こんにちは。北白河と申します。早いもので2月最後の更新となってしまった近頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

この企画「今日の一枚」では「今バズっているカード」「今高騰しているカード」「今話題のカード」「往年の名カード」「今北白河の中でアツいカード」など、独断と偏見で北白河が選んだカードを不定期（週三回くらい更新できたらいいな）で毎日1枚取り上げて語っていきます。

というわけで、閏年のシステムに思いを馳せながらやっていきましょう。それでは、今日のカードはこちら。

《ニコル・ボーラス》

【クリーチャー】
【種族】 エルダー・ドラゴン / プレインズ・ウォーカー
【文明】水/闇/火
【コスト】8
【パワー】7000

■W・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手は自身の手札から7枚選び、捨てる。
■このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体、破壊する。　

もうドラゴンやりたくないんですが

ドラゴンについて語ることは、何もありません。

……とは行かないので、真面目に説明を。 だってさあ！データ管理してる先輩さんに「《ニコル・ボーラス》で検索してガチまとめに来る人が多いんですよ」って言われたら断れないでしょう！きたしーは新入社員やぞ！

超ブラック・ボックス・パックで収録された、マジック：ザ・ギャザリングコラボカードです。優秀な色とクリーチャー破壊・大量ハンデスというシンプルかつ強力な効果、何よりドラゴンであるという点から判明と同時に需要が殺到。その封入率の低さと再録が望めないことから、瞬く間にデュエマを代表する高額カードとなりました……この話前もやったな？

カードとして見ると特に捻りもなく強いのであんまり話すことがないんですが、このニコル・ボーラスはマジック：ザ・ギャザリングにおいては最古にして最強格の大悪役であり、全知全能になることを目的として作中時間で2万年以上、現実時間で（休眠期間を挟みながらですが）25年もの間暗躍していた超重要キャラクターです。というわけで、MTGコラボカード紹介回特有のストーリー全振り解説が始まります。

ボーラスいまむかし

次元と呼ばれるたくさんの世界が存在する多元宇宙（MTGのストーリーの舞台）の中のひとつ、ドミナリアという次元でニコルは双子の兄、ウギンとともに同じ卵から生まれました。彼らはただのドラゴンではなく、その源流に近いエルダー・ドラゴンと呼ばれる種族でした。ちなみに「ボーラス」はニコルが自身でつけた二つ名です。

エルダー・ドラゴンは戦争により数体まで数を減らし、さらにそれぞれの理由でボーラスとウギンを残し全滅。それぞれ別の理由でプレインズウォーカー（次元を渡る能力者）として目覚めた二頭のドラゴンも離れ離れになりました。姿を見るに、デュエマの《ニコル・ボーラス》のイラストはこの前後の若い姿と思われます（プレインズウォーカーになってからは二足歩行するようになるので）。

その後ドミナリアにて神の如き力をもってマダラ帝国と呼ばれる国家を乗っ取り支配していましたが、テツオ・ウメザワという人間にマナを破壊されて討伐・封印されます。

精神の形で生き残っていたボーラスは数千年後に復活します。世界設定として生前よりプレインズウォーカーの力が変質していたこともあり、以前のような力を取り戻すために本格的に活動を開始します。

多くのプレインズウォーカーを従え手駒とし、黒幕として暗躍を繰り広げた（その過程でウギンを殺害したり、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を目覚めさせたり、《精神を刻む者、ジェイス》をはじめとする正義のプレインズウォーカーたちをボコボコにしたりしました）後、「ラヴニカと呼ばれる次元に大量のプレインズウォーカーを集めて逃げられないようにし、全滅させることでプレインズウォーカーの力を吸収する」という最終計画を始動します。

しかしそれがかえってプレインズウォーカーやラヴニカ現地の面々などの結束を呼び、僅かな隙を突かれて逆にプレインズウォーカーの力の全てを失います。

その後（色々あって生きていた）ウギンによりかつて自分が瞑想に使っていた小さな次元に幽閉され、名前や記憶すら奪われて永遠に封印されることとなりました。下手に殺すと前のように復活しかねないからです。

ウギン自身も看守となるべく名前を失って永遠にこの次元に留まることを心に決めており、（よほどのことがない限り）名もなき二頭のドラゴンはこの次元でその生命を終えることになるでしょう。双子の雛ドラゴンとして卵の中にいた時以来の、二頭だけの閉じた世界でです。

……まあどっちも人気キャラだからたぶんそのうち復活するとは思うんですが！

長い！3行で！

・MTGで有名なめっちゃ悪いエルダー・ドラゴンだよ

・MTG世界のほとんどすべての事件の黒幕だよ

・つい最近自業自得でボッコボコにされて退場したよ

特に最後だけ覚えておけばだいたい大丈夫です。 《ニコル・ボーラス》 を使っているデュエマ友達に「そいつ本家ではこの前ボコボコにされて封印されたよ」と訳知り顔で教えてやれば、知識面でマウントを取れること請け合いです。

というわけで、《ニコル・ボーラス》でした。退場はちょっと寂しい気もするけど、ドラゴンがこの世から二体減るならオールオッケー！それでは、次の記事で。

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