皆さんこんにちは、神結です。
いよいよ超CSが近付いてきました。
大型大会に参加するのは久々だという人が大半だと思いますので、ぜひぜひ楽しんでいきましょう。
まずは浜松、そして翌週は福岡です。何食べて何処行こうかな……みたいなことを考えています。
さて、今回はGoDの特別編ということで、『全国大会2019』のカバレージの紹介をしていこうかと思います。
それに付随して、カバレージやカバレージライターのお話も出来ればいいかなぁ、と。
思えばカバレージについての話ってこれまでしっかりしてこなかったような気がしていますし、カバレージライターの仕事についても書いたことはなかったですし、私自身が観た全国大会についての話も書いていなかったんですよね。
今回はせっかくなので、そうした視点からの記事をお届け出来ればと思います。
これから超CS、GPと競技的なイベントが続いていくので、カバレージに興味を持って欲しいですね(そしてあわよくば私と一緒にカバレージを書きましょう)。
それではどうぞ。
目次
カバレージライターとは何をするのか?
カバレージとは?
そもそもカバレージとは、カバレージライターとはなんぞやという話ですね。
イベントごとから長らく遠ざかっていたので、全国大会2019で初めてカバレージというものを知った、という方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
デュエマの大型大会ではカバレージと呼ばれる記事が書かれています。公式がGP1stで導入して以降、デュエマにはカバレージが文化として根付いています。
各地のCSなどでも有志がカバレージを書くケースがありますし、実際私も何度も書かせていただいております。
このカバレージ、日本語で言うならば「観戦記事」という表現になるでしょうか。新聞とかに載ってる囲碁・将棋のタイトル戦の記事に近いものですね。
では、カバレージとは具体的にどういった内容なのでしょうか。
これは人によって解釈は異なってきますが、おおよそ「眼の前で行われている試合に関して、その内容や背景を伝える記事」という感じですかね。
少し角張った言葉になってしまっていますが、要するに「試合の内容に付加価値を持たせて文字にすること」かなぁ、と思っています。
……と、定義の話をすると日が暮れそう(いまこれを書いているのは午前4時なのでとっくに日は暮れてるんですが)なのでこの程度にするとして、カバレージって試合の進行の描写を含めてかなり自由度が高いんですよね。
よってこの「付加価値」とか「自由度」といった部分が、カバレージの肝となってきます。極論、試合の内容はどんなに淡泊であっても、付加価値が面白ければそれだけでよいカバレージになります。
カバレージと動画
付加価値の話をするときに、どうしても外せないのが動画媒体との話です。
かつては「試合の内容を文字として記録すること」だけでも大きな意味がありました。将棋でいう棋譜ですね。要するに記録としての意義を持つカバレージです。
しかし現代ではもっと視覚的に明快な動画という記録媒体が存在します。皆さんも「あの大会の試合を振り返りたいな」と思ったときには、まず真っ先に動画を調べることでしょう。私だって、そうします。
動画媒体には「観やすい」という圧倒的な利点があります。文字を読むというは、意外と疲れる作業なんですよね。
記録として意義は圧倒的に動画が勝る今日、文字媒体のカバレージには動画には記録されない「付加価値」や、動画では表現しきれないものを描く「自由度」を生かした文章構成が求められている、と私は考えています。
恐らく、他のカバレージライターも似たようなことは考えていると思います。
カバレージライターの仕事
カバレージライターには、素晴らしい戦いを特等席で見る特権を持つ代わりに、その素晴らしい戦いを読者に届ける。だから、自分がその最高の戦いの当事者になることはできない。
リモートデュエマスペシャルトーナメント 決勝戦:畳 vs. dotto より
先述の前提を踏まえた上でカバレージを書くのが、カバレージライターです。もし対戦卓の横でパソコンをカタカタしてる人がいたら、それがカバレージライターです。
さて、記録としてとカバレージの意味合いが薄くなっている今、カバレージライターたちは必然的にライター自身で付加価値を生み出さなくてはいけなくなりました。
……つまるところ試合の内容はもとより、それに加えて読んで面白い内容であることも求められているわけです。
こうして近年では、プレイヤー同士のやり取りや、その背景的なストーリーまで記述するカバレージが増えました。
余談ですが、こうした「近代カバレージ」は、全国大会2017の準決勝「dotto vs. ピカリ」より始まっていると考えています。
ライターはご存じイヌ科さん。
公式カバレージの歴史を語る上では、あーくん(プレイヤー発の公式カバレージの道を切り開いた人)と並んで偉大な人です。
話は戻りますが、試合の動向+付加価値によって近現代のカバレージは成立していると言えます。
結果、近現代のカバレージはライター自身がプレイヤーに精通していたり、或いは環境デッキについての造詣が深かったり、文章構成そのものがかなり上手かったりと、「カバレージを書ける(〆切を守れる)+何か」みたいな技能(ライターとしての特徴)も求められている気がしています。
そもそも「カバレージを書く」という、リアルタイムで進行している試合を追っ掛けながら文章を作っていくことそのものも、まずまずの特殊技能な気はしていますが……。
まぁ時代が進めばライターの技能も上がるし、読者の目も肥えるしということで、日々カバレージも進化していってるわけですね。
もし興味のある方がいましたら、GP1stの頃からカバレージを追ってみてください。カバレージの進化の過程がよくわかると思います。
全国大会とカバレージ
全国大会2019では、ありがたいことに私もライターとして現地でお仕事する機会に恵まれました。
それについての話をこれまで一切していなかった気がするので、この機に書いておこうと思います。
全国大会は各地の精鋭プレイヤーたちが集まって開催される大会です。プレイヤーたちがハイレベルなゲームをするわけです。
一応、参加者の多くの方との面識はありました。これはそれなりにカバレージを書いてきた結果かもしれません。
そしてその上で、せっかく全国大会のカバレージライターをやるわけです。
恐らく、プレイヤーたちの苦心の末に生み出されたであろうデッキ選択やプレイングなどが存在するはず。
そうした情報を書き落としたくなかったので、今回はしっかりと準備をして当日を臨みました。アドバンス・オリジナルともに、相応量の練習をしています。
そのお陰もあって、プレイヤーたちとの共通の環境認識を持つことはできました。例えば「赤単vsJO退化は赤単がちょっと有利」という結論自体はあるわけですが、これが55%の有利なのか51%の有利なのか、ニュアンスを掴んでおくことはカバレージに於いても重要かもしれません。
また「この対面は先に〇〇をした方が有利になるから、それを巡った攻防がある」ことを予め知っておけば、カバレージの構成が組みやすくなります。
何より「このプレイヤーのこのプレイングには実はこんな背景があって……」といった、如何に全国プレイヤーたちのレベルが高いかを読者の皆さんにお伝えするには、やはり自分自身がある程度まで同じ目線・ゲーム観を持っていないといけない訳です。特等席をもらっている以上は、それくらいのことはしなくてはいけないでしょう。
私自身も久々にカバレージを書いたわけですが、普段記事を書いていることもあってブランクなどは特に感じませんでした。しかし時の変化というものはあって、数年前に書いていた文章と、いまの自分が書く文章とでは違いはあった筈です。2019年の文章をいまの自分は書かないし書けないですし、逆もまた然り。
これは進化、というよりかは変化でしょうね。たぶん明日同じ全国大会があったとしても、また違った文章を書くことにはなると思います。
自分の中で思うところはあったので、今後の大会ではまた違ったよいカバレージを書けるよう頑張っていこうと思います。
全国大会2019、カバレージ紹介
さて、ここからは全国大会2019の珠玉のカバレージたちをいくつか紹介していこうかと思います。
Round 1:YOSHIKI.N(青森県) vs. ZweiLance(東京都)
対戦カードは、5cドラグナーvs赤単。
【 クリーチャー 】
種族 ガイアール・コマンド・ドラゴン / ヒューマノイド爆 / ドラグナー / 文明 光/闇/火 / パワー6000+ / コスト7
■スピードアタッカー
■パワード・ブレイカー
■バトルゾーンにある自分のドラグハート1枚につき、このクリーチャーのパワーを+3000する。
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、または自分のターンのはじめに、自分のマナゾーンにあるカードと同じ文明を持つ、コスト5以下のドラグハート・ウエポンを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。(このクリーチャーに装備する)
■このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに自分のドラグハートを1枚、超次元ゾーンに戻してもよい。
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ビートジョッキー / レッド・コマンド・ドラゴン / レクスターズ / 文明 火 / パワー9000 / コスト8
■このクリーチャーを、コストを3少なくし、さらに、このターン、自分の他の火のクリーチャーを召喚していれば、追加で3少なくして召喚してもよい。そうしたら、このターンこのクリーチャーは可能なら攻撃し、その攻撃の後でこのクリーチャーを破壊する。
■スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
■W・ブレイカー
■このカードが離れた時、自分のクリーチャーをすべてアンタップし、このターンそれらに「スピードアタッカー」を与える。
本大会のオープニングゲームということだけあって、2年間で変わったもの、そして変わらないものについて書かれています。
Round 2:イヌ科(大阪府) vs. ユウキング/わいきん(岐阜県)
対戦カードはガイアッシュ覇道とキリコという、珍しいものでした。
【 クリーチャー 】
種族 ドラゴンギルド / ビートジョッキー / 文明 火 / パワー9000 / コスト10
■B・A・D 2(このクリーチャーを、コストを2少なくして召喚してもよい。そうしたら、このターンの終わりにこのクリーチャーを破壊する)
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが破壊された時、タップしていたら、このターンの後で自分のターンをもう一度行う。
■バトル中、このクリーチャーのパワーを+5000する。
(殿堂カード) 【 進化クリーチャー 】
種族 サイバーロード / オリジン / 文明 水 / パワー13000 / コスト8
進化-自分の「サイバー」と種族にあるクリーチャーまたはオリジン1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーをすべて、好きな順序で自分の山札の一番下に置く。その後、山札の上から、進化ではないクリーチャーが3体出るまでカードを表向きにする。その3体をバトルゾーンに出し、山札をシャッフルする。
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
書いているのはガチまとめでもお馴染みレッドくん。
各地方の有名プレイヤー同士の対決という、如何にも全国大会らしいカバレージですね。
個人的には「そんなことある?」みたいなシーンもあって、読み物としてかなり面白かったです。
Round 3:ランディー(奈良県) vs. マ・ヒーロー(新潟県)
対戦カードは、この日一番行われただろうJO退化の同型戦。
【 クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / ヒーロー・ドラゴン / レクスターズ / 文明 火/自然 / パワー7000 / コスト5
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーから進化できる、名前に《モモキング》とある進化クリーチャーを1体、自分の手札からこのクリーチャーの上に置いてもよい。
■シンカパワー:このクリーチャーが進化する時、このターン、このクリーチャーの攻撃の終わりに、このクリーチャーの一番上のカードを墓地に置いてもよい。そうしたら、このクリーチャーをアンタップし、カードを1枚引く。
これもまた随分と、時の変化について書かれたカバレージだと思ってます。印象深いですね。
Round 5:荒木。(福岡県) vs. fogion(山口県)
これもJO退化と赤単の対決です。
【 クリーチャー 】
種族 アウトレイジ / 文明 火 / パワー2000+ / コスト2
■バトル中、このクリーチャーのパワーを+2000する。
■相手のターン中に、相手のクリーチャーが召喚以外の方法で出る時、相手はかわりにそのクリーチャーを墓地に置く。
もっとも、これはデッキがどうこうというよりもプレイヤーたちの物語が紡がれてるカバレージですね。
「やっぱりこういうのだよなぁ……」とか思いながら私も読んでいました。
準々決勝:ナツメ(岡山県) vs.◆ドラ焼き(京都府)
これもJO退化のミラーマッチです。
【 スター進化クリーチャー 】
種族 ジョーカーズ / 禁断 / レクスターズ / 文明 闇/火 / パワー99999 / コスト2
■禁断スター進化:このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から進化ではないレクスターズが出るまで表向きにし、それをこのクリーチャーの下に置く。その後、山札をシャッフルする。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
■自分の他のレクスターズが出た時、自分の山札の上から1枚目を表向きにしてこのクリーチャーの下に置いてもよい。
■このクリーチャーは、カードが6枚以上含まれていなければ、攻撃できず、相手に選ばれない。
■このクリーチャーに含まれるカードが6枚になった時、このターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを-99999する。
■T・ブレイカー
プレイヤーとしても著名な二人の試合を、ガチまとめでお馴染みばんちきくんが担当しています。
マッチということもあって、プレイヤーの背景からプレイングの話、プレイヤーの思考までガッツリ記されているので、読み応えもありますね。
おわりに
というわけで今回はGoD特別編ということで、カバレージの話を中心に全国大会2019の振り返りとさせていただきました。
これからもカバレージは超CSやGP、そして次の全国大会でまた紡がれていくこともあると思いますので、ぜひぜひ楽しみにしてもらいたいです。
またカバレージを書きたいって人も増えると個人的には嬉しいかも。
そんなわけで、また次回の記事でお会いしましょう。
それでは、また。