【DM歴史探訪シリーズ一覧】
01. 「基本編」北白河
02. 「闘魂編」神結
03. 「聖拳編」垢BANチキン
04. 「転生編」ばにら(スガワラ)
05. 「不死鳥編」ばにら(スガワラ)
06. 「極神編」ばにら(スガワラ)
07. 「戦国編」◆ドラえもん
08. 「神化編」神結
09. 「覚醒編」神結
10. 「エピソード1」ばにら(スガワラ)
11. 「エピソード2」ばにら(スガワラ)
12. 「エピソード3」神結
13. 「ドラゴン・サーガ」ばにら(スガワラ)
14. 「革命」神結
15. 「革命ファイナル」神結
16. 「新章DM」神結
17. 「双極篇」神結
18. 「超天篇」◆ドラえもん
19. 「十王篇」垢BANチキン
こんにちは、神結です。
「ガチまとめライター、なんか千差万別だしそれぞれが詳しい時代の話をリレー的に書いたらだいたい網羅出来るんでないですか?」みたいなことを言ったら採用され、そしてバトンがいつの間にか自分の手元に戻ってきました。
実のところ、自分はそんなにデュエマの歴史を知識ベースでは知っていても実感ベースでは知らないことが多く、特に不死鳥編辺りはかなり勉強になりました。
さて、今回の時代は闘魂編です。
時は2003年まで遡ります。
当時の私はというとバリバリの小学生です。いわゆる"対象年齢"として遊んでいた貴重な時期になります。
「ターンの始めにアンタップし忘れたら攻撃出来ない」みたいな言ったもん勝ちの都市伝説ルールが何故か適用されていたり、放課後にパックを買うために隣町まで自転車を飛ばして遊びに行ったりと、如何にも小学生っぽい楽しみ方をしていました。
というわけで当時の思い出も絡めながら、闘魂編について振り返ってみようと思います。
目次
闘魂編の頃の思い出
私は闘魂編のスターターセットを買ってもらってデュエルマスターズを始めることが出来ました。
このスターターセットはルールブックとハーフデッキが2つ入ったセットで、兄に遊んでもらった記憶があります。
ちなみに最初に当たったレアカードは《ガイアクロウ・ワスプ》でした。
【 クリーチャー 】
種族 ジャイアント・インセクト / 文明 自然 / パワー4000+ / コスト7
パワーアタッカー+3000(攻撃中、このクリーチャーのパワーは+3000される)
W(ダブル)・ブレイカー(シールドを攻撃したとき、このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
このクリーチャーがブロックされるとき、相手のシールドが1枚でもあれば、そのうちの1枚をブレイクする。
これ、ベリーレアなんですよ。
能力を見て「なんでこれがVRなの?」って思う人も多いでしょうし、私としても当たりという印象はなかったですし、実際問題環境で使われた訳ではないのですが、当時の我々って《デーモン・ハンド》とか《ナチュラル・トラップ》といったような貴族のカードは持ってないんですよ。
ちなみにデーモンハンドを4枚持っている友人は一人もいませんでした。
そういう意味では当たりやすい《スパイラル・ゲート》は凄いありがたいカードだった訳ですが……。
また、持っているデッキもコンセプトからどうこうというよりは、「自分が持っているカードの中で、一番強いカードの文明に何かを足した2色くらいのデッキ」がスタンダードだったんですね。
つまりどういうことかというと、純粋なWブレイカーって友人同士の対戦ではまあまあ強かったんですよ。
緑単の友人に《青銅の鎧》から《激昂するダッシュ・ホーン》とか決められた際には普通に激昂してました。
というわけでスターターセット上がりの自分としては、こんな《ガイアクロウ・ワスプ》さんも場に出せば一応は使えるカードだったりしました。
Wブレイカーは偉大という訳です。
もっともこの辺りの話は、住んでる場所や地域によって大きく違いがありそうです。
私の場合は仙台の中でも「最寄り駅に行くより最寄りのスキー場に行く方が近い」とかいう山の麓の田舎環境だったのその程度のレベルだったんですが、都会だったり近くにカードショップがあるような環境だとまた違ったんでしょう。
少なくとも「《アストラル・リーフ》のデッキを持っている人が団地で1人しかいない (これは私の地元の話です) 」とか、そういう環境ではなかったでしょうね……。
闘魂編で登場したカードたち
闘魂編第1弾 ~憧れのボルメテウス~
前述した通り、闘魂編の第一弾はスターターセットも出たくらいですので、デッキを作る上での基礎となるカードが多数収録されました。
まさかその後20年近くもデッキの基礎となるとは思わなかったでしょうが……。
というわけで闘魂編で一番有名なカードと言えば《フェアリー・ライフ》でしょう。
【 呪文 】
文明 自然 / パワー- / コスト2
S(シールド)・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加えるとき、コストを支払わずにすぐ唱えてよい)
自分の山札の上から1枚目を、自分のマナゾーンに置く。
私はこのバージョンのライフを未だに愛用しています。
現代に至るまで似たような役割のカードは数多く登場しましたが、トリガーを持っているお陰で未だに序列的にはトップでしょうね。
また同じように長く使用されているカードと言えば、《神秘の宝箱》や《エナジー・ライト》なども挙げられますね。
【 呪文 】
文明 自然 / パワー- / コスト3
自分の山札を見る。その中から自然以外のカードを1枚選び、自分のマナゾーンに置いてもよい。その後、山札をシャッフルする。
【 呪文 】
文明 水 / パワー- / コスト3
カードを2枚引く。
《神秘の宝箱》はそれなりにデッキを選ぶカードで、《エナジー・ライト》も今年に入って遂に《エナジー・Re:ライト》という上位互換カードが登場しましたが、それでも20年近くデュエマを支えてきたことには変わりないでしょう。
またデュエマの顔と言えるカードが登場したのもこの弾です。
ご存じ、《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》です。
【 クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 火 / パワー7000 / コスト7
W(ダブル)・ブレイカー(シールドを攻撃したとき、このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに持ち主の墓地に置く。(その「S(シールド)・トリガー」は使えない)
あまりに有名なカードですが、SRということもあって自分の周りでは誰も持っていなかったですね……。
だから実物を見たこと無かったんで、個人的にはあんまり思い入れがないんですよね。
レアリティの問題もありますが、どちらかというと《ヘル・スラッシュ》の人気でした。 山札切れを狙うというよりも、みんな強いSRなんて1枚くらいしか持っていないからさっさと引っこ抜いちゃおう、みたいな使い方。
その他の著名なカードとしてはインビンジブルシリーズや、速攻でお馴染み《襲撃者エグゼドライブ》、ガーディアンコントロールの核である《守護聖天アーク・バイン》、竜が唯一友とする《コッコ・ルピア》、コントロールの相棒《バザガジール・ドラゴン》などなど……。
こうみると結構有名どころが多いですよね。
闘魂編第2弾 ~その拳は語り合うため~
渋いことである意味有名なパックです。
何もないです、次に行きましょう。……と、言いたいところですが、全くないというわけでもないのが難しいところ。
全体的に首を捻るカードが多い中で、何故かキラカード(VR、SRの光っているカードをこう呼称していました)でもない二種のカードが超強力でした。
《呪紋の化身》と《地獄万力》ですね。
(プレミアム殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ミステリー・トーテム / 文明 自然 / パワー6000 / コスト6
W(ダブル)・ブレイカー(シールドを攻撃したとき、このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする)
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、相手は「S(シールド)・トリガー」を使えない。
【 呪文 】
文明 火 / パワー- / コスト7
バトルゾーンにある相手のクリーチャーを、パワーの合計が8000以下になるように好きな数選ぶ。相手はそれを持ち主の墓地に置く。
多くの小学生が「万力」という工具をコレで知ったかと思います。
前者はシンプルにトリガー封殺、後者は複数面を処理出来るコントロールのお供として活躍することになります。
まあ特定の強力なトリガーをしっかり4枚積める訳ではなかった当時の小学生の間で《呪紋の化身》が強かったかというとちょっと微妙だったんですが、《地獄万力》に関しては本当に強かったと記憶しています。
その他そこそこ使われたカードというと《メビウス・チャージャー》、《飛行男》や《クック・ポロン》くらいでしょうか。
とはいえ「チャージャー」という種類のカードが登場したことで、デュエマはまた一歩前に進みましたね。
ちなみにドラゴンとも拳で語り合えることでお馴染みの《残虐覇王デスカール》さんもこの弾です。
割とネタにされることも多いカードですが、当時から「なわけねーだろ」と結構ネタにしていたと記憶しています(というよりも、当時からネタになっていたお陰でいまでも愛されているんだと思います)。
まあこの時期のドラゴンはどいつもコイツもカードパワーがアレなんで、あながち間違ってないような気もします。次弾が出るまでは。
闘魂編第3弾 ~俺たちの超竜バジュラ~
前回の反省を生かしたのか、ちゃんと強い弾となりました。
新能力ではターボラッシュが登場。《紅神龍ジャガルザー》などは長らく使われる切り札的ドラゴンになりました。
ですが、やっぱりこの弾と言えば超神龍……《超竜バジュラ》を始めとした強力な進化ドラゴンでしょう。
(殿堂カード) 【 進化クリーチャー 】
種族 アーマード・ドラゴン / 文明 火 / パワー13000 / コスト7
進化-自分のドラゴン1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃するとき、相手のマナゾーンからカードを2枚まで選ぶ。相手はそれを持ち主の墓地に置く。
T(トリプル)・ブレイカー(シールドを攻撃したとき、このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする
当時は進化元が微妙でしたが、それでも出てしまえばこのカードは本当に強かったですね。
ちなみに現代デュエマに詳しくない方に説明しますが、このカードは《王来英雄 モモキングRX》とかいうカードのお陰で、現在進行形で環境トップのデッキに採用されています。化け物です。
なお当時の思い出を話すと、天は友人には《超竜バジュラ》と《紅神龍ジャガルザー》を、私には《エンペラー・アクア》と《暗黒皇女メガリア》を与えました。なんで?
その他レア以下でも強力なカードが多いです。
《予言者マリエル》、《スケルトン・バイス》はともにだいぶヘイト値の高いカードで、それぞれ殿堂・プレ殿カードとなりました。
(殿堂カード) 【 クリーチャー 】
種族 ライトブリンガー / 文明 光 / パワー1000 / コスト4
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、パワー3000以上のクリーチャーは攻撃できない。(パワー3000未満のクリーチャーが、攻撃中にパワーが追加された場合、攻撃することができる)
(プレミアム殿堂カード) 【 呪文 】
文明 闇 / コスト4
相手の手札から2枚見ないで選び、相手はそれを持ち主の墓地に置く。1枚しかない場合は、相手はその1枚を持ち主の墓地に置く。
また前弾では微妙だったチャージャー系にも《クリムゾン・チャージャー》、《ブレイン・チャージャー》、《リバース・チャージャー》という強力なチャージャーが追加されたことで、かなり実戦で使いやすいカードとなりました。
また人気どころで言えば《幻想妖精カチュア》もこの弾ですね。
闘魂編第4弾 ~そしてデュエマは種族の時代へ~
《アクア・マスター》、《紅神龍オグリストヴァル》、《驚天の超人》といった残念SR3人衆も収録されています。
しかし、それを差し引いても《光器ペトローバ》は別格的なキラメキを放ったと言っていいでしょう。
【 クリーチャー 】
種族 メカ・デル・ソル / 文明 光 / パワー3500 / コスト5
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、メカ・デル・ソル以外の種族を1つ選ぶ。バトルゾーンにある、その種族のクリーチャーのパワーは+4000される。
このクリーチャーがバトルゾーンにある間、相手がクリーチャーを選ぶとき、光器ペトローバを選ぶことはできない。
種族を選んでパンプアップする効果、そして選ばれない効果は強力で《アストラル・リーフ》らが殿堂した後の世界を象徴するカードといっていいでしょう。
このあと比較的すぐに登場した《凶星王ダーク・ヒドラ》と並び、デュエマは「種族デッキ」の時代に突入していくことになりました。
実際の環境だとまた違ったのでしょうが、光のデッキを使っている人はペトローバを、闇系のデッキを使っている人はヒドラを、みたいな感じに分かれましたね。
その他のカードで言えば、《ロスト・チャージャー》もこの弾に収録されました。
(プレミアム殿堂カード) 【 呪文 】
文明 闇 / コスト3
自分または相手の山札を見る。その中からカードを1枚選び、持ち主の墓地に置いてもよい。その後、そのカードの持ち主は山札をシャッフルする。
チャージャー(この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く)
ロストはこのLOを狙ったコントロールデッキや、リアニメイト系(墓地にキーとなるクリーチャーを落として蘇生させる)のデッキで活躍していくこととなります。
またコントロールで言えば《サウザンド・スピア》も強力ですね。
【 呪文 】
文明 火 / パワー- / コスト6
バトルゾーンにあるパワー4000以下のクリーチャーをすべて持ち主の墓地に置く。
あとは個人的に思い入れがあるカードとして、《猿神兵アッシュ》というカードがあります。
まあ正確に言えば思い入れというよりトラウマに近くて、リーフを失った友人が何故か【アッシュランデス】に目覚めてしまって、みんなをボッコボコにしていたという話なんですけどね……。
闘魂編で活躍したデッキ
さて、私たちが《幻惑ベリー》の攻撃を《不屈の使徒チーキ・クーレ》でブロックするなどというやり取りをしている頃にガチ勢の皆様は何をしていたかと言うと、相変わらず《アストラル・リーフ》をしていました。
闘魂編に入ったデュエルマスターズでしたが、基本編(北白河さんが書いています)で最強だったリーフの牙城は崩せなかったんですね。
しかもリーフはちゃっかり《エレガント・ランプ》まで獲得しており、更に強化されてしまいました。このデッキとは何回かやりましたが、まるで勝てる気がしませんでした。
また私は実際に遭遇したことはなかったのですが、「《アストラル・リーフ》を《メビウス・チャージャー》でマナに送ってリソースを伸ばし、《ロスト・ソウル》や《地獄万力》などを大型呪文を唱えて有利を作る」という【ターボメビウス】も流行していました。
当時は情報速度などの問題もあっていつ頃出始めたのか正確にはわからないのですが(如何せんカードだけなら闘魂編第2弾までで成立するデッキなので)、どうやら闘魂編第3弾(DM8)までには流行していたようです。
(闘魂編第3弾の発売後は《エレガント・ランプ》→《グレープ・ジェリー》になります)
やはり《アストラル・リーフ》が最強なのか……と思われましたが、闘魂編第3弾と第4弾の間で、DMで初めての制限――つまり殿堂です――が発表されます。
《エメラル》、《アストラル・リーフ》、《サイバー・ブレイン》、《ストリーミング・シェイパー》、そして何故か誰も使っていなかった《ディープ・オペレーション》が殿堂したことで、水文明単体でデッキを作ることは困難になります。
ちなみに地元では「まあなんか殿堂らしいけど俺らには関係ないから」みたいなことを言って普通に《サイバー・ブレイン》を複数枚入れている奴もいましたし、謙虚にリーフを解体した奴もいました。
これは後に《アクアン》が殿堂したときも同じことが起きました。
まあ大会と無縁な場所なんてそんなもんです、という話でも済むんですが、小学生が「君のデッキ、もう使えないよ?」って言われてもすぐに代替デッキを用意出来るものでもないので……。
特にいまでこそ「殿堂」というのは皆が知っているルールですが、初めて制定されたルールで「殿堂でカードが~」とか言われても普通に「なんのこと?」って反応になりますよね。
さて、話は戻しますが、アフターリーフの世界で覇権を取ったのは同じくドローソースである《アクアン》でした。
【アクアンホワイト】や【アクアンブラック】といったデッキが環境に入り込んで来ます。
このカード、基本編からあったんですが、いかんせんリーフが強すぎて環境では使われなかったみたいなんですよね。
友達の間ではよく見掛けましたけど。(多分コロコロコミックでプロモが配られたからだと思います)
上でも書いたように、《光器ペトローバ》の登場とその後の《凶星王ダーク・ヒドラ》によって、種族系のデッキが台頭していくこととなります。
まぁ、それもあるドラゴンによって破壊されてしまうのですが……。
おわりに
というわけで闘魂編トークでした。
出典:デュエル・マスターズ公式
当時の環境の話なんかはインターネットを掘っていけばそれなりの解像度で確認することも出来るようになってきましたが、当時の小学生視点の文献はあまり見付からなかったので、それなりにユニークな記事にはなったんじゃないでしょうか。
ところでタイトルに「君は《フェアリー・ライフ》を撃つ」とか書きましたが、記事を読み返してみるとほとんど撃ってませんでした。
うーん、リーフ最強! アクアン最強!
しかし以前に神化編の話を書いたときには「戦時中の話をおじいちゃんから聞いてるみたい」なんてコメントをいただいたのですが、ここまで遡ると最早神話や伝承の類いに近いですかね……。
さて、次回ですが時代は一気に進んで、ドラゴンサーガ編をばにらさんが担当してくれます。
感想等は #DM歴史探訪 でツイートをお待ちしております。
というわけで、それではまた次回~。
デュエル・マスターズ歴史探訪シリーズ一覧
【DM歴史探訪シリーズ一覧】
01. 「基本編」北白河
02. 「闘魂編」神結
03. 「聖拳編」垢BANチキン
04. 「転生編」ばにら(スガワラ)
05. 「不死鳥編」ばにら(スガワラ)
06. 「極神編」ばにら(スガワラ)
07. 「戦国編」◆ドラえもん
08. 「神化編」神結
09. 「覚醒編」神結
10. 「エピソード1」ばにら(スガワラ)
11. 「エピソード2」ばにら(スガワラ)
12. 「エピソード3」神結
13. 「ドラゴン・サーガ」ばにら(スガワラ)
14. 「革命」神結
15. 「革命ファイナル」神結
16. 「新章DM」神結
17. 「双極篇」神結
18. 「超天篇」◆ドラえもん
19. 「十王篇」垢BANチキン