードタイプであり、デッキ内のクリーチャー比率を著しく上げることができた。

《黒豆男しゃく/白米男しゃく》

【 ツインパクトカード 】 
種族 グランセクト / スペシャルズ / 文明 自然 / パワー12000 / コスト8 

■T・ブレイカー
■相手の、「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時」で始まる能力を持つクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのクリーチャーを持ち主のマナゾーンに置く。

────────────呪文────────────
カード名:白米男しゃく
文明:自然
コスト:3マナ
■自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。その後、カードを1枚、自分のマナゾーンから手札に戻してもよい。 

出典:デュエルマスターズ

《ヴォルグ・サンダー》にとっては向かい風であるが、ツインパクトカードを採用するにあたってあげられるメリットの1つに《ヴォルグ・サンダー》へのメタになる、と言われていたほどデッキ構築への影響は大きい。

白単絶十や青魔導具などがデッキタイプとして産まれると、《ヴォルグ・サンダー》の通りはかなりよくなる。以上2つのデッキは呪文をメインに戦うデッキのため《ヴォルグ・サンダー》の一撃がかなり重い。

ハンデスやジャバランガループなど、一定のデッキで活躍はしつつも紅蓮ゾルゲやバッシュギヌスのように大きな影響を与えてはいなかった《ヴォルグ・サンダー》

しかし2019年3月1日施行の殿堂発表で《蒼き団長 ドギラゴン剣》や《時の法皇 ミラダンテXII》と同時に《ヴォルグ・サンダー》が殿堂入りを果たす。

前述のジャバランガループは殿堂入りにより多少の弱体化はしたものの、ループ自体は健在のためデッキタイプとして残った。

ビックリ枠の殿堂であったが、次弾から登場するカードを考えると想像は難くない。

超天編環境

新規カードタイプ、オレガオーラが登場。D2フィールドと違い、デッキをオーラのみで構築することが可能であり公式もそれを推す傾向にあった。

《ア・ストラ・ゼーレ》

【 オレガ・オーラ 】 
種族 トリックス / デリートロン / 文明 水 / パワー+6000 / コスト6 

■これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする)
■これをクリーチャーに付けた時、そのクリーチャーよりパワーが小さい相手のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。こうして6体以上が手札に戻されたなら、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。 

出典:デュエルマスターズ

つまり、《ヴォルグ・サンダー》の殿堂入りはオレガオーラに対する解答になりすぎるのを押さえるためだったのだ。

公式のオーラ推しは続く。新しいマスターカードである《大卍罪 ド・ラガンザーク》が発表される。

《大卍罪 ド・ラガンザーク》

オレガ・オーラ / 闇 / コスト10 / マスター・ドルスザク/マフィ・ギャング/デリートロン / パワー0

■罪・無月の大罪(自分の墓地にあるオーラ1枚につき、このオーラを使うコストを1少なくしてもよい。そうしたら、このターンの終わりに、自分のクリーチャーを1体破壊する。ただし、コストは0以下にならない)
■これをクリーチャーに付けた時、またはこれを付けたクリーチャーが攻撃する時、コスト8以下のオーラを2枚まで自分の墓地から選び、そのクリーチャーに付ける。
■これをバトルゾーンから自分の墓地に置く時、かわりに山札の一番下に置く。
■相手のターンの終わりに、これを自分の墓地から山札の一番上に置いてもよい。
■オレガ・オーラ:これを自分のGRクリーチャー1体に付けるか、1体GR召喚してそれに付ける。そのクリーチャーがバトルゾーンを離れたら、これも同じゾーンに行き、その後、そのGRクリーチャーは自分の超GRの一番下に戻る。

出典:デュエルマスターズ

罪・無月の大罪の効果をフルに発揮するにはデッキにオーラを大量に入れなくてはならないため、《ヴォルグ・サンダー》1回でも致命傷となる。

クリーチャーをある程度入れて自身に《ヴォルグ・サンダー》を使い、《大卍罪 ド・ラガンザーク》を超低コストで使うこともできる。

公式はこれを危惧したのかもしれない。2019年6月20日、デュエルマスターズ初めての試みである緊急生放送殿堂発表で《ヴォルグ・サンダー》はプレミアム殿堂入りを果たし、7年と9ヶ月の競技人生に幕を下ろした。

最後に

近代デュエルマスターズ史において"悪い"とされたカードは数多あれど、ここまで"概念"として蔓延したカードはそうはいない。

《ヴォルグ・サンダー》のプレミアム殿堂入りはデュエルマスターズ史を語るに当たって外せない内容であるし、既存のデッキは構築の変更を多いに求められるだろう。

    

最後まで読んでくださいありがとうございました。ちなみに筆者は初めて作ったデッキがオプティマスループなので《ヴォルグ・サンダー》にあまり良い思い出がありません。

プレ殿入りを喜んでたらストレージに《ヴォルグ・サンダー》が4枚あるのをすっかり忘れていました(´・ω・`)ちくしょう

朧気な記憶を便りに書いたため違うところがあるかもしれません。もしも気付きなどございましたら是非ともコメントください。

あらためまして、最後までありがとうございました。

記事:ジャイロ


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