【2021年5月環境】オリジナル最強デッキランキング【過去環境記事】

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【2021年5月環境】オリジナル最強デッキランキング【過去環境記事】

はじめに

 今、オリジナルがアツい。

 リモート推奨なこのご時世、超次元ゾーンやGR絡みで何かとトラブルの起きやすいアドバンスよりもオリジナルの方がフォーマットに採用されやすい傾向にあります。

 また、リアルでのCSにおいても追加のプロモが配布されるため競技的なプレイヤーの人気も高め。

 実際、このゴールデンウィークに開催されたCSの数はアドバンスよりもオリジナルの方が多く、まさに今をときめくフォーマットとなっています。

 今回はオリジナル環境の「今」について解説していきたいと思います!

目次

「最強」の定義

 本記事では最強デッキを「デュエル・マスターズ競技環境での相対的な強さ」と定義します。

 Tier1とは「環境内に不利なデッキが少ない、あるいは相性差を覆しやすいデッキであり、大会で持ち込みが一番多いと予想される対策必須のデッキ」です。

 Tier2とは「Tier1やTier2のデッキにある程度勝てる見込みがあり、大会でも毎回一定数いると予想されるデッキ」です。

 Tier3とは「弱点が多い、デッキパワーが低いなどの理由で使用者は少ないものの、特定のメタゲームでは活躍することができるデッキ」です。

新弾による環境の変化について

 まずは「王来編第1弾 王星伝説超動」のリリースによって環境にもたらされた変化について述べていきますが、実のところアドバンス環境との大きな違いはありません。

①優秀な3色カードの大量追加

②レクスターズの強力な進化元・スター進化

③《とこしえの超人》・《検問の守り 輝羅》

①優秀な3色カードの大量追加

 アドバンスで覇権を制している【5cコントロール】ですが、オリジナル環境でも健在です。

 《聖魔連結王 ドルファディロム》・《ドンドン火噴くナウ》・《龍風混成 ザーディクリカ》の3種はもはや不動のスタメンの立ち位置を確立しています。

 アドバンス構築でも同じ傾向にありますが、最近の【5cコントロール】のトレンドは3→5→7のマナカーブ

 《ドンドン火噴くナウ》と《龍風混成 ザーディクリカ》は5と7を綺麗に埋めつつ、デッキパワーの底上げに貢献してくれます。

 《聖魔連結王 ドルファディロム》はここに噛み合うわけではありますが、シンプルに強いフィニッシャー。

 《とこしえの超人》などがアドバンスよりも少ないことからリアニメイトギミックの通りがよく、《襲来、鬼札王国!》や《灰燼と天門の儀式》とともによく採用されています。

 現在進行形で新カードが続々と公開されている「20周年超感謝メモリアルパック 魂の章 名場面BEST」でも相性の良さそうなカードがちらほらあり、まだ見ぬカードが組み込まれて強化されることも十分に考えられそうです。

収録カードリストはこちら ▲

②レクスターズの強力な進化元VR・スター進化SR

 【ラッカ鬼羅.Star】・【4c鬼羅.Star】・【赤緑モモキングRX】などなど、アドバンス以上の躍進を見せるオリジナルのレクスターズ軍団。

 アドバンス環境以上に殴り合いを仕掛けてくるデッキが多く、5cにも《最終龍覇 グレンモルト》や《終焉の禁断 ドルマゲドンX》などの対策しづらい切り返しが採用されていないため、シンプルな横展開の通りが良い傾向にあります。

 他にもアドバンス環境との差異として、《阿修羅ムカデ<デスシラズ.Star>》や《モモスター ケントナーク》の採用がよく見られます。

 後述しますが、オリジナルは環境柄《とこしえの超人》や《検問の守り 輝羅》の採用枚数が少ない傾向にあるため、《阿修羅ムカデ<デスシラズ.Star>》は非常に強力な展開役として活躍しています。

 登場時能力でこのカードを引き込みつつコストが綺麗に繋がり、このカードで踏み倒したいカードを墓地に用意できる《ネ申・マニフェスト》や《虚∞龍 ゲンムエンペラー》との相性は非常に良好です。

 《モモスター ケントナーク》はオリジナル環境に跋扈する《異端流し オニカマス》に対して強気に出られる点が最大のセールスポイント。

シンカパワーによるアンタップキラー付与も便利で、複数ターンに渡って相手の盤面を制圧できます。

 マナ色補正も単色カードが増えがちな3色以上のレクスターズデッキにおいてはなかなかに優秀。

 総じて、際立った強い動きは少ないものの、痒いところに手が届く盤面制圧要員としてたびたび採用されています。

③《とこしえの超人》 ・《検問の守り 輝羅》

 超GR召喚やサイキック・ドラグハートの使用ができないオリジナル環境では採用率がそれほど高くありませんが、その油断を逆手に取って採用されるケースがいくつか見られるメタカードたち。

 昨今の【5cコントロール】はリアニメイトが頻繁に採用されるようになったほか、《阿修羅ムカデ<デスシラズ.Star>》をキーパーツのひとつとしている【4c鬼羅.Star】や、マナからの《虹速 ザ・ヴェルデ》を牽制できる【デッドダムド】に対しても一定の効力が得られます。

 また、最近は数を減らしている【ジョー星ゼロルピア】に対してはかなりクリティカル。

 《学校男》系のカードを引けなければ除去すらままならず、仮に引けていたとしてもこれらのカードを採用するデッキタイプは往々にして横展開を作りやすいため、1枚では解決にならないことがほとんどです。

 ただし、環境トップ群に位置する各種【ドギラゴン閃】系統に対しては革命チェンジそのものを止められず、手札からの踏み倒しオンリーな【ラッカ鬼羅.Star】に至ってはG・ストライク以外の役割をほぼ持てません。

 その影響力は、アドバンスと比べると非常に小さいと言わざるをえないでしょう。


 それでは、今弾のカードによる影響を振り返ったところで、Tierランキングを紹介していきましょう!

Tier1

【5cコントロール】Tier1


 《聖魔連結王 ドルファディロム》はオリジナルでもやはり強力。名実ともに王来篇を代表するデッキです。

 アドバンス環境と同じく《フェアリー・ミラクル》4枚+《天災 デドダム》4枚+αのコスト3ブースト札8〜9投体制が主流ですが、オリジナル環境ではより3→5の動きを強烈に意識したカードチョイスがなされます。

 《フェアリー・ミラクル》は2ブーストして5マナで次のターン開始を迎えることで。

 《天災 デドダム》は単色カードを手札に加えることで。

 このデッキの基本となるブースト札2種は、それぞれの理由からタップインが多い5cというデッキであっても3→5を達成しやすくなっているため、この基盤はかなり安定した動き出しが可能となっています。

 そして、3→5を意識したカードチョイスの最たる例として挙げられるのが、《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》

 アドバンスでも時折採用されるこのパッケージですが、オリジナル環境では噛み合わせがあまり良くなかった《最終龍覇 グレンモルト》が採用できないため、デッキとの噛み合いがより強くなっています。

 通常であればコスト7以下のクリーチャーを出して手札に戻す《ナウ・オア・ネバー》ですが、《龍風混成 ザーディクリカ》を出そうとすると「EXライフ」によるシールド追加があらゆる処理に割り込んで発生するため、手札に戻る際に置換効果でバトルゾーンにとどまります。

■EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く

 そのまま墓地に落ちた《ナウ・オア・ネバー》を再利用して《メガ・マナロック・ドラゴン》《悪魔龍 ダークマスターズ》で相手の動きを縛り、ターン終了時にバトルゾーンに残った《龍風混成 ザーディクリカ》で5500火力とドローをゲット、というのがお決まりの流れです。

 もちろん《龍風混成 ザーディクリカ》がなくとも、相手のカードに大きく干渉する《悪魔龍 ダークマスターズ》《メガ・マナロック・ドラゴン》の登場時能力が5マナで使えるだけでも非常に強力です。

 そして、呪文として使った《ナウ・オア・ネバー》は《龍風混成 ザーディクリカ》で使い回さなければそのまま墓地に残るため、《襲来、鬼札王国!》で《天命龍装 ホーリーエンド》としてリアニメイトすることで、実質的なスパーク呪文として活用できます。

 このギミックをより強く使いつつ、3→5を埋められる貴重な単色カードとして採用されるのが《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》、というわけですね。

 受けの枚数自体は多いものの、強力な受け札の多くがコスト5帯に集約されているため、《奇天烈 シャッフ》で5を宣言され続けながらビートダウンされるとそれなりに対処に困る点には注意が必要です。

 《轟く革命 レッドギラゾーン》や《その子供、可憐につき》と組み合わせて5と6を同時に宣言されてしまうと《襲来、鬼札王国!》さえ使えなくなってしまいます。

 《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》《テック団の波壊Go!》、《S・S・S》といった、《奇天烈 シャッフ》で止められない・コストをずらせるカードは少数でも採用しておきたいところですね。

 アドバンス環境では5cキラーとして名を上げている【青魔導具】ですが、オリジナル環境では少し話が違ってきます。

 《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》の採用率が高いためカード除去なしでは油断できず、トリガー《襲来、鬼札王国!》+《聖魔連結王 ドルファディロム》で盤面を流されてしまうとほぼ攻めきれないため、実はそれなりに貫通しにくいデッキタイプになっています。要注意。


【5cコントロール】に有利なデッキ

  • 【デッドダムド】
  • 【4c鬼羅.Star】

【赤青エクス】Tier1


 3t《“龍装”チュリス》+《蒼き守護神 ドギラゴン閃》+《龍装者 バルチュリス》は強い!!!

 デュエル・マスターズは5枚のシールドをブレイクしてダイレクトアタックをすれば勝つゲームなので、3ターン目にカード3枚を揃えるとトリガーがなければゲームに勝てるこのパッケージは言うまでもなく強力です。

 新弾での強化ポイントは主に2点。《隠れ潜む者 シードラン》と《大爆龍 ダイナボルト》です。

 《隠れ潜む者 シードラン》はジャストダイバーという新能力を持っており、出たターンの次のターンまで、相手の能力に選ばれず攻撃されません。

 2ターン目に出せばほぼ確実に3ターン目に攻撃でき、攻撃時能力でデッキトップに2ドローしつつデッキトップにカードを積み込めます。

 このことから、3ターン目にスピードアタッカーを召喚しつつ1点1点《龍装者 バルチュリス》チェンジ《蒼き守護神 ドギラゴン閃》を狙うプランと特に相性が良好です。

 《大爆龍 ダイナボルト》《ボルシャック・サイバーエクス》との相性が抜群。

 「革命チェンジは位相(タップ・アンタップなどの状態)を引き継ぐ」ため、アンタップ能力を先に解決してから入れ替われば、攻撃中にも関わらずアンタップ状態で《ボルシャック・サイバーエクス》が登場します。

もちろん、「攻撃中」という状態も引き継げるため、そのままW・ブレイク可能。

 似たような挙動をする組み合わせはありましたが、《大爆龍 ダイナボルト》はコスト4と軽く、さらに《ボルシャック・サイバーエクス》は元からスピードアタッカーを持っているため、その後再攻撃できる点が革新的。

 《ボルシャック・サイバーエクス》を《蒼き守護神 ドギラゴン閃》にチェンジしながら《龍装者 バルチュリス》を相手に見せれば、盤面ゼロ・相手のシールド5枚からトリガーをケアしたフィニッシュすらできてしまいます。

 《ゴリガン砕車 ゴルドーザ》よろしく相手のメタクリーチャーを無視して盤面で打点を出しにいく際にも重宝する1枚です。


【赤青エクス】テーマ解説

【赤青エクス】に有利なデッキ

  • 【ラッカ鬼羅.Star】
  • 【ジョー星ゼロルピア】

【ラッカ鬼羅.Star】Tier1


 アドバンス環境でも紹介した【ラッカ鬼羅.Star】ですが、主戦場はやはりオリジナル!

 《異端流し オニカマス》・《奇石 ミクセル》の鉄板メタクリコンビがフル採用されており、革命チェンジ系のギミックに対して非常に強く出られるデッキです。

 コスト4以下へのブロッカー付与まで持ち合わせているため地道にクリーチャーを並べてビートダウンで貫通を狙うことさえも難しい、まさに《蒼き守護神 ドギラゴン閃》殺しとも言えるデッキ。

 コスト4以下であれば文明を問わずなんでも展開可能で、いろんな角度から打点を出せるのでフィニッシュのバリエーションは多彩。

 きちんとプレイを詰めれば、《単騎連射 マグナム》《奇天烈 シャッフ》を巧みに操ってコントロール系デッキに勝利することも難しくないでしょう。

 妨害を絡めつつ素早く攻め立てるビートダウンデッキの鑑のようなデッキではあるものの、横展開を中心としたゲーム展開を標榜することから、マッハファイターを起点に盤面を制圧されると立て直しが難しい点は弱点のひとつです。

 特にハンデスと合わせてリソースを完全に制圧してくる【デッドダムド】は難敵。

 幸いにしてトリガーはそれほど厚くないデッキなので、除去耐性を持つ《「正義星帝」》で確実に《「正義星帝」<鬼羅.Star>》を着地させ、連撃を決めにいきましょう。

 《フェアリー・Re:ライフ》を踏むと止まってしまうのはご愛嬌。


【ラッカ鬼羅.Star】テーマ解説

【ラッカ鬼羅.Star】に有利なデッキ

  • 【4c鬼羅.Star】
  • 【デッドダムド】

Tier2

【4c鬼羅.Star】Tier2


 4月末に開発者が記事を公開し、瞬く間に環境上位の仲間入りを果たした最新デッキ。

 同じく《「正義星帝」<鬼羅.Star>》を主役に据えたデッキである【ラッカ鬼羅.Star】よりはむしろアドバンスの【4cヴァイカー】に近い、《葉鳴妖精ハキリ》+《天災デドダム》をベースとした基盤になっています。

 《Disカルセ・ドニー》をプレイするデッキでありながら、採用されている光文明のカードは8枚〜12枚程度。

 安定してはプレイしづらいこのカードをバックアップするのは、《葉鳴妖精ハキリ》と《阿修羅ムカデ<デスシラズ.Star>》です。

 2t《葉鳴妖精ハキリ》→3t《天災 デドダム》とプレイすればマナは4枚。手札を調整しつつ、《葉鳴妖精ハキリ》から《Disカルセ・ドニー》が召喚できるマナ数へバッチリ到達します。

 そのまま《葉鳴妖精ハキリ》の攻撃時に《Disカルセ・ドニー》を召喚すれば上に《「正義星帝」<鬼羅.Star>》が乗って3ターン目にして大暴れ、という寸法です。

 《阿修羅ムカデ<デスシラズ.Star>》は3マナ域のレクスターズから繋ぐことで真価を発揮するカードです。

 《ネ申・マニフェスト》や《虚∞龍 ゲンムエンペラー》から繋げば、安定して何かしらのクリーチャーは踏み倒し可能。もちろんコスト4以下ということで《Disカルセ・ドニー》もマナ色を無視してプレイできます。

 《「正義星帝」<鬼羅.Star>》や《葉鳴妖精ハキリ》から出すカードとしても強く、スピードアタッカーの少ないこのデッキの突破力を進化速攻で支えてくれるナイスカードです。

 また、《Disカルセ・ドニー》はマッハファイターかつコスト5以下のクリーチャーとバトルするときにスレイヤーを持つため、《モモスター ケントナーク》・《虚∞龍 ゲンムエンペラー》と合わせてメタクリーチャーへの対処手段となります。

 パワーは1000と低く、バトル後はほぼ確実に墓地に行ってしまうため、次のターンに《絶望と反魂と滅殺の決断》からの釣り上げを狙う派生構築も存在するようです。

 あらゆる領域をリソースにして展開を作る凄まじい動きのデッキですが、自分の展開に全力を注いでいるためメタビートの毛色は少し弱め。

 トリガーもほとんど切られた構築が多いため、《蒼き守護神 ドギラゴン閃》系を始めとした高速・高火力のビートダウンに対しては脆い印象です。


【4c鬼羅.Star】に有利なデッキ

  • 【赤青エクス】
  • 【赤白ドギラゴン閃】

【赤白ドギラゴン閃】Tier2


 3t目《“龍装”チュリス》+《蒼き守護神 ドギラゴン閃》の押し付けを有しつつも、《大爆龍 ダイナボルト》+《ボルシャック・サイバーエクス》+《蒼き守護神 ドギラゴン閃》のパッケージを最大限活用できるのが、この【赤白ドギラゴン閃】。

 《ボルシャック・サイバーエクス》と同じスピードアタッカーを持つ2打点の革命チェンジ要員として《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》が4枚フル採用

 コンボの達成に必要な革命チェンジクリーチャーが増えたのはもちろん、単純に《蒼き守護神 ドギラゴン閃》からめくれるSA2打点の枚数が倍になったため、その殺傷能力は【赤青エクス】以上です。

 《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》はドラゴンだけでなくファイアー・バードからもチェンジできるため、この利点をより活かすために足回りにもファイアー・バードが多く採られているのが特徴的です。

 水文明が抜けたことで手札調整手段は無くなったものの、近しい役割を持てるカードが十分採用されているため安定性にもさほど大きな難はありません。

 《チャラ・ルピア》はこのカラーリングならではの特徴的な採用カード。

 《奇石 ミクセル》にはやや弱いものの、《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》を3マナで、《大爆龍 ダイナボルト》に至っては2マナで、SA2打点として運用できるようになります。

 革命チェンジベースのデッキでありながら、これらのカードを駆使して《異端流し オニカマス》や《希望のジョー星》の上から打点を形成できるのは、環境上の強みだと言えるでしょう。

 余談ですが、受けトリガーとして採用されている《閃光の守護者 ホーリー》と《終末の時計 クロック》の違いは、現在の環境では意外にも小さくありません。

 現在の環境には《蒼き守護神 ドギラゴン閃》や《「正義星帝」<鬼羅.Star>》といった全軍アンタップ能力持ちがフィニッシャーとして使われやすいため、単純なトリガーのスペックで見れば《終末の時計 クロック》に軍配が上がる、という点は覚えておきたいですね。


【赤白ドギラゴン閃】に有効なデッキ

  • 【ラッカ鬼羅.Star】


【デッドダムド】Tier2


 《蒼き守護神 ドギラゴン閃》系には弱いものの、他の有力な選択肢が増えたことで再評価の流れがある【デッドダムド】。

 一見《蒼き守護神 ドギラゴン閃》系と似たようなデッキでありながら、速度の面では一歩譲り、横展開を作りに行く《「正義星帝」<鬼羅.Star>》系のデッキに対して一定の優位がある点が環境上の強みです。

 ハンデスも環境柄通りが良く、サンプルリストでは《解体人形ジェニー》を4枚フル採用しています。

 5c系のデッキに対しても《奇天烈 シャッフ》+《轟く革命 レッドギラゾーン》による呪文ロックの通りの良さ・《聖魔連結王 ドルファディロム》への耐性の高さから相性良し。

 「EXライフ」と「スター進化」という新弾で登場したギミックのどちらに対しても《SSS級天災 デッドダムド》の複数回除去が有効に働くため、アンチ「王来篇」デッキとして今後の活躍にも期待が高まります。

【デッドダムド】テーマ解説

【デッドダムド】に有利なデッキ

  • 【青魔導具】
  • 【赤青エクス】
  • 【赤白ドギラゴン閃】

Tier3

【青魔導具】Tier3


 スペルコンボの星として引き続き活躍中の【青魔導具】。

 やはり「《奇天烈 シャッフ》が効かない」というのは大きな強みであり、こちらでもアドバンスと同じく《音奏 プーンギ》やカード除去が数を減らしているのが大きな追い風となっています。

 しかし、アドバンス環境では最大の役割対象であった【5cコントロール】の構成が大きく違っているのが無視できないネック

 コンボを決めても《襲来、鬼札王国!》を直接踏まれたり、《ナウ・オア・ネバー》+《龍風混成 ザーディクリカ》で《襲来、鬼札王国!》を唱えられたり、《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》などから《ナウ・オア・ネバー》を唱えられたりと、様々なルートから《聖魔連結王 ドルファディロム》が飛んできて全てを破壊されてしまいます。

 アドバンス環境では《MEGATOON・ドッカンデイヤー》で貫通を狙えましたが、オリジナルではそれもなく。

 唯一、《終末の時計 ザ・クロック》は、採用していれば《聖魔連結王 ドルファディロム》地獄を乗り越えられる可能性があるカードです。

 自分の《凶鬼卍号 メラヴォルガル》《終末の時計 ザ・クロック》を踏み抜けば、相手のトリガーによって出てきたクリーチャーの登場時能力は全て無視できます。《聖魔連結王 ドルファディロム》の全体除去も使われなければ良いわけですね。

 このマッチアップを重く見るのであれば、《H・センボン》を採用して確実に《終末の時計 ザ・クロック》を能動的に埋めにいくのも一つの手でしょう。

 全体的に高速ビートダウンが多いオリジナル環境では、環境の想定するゲームレンジが短いのも向かい風。

 《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》がないため大抵のトリガーは一時凌ぎにしかならず、環境的な立ち位置はさほど良くないと言えそうです。

 ビートダウンが多い関係上、コントロール気味に立ち回りたいため《堕呪 ゾメンザン》は相変わらず0〜1枚がポピュラー。

このあたりもアドバンスとの環境の違いからくる差異でしょう。


【青魔導具】に有利なデッキ

  • 【赤青エクス】
  • 【赤白ドギラゴン閃】

【ジョー星ゼロルピア】Tier3


 構築もやることも、基本的には以前と変わらず。

 《希望のジョー星》存在下で《ゼロ・ルピア》を出し、大量の2コスルーターたちを起点としてコスト0になったムゲンクライム軍団でアドバンテージを回収、最終的に《無量大龍 トゥリナーツァッチ》でExウィンを狙うコンボデッキです。

 革命チェンジ大正義であった以前と比べると、レクスターズをはじめとした文明に依存しないギミックが増えたため、《希望のジョー星》の有効性が以前よりもやや低下。

 枚数自体はさほど多くありませんが、《とこしえの超人》や《検問の守り 輝羅》といったリアニメイトを禁じるカードを出されると非常に困る点も痛く、やや下火になりつつデッキタイプです。

 環境上カード除去が減っていることや、環境上位である【5cコントロール】にはシールドを割らないコンボという時点で一定の有効性を持っている点から、決して弱いデッキではありません。

 しかしながら、対策自体も比較的容易な部類に入るため、Tier上位に出てくるには大きな環境の偏りが必要になるでしょう。


【ジョー星ゼロルピア】テーマ解説

【ジョー星ゼロルピア】に有利なデッキ

  • 【ラッカ鬼羅.Star】

環境のまとめ

 大まかな構造としては、二大フィニッシャーである《蒼き守護神 ドギラゴン閃》・《「正義星帝」<鬼羅.Star>》を中心に、強力なカードパワーを有するコントロールデッキがそれに対抗する形。

 ビートダウンデッキがメインストリームであることから、ビートダウンでないデッキには受けの堅さや強烈なメタ手段などが要求されます。

 しかし、ここで二大巨頭の特徴を振り返ってみましょう。

 《蒼き守護神 ドギラゴン閃》は高速・高火力がウリでメタクリーチャーはあくまで添え物。

多くの場面で文明に依存し、かつ《奇石 ミクセル》などのコスト依存のメタが有効で、「出した数」での制限はさほど意味がありません。

 一方で、《「正義星帝」<鬼羅.Star>》は速度で劣るもののメタクリーチャーの質に優れ、文明にはあまり依存せず、低コストクリーチャー連打によってコスト依存のメタが通りませんが、数での制限にはかなり弱い側面を持っています。

 このように、近しい特徴を持ちながらも全く異なる対策を要求してくる二大巨頭は、同時の対策が困難であるため、ビートダウンという勝ち手段に対して構築上の優位を取れるデッキでなければまずスタートラインに立ちづらい、というのが現在のオリジナル環境です。

 そんな中で、これでもかと言わんばかりのカードパワーを詰め込み、《ナウ・オア・ネバー》を駆使した能動的な仕掛けまで組み込んだ【5cコントロール】は、その対応力の高さで上位陣に鎮座しています。

 このデッキに対して詰め手段として呪文ロックが有効であるため、《奇天烈 シャッフ》はビートダウンのお供として欠かせない存在に。

 そして《奇天烈 シャッフ》が強い環境であるため呪文を使ったコンボデッキは立ち位置が悪く。

 コンボデッキが少ないため【5cコントロール】に優位を示せるデッキが少なくなり、5cはより立ち位置を強め……。

 という正のスパイラルが発生し、【5cコントロール】は立ち位置をキープし続けていると予想されます。

 この環境に待ったを掛けられるとすれば、「ビートダウンに対して一定の耐性のある、《奇天烈 シャッフ》が致命的でないコンボデッキ」ということになりますが……。

 今のところ最も近い立ち位置にいるのは【ジョー星ゼロルピア】、次いで【墓地退化】といったところでしょうか。

 この二つのデッキの動向には注目していきたいですね。

おわりに

 使ってみたいデッキは見つかりましたでしょうか? この記事が皆さんのオリジナル環境に対する理解への一助となれば幸いです。

 それでは次回、5月のアドバンス環境解説記事でまたお会いしましょう!

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